東北大学・探求型「科学者の卵養成講座」(グローバルサイエンスキャンパス協定事業))

東北大学・探求型「科学者の卵養成講座」(グローバルサイエンスキャンパス協定事業)

平成30年度 活動ブログ

平成30年度 活動ブログ養成講座の活動を記録しています

2019.02.11

卵な私の成長簿 その3 第2章 ―齟齬と水、時々不足分―

 福島県立福島高等学校第2学年、安斎 公記(あんざい・まさき)です。ここでは第3回「探求型『科学者の卵養成講座』」を受講したご報告の2番目の記事を書かせて頂きます。第1章からの続きです。

2.プロジェクト②「社会における安全のための科学」 "Science for Safety in Society"

 次の発表は防災科学についてでした。第1回講座でも講義のテーマとなった科学者と行政と市民の齟齬について、日本人だけでなくイギリス人の視点も加わりながら考えられていました。(スライドが日英2か国語で作られていたので内容の理解に集中できました。)
 福島県で暮らす者として、防災や万が一の災害発生時に起こる意思疎通の齟齬、不足は考える機会が多いのですが、なかなか海外の人たちの意見を聴くことは無かったので、そういった点においても貴重な発表だったと感じています。


3.プロジェクト③「水の消毒と持続可能な開発目標」 "Water Disinfection and Sustainable Development Goals"

 続いては、プロモーションビデオが話題になった「持続可能な開発目標」(SDGs, Sustainable Development Goals)のうち、水の衛生面にスポットを当てたプロジェクト。2015年9月の国連サミットで採択された、「地球上の誰一人として取り残さない」(leave no one behind)ことを誓う、17のゴールと169のターゲットから構成された2016年から2030年までの国際目標であるSDGs。その六つ目にある「安全な水とトイレを世界中に」(Clean Water and Sanitation)、「全ての人に水と衛生へのアクセスと持続可能な管理を確保する」(Ensure access to water and sanitation for all)について掘り下げていました。

 自分も知ってはいましたが言葉を聞いたことがある程度で、先進国、水を安心して飲むことができる国に生まれても達成すべき課題は少なくないのだなと感じていました。

 実は、質疑応答で突然指名されて質問をその場で考えてうろたえながら尋ねた福島県の生徒が私です。それでも、壇上からはしっかりとした受け答えで堂々とその答えに真摯に返す発表者の声が聞こえました。ここでも経験や努力、積極性の差が明らかになってしまうなと、知れた嬉しさの上から現在完了形の自分への羞恥が覆い被さり、複雑な感情になりました。私もまだまだ不足分が多いです...。

 まだまだ続きます。続編をお待ち下さい!

安斎 公記 

投稿者:福島県立福島高等学校 |個別ページ

2019.02.11

卵な私の成長簿 その3 第1章 ―愕然と当然、時々細胞生存率―

 福島県立福島高等学校第2学年、安斎公記あんざい・まさき)です。長らくお待たせ致しました、半年前(2018/08/05)に行われた第3回「探求型『科学者の卵養成講座』」のご報告をさせていただきます。
 今回は、東北大学が主催する「日英ヤングサイエンスワークショップ」(Japan-UK Young Science Workshop)の発表会を聴講させて頂きました。英語の能力に乏しい私で恐縮ではありますが、聴き取って学んだことをお伝え出来たらと思います。

 今回も記事が長くなり、読みづらくなることを防ぐため、記事を分割させて頂きます。この記事は一番最初のものです。

 

 全体を通して、学校で習った英語すら使いこなせない自分に愕然としました。テストでは悪い点数は取っていませんし(だからといって頗る高い成績を収めているわけではなく、模試の結果も擢んでて高いわけではありませんが)、「英語教育は実践的でない」という論を推している訳でもありません。それなのに、まず聞き取れない。書いてある言葉も分からない。周りは当然のように進みます。英語のまま。非常に悔しい。

 何とか、全てのグループの論旨は掴むことができました。しかし、質問などできるはずがありません。気になった事柄が無いわけではありません。それを英訳するのに時間が掛かり、文法上正しいかどうか確認するのに時間が掛かり(文法が間違っていないかと不安である)、噛まないで言えるよう脳内で復唱するのに時間が掛かり、気付いたら質疑応答の時間などとうに終わっているのです。質問したいこと、気になったこと、自分の提案、全て言うことができませんでした。英語でのコミュニケーションに不安があるばかりに。とても悔やまれます...。

 以下、各グループの発表について、短くなってしまい恐縮ですが報告させて頂きます。なお、発表者、指導者名は割愛致します。また、発表内容について、和訳されているものはそちらを反映し、和訳されていないものはこちらで和訳させて頂きました。発表者の意図と異なる、もしくは誤っている解釈をしていた際は申し訳ございません。


