東北大学・探求型「科学者の卵養成講座」(グローバルサイエンスキャンパス協定事業))

東北大学・探求型「科学者の卵養成講座」(グローバルサイエンスキャンパス協定事業)

平成29年度 活動ブログ

平成29年度 活動ブログ養成講座の活動を記録しています

2017.10.19

質問の回答(川添良幸先生より)

飛翔型「科学者の卵養成講座」事務局です。


10月14日に講義をご担当いただいた川添先生が、辻一志さん(仙台市立仙台青陵中等教育学校)がブログに書き込んだ質問に答えてくださいました。


辻さん:------------------------------復習------------------------------
まず、太陽と月の見かけの大きさがほぼ同じであることを定量的に示す課題。

見かけの大きさは実際の大きさに比例し、地球からの距離に反比例する、と考えました。

川添先生:「と考えました」、というのは良くないです。主観的表現になります。
科学の話なので、「見かけの大きさは地球からの距離に反比例する」が良いです。
確かに「見かけの大きさ」という定義が、水平線近くの時は大きく見える、という様な「脳の認識」を含むことが多いため、誤解が生じますよね!
「地上で観測される大きさ」とかの表現の方が良いです。

辻さん:そうしたところ、目から50cmのところに物差し(川添先生:5円玉の穴がちょうど良い)を置くと、そこでの太陽の見かけの大きさ(半径)は7.0×10^5/1.5×10^8x0.5=2.3mm、月の見かけの大きさは1.7×10^3/3.8×10^5x0.5m=2.3mmとなり、奇跡的とも言える程にほぼ等しい値となりました。

川添先生:正しいです。

ーーーーー
以下は重力
ーーーーーー

辻さん:しかし、出た値は単位がなくなっていることや(ここで示せなかった比例定数に単位が含まれているのでしょうか)、 長さ(半径)の2乗に比例させる求めたい値が出ないことに納得がいきませんが。

川添先生:重力は力の単位になります。万有引力乗数を掛けて下さい。



辻さん:次にもう1つの問い、月が地球の衛星でないことを示すためには地球月間の重力>太陽月間の重力にならないことを示せばよいでしょう。
さて、重力の計算ですが、重力は質量差に比例し距離に反比例するだとか、質量比に比例するなどと 考えていたのですが、どの計算も良い結果が得られず...。泣く泣く辞書を引いて重力(万有引力)を調べたところ、

川添先生:泣く泣くではなく、適当に「考えても駄目です」。ちゃんと調べましょう。



辻さん:実際には質量の積に比例し、距離の2乗に反比例するそうです。

川添先生:講義中に話した様に、影響は一様に伝わる(広がって)なら、距離Rのところの球面の面積=4πR^2ですから、力は1/R^2で減ることになります。



辻さん:惜しかったように惜しくなかったような...。

川添先生:何故、この式が出るのかを理解して下さい。距離との二乗関係は3次元の幾何学で決まります。質量は力と加速度の間の関係を表す比例定数です。
(慣性の法則、運動量保存則は、並進対称性が成り立つ世界を表現しています。)

地球と月の間の重力3.0×10^36に比べ、太陽と月の間の重力6.5×10^36が極めて小さい(摂動で表せる)なら、月は地球の周りを回れます。
相対値ではなく絶対値、単位まで入れると万有引力定数G=6.7x10^-11m^3・s^-2・kg^-1を使い、万有引力F=GMm/r^2を計算すると、以下の数値が得られます。
地球と月の間の重力2.0x10^20Nに比べ、太陽と月の間の重力4.4×10^20Nが極めて小さい(摂動で表せる)なら、月は地球の周りを回れます。
月は太陽との間の重力が地球との間の重力の2倍近くもあるので、まるでこの定義に反している。それで衛星と呼んではいけません。(連星と呼んでください)

