平成28年度文部科学省科学研究費補助金 新学術領域研究

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植物新種誕生原理植物新種誕生原理

Nagoya University Live Imaging Center

研究経過

【国際学会 招待講演】International Plant and Animal Genome XXVII

December 18, 2018 11:45 AM

Category:招待講演, 研究成果

main:辻班

sub:辻班

San Diegoで開催されるゲノミクス最大の国際学会 PAG XXVIIにて辻がお話します。Transposable Elements Workshopで、フロリゲンが誘導するイネの茎頂メリステムのトランスポゾンのDNAメチル化リプログラミングについて。

【プレスリリース】花がめしべづくりを開始する遺伝子の仕組みを発見(伊藤班)

December 12, 2018 10:00 AM

Category:新聞発表・メディア報道, 研究成果

main:伊藤班

 奈良先端科学技術大学院大学 先端科学技術研究科の伊藤寿朗教授らのグループは、立命館大学、東北大学、名古屋大学との共同研究により、花の中心部にあり、受粉して果実や種子になる「めしべ(雌しべ)」が形成されるときに、その遺伝子を働かせるスイッチがONになる詳細な仕組みを世界に先駆けて明らかにしました。

この成果により、人工的にめしべの大きさや数などが調節できるようになれば、環境に応じた食糧の増産や安定供給などが期待できます。

 

めしべをつくるためには、遺伝子発現のスイッチをONにする複数の転写因子(タンパク質)が働くことはわかっていました。このスイッチが入っていない状態では、遺伝子の長いDNAはヒストンというタンパク質に巻きつき、クロマチンと呼ばれる折りたたまれて閉じた構造を作るので、転写因子は目標のDNAにたどり着けず、めしべができません。遺伝子発現のスイッチをONにするためには、その構造をほどき、開いていく必要があります。しかしながら、「それらの転写因子がどのような順序や方法でクロマチンにはたらきかけ、その構造と遺伝子の発現を変化させていくのか?」という詳しい仕組みについては謎でした。

 

伊藤教授らの共同研究グループは、モデル植物のシロイヌナズナを使って実験を重ねた結果、最初の段階で転写因子(パイオニア転写因子)が、クロマチンの構造を変化させる因子(クロマチンリモデリング因子)とともに働いて、複雑な構造をほどき、次いで別の転写因子がめしべ形成のDNAに直接、アクセスして発現させるという、2つの転写因子などが連係する順序と仕組みを突き止めました。

このような仕組みはこれまでは動物でのみ報告されており、今回、植物にも同様の仕組みが存在し、めしべをつくるために必要であることの解明は、植物の進化や生き残り戦略を知るうえでも重要です。

 

Ito.pngのサムネイル画像

【図】めしべの形づくりとクロマチン構造

めしべの形づくりが進むにつれて、転写因子のはたらきによってYUC4遺伝子のクロマチンの構造が開く。するとめしべがつくられる。

 

本研究の成果はNature Communications(オンラインジャーナル)に掲載されました。

 

12月12日付の日本経済新聞(電子版)にも掲載されました!ぜひご覧ください。

https://www.nikkei.com/article/DGXLRSP497921_S8A211C1000000/

 

<発表論文>

Chromatin-mediated feed-forward auxin biosynthesis in floral meristem determinacy

Nobutoshi Yamaguchi, Jiangbo Huang, Yoshitaka Tatsumi, Masato Abe, Shigeo S. Sugano, Mikiko Kojima, Yumiko Takebayashi, Takatoshi Kiba, Ryusuke Yokoyama, Kazuhiko Nishitani, Hitoshi Sakakibara, and Toshiro Ito

DOI: 10.1038/s41467-018-07763-0

 

<プレスリリースの詳細はこちら> 

奈良先端科学技術大学院大学のHPへ

【プレスリリース】被子植物重複受精をコントロールする新因子を発見(井川班、東山班)

December 7, 2018 10:32 AM

Category:研究成果

main:井川班, 東山班

sub:東山班

千葉大学大学院園芸学研究科の井川智子准教授の研究グループは、順天堂大学、秋田県立大学、名古屋大学との共同研究として、被子植物の雄の生殖細胞、"精細胞"の細胞膜に局在するタンパク質DMP9が雌の卵細胞との認証に関わることを発見し、受精研究分野に新たな概念をもたらしました。

