GenomeMatcher project homepage
GenomeMatcher, a graphical interface for comparative genomics

Contents

Link

GenomeMatcher Instruction Manual ver.1.412

このマニュアルについて

本取扱説明書を読むまえにいくつかの点にご留意下さい。

  1. GenomeMatcherの画面上にあるパーツの多くには、利用上のヒントが書き込まれています。ポインタを重ねて下さい。
  2. このソフトウエアでどのような解析が可能なのかについて知りたい人はギャラリーをご覧ください。
  3. 動画マニュアルはこちら
  4. GenomeMatcherはMacOS10.3以降で動作します。
  5. 基礎知識のページもどうぞ。こちらでは、各機能を理解する上での言葉の解説ページとなっています。
  6. コンセプトのページでは、GenomeMatcherと付属機能に共通する事項や、本ソフトウエアに固有の事項について説明しています。


GenomeMatcherとその付属機能の概要

GenomeMatcherの主機能および付属機能の概要は以下の通りです。詳しくは各マニュアルページをご覧ください。

主機能および付属機能はGenomeMatcher Projectに属します。機能をご利用いただいた場合は公表時にGenomeMatcher Projectの論文(すなわちGenomeMatcherの論文)をご引用下さい。

主機能

DNA配列を各種比較プログラム(bl2seq、blastall、MUMmer)で比較した結果を二次元にグラフィカルに表示する機能です。複数ゲノムの相互比較といった大きなスケールの比較から、数十塩基といった小さいスケールの比較まで、効率良く解析できるように考えて作りました。アノテーションが参照可能、描画の基となっているテキストデータが参照可能、再解析が容易、ベクターグラフィックスが出力可能など既存の他のソフトウエアにない特色を多く備えています。

付属機能

付属機能は、「アクセサリ」メニューから起動できます。GeneDrawerとmultiFASTAModeに関しては、未完成のため"テスト中"としていますが十分使えるのではないかと思います。

「アクセサリ」メニュー

CompareSequences

複数の配列について1対1の比較を繰り返して表示する機能です。つまり配列Aを配列Bと、配列Bを配列Cというように順番に比較することができます。複数の配列それぞれに対して、興味ある遺伝子の相同遺伝子を探して自動的に表示位置を調整する機能がついています。この機能を使うと興味ある遺伝子の周辺構造について、例えば10種の近縁種について相互比較することができます。また総当たり比較をするモードへ移行することができます。

MassiveBLAST

イルミナ社の次世代シーケンサー「solexa」から得られた大量のリードを、任意のBLASTデータベースに対して検索を行って、相同性が見られるリードを抽出する機能です。大量リードを分割し、また分散コンピューティングXgridを利用することでより高速な処理が可能です。メタゲノムDNA由来のリードを解析するために作成しました。multi FASTA形式のデータを基にBLASTデータベースを作成するGUIもついています。

GeneDrawer

数値データを基にグラフィックスを作成する機能です。描画できる形(グラフィック要素) は限られますが、表計算シートなどで編集した大量のデータをグラフィックスに変換することができます。

multiFASTAMode

たくさんあるコンティグリファレンスゲノムと比較して、結果をグラフィカルに表示する機能です。相同性が見られた位置に従ってコンティグの順番を並び替える機能もあります。特定のコンティグについてメイン機能で詳細に比較することが可能です。

RecordMatcher

2つのデータのペアがあるとき、その一方を指定することで、もう一方を知ることができる機能です。例えば、郵便番号と住所の関係があるときに、郵便番号を指定すると、住所を知ることが出来ます。郵便番号が1件しかなければ検索機能などを使ってすぐに答えを知ることができますが、郵便番号が10000件あってその対応する住所を調べなくてはならいとしたらどうでしょうか?RecordMatcherはそのような問題を解決します。

DataCounter

文字列よりなる集合がある時に、それぞれの文字列がいくつあるか数えてくれる機能です。

SequenceRetriver

DNA配列の指定した位置の配列を出力する機能です。複数を同時に指定できますので、例えば、あるゲノムの全遺伝子についてその位置がわかっているとき、その全部についてDNA配列を取得することができます。なお、アミノ酸配列に変換して出力することもできます。

StringFormatter

文字列を取り扱うための機能です。改行コードの変更、複数同時検索置換、指定タグに囲まれた文字列の変換、など通常のテキストエディタにはできないような機能がついています。表計算シートで編集したデータをワンクリックでmulti FASTA形式に変換する機能もついています。

ExtractFromGenBankFile

GenBank形式のデータを表計算シートに適合する形に変換する機能です。指定したfeature keyおよびqualifierに関連するデータを抽出します。

BLASTinterface

ローカルな環境で(ユーザのパソコンの中で)BLASTを実行するための機能です。既存のBLASTデータベースに対して検索することができますが、配列データを含むファイルを指定して実行することもできます(BLASTデータベースが内部的に作成されます)。またBLASTの結果を表計算シートに適合する形に変換する機能がついています。

DinucleotideBiasSignature

2塩基組成の偏りを計算する機能です。入力配列全体についてAAからTTまでの16通りの配列の出現頻度を調べ、16個の数値よりなるバイアスデータを算出します。これと、配列の各部分(例えば1kbの)のバイアスデータとの差異(バイアスディファレンス)を計算します。すなわち配列中の各部分の配列の組成が、配列全体の組成と比べてどれぐらい異なっているかについての値を与えます。外来領域の推定などに利用できます。

PrimerFinder

複数のDNA配列の中の1カ所の指定部分から、3'末端の指定長が配列全体に対してユニークであるようなprimer候補を抽出します。PCR primerのデザインはもちろん、ゲノムを鋳型としてシーケンス反応を行うときに必要とされる特異性の高いprimerのデザインに有用です。指定したTm値を超えるような配列を、各種のチェック項目の結果と併せて表示します。2つのprimer配列を入力して、primer dimerが形成されうるかをチェックすることもできます。

ArcWithColor

数値データを基に弧など円にそったグラフィックスを作成することができます。サーキュラーゲノムマップ、プラスミドマップの作成に有用です。4種のデータについて(GC-skew、GC content、dinucleotide signature、他配列との相同性検索結果)簡便に描画できるように描画用のデータを作成する機能もついています。このソフトはGenomeMatcherの付属機能ではなく、独立したソフトです。ダウンロードページよりご入手下さい。

ContigAligner

複数のコンティグを、リファレンスゲノムに対して貼り付けてグラフィカルに表示する機能です。隣接するコンティグを予想することができます。またコンティグを2つ(あるいはもっとたくさん)選択すると、そのコンティグ間のギャップを埋めるのに必要なprimer配列の候補を出力します。