東北大学・探求型「科学者の卵養成講座」(グローバルサイエンスキャンパス協定事業))

東北大学・探求型「科学者の卵養成講座」(グローバルサイエンスキャンパス協定事業)

令和元年度 活動ブログ

令和元年度 活動ブログ養成講座の活動を記録しています

2019.12.12

激 突

どうも。

青森県立青森高等学校のゲレンデがとけるほど恋したい男子代表、

新岡 昂也 

(ニイオカ コウヤ) です。


 


冬がはじまるよ。


冬が全速力で、まるで今までの遅れを取り戻すかのようにやってきてしまいました。


 


雨は夜更け過ぎに、雪へと変わりました。


青森は大体、11月中旬には本格的な雪が降り始めるものですが、ことしは割と遅めで、11月後半~12月初週ぐらいでした。


ついこの前まではあったかかったのに。今では電気ストーブはともだちです。


冬というか年の瀬というか年末というか、この時期になると様々なことが忙しくなってくるのを強く感じます。地獄のミサワ状態です。あー2時間しか寝てねぇー


 


そのひとつとして、プロジェクト学習というものがあります。平たく言えば課題研究学習です。


そこで現在「SDGs」をテーマに活動しています。


SDGs。「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」


では、どんなことが「持続可能」なのか?


それは「行動しやすく、続けやすいこと」であると担当の先生は言っていました。


 


 


どんなに素晴らしい、完璧な解決策を練ったとしても、それをみなさんにやってもらえなければ、解決にはつながらない、ということです。


例えば、青森県の抱える問題のひとつに「短命」があります。要するに、平均寿命が他県と比べて低いことが問題視されているのです。


これを打開するために青森県では「元気!長生き!青森県!」をスローガンに様々な活動が行われています。


厚生労働省の最新のデータによると、平成27年度(2016)の平均寿命は以下の通りです。いくつかピックアップしてみました。


 


全国平均...男性:80.77歳 女性:87.01歳


 


男性1位...滋賀県:81.78歳


女性1位...長野県:87.57歳


 


男性47位...青森県:78.67歳


女性47位...青森県:85.93歳


 


だそうです。見事に青森県が(逆)1位を獲得してしまっています。


しかも、これは10年以上も前から言われていることなのです。ではなぜ解決しないのか?


 


それは「行動したほうがいいのはわかるけどやらない」からです。


 


例えば、青森では様々な「減塩レシピ」がTVなどいろんなところで紹介されています。


しかし、そうやっていちいち体に気を使って料理をするよりも、自分の食べたいものを(あまり考えずに)食べるほうが楽だし、たのしいと思う人は少なくありません。


そういう考えを持った人たちに、ただ減塩の有効性やレシピを紹介したとしても、理解はしてくれても、納得して、行動には移してくれないのです。


 


ではどうすればよいのか?


 


これまでの提案が「生物学的なアプローチ」なのだとすれば、それに加えて「心理学的なアプローチ」も行えばよいのです。


つまり「人の気持ちに寄り添った行動」の提案です。


 


最近流行っている「健康でいれば保険料が下がる」という「健康増進型保険」も、その一例であると考えられます。


 


そりゃあ、保険料でもなんでもサービスが変わらないのであれば、安いほうを選びたいというのは誰もが思うことです。


ではそれが「自分が健康になることで」そうなるのだとすれば?

日々のちょっとした努力で、安くできるのだとすれば?


保険料も安くなるし、自分は健康に過ごすことができる。


 


最初は保険料目当て(そんな人いるのか?)の人は、いつしか健康に過ごせることの大切さに気付き、モチベーションがさらに上がる。


最初から健康に過ごしていた人は、保険料が安くなることを追加のモチベーションとする。


 


消費者の気持ちに寄り添い、利用し(?)モチベーションを大きく増加させて、誰でも実行しやすく、また続けやすいような状況をつくる。


「持続可能」な行動の、良い例のひとつだと思います。


 


実際のところ、この商品の売り上げを私は知る由もないのですが、なかなかいいアイデアなのではないかな、と思います。


 


イソップ童話の「北風と太陽」にも通じるところがあるかもしれません。押してダメなら引いてみろ。


一方向からだけではなく、多方向から何かアプローチが出来ないかを考える。


そうすることで、誰もが続けやすくなり、また続けたくなるような「持続可能」に繋がってくるのです。


 


