東北大学・探求型「科学者の卵養成講座」(グローバルサイエンスキャンパス協定事業))

東北大学・探求型「科学者の卵養成講座」(グローバルサイエンスキャンパス協定事業)

令和元年度 活動ブログ

令和元年度 活動ブログ養成講座の活動を記録しています

2019.11.09

卵からひよこへの成長記録その5

 群馬県立中央中等教育学校4年の栁澤日和梨です。

 前回の講座から早2ヶ月、久しぶりに降り立った仙台は、群馬より寒く驚きました。

これからどんどん寒くなっていくので、今後は完全防備で行こうと思います。

 

 さて、今日の午前中は、英語交流サロンがありました。前回は自分の言いたいことを英語で上手に伝えることができなかったので、今日こそは、と張り切って臨みました。

 今日お世話になったのは、ペルーからの留学生でした。母国語はスペイン語なのに、英語をとても流暢に話されていて、また質問もたくさんしてくださって、楽しい時間を過ごすことができました。

 前回よりは、きちんと受け答えができた気がしました。しかしまだ自分の英語力はまだまだだとも感じました。留学生の方は、ビデオを見たりして英語を学習されたそうなので、私もやってみたいです。リンクイングリッシュも活用しようと思います。

 

 午後はじめの授業は、笠田竜太先生によるご講義「ワタシとアナタのエネルギー問題〜核融合炉がツナグ未来〜」でした。スマホを用いての参加型講義を聴講するのは初めてだったので、新鮮で面白かったです。

 タイトルにある「核融合炉」とは、核融合反応を利用してエネルギーを発生させるものです。二酸化炭素をあまり排出しないので、世界中で注目を集めています。日本を含めたいくつかの国が協力して、核融合実験炉ITERを建設中だそうです。

 もちろん核融合炉についてのお話は興味深いものばかりでしたが、私はエネルギーと幸せの関係についてのお話がとても印象に残りました。

 講義の途中、手元のスマホに表示されたのは「エネルギーを使えば使うほど、幸福度、幸福感は増加するのだろうか?」という質問です。私は少し悩んでYesに入れました。エネルギーがないと、食べたりお風呂に入ったりなど、今自分が当たり前にしていることができないからです。講義を受けていた方の約4分の3がNoに票を入れていました。

 先生はその後、「電力消費と人間開発指数(HDI)の関係」と題したスライドを表示されました。20191109193352-3bb86abacff9900a172a4255633d2718af6c0fbd.jpeg これを見てわかるのが、電気の消費量と幸せの度合いは、電気の消費量が多ければ多いほど相関しなくなっていく、ということです。エネルギーの在り方は難しいと感じました。

 

 二つ目に、佐貫智行先生によるご講義「次世代素粒子研究施設:国際リニアコライダー(ILC)計画」がありました。素粒子は小さいですが、今日のお話のスケールはとても大きかったです。

 はじめにスクリーンに映されたのはハンバーガーでした。「ハンバーガーは何に分けられるでしょうか?」先生はこう質問されました。パン、ハンバーグ、トマト、レタス...。

「じゃあ、ハンバーグは?」パン粉、玉ねぎ、卵、水...。

「じゃあ、コップ一杯の水を半分に分けて、その片方をさらに半分に分けて...を繰り返したら、何回分けられる?」答えは70回でした。

 水は粒からできています。水の粒(水分子)は1000万分の4の大きさだそうです。そして、水分子をさらに見てみると、3つの素粒子に分けられます。電子、アップクォーク、ダウンクォークです。水以外のすべてのもの、ハンバーガーも、人間も、そして宇宙も、これらの3つの素粒子からできています。

 さて、講義のタイトルにある「国際リニアコライダー」とは一体なんでしょうか。これは線型の加速器で、電子と陽電子を加速させて正面衝突させるものです。

 これによって、宇宙の始まりを理解することができます。ビッグバンが宇宙の始まりと考えられていますが、このあと生成された粒子の反応を繰り返して、現在の宇宙になっています。そのため素粒子を研究することで宇宙の研究につながるのです。

 そしてなんと、宮城県と岩手県に連なる北上山地が、国際リニアコライダーの候補地になっているそうです。

 

