研究経過
【レポート】学会参加報告(The Plant & Animal Genome Conference:Pag30)とUC Davisへの訪問
March 6, 2023 11:10 AM
Category:レポート
main:赤木班
2023年1月10日から18日にかけてカリフォルニア大学デービス校にてProf. Luca ComaiとDr. Isabelle M. Henryとの打ち合わせおよび、サンディエゴで開催されたThe Plant & Animal Genome Conferenceへ参加しました。
カルフォルニア大学での打ち合わせでは、性決定とゲノム進化の関係を明らかにする新規的手法展開について議論を重ねることができ、大変有意義な時間を過ごすことができました。
The Plant & Animal Genome Conferenceでは、深層学習 (AI) をゲノム配列に適用することで全遺伝子のcis領域から遺伝子発現を予測し、その鍵となるcis因子およびそれと結合する転写因子群を網羅的に明らかにする技術についてポスター発表を行いました。多くの参加者と議論をすることができました。さらに、口頭発表やポスター発表、ワークショップを通じて、ゲノム解析技術・研究の最先端を学ぶことができました。今回の出張での経験を今後の研究活動に活かしていきたいです。
打ち合わせおよび学会参加に関する費用は学術変革領域研究(A)の総括班からのサポートをいただきました。誠にありがとうございました。
桒田恵理子
岡山大学大学院 環境生命科学研究科(赤木班)
【学会レポート】Cold Spring Harbar Asia Symposium "Integrative Epigenetics in Plants"
March 1, 2023 11:17 AM
Category:レポート
main:奥田班
2022年12月12日から15日にかけて、Cold Spring Harbar Asia Symposium "Integrative Epigenetics in Plants"が兵庫県立淡路夢舞台国際会議場にて開催されました。
植物エピジェネティクス分野の最前線で活躍されている研究者の方々のご講演や、多くの学生やポスドク研究者が参加・発表したポスターセッションを通じて、活発な議論が行われました。本会議を通じて、植物エピジェネティクス分野の最先端の研究について学ぶことができ、また、ディスカッションや交流を通じて有意義な時間を過ごすことができました。本会議での経験をぜひ今後の自身の研究展開に活かしていきたいです。
戸田絵梨香
東京大学・発生細胞生物学研究室(奥田班)
【プレスリリース】ボルネオ熱帯多雨林の一斉開花現象を世界で初めて衛星観測により広範囲にとらえた(清水班)
February 14, 2023 3:23 PM
Category:プレスリリース, 論文発表
main:清水班
計画研究・清水健太郎教授(チューリッヒ大学・横浜市立大学 客員教授兼任)は、海洋研究開発機構(JAMSTEC)と、米国ハワイ大学マノア校、宮崎大学、マレーシア国サラワク森林局、高知大学との国際共同研究チームで、光学センサーが搭載された高頻度高解像度衛星PlanetScope により観測された分光データを用いて、東南アジア熱帯域特有の開花現象「一斉開花」を広域的にとらえることに世界で初めて成功しました。
一斉開花現象を含む熱帯域の植物季節は、光合成や蒸発散を介した気候システムや生物多様性の理解を深めるために重要な観測項目のひとつです。しかしながら、既存の衛星観測では、センサーの精度や観測頻度が不十分であったため、これまで一斉開花現象は、観測タワーやクレーンにおける目視観測やタイムラプスカメラを用いた定点撮影により限定的にとらえられてきました。このため、種ごとの開花季節の特徴や種間の同調性についての空間分布の動態を広域的に評価することができませんでした。
本研究では、現地における長期的な地上観測データを用いた検証に基づいて、PlanetScope衛星により観測された分光データは、ボルネオのランビルヒルズ国立公園内(マレーシア国サラワク州)で2019年に広域的に生じた一斉開花現象の空間分布の特徴をほぼ個体レベルでとらえたことを明らかにしました。この成果は、既存研究において不十分であった熱帯多雨林を対象とした植物季節観測の高精度化、光合成や蒸発散など植生機能の理解の深化、さらには樹種判別の高精度化や開花季節の同調性のメカニズムの理解の深化を促進することが期待されます。
本成果は「Ecological Research」誌に2月8日付け(日本時間)で掲載されました。
図 マレーシア国サラワク州に位置するランビルヒルズ国立公園の位置(左図)と公園内の様子(右図)。
樹冠の上部にアクセス可能なクレーン(約90 m)がみられる。クレーンに吊り下げたゴンドラの中から撮影した。撮影者:徳本雄史(2019年5月3日)
(出典:プレスリリース資料)
<発表論文>
Utility of Commercial High Resolution Satellite Imagery for Monitoring General Flowering in Sarawak, Borneo
Tomoaki Miura, Yuji Tokumoto, Shin Nagai, Kentaro K, Shimizu, Runi anak Sylvester Punnga and Tomoaki Ichie
Ecological Research, DOI: 10.1111/1440-1703.12382
◆詳細は以下をご覧ください。
日本ナス科コンソーシアムシンポジウム(JSOL2022)をオーガナイズしました!
January 9, 2023 10:49 AM
Category:学会での企画
main:赤木班
領域代表の赤木先生がオーガナイザーを務める日本ナス科コンソーシアムシンポジウム(JSOL2022)が、2022年10月8日〜9日に岡山大学にて開催されました。
当領域の海外アドバイザーであるLuca Comai博士も登壇され、最新の研究動向についての議論が交わされました。
詳しいプログラムはこちらをご覧ください。
http://obyan2017lin.mind.meiji.ac.jp/jsol2022/doc/JSOL2022_program_v1.2.pdf
【プレスリリース】植物の有性生殖と陸上進出の謎に迫る(榊原班)
December 21, 2022 6:48 AM
Category:論文発表
main:榊原班
日本女子大学 化学生命科学科 関本弘之教授、計画研究・榊原班の金沢大学 西山智明助教らの共同研究チームは、接合藻類のヒメミカヅキモの雌雄にあたる 2種類の接合型のゲノムを解読して比較することにより、ヒメミカヅキモの接合型を決定する遺伝子を特定しました。
さらに,本グループが確立したヒメミカヅキモのゲノム編集技術を用いて,この遺伝子が接合型を決定する遺伝子の本体であることを示しました。
この遺伝子は,陸上植物の有性生殖に重要な遺伝子から接合型決定遺伝子に進化したと考えられます。また,ヒメミカヅキモは陸上植物と最も近縁な藻類の一つであり,本研究は,陸上植物が祖先的な藻類からどのように進化して陸上に適応したのか,その謎の解明への貢献が期待されます。
本研究の成果は,英国の科学雑誌「New Phytologist」のオンライン版に掲載されました。
<発表論文>
Hiroyuki Sekimoto, Ayumi Komiya, Natsumi Tsuyuki, Junko Kawai, Naho Kanda, Ryo Ootsuki, Yutaka Suzuki, Atsushi Toyoda, AsaoFujiyama, Masahiro Kasahara, Jun Abe, Yuki Tsuchikane, Tomoaki Nishiyama
A divergent RWP-RK transcription factor determines mating type in heterothallic Closterium
New Phytologist, 2022
https://doi.org/10.1111/nph.18662
詳細は以下をご覧ください。