投稿者:事務局 |個別ページ

2017.10.15

第五回科学者の卵養成講座を終えて

皆さん、こんにちは。宮城県仙台第一高等学校1年の栃木陽太です。

昨日、今年度五回目の飛翔型「科学者の卵養成講座」が行われました。午前中は2回目の英語交流サロンで、先月よりもリラックスして臨むことができました。私たちのグループは、フィリピンからの留学生の方とお話ししました。フィリピンにいる家族のことや、流体力学について様々なことを聞きとることができましたが、自分の伝えたいことは全て伝えられなかったように思います。前回も感じたのですが、語彙が不足しているとどうしても話が進まなくなってしまいます。言い換えたりすればよいのですが、なかなかスムーズにはできません。事前に話題になりそうな物事に関連する言葉を英語で調べたりするなどしておくべきだと思いました。もちろん、言い換えの技術も大切なので、普段から会話の練習をしたり、難しい言葉を簡単な英語で表現する練習などもして、次回の英語交流サロンに備えたいです。

午後1つ目の講義は、川添良幸先生の「自然を正しく理解する-やってみても分からない-」でした。教科書で学んだ事や世間一般の常識ががすべて正しいとは限らないということに衝撃を受けました。特に月が地球の衛星ではないということは驚きで、家に帰って調べてみると確かにそのような話があります。二重惑星というもので、明確な定義はありませんが、大きさの近い2つの惑星が共通重心の周りを互いに公転しているもののようです。「分からない」ものだけでなく「決まっていない」ものもたくさんあるんだなあと気づかされました。また、世間の常識が真実を捉えていない場合がたくさんあると知り、惑わされないよう気を付けたいと思いました。

2つ目の講義は、堀井明先生の「がんを知り、診断し、治療する~病に立ち向かう病理学の世界~」でした。現代の日本のような超高齢化社会でのがんの発生率の高さを知り、恐ろしいと感じました。また、がんが発生する過程についてよく知らなかったのですが、今回の講義で詳しく知ることができました。がんの発生を防ぐには一次予防が大事だという話がありましたが、先進国の中でがんの発生率が高い国は日本以外にあまり無いそうです。他の先進国では一次予防のために国が食生活の改善の政策などを行っています。日本でも行われてはいるようですが、あまりそれが注目されていないことや著しい高齢化によりがんを抑制できていないのだと思います。日本も他の国と同じように、がんの発生率やがんでの死亡者数が減っていってほしいです。そのためにも医学の進歩と一人一人の一次予防の意識を高めることが重要なのだと思いました。

次回の講座も頑張りたいと思います。皆さんにお会いできるのを楽しみにしています。

投稿者:事務局 |個別ページ

2017.10.15

第5回「飛翔型科学者の卵養成講座」

こんにちは。宮城第一高等学校1年の佐藤美歩です。

今回の科学者の卵では英語交流サロンの2回目があり、「自然を正しく理解する-やってみても分からない-」という講義と「がん」を知り、診断し、治療するー病に立ち向かう病理学の世界ーという講義を聞きました

今回の英語交流サロンで、私たちの班はロボット工学を勉強している留学生の方と4人の卵達でお話しさせていただきました。最初の方は前回の反省もあり、学校でたくさん練習していたのでスラスラと話す事が出来ましたが、肝心の自慢出来る事は何かを聞きだすのが難しくて、君はもっと英語を勉強するべきだと留学生の方に言われてしまいました。しかし何も聞けなかった訳ではなく、刺激的な食べ物が好きだという事が分かり、外国の人は刺激的な食べ物が好きな人が多いんだなと思いました。

さて次に講義ですが、まず最初は「自然を正しく理解する-やってみても分からない-」という講義を川添 良幸先生にしていただきました。結論から言うととても難しく、私にはあまり、理解が出来ませんでした。唯一理解出来たのは本当は分かっていない事やはっきりしていない事が教科書や本に書かれている事があるから全部鵜呑みにしてはいけないという事でした。私が常識だと思っていた事が全てひっくり返されて中々受け入れられなかったので話を理解する事が出来なかったのです。しかしこれは天動説が唱えられていた時代に地動説が出てきてそれを受け入れなかった人々と同じようなものだと思い、恥ずかしくなりました。いつだって科学は私たちの常識を覆していくのでそれを受け入れられないなんて科学者の卵に参加している者として失格だなと思いました。

次に2つ目は「がん」を知り、診断し、治療するー病に立ち向かう病理学の世界ーという講義を堀井 明先生にしていただきました。まず今回の講義で一番よくわかったのは「がん」は「ガン」と書かないことです。「ガン」というのは医学的には使わず「がん」がすべての悪性腫瘍を指すそうです。言葉の説明が書いてあったり、学校で習った生物の話が出てきて分かりやすかったです。私は特にキメラ遺伝子という話が気になったので、今度自分でも調べてみたいと思いました。

また、私は気が付かなかったのですが、実は私の書いた第4回「飛翔型科学者の卵養成講座」という記事が活動ブログの100件目になったそうです。嬉しいです。いつも面白い講義をありがとうございます。

投稿者:事務局 |個別ページ

2017.10.15

箱庭から出る!

