文部科学省科学研究費補助金「新学術領域研究」
高橋班の研究成果がMolecular Ecology誌に掲載されました。
種間のモジュール型エンハンサーによる進化とは対照的な種内変異の複雑さが明らかとなりました。
また、ebony遺伝子に関する新たな複数のシス制御領域の存在も示唆されました。
Miyagi, R., Akiyama, N., Osada, N., and *Takahashi, A. (2015) Complex patterns of cis-regulatory polymorphisms in ebony underlie standing pigmentation variation in Drosophila melanogaster. Mol. Ecol. 24: 5829-5841.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26503353
また、上記研究成果の一部は、8月にスイスのLausanneで行われたEuropean Society of Evolutionary Biologyの大会(ESEB2015)にて、下記のタイトルで招待講演を行ってきました。
Nucleotide polymorphism and physiological diversity underlying pigmentation variation in Drosophila melanogaster. (Symposium 31: "Melanism")
現在、オーガナイザーと共にこのシンポジウムに関する特別号(Frontiers in Physiology誌)の編集を検討しています。
高橋班研究分担者の長田直樹博士(写真、国立遺伝学研究所)が第86回日本遺伝学会(長浜9/17-19)におきまして奨励賞を受賞されました。受賞内容は、「ゲノム情報と進化理論の統合による進化機構の解明」 と、進化学的視点をもとにしたバイオインフォマティックスの研究成果が評価されたものです。
また、先月開催された日本進化学会第16回大阪大会(高槻8/21-24)にて、大学院生(M1)の秋山礼良さん(下写真右端)が、学生ポスター賞を受賞しました。「キイロショウジョウバエにおける体色変異と低温、乾燥耐性」に関する研究です。
国立遺伝学研究所が編集した「遺伝子が語る生命38億年の謎」が悠書館から出版されました。北野は第5章の「多様性を生み出す進化の謎」を、高橋は第7章「遺伝子多型の謎」を、隅山は第8章「ヒトゲノムの暗黒部分の謎」をそれぞれ執筆しました。ゲノム遺伝子相関の基礎となる遺伝子やゲノムに関する知識を一般の方へ分かりやすく紹介することを目指した本です。
ゲノムバイオインフォマティックス関連の下記会議にて成果を発表しました。
1)生命情報科学若手の会第5回研究会
2014年2月17日(月)~19日(水) 検見川セミナーハウス
http://bioinfowakate.org/events/annualmeet2013
高橋が、研究内容に加えて若手に向けた女性研究者として研究生活の一端を話しました。
研究会は、若手が集まる活発なもので大変有意義でした。
2)SMBE Satellite Meeting/NIG International Symposium: The Causes of Genome Evolution
March 14 - March 17, 2014. Toray Conference Center, Mishima, Japan
高橋班から 高橋、長田
北野班から 北野
木下班から 河辺
が、それぞれ成果発表を行いました。
長田、高橋はorganizing committeeにも入っており、シンポジウムの運営にも尽力しました。
Andy Clark, Michael Lynch, Doris Bachtrog, Chuck Langley, Ziheng Yang など集団遺伝学を中心としたゲノム進化に関する一流の研究者が集まり、質の高い議論が行われました。
3)RCGB Conference:Research Center for Genomics and Bioinformatics
March 18, 2014,Tokyo Metropolitan University, Japan
http://evolgen.biol.se.tmu.ac.jp/RCGB_Conference.htm
高橋及びポスドク研究員の宮城が成果発表を行いました。
Sudhir Kumar が、大規模系統樹推定についての話をするなどインパクトの大きい会でした。
(首都大・高橋 記す)
2013年9月21日(土)に慶応大学日吉キャンパスで開催された日本遺伝学会第85回大会にて、本領域との共催ワークショップ「異なるゲノム間の軋轢と強調 〜相互作用のゲノミクス〜」を開催し、領域内の寺内、松田、岡がそれぞれの研究対象とするゲノム間の相互作用についての講演を行いました。また、北大の久保友彦先生に、ミトコンドリアと核のコンフリクトのお話をしていただきました。改めて、「病原菌と宿主」、「雌雄」、「亜種間」、「ミトコンドリアと核」など、植物動物の様々なレベルでのゲノム間相互作用を見ていくと興味深い現象が数多く見えてくること、また遺伝子重複やエピジェネティクスを含む転写調節機構の進化など共通性のある要素が存在することが浮き彫りとなりました。学会最終日の午後でしたが、50名を超える来聴者を迎えて有意義なワークショップを行うことができました。また、本大会では本領域の田中、北野による共催シンポジウムも開催され大変盛況でした。
大阪教育大学 鈴木剛
首都大学東京 高橋文