1.プロジェクト①「細胞生存率の可視化」 "Visualization of Cellular Viability"

 本ワークショップのトップバッターは、細胞と基板の相互作用について調べたプロジェクトの発表でした。異なる4種の素材、そして2次元と3次元という異なる次元での実験から、細胞の繁殖の有無を観察し、そこから細胞や基板における研究の前進や動物実験の減少を目指すものでした。

 次元を変えての実験というのは日本語で聞いても私には衝撃があり、実際聞いていてもその部分は際立って気になるものでした。また、癌細胞への応用も期待できるそうなので、人々の需要に応える研究であると感じました。

 次回に続きます。引き続きご覧ください!

 安斎 公記  

投稿者:福島県立福島高等学校 |個別ページ

2019.01.29

卵な私の成長簿 その2 後篇 最終幕 ―光と影、時々幸福―

 福島県立福島高等学校2年、安斎 公記(あんざい・まさき)です。ここでは第2回「探求型『科学者の卵養成講座』」で行われた総合討論のご報告の4番目、そして本講座の閉会式についての記事を書かせて頂きました。3番目からの続きです。

7.総合討論

Ⅶ.急かされる現代人

 情報化する社会。常に関心事が世界で共有され、乗り遅れれば話についていけなくなってしまう。周囲からの冷たい視線。「時代遅れ」「協調性がない」そんな烙印が押される懸念。いくら馬鹿馬鹿しくてもこのようなことまで考える必要が現実として存在するのです。情報に生き急がされている、と山際総長は指摘します。同調が安心を生むのは集落を作って群れで生活していた原始のころからの名残かもしれませんが、それにしても「『みんな』至上主義」の度が過ぎていると私も感じることがあります。久世最高技術責任者は、心理的だけでなく技術的にも逃れる必要性を話しました。とめどなく流れてくる情報を強制的に遮断してしまう。文面は不安になりますが、情報に生き急がされる社会から脱却するためにはそれも一手なのかもしれません。

 もちろん、そのような「」の部分だけでなく「」の部分も存在します。徳山教授はうまく使えばミーティングやメールが要らなくなったり、在宅勤務が可能になったりと、職場環境が良くなると述べました。教授の言う通り、考え方なのかもしれません。いくら情報が発達したところで、それをどう考え、どう捉え、どう扱い、どう付き合っていくのかはその状況に直面したまさにその人次第なのです。


8.閉講式

 科学技術は戻れない。温かい社会をどう作るか。環境は危機に瀕している。様々な変化が予期せず日本を襲う。科学技術を使って人間をどう幸福にするのか。

 山際総長は閉会式挨拶でこう話しました。科学は、よく「神の領域」に手を掛けたと言われます。生殺与奪を科学が自在に操ることができるのです。人間を(ある点でのみだが)越える存在となったAIも決して珍しくはないものとなりました。しかし、それが人間を完全に幸福にしているのか、と聞かれると、必ずそうである、完全にそうであると言うのはおろか、以前よりかは良くなったとも言い切れないのが現状かもしれません。科学は、無条件で人を幸せにするわけではないのだと考えます。寧ろ、手放しで恩恵に与ってばかりでは、後から取り返しのつかない失敗、喪失をすることになりかねないでしょう。これから科学者を志す者、科学者の卵として、科学が万物の幸福のために使われるように考え、研究をしていきたいと感じました

 本記事について、長らく更新が途絶えてしまい、続きを期待して下さった方々には、お待たせしてしまい大変申し訳ございませんでした。今回の報告は始めた以上最後まで書きたいと思い、ほぼ半年近く経ってしまった今になってしまいましたが、更新、そして第2回を完結させていただきました。今回で第2回「探求型『科学者の卵養成講座』」のご報告は以上です。ご覧頂いた皆様、最後までお付き合い頂き、誠にありがとうございました!

 それでは、また次の記事でお会いしましょう!

 安斎 公記  

投稿者:福島県立福島高等学校 |個別ページ

2019.01.29

卵な私の成長簿 その2 後篇 第3幕 ―神と科学、時々生きる喜び―

 福島県立福島高等学校2年、安斎 公記(あんざい・まさき)です。ここでは第2回「探求型『科学者の卵養成講座』」で行われた総合討論のご報告の3番目の記事を書かせて頂きました。2番目からの続きです。