 講座が終わったあと外に出て、空の暗さにびっくりしました。冬がもうすぐやってきます。と同時に、科学者の卵養成講座も終わりが近づいてきました。3月にきちんと立派なひよこになれるように、次回以降も頑張ります。

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投稿者:事務局 |個別ページ

2019.11.09

切符5枚目

自分のやっている研究はいいものだと思うものだ。 これが最も印象に残ったものだ。   今回の講義では、これまでとは変わり、工学や物理の講義を受けた。工学は核融合とエネルギー問題について、物理は素粒子とリニアライダーについてだ。   エネルギー問題はどういったものなのか、という説明から始まり、核融合炉の必要性について学んだ。 講義中にアンケートを取ることがあった。それは、投資と石油の開発のリスクについての3つの質問と、それとほぼ同じことを聞いたもう3つの質問で構成されていた。ただ違いが1つ。自分がこれから手に入れるか、手に入れたものを失うのかということだ。 あるものは失いたくない、ないものはリスクを冒してでもとりたい、そうして無意識の内に、教授の思うままの答えを出してしまったわけだ。   また、エネルギーの供給方法について、太陽光の研究をしている人は太陽光の利点を伝えるし、核融合を研究している人は核融合を推す。 そのようなことも学んだ。 つまり、研究者の主張、見解には少なからず色眼鏡がかけられていることだ。そのため、同じ目的を達成するために別の研究者が同じ問題の解決を求めていてもしても、互いの最適解は、相入れないことがある。私も部活単位だが、研究をするものとしてこのことを頭に入れて行きたい。   また、逆に同じ問題の解決を行うのに違う分野の助けがいることがある。例えば岩手にリニアライダーができる時に、世界中から物理学の研究者が集まる。そこで快適に研究できるようにまちづくりを行ったり、相互の連絡のためにインターネットを使ったり、様々な専門家が必要で、決して研究者のみではできることではない。     その時に、自分の行っていることの必要性と解決できる課題が、物事を円滑に行う時に大事なものだと考える。       秋田南高校 下田楓大

投稿者:事務局 |個別ページ

2019.11.07

『科学者の卵』第四回講座を終えて

こんにちは。宮城第一高等学校1年の熊倉妃夏です。

まず、午前には長神風二教授によるサイエンスカフェがありました。今回のサイエンスカフェは、普段の講義などとは異なり倫理の活動でした。倫理と聞くと学校の授業を思い出し、難しいイメージがあったので少し不安でした。しかし、受けてみると周りの人と話し合う活動が多く、意見を共有し合いながらリラックスした気持ちで過ごすことができました。特に、未来に実現しそうなことをグループで話しあったときには、私には思いつきそうにないことをたくさん出してくれて様々な想像をすることができました。午後は滝澤教授による「化学反応の場を探る~マテリアル・デザインと新物質探索~」と、京都大ー東北大共同企画(パネルディスカッション)がありました。滝澤教授の講義では、マイクロ波加熱を利用することで新しい材料を作ることができることを理解できました。原子配列と機能発現の話は少し難しかったですが、最後まで聞いて結晶中の原子配列が重要であることが分かりました。また、形態によって材料の機能が変わるというのもおもしろかったです。温度によって、電柱の上のルツボになったりサファイアになったりするということを聞いて驚きました。見た目では全然違うと思っていましたが、構成されている物質は同じだということに興味が湧きました。パネルディスカッションでは、なかなか聞くことができない京大生の勉強法や研究している内容について詳しく知ることができました。特に、高校の時に一番していた教科を聞かれた時に英語と答えていたことが印象に残りました。これは、学部の違いによっても変わらず英語が重要になってくることが分かったので、これから自分の英語の勉強時間を増やすなど勉強方法を見直してみようと思いました。また、多くの先輩が高校の時に様々な大会に参加していて、その経験が今の研究にも活かされているように感じたので、積極的に校外の活動や大会に参加してみたいと思いました。今回のディスカッションを通して、自分の生活を見直す良いきっかけになりました。

