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遺伝子対遺伝子説の新展開:ペア抵抗性遺伝子群による植物と病原体の遺伝子相関

Chinese Academy of Sciences Shanghai Center for Plant Stress Biology
奈良先端科学技術大学院大学 バイオサイエンス研究科 河野 洋治

植物の限られたゲノムによってどのように多様な病原体を認識し、免疫を誘導するかは十分に理解されていない。1940年代、Flor博士は、植物の病害抵抗性は、単一の優性遺伝子によって制御され、植物の抵抗性遺伝子とそれに対応する病原体の非病原性遺伝子の組み合わせによって決定される「遺伝子対遺伝子説」を提唱した。今年度までの新学術研究で申請者は、古典的な遺伝子対遺伝子説では説明できない、異なる2つの抵抗性遺伝子がペアで働く「ペア抵抗性遺伝子」に着目して解析を行ってきた。その過程で、ペア抵抗性遺伝子Pit-1/2のPit-1は、Pit-2以外の複数の抵抗性タンパク質様タンパク質と結合することを見出した。この結果は、1つの抵抗性遺伝子は、異なる抵抗性遺伝子と複数のペアを形成していることを示唆している。これまでに、1つの抵抗性遺伝子が複数の抵抗性遺伝子とペア形成をする報告はなく、この知見は、植物免疫の多様性を理解する上で新しい概念となりうる。本研究では、ペア抵抗性遺伝子群による植物免疫機構をタンパク質レベルで解明することを通じて、病原体と植物の遺伝子相関を理解する。

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