仙台二華高等学校1年、佐藤雄大です。第五回講座の感想を書きたいと思います。

 フリースを羽織り、13年使っても未だに迷う仙台駅を抜け、改札を通ってからどちらの道を選べばいいのか未だに分からない青葉山駅を抜け、枯れ葉を踏みながら工学部への坂を上り、第5回卵が始まりました。

 第二回英語サロンは、第一回よりもグループの人数が少なく、始まる前の雑談も留学生との会話も、他人任せにしていると盛り上がらない環境だ、と思いました。自分はよくしゃべるので前回とあまり変わりは無かったのですが、何も考えず話すゆえに、敬語を使わずに話した後で相手が先輩と発覚する、という事態は今回も発生してしまいました。あの気まずさといったらありません。そして英語サロンが始まり、やってきたのはOh! Manuel! 前回と同じマヌエルさんでした。んっ、待てよ。前回と同じ自己紹介をしてもしょうがない。前回は数学、特にトポロジーが好きということをアピールした。今回は何を。そう考えて、今回は整数好き、素数好きをアピールしました。やはり素因数分解の一意性や素数に関する未解決問題はロマンにあふれています。数学好きアピールだけは外せません。

 今回は、前回と違って「留学生が何を研究しているか聞く」というテーマがありました。マヌエルさんは、がん細胞の分裂時の染色体の動きを研究しているそうです。がんの発生する場所によって染色体の動きに違いはあまりないようですが、胃がんは健康な細胞の分裂時の動きに似ている、という話が面白く、また不思議だと感じました。 今回の英語サロンでは、前回よりもスムーズに会話することができ、机の上では得られないものを強く感じました。

 

 いつものようにセンターの特等席に陣取り、一つ目の講義、「自然を正しく理解する-やってみても分からない-」が始まりました。そこでは、僕の中の「常識」「確信」がガラガラと崩れ、「思い込み」に過ぎなかったことを衝撃とともに知らされました。「人は無意識に光は上から差すものと思い込んでいるので、たこ焼きの鉄板の写真を180度回転させるとくぼみが出っ張って見える」という話で、ふつう光は上から差すということに初めて気がつきました。たしかに、光が下から差すのは野外活動で懐中電灯の光を顔の下から当てて遊ぶときくらいでしょう。カンやビンの分別、また、放射能の拡散についても僕たちは激しい「思い込み」を持っています。二週間ほど前、福島原発事故での風評被害対策として、韓国や台湾のブロガーなどを招き船上で生のカキを食べてもらうというイベントが催されたというニュースを見ました。「福島の食べ物は汚染されている」という思い込みのもとに、どれだけの安全な食品が捨てられ、どれだけの人が泣いたのでしょう。思い込みは、ときに残酷でさえあります。また、教科書でさえ間違っていることもあるのです。数学に話をおいても、たとえば「三角形の内角の和は180°」「凸多面体のオイラー数(頂点の数-辺の数+面の数)は2」などは、本当なのでしょうか?実際に、球面上の三角形の内角の和は180°以上になります。一般化に、曲率が正のときは180度より大きく、曲率が負のときには180度より小さくなります。また、オイラー数についても、(貫通している)穴の数が0個の場合は凸多面体でなくてもオイラー数は2になります。穴の数(種数)がnの場合、一般にオイラー数は2-2nとなるのです。なぜ教科書は中途半端なところで議論を終えてしまったのでしょう...?(当日のレポートの問題3であまり書けなかったからだとかそういう理由ではないのですが長めに書いてしまいました...) 