投稿者:事務局 |個別ページ

2019.10.19

予習と抱負

皆さんこんにちは。台風19号におびえていた穂積尚子です。今回、十月の卵は残念ながらなくなってしまったのですが、その分この活動ブログに力を注ぎます。

まず、今回予定されていた講座「哺乳類の進化における歯の重要性について」は小児発達歯科学分野の福本先生です。自分は奥歯が形成不全なので、虫歯やら磨き残しにとても気をつけているつもりなのですが、先日、前歯の裏に小さな虫歯が見つかり、削られました。(死ぬほど痛かった...)それで、プラスチックを詰められたのですが、福本先生の研究室では、乳歯で再生治療をできないかという研究がされているそうです。再生治療ということは、前歯丸ごと引っこ抜かなくてはいけないのかもしれませんが、お年寄りでも自分の歯が使えたら、それは誇りですよね。健康寿命を延ばすことにつながるのではないかと思いました。

もう一つ予定されていたのは、「進化する飛行機~ライト兄弟から火星飛行機まで~」は浅井圭介先生。東北大学は鳥人間コンテストでの活躍も有名ですよね。(笑ってコラえてにも出ていたことがありますし...)それから、前回の英語交流サロンで、留学生が所属する研究室が宇宙工学だったことも思い出し、世界トップレベルの航空学の講義が聞けるのだろうとわくわくしています。なかなかできる体験ではありません!!

最近、後輩や同級生から「科学者の卵に行っているの?」と聞かれることが多くなりました。私は自己推薦で、所属している部活は被服部...って全然科学じゃないじゃん!と突っ込まれることも覚悟していたのですが(科学と関わりは大いにあると、私は考えていますが)、温かく迎えていただき、幸せです。これはぜひ、研究発展コースに行きたい!あわよくば医学系研究に携わりたい!自己推薦文を一回目に書いた時、どうして私がこのプロジェクトにふさわしいのか、と延々書いていましたが、読み返した時、なんだか違うなと思いました。私が知りたいと思うことを率直にぶつけよう。そう思えば、あっという間に白紙が埋まりました。後輩の皆さん、自己推薦文はそうやって書くに限ると思います。先生方に思いを伝えられる数少ないチャンスなのだから。

私は研究発展コースへ行きたいですが、自己推薦文では行けないので...これからも頑張ります!

投稿者:事務局 |個別ページ

2019.10.14

科学尽くしの三か月

 こんにちは。岩手県立盛岡第一高等学校の佐々木あゆです。

 さて、またまた私の話から始まってしまいますが、今回は少々特別なお話をしようとこの文章を書き始めました。聞いたことがないという人は多数いらっしゃると思うのですが、ぜひ皆さんにも行ってほしいと願いを込めて「数理の翼」についてお話ししたいと思います。8月12日~16日の5日間で数学や物理、生物、地学、化学、宇宙理論といった様々な分野に特化した高校生40人と、この「数理の翼」の同窓生を中心とした大学生の方とともに、日本のみならず国際的に活躍している研究者の方々の講義を聴講したり、参加者同士で教えあったり、レベルの高い事象について淡々と語る方もいて自分は圧倒されました。個人的に岩手県で一人という状況下の中で不安を胸に会場に向かい、話についていけるだろうかと緊張していました。しかし、固まっていたのもつかの間「数理の翼」がいよいよスタートしたのでした。セミナー自体の詳しい内容は記載できないのですが一言で表すとこの5日間は怒涛の日々でした。本当に一瞬で過ぎ去ってしまった印象も大きいのですが、その分とても密なものでした。5日間は過ぎてしまったものの、第40回で一緒に過ごした方々と様々なツールでつながることができとても嬉しく思っています。(なんとこの科学者の卵で運命的再会を果たしました。)言うまでもなく、この「数理の翼」は私の人生においてのターニングポイントになっているのです。

 まだまだたくさん語りたいことはあるのですが、時間の都合上、ここで割愛させていただきます。科学者の卵に参加している方の中で少しでも興味を持ってくださった方はぜひ声をかけてください。

 さて、今回は科学者の卵養成講座第4回目。盛岡から仙台の往復はさすがに慣れてきて、この往復中の小話もいつかこの場をお借りしてお話ししようと思っています。今回も余談から始まってしまったので、本題はスムーズにいきたいと思います。

