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植物-病原菌相互作用の集団ゲノミックス解析

財団法人岩手生物工学研究センター 生命科学研究部 寺内 良平
財団法人岩手生物工学研究センター 生命科学研究部 齋藤 宏昌

 宿主−病原菌間の相互作用は、強力であり(Haldane 1949)、性の進化を含めた生物進化の原動力の一つと言われている。相互作用に直接関わる双方の生物の遺伝子には、「軍拡競争」モデルや「赤の女王」モデルで説明される特異な相互作用が働く。こうした相互作用は、関連遺伝子およびその周辺のゲノムのDNA配列上に特徴的な痕跡を残す。次世代シーケンサーによる近年の高速での全ゲノム解析が、種内変異と近縁種間の変異の検出・解析(集団ゲノム学:Population genomics)を可能にした。本課題では、植物とその病原菌・寄生者の共進化で生じる強い自然選択がゲノムに残した痕跡を同定して、選択の働いた遺伝子を見いだし、その機能を解明することに焦点を当てる。そのために、複数の組み合わせの植物-病原菌組み合わせについて、植物-病原菌双方の全ゲノム配列を集団遺伝学的に解析する。これにより、病原菌(寄生者)のエフェクター遺伝子、宿主生物のエフェクター標的遺伝子、さらに抵抗性遺伝子を同定し、それらの機能解明を目指すとともに、生物間相互作用によるゲノム進化の法則を見いだすことを目指す。本課題で確立する集団ゲノム学解析技術は、本新学術領域「ゲノム遺伝子相関学」全体で利用可能であり、研究連携により全体課題の進展に貢献できる。申請者らは、ゲノム解析を通じて、イネ-いもち病菌相互作用の分子機構の研究を進めてきた。さらに次世代シーケンサーを活用したシーケンス解析を日常的に実施している。こうした研究で培った技術を活用することにより、本課題を効率良く実施することが可能である。

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