7.総合討論

Ⅵ.人間とは?②

 この記事を完成させる約1か月前に、自分の通う高校で、人類はカオスの中では生きてゆけないが故に、「知らない」領域を無くすことを目的に学問に励んだり、研究したりするのではないかという話題が出ました。しかし、前人未到の「知らない」領域(その会ではそれを学問が今やこの世で人類が把握できているもの全てを対象としていることから、その対義語として「非学問」と呼んでいました)を目指して学問を進めても、そのことで前人未到の領域に達したところで、それは得てしてその研究者が「知っている」領域になります。つまり、「知らない」領域は存在しないのです(哲学的な方向に論を拡張すれば、「知らない」領域を把握している時点で、それすらも完全に「知らない」わけではないと言えます)。「知らない」ことに対する恐怖は「知っている」恐怖とは比にならないほどに大きいものでしょう。人間はそれを人工知能――何でも知っている客観的な科学に基づいた技術――によって、完全なるコスモスにしようと、秩序だった世界にしようとしているのかもしれません。

 山際総長も、現代人の「人間とは?」に対する認識の揺らぎを指摘しました。中世まで存在していた「神」が、18世紀からの自らが最後の決定権を持つ「自分中心主義」へと変わったことにより無くなった(ここでの神は、「自分、相手または関係者、そして第三者をも超越した、言わば『超客観性』『誰の目も通ることのない事実そのもの』を備えた存在」として一般社会に通念的に浸透していた概念を指していると私は捉えています)。これはある意味「価値の一元化」と言える。しかし、既に人間は作り変えることができる、言い換えれば、生きる喜びを工学的に変えることができるものとなりました。そうすれば、人間の定義、言うなれば「人間とは?」の客観的な解も変わってしまうのではないか。そう指摘したのです。

 だからこそ、その解を、変化の因子である技術に、AIに頼っているのではないだろうか、私はそう思いました。①で述べたように、人間は客観的な基準として科学を頼りたいのではないでしょうか。いつ、どこで、誰が行なっても揺るがない、誰もが同じように納得して同じような事実と捉えている、誰の影響も受けない絶対的な存在を求めているのではないでしょうか。ちょうど18世紀以前に、人々が「神」を頼っていたように。

 次回は最終幕、総合討論に加え、閉会式についてもご報告いたします!是非最後までご覧下さい!

安斎 公記 

投稿者:福島県立福島高等学校 |個別ページ

2019.01.29

卵な私の成長簿 その2 後篇 第2幕 ―分別とカオス、時々自由意思―

 福島県立福島高等学校2年、安斎 公記(あんざい・まさき)です。ここでは第2回「探求型『科学者の卵養成講座』」で行われた総合討論のご報告の2番目の記事を書かせて頂きました。1番目からの続きです。

7.総合討論

Ⅲ.進化の方向②

 「インターネットが分別可能で分別不能になる」とはどういうことなのか。私は次のように考えました。前回も述べたように、物心ついたときには既にインターネット環境も技術も整備されていた私たちは、その仕組みについて全てを正確に理解していないことが多いです。今では何につけても細分化が進み、棲み分けがなされているため、インターネット世界を隅から隅まで理解している、またはそれが大きな障壁なく可能である人は殆どいないと言えます。世界中、誰もが「ある」ことは認識できても「何があるか」は分からないのです。その点において、インターネットは実は危険を多く孕んでいるともいえます。分別が不能で可能とはこのことを言うのではないかと考えました。

Ⅳ.情報の繭化

 フロアからの質問はもう一つ、「『情報の繭化』とは何か」

 この質問に対し、丸山フェローが「エコーチャンバー効果」という言葉で答えました。似た意見を持った人と繋がりやすい心理的現象を指し、世界各地にたくさんあるといいます。例えば、米国でのトランプ大統領の「アメリカ・ファースト」政策、欧州のGDPR(General Data Protection Regulation:一般データ保護規則。ヨーロッパ連合加盟国及びアイスランド、ノルウェー、リヒテンシュタインにおいて個人データ保護を規定する法。)、そして中国のグレート・ファイアウォール(万里火城)。これらの存在により各々の国での自由度は低くなっています。そこで、世の中からの信頼で魅力的に映る日本はチャンスを得るのです。機械には価値観がありません。人々が自由意志を持って自由に動くことが出来る、これこそが現代ネット社会に求められているものだといえます。

Ⅴ.人間とは?①

 現状として、現代人は1日18時間の行動時間のなかで15時間も電子機器を触っているそうです。これでは自我や個性が無くなってしまいます。堀田教授は「良いデータ」は確率的に近いデータであり、価値観の違いは今一度確認して入れるべきだ、と付け加えました。山本機構長は個性について、0.1%の違いで成立するが、AIは確率に向かっており、生命はカオスの中では生きてゆけないと話しました。それから4か月ほど経って、そのカオスについて考える機会がありました。

 その「カオス」については続きである第3幕に記しました。是非ご覧ください!

安斎 公記 

投稿者:福島県立福島高等学校 |個別ページ

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