平成28年度文部科学省科学研究費補助金 新学術領域研究

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植物新種誕生原理植物新種誕生原理

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研究経過

UC Davisにて国際共同研究を開始しました(木下班)

January 26, 2018 5:59 PM

main:木下班

木下班の殿崎薫(学術振興会特別研究員)は,2017年10月19日からアメリカにあるカリフォルニア大学デイビス校のLuca Comai教授の研究室へ留学しました.

渡航先では,バイオインフォマティクス解析技術の習得を目指すと共に,イネの 胚乳で見られる種の障壁の分子機構に関する国際共同研究を行います.

 

渡航するにあたり,本領域の国際支援班からのサポートをいただきました.

 

殿崎薫

学術振興会特別研究員、

横浜市立大学木原生物学研究所

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【プレスリリース】木原均・西山市三博士が提唱した極核活性化説をイネを用いて実証(木下班)

December 22, 2017 11:50 AM

Category:研究成果

main:木下班

横浜市立大学木原生物学研究所の殿崎 薫博士(日本学術振興会特別研究員)と木下 哲教授らのグループは、国立遺伝学研究所との共同研究により、栽培イネと野生イネの種間交雑で見られる種の障壁を、母親である栽培イネの倍数性を人為的に倍加させることによって打破し、発芽可能な種子の獲得に成功しました。

 

この成果は、1930年代に木原 均博士らにより発案され、1978年に西山市三博士らによって提唱された、父親(精核)由来ゲノムと母親(極核)由来ゲノムの胚乳発生に対する効果の違いを説明した"極核活性化説"を、イネ属を用いて実験的に証明する結果となりました。さらに、父・母由来ゲノムの機能差(胚乳発生に対する効果の違い)の原因となっているインプリント遺伝子の発現が、種の障壁の打破と関連があることを示しました。

 

今後は、種の障壁のさらに詳細な分子機構の解明を目指すとともに、他の作物の品種改良に貢献できる手法開発を進めたいと考えています。

 

◆プレスリリース詳細はこちら

横浜市立大学プレスリリース

 

<発表論文>

Overcoming the species hybridization barrier by ploidy manipulation in the genus Oryza
Kaoru Tonosaki, Daisuke Sekine, Takayuki Ohnishi, Akemi Ono, Hiroyasu Furuumi, Nori Kurata and Tetsu Kinoshita
The Plant Journal, DOI: 10.1111/tpj.13803

第34回井上学術賞(井上科学振興財団)を受賞しました!(領域代表 東山哲也教授)

December 22, 2017 10:20 AM

Category:受賞関連

main:東山班

この度、領域代表の東山哲也教授(名古屋大学トランスフォーマティブ生命分子研究所)が、第34回井上学術賞を受賞されました!

 

東山教授はこれまで、独自に開発したライブセルイメージング技術を駆使した研究を展開し、140 年間不明であった花粉管誘引物質 LUREの実体解明に成功し、花の中での受精過程の実態を明らかにしました。また、細胞の挙動や反応を正確にとらえることで、背景に潜む分子機構や鍵分子の解明を進めてきました。今回、これらの研究成果や開発された技術が、植物生殖研究のみならず生命科学全般に広く波及効果を持つものであると高く評価され、この度の受賞となりました。

おめでとうございます!

 

贈呈式は2018年2月2日に行われる予定です。

(研究題目「研究題目 ライブセル解析による植物生殖機構の解明」)

 

◆詳しい受賞理由は、こちらをご覧ください。

2017年度受賞者の決定について(受賞者氏名)

井上学術賞受賞者の研究業績の大要

二粒系コムギとAegilops umbellulataの種間交雑と雑種形成

November 28, 2017 11:04 AM

Category:研究成果

main:宅見班

宅見班では、二粒系コムギと近縁2倍体種であるAegilops umbellulataの雑種形成に関する研究成果をPlant Molecular Biologyの12月号に報告しました。

異質6倍体であるパンコムギは、二粒系コムギ(AABBゲノム)とタルホコムギ(Aegilops tauschii, DDゲノム)の雑種に由来しますが、タルホコムギではなくAegilops umbellulata(UUゲノム)との種間交雑だとそのような不都合が生じるのかについて解析を行いました。多くのAegilops umbellulata系統を二粒系コムギに人為的に交雑して雑種を作出したところ、Aegilops umbellulataはタルホコムギよりも交雑親和性も低く、種間雑種の生育異常が生じる交雑組合せの頻度も高いことがわかりました。また、種間雑種で見られる生育異常は、二粒系コムギとタルホコムギの雑種で見られる生育異常とは異ったタイプのものが多く生じました。やはり、Aegilops umbellulataよりもタルホコムギの方が、パンコムギの親となるチャンスには恵まれていたようです。

Aegilops umbellulataについては、Plant Molecular Biologyの12月号の表紙にその写真が出ておりますので、合わせてご覧ください。

発表論文:M. Okada, K. Yoshida and S. Takumi (2017) Hybrid incompatibilities in interspecific crosses between tetraploid wheat and its wild relative Aegilops umbellulata. Plant Molecular Biology 95: 625-645.

(リンク先:https://link.springer.com/article/10.1007/s11103-017-0677-6

伊藤公募班ーオーキシンによる花幹細胞の増殖抑制

October 29, 2017 2:49 PM

Category:研究成果

main:伊藤班

伊藤公募班は、オーキシンが花の幹細胞の増殖を抑え、果実づくりを促進するスイッチとしてはたらくことをNature Comm.に報告しました。

詳細はこちら

http://bsw3.naist.jp/research/index.php?id=1565

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