 ここで、太陽、月、地球の関係について、月は地球の衛星ではない、ということは分かったのですが、だとすると月はどのような軌跡を描くのだろうと、復習している間に疑問を抱きました。インターネットによると、地球-月を連惑星系と見たときその重心は地球の中心から月側に4624kmのところにあり、地球-月連惑星系の経路はその重心が規定するそうです。太陽と月の間の重力は地球と月の間の重力の約2倍であること、また、月は約30日を最短周期として満ち欠けすることから、配付資料の「THE TRUE MOTION OF THE MOON」にあるような、地球の軌道と12回交わる、太陽に関して常に凸な曲線が月の軌道であると考えました。 今回の講義で、灯台もと暗し、自分の持つ固定観念に気づくということの難しさを実感しました。「見てきたことや聞いたこと 今まで覚えた全部」は、もしかしたら「でたらめ」なのかもしれません...。定量的にものごとを理解する、そのために疑ってかかる、そのために関心を持つ、ということが大事だと感じました。

 

 二時間目は、がん、病理学についての講義でした。僕は医師のなかでも臨床医になりたいと思っていて、そちらは「病気を知り治療を行う、そして患者さんと接する」、病理学は「病気の原因を解明する」という違いがあります。言うなれば、明確に分けることはできないにしても病理学は「病気を『わかる』ための科学」、医師は「病気を『知り』治療する技術」を学ぶのだと思います。しかし、治療とは関わらないにしても、病気を知っているだけで全く分かってはいない、そんな状態で手術室に向かうのはあまりにばかばかしいです。かけ算の意味は知らないが「くくはちじゅういち」だけは覚えているのと同じように感じます。そのため科学を学ぶ必要があるのだと思っています。がんの進行、転移にはさまざまな遺伝子の異常や変異が関わっているということは今日初めて知り、マヌエルさんの専門分野の話とも関わっているのか!と感動しました。

 

 今回の卵で、机の上にはないもの、人と接しなければ得られないもの、写真を見ても分からないもの、気付かないものを感じました。定量的な理解によって、世界は全く違った色で見えてきます。自分の想像する、思い込みの上に建てられた世界とは全く違う世界が、箱庭の外には広がっているのです。頭を固くして机にがっちりと向き合うよりも、口笛を吹いて散歩することが、意外にも箱庭から出る階段なのかもしれません。

余談)10月21日に科学の甲子園宮城チャレンジ2017に参加してきました!問題等について書くことはできないのですが、仲間と協力し一つのことに必死で取り組むということの楽しさを知ることができました!

投稿者:事務局 |個別ページ

2017.10.15

新たに見つけたもの

 秋田県立大館鳳鳴高等学校2年金谷理利果です。
第5回科学者の卵に参加しました。今回は何事もなく無事到着することができました。東北大学の道端には、早くもタンポポが咲いており秋なのに春らしさを感じました。そして、その先にはキノコも生えており、秋と春がコラボしているな、と感じました。
 さて、午前中の英語サロンでは前回より、緊張することなく参加することができました。主に、5W1Hをうまく使って留学生の方に多く質問するようにしました。私の英語が通じることが嬉しく思いました。自分が分かる単語をできるだけ多く使うことができたので、次回の英語サロンではさらに積極的に話しかけていきたいと思います。
 午後からの東北大学未来科学技術共同研究センター・教授 川添 良幸先生による講義「自然を正しく理解する?-やってみても分からない-」では、ルーロの三角形を用いたタイヤで動く車は私にとって、とても魅力的なものになりました。物の視点を変えると、今まで私が正しいと思っていたことが間違っていることもあることに気づきました。中でも、空き缶・空き瓶・乾電池回収用のかごの写真では、最終的に分別されることなく回収されることが分かりました。第五回.JPG また、大学院医学系研究科・教授 堀井 明先生による講義「がんを知り、診断し、治療する~病に立ち向かう病理学の世界~」では、日本が超高齢者社会であること、高齢化率が27.3%という事実を知ることができました。がんは、大腸がんにかかる人が多いのに対して、死亡する人の数が多いのは肺がんだったことにも驚きました。正直、今まで医学の世界にはまったく興味がありませんでしたが、講義を受けたことにより新たな刺激を受けることができました。医学の世界も学べば学ぶほど魅力を感じ、もっと深く追求したいと思いました。

投稿者:事務局 |個別ページ

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