 

本成果は、『2つの精細胞はなぜ間違うことなく、それぞれ卵細胞または中央細胞と受精できるのか?』という、被子植物特有の重複受精現象発見以来の謎を解く手がかりとなるものです。

 

本研究は、本領域「植物新種誕生の原理」の一環として行われ、研究計画班の東山教授(名古屋大学ITbM)との領域内共同研究の成果です。

 

 

図1.png

【図】DMP変異精細胞による受精異常

DMP9変異精細胞の1つ(点線矢印)は中央細胞と受精しているが、もう1つ(実線矢印)は卵細胞の外側に留まり、受精ができない.

 

 

*本研究成果はDevelopment誌にて,11月29日(日本時間)にてオンライン公開されました。

  
<発表論文>

The male gamete membrane protein DMP9/DAU2 is required for double fertilization in flowering plants.
Takahashi T., Mori T., Ueda K., Yamada L., Nagahara S., Higashiyama T., Sawada H., Igawa T. doi:10.1242/dev.170076

 

<プレスリリース詳細はこちら> *千葉大学のHPへ

http://www.chiba-u.ac.jp/general/publicity/press/files/2018/20181206hishi.pdf

【アウトリーチ活動】8月期から11月期(第2四半期)までの出前講義実績概略(11/30) 

November 30, 2018 2:14 PM

Category:アウトリーチ活動

main:渡辺班

 科学研究費の申請書にも近年、実施が義務づけられている「国民との科学・技術対話」の推進。渡辺班でも、小中高への出前講義を通したアウトリーチ活動を広く展開し、国民へ科学・技術を還元します。

 前回が7月末までをまとめました。今回は、8月から11月の第3四半期における研究代表者・渡辺のアウトリーチ活動をまとめておきます。詳しい内容は、研究室のHPに記してありますので、興味のある方は、ぜひ、以下のlinkをご覧ください。講義内容は、今回は小学校、中学校、高校、一般の方、向けで、内容は植物の生殖などに関わる講義、実験、見学サポートなどです。

DSCN9783.JPG

【アウトリーチ活動】8月期から11月期(第2四半期)までの出前講義実績概略 

山形県立米沢興譲館高等学校・SSH異分野融合サイエンス(1) ,(2)
仙台市教育センター「環境教育研修」特別講義(1)
夏休み大学探検2018(第17回サイエンス・スクール)(1)
青森県高等学校教育研究会理科部会・全体講演(1)
植物の花の不思議「楽しい理科のはなし2018」(1)
平成30年みやぎ県民大学「植物の品種改良」(1)
探求型「科学者の卵養成講座」特別講義(1),(2)
仙台市立中野栄小学校・特別講義(1)
仙台市立北仙台小学校・特別講義(1)
仙台市立長命ヶ丘小学校・特別講義(1)
仙台市立七北田小学校・特別講義(1)
今治市立関前中学校、岡村小学校・ふるさと出前授業(1)
今治市立吹揚小学校・ふるさと出前授業(1)
今治市立波止浜小学校・ふるさと出前授業(1)
今治市立日高小学校・ふるさと出前授業(1)
今治市立桜井中学校・ふるさと出前授業(1)
今治市立九和小学校、鴨部小学校、玉川中学校・ふるさと出前授業(1)
四国中央市立土居小学校・四国中央市理科同好会・第3回研修会(1)
第71回宮城県高等学校生徒理科研究発表会・審査員、講評者(1)
青森県立五所川原高等学校理数科課題研究発表会・講評者(1)
兵庫県立豊岡高等学校・サイエンスリサーチ(1)
愛媛県立新居浜西高等学校・特別講義(1)
愛媛県立今治北高等学校・特別講義(1)
愛媛県立今治西高等学校・特別講義(1)

 今後も引き続き、社会貢献ができる領域であるように努力したいと思います。


わたなべしるす

ムギ類研究会 若手ポスター賞受賞!

November 27, 2018 11:46 AM

Category:受賞関連

main:辻班

sub:辻班

第13回ムギ類研究会で、辻班M1の久下くんが「若手ポスター賞」を受賞しました!おめでとうございます!

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