 まず最初の講演は、科学・社会・生命倫理と題して長神 風二先生にご講演していただきました。形式はサイエンスカフェというもので、同じテーブルの人と話し合って自分にはないものの見方や考え方を発見することのできる場でした。具体的にどんな題について話し合ったのかというと「今から10~20年後に初めて実用化されそうな技術を想像してみよう」というものでした。今考えてみると、実用化が予想される技術ではなく自然と、実用化してほしい技術を考えていた気がします(笑)。その後、出てきた技術を使ってどんな悪用方法があるかを考えると驚くことに芋づる式に出てきてしまうものなんです。新しい便利な技術はそれほど大きな責任を負っているということです。ここで私が思うことは、のちにご紹介するパネルディスカッションのお話とも関係するので、その時にお話しようと思います。科学者になり、科学に触れるということの責任と、技術を発信することに対する一般論は切っても切れない関係にあることを心にとめていきたいです。

 お昼ご飯は科学者の卵に参加してから初めてとなる東北大学の学食を食べました。やっぱりご飯は温かいのが一番だの言いながらおいしくいただきました。次はカレーに挑戦しようか迷っていますが、なぜか東北大学の学食はカレーの種類がたくさんあるので優柔不断な私には高いハードルかもしれません。

 さて続いては、私の大好きな化学のお話です。私の学校の担任が化学であることもあり、なんとなく入りやすかったのかもしれませんが、一番の魅力は日常に触れ合う機会が豊富にあって、五感で感じられる唯一の教科だということです。百聞不如一見と漢文でも見るように視覚情報はインプットされるし忘れにくいともいわれます。そんな素敵な化学について今回は化学反応の場を探ると題して滝澤 博胤先生の講演を聴講しました。滝澤先生は極限環境下、すなはち非日常の環境を反応の場として新しい材料を創製するという研究を行っています。ご講演では従来に活躍していたものではなく、新物質、新材料が化学の画期的な成果をあげる契機の一つになるという、なんとも新鮮な考えから始まりました。また、私が最も驚いた事実は酸化アルミニウム(Al2O3)の豹変劇です。知っている人も多くいると思うのですが、この酸化アルミニウムはサファイヤ、ルビーなどの美しい姿に変化することができて、形態による違いが材料としての機能も変えることができるのです。一つの物質の多様な側面を感じた瞬間でした。

 第四回目の最後に待ち受けているものは東北大学と京都大学のコラボ企画としてパネルディスカッションでした。京都大学は多くの著名な科学者を輩出しているイメージがあり、私にとってどんな出会いがあるのかとても楽しみにしていました。ユニークな渡辺先生の進行から繰り出される5人の方々の討論は一筋縄ではいかず、今までにない視点の考えも多々ありました。ここで、先ほどサイエンスカフェの紹介の時にお話した話題に戻りながら続けたいと思います。パネルディスカッションの中で大きなテーマとして挙がった「科学は社会・世界を幸せにするか?」ということについてです。ここからは完全に個人的主張になるのでご了承ください。先ほどお話にでた「科学者の責任」についてですが、パネリストの方々の中には社会や世界を幸せにするのが科学者であるとおっしゃる方や、未だ幸せにできるかは分からないという方もいらっしゃいました。私の考えとしては、科学によって見つけ出された様々な技術は目的の前に位置するものだと思います。例えば、こんなことに困っているからこんな新しい技術を生み出した、ではなく、こんな技術を生み出したらこんなことにも使えた、というほうがメジャーな気がするように、今現在困っていることに対する研究というよりは、技術を生み出して、こんなこと、あんなことに使えるかどうかを実験していくこと自体が私たち社会全体が行わなければいけないことなのだと思います。科学者が幸せにするのではなく、幸せになるかもしれない今日にそのきっかけを提供してくださるそんな役割を担っていると思います。私たちが幸せであるかどうかは、社会全体が素晴らしい技術をうまく活用することができるかどうかにかかるものであると思うし、あってほしいと思います。そこまでも科学者の責任だといわれたら変な重荷になってしまいます。理想形態は、科学者と社会が連携しているような形だと私は思っています。

 こんな偉そうなことを言っていいのかと最後に思い返したところ、新鮮さを求めていこうとこの文をあげてみます。

もう高校二年生の半分を終えて、今になって漢文にはまっているところです。そろそろ受験だなんやと騒がれるだろうと思いながら毎日を過ごしています。私と同じように日々勉強に追われている方に向けて、漢文で締めようと思います。

 日に勉めて之を積めば、何の難きことか之れ有らん。

投稿者:事務局 |個別ページ

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