こんにちは。私は、青森県立八戸高等学校 1年生 濤岡 空と申します。
遅くなりましたが、第1回講義の感想を述べさせていただきます。科学者の卵養成講座の最初の講義だったので、実際のオンラインの講義がスタートするまで、とても緊張しました。念願が叶って受講できることになった科学者の卵の大切な講義が、私の不手際で受講出来なかったらどうしようかと、接続した後も講義が始まるまでの間、パソコンの前から離れる事ができませんでした。しかし、講義がスタートするとその不安を感じることが無くなるほど、私にはワクワクする時間でした。ここで、自分が講義を聴いて感動したことや感想を書きたいと思います。
今回の講義のメインテーマはアグロバクテリウムによる遺伝子操作をMRSA感染症の特効薬としようというものでした。初め私はこのMRSAという感染症に大きな恐怖心を感じました。その最大の理由はMRSAが家畜の感染によりその肉を口にした人々が感染してしまうという事例が増えているということです。これは私たち消費者の身近に潜む危険なのです。しかも皮肉なことに家畜へのMRSAの感染は人間が感染症対策として投与した抗生物質の大量使用が原因なのです。将来の畜産業界が不安になりましたが、それ以上に抗生物質にもすぐさま適応できる病原体の強さに驚きました。
これらの深刻な問題の打開策として考えられているのが遺伝子組み換えの技術です。私は初め遺伝子組み換えは人間の都合よく操作できるため比較的単純な作業で行えるのではないかと考えていました。しかしそれは間違いではないかと思いました。生物学は奥が深いもので、思ったように操作できることの方が少なくほとんどが複雑な実験の上に成り立っているのではないでしょうか。そしてその実験をスムーズに行うには実験前の前提となる考えを持って実験の目的を明確に持つ事が大切だと思いました。今回の講義で話題となった実験では耐性菌の出現を抑える抗菌タンパク質が注目されていました。実際抗菌タンパク質を生産出来る生物として植物が挙げられており私はその万能性に驚きました。ただ講義では『植物の抗菌タンパク質の生産量では足りず実用化は現実的ではない』とされており、生産量を増加させる実験が行われていました。この場面もあらかじめ植物利用の問題点である『抗菌タンパク質の生産量の少なさ』に気づいていたからこそ、どのような実験を行えば良いかという実験の方針がたったと思います。実験前の考察、『仮想実験』が大切だと気付きました。私はまだまだ考察能力が弱いので日々訓練していきます。
また講義全体を振り返って今の科学技術は本当に守備範囲が広く身の回りにも沢山存在している事を実感しました。この講義を機に未知の分野にも果敢に挑戦していこうと思います。
終わりに、今春、高校入学してから、COVID-19の影響で入学式の簡素化や出来なくなった学校行事がある中、科学者の卵養成塾に参加出来ることは私にとって希望でした。科学に興味を持つ同年代の人をパソコンの上でも感じる事が出来ます。そして何より、東北大学のレベルの高い講義をわかりやすく教えていただき、そこに参加できる事が喜びでいっぱいです。講義していただく先生はもちろん、準備して頂いた先生方、本当にありがとうございます。これからの一つ一つの講義も、とても楽しみです。自分の夢の実現ため、与えて頂いたチャンスを最大限活かし、講義からからより多くの事を吸収できるようしっかり準備して臨みたいと思います。これから、よろしくお願いします。
投稿者:事務局 |個別ページ