何か物事を進めたり、解決したりするうえで、誰かの力というものは必要不可欠です。


このアプローチも、おそらくそのために行う必要もあるのでしょう。


大きなプロジェクトになるにつれて、その人数も増えていきます。


それなのに、指示が適当だったり、無茶な内容を強制的にやらせれば、良好な関係が壊れ、誰からの力も借りることができなくなってしまいます。


いかに相手の気持ちに寄り添ったことができるか。今のうちから経験を積んでおきたいものです。


 


 


 


さて、卵に戻りましょう。


 


 


 

今回の講座は、

英語交流 サロン(留学生との語らい)
1.「ワタシとアナタのエネルギー問題~核融合炉がツナグ未来~」
2.「次世代素粒子研究施設:国際リニアコライダー(ILC)計画」

の三本立てです。


 


英語交流サロンは、私は諸事情により参加しませんでした。


しかし昼食からなんとなーく参加することができました。(話しただけ?)


 


その人は簡単に言うと、「コンピュータの物体の識別、認識」について研究しているそうです。


例えば人間であれば、机の上に置いてあるスマホを目で見て「これは自分ので、これはあいつのだ」とスマホを認識し、かつ識別もできます。


しかしコンピュータは、机の上のスマホをカメラでとらえても、「これはどれも同じ「スマホ」と呼ばれる物体で、それ以上でもそれ以下でもない」ということしか分からないのです。


技術の進歩で、この「物体」を「スマホ」であると認識できるようにはなりました。


次は「誰のスマホか」を「識別」できるようになれば良いのです。


しかし、「どこを見て判断するのか」ということをコンピュータにひとつひとつ、手作業で学習させることは、なかなか骨の折れる作業です。


そこで、その学習(ラーニング)に、AIを使って効率的に行ってしまおう、ということを研究しているそうです。


おそらくこの技術がもっと発達すれば、本質的には工場で生産された精密機械なんかに使われる部品の品質管理も、コンピュータによって、もっと楽に、効率的に、スピーディーになるのでは、と考えます。


ぜひとも実現されてほしいですね。


 


 


お昼を挟んで次の講義です。今回はソーーーーースカツ丼でした。うまーーーーーい。


 


 


さて一発目。


「ワタシとアナタのエネルギー問題~核融合炉がツナグ未来~」

です。


ユーモア精神あふれる笠田竜太先生による講義でした。


ちょくちょく(偶発的に?)息子さんの写真が出てきていました。すごい似てました。


 


 


「『核融合炉』の実用化のためには?」というのが今回のテーマ。


そもそも「核融合炉」ってなんじゃい!!!!


と思う人も多いかと思います(たぶん)


核融合炉とは簡単に言うと(簡単には言えない)、軽い原子である水素やヘリウムによる核融合によって発生するエネルギーと中性子を利用して発電する原子炉の一種です。


ガンダムやザク、グフ、ドム、アッガイ、アッグ、ゴッグ、ゾック、ズゴック、ゾゴジュアッジュなど、いろんなモビルスーツにも搭載されています。


ミノフスキー博士はすごいですね。


ちなみに、「原発」などとよく呼ばれている原子炉の正式名称は「核分裂炉」であり、これとは似て非なるものです。というか全然違います。


 


核融合炉を使うメリットは、


 


1.二酸化炭素が出ない


2.主に水素(の同位体など)を使う→海などから得られるので資源がほぼ無尽蔵


3.放射性廃棄物があまり出ない(放射化した交換する必要のある部品のみ)


4.核分裂反応のような連鎖反応が起こらないので、「暴走」が起こらず、また機能が停止したとしてもメルトダウンが起こらない


 

と、核分裂炉のデメリットがほぼ解決できています。もしこれが実用化されれば、各国のエネルギー問題は解決に繋がるでしょう。


 


 


しかし、まだ課題も残されています。


 


1.構造が複雑すぎるので、つくるのに莫大な予算がかかる


2.生み出すエネルギーが大きく、エネルギーができるときに超高温の熱が発生したり中性子が発生したりするので、いろんな部品が劣化しやすくなったり、放射性同位体となったりする(放射化)


 


核融合炉内ではおよそ100000000℃(1億℃)の熱を持ったプラズマが発生します。(ちなみに太陽の中心温度は1500万℃)


それを超電導磁石による磁場で閉じ込め、タングステン(もっとも熱に強い元素)で作られた壁で漏れ出てくるイオンや熱を受け流し、銅や鉄で中性子を止めてエネルギーを取り出す、という仕組みになっています。


そして発生した熱を利用してタービンを回して発電します。ここだけは他の発電法と共通しますね。


ただでさえ莫大な熱が発生するのに、これも莫大なエネルギーを秘めた中性子が動きまくります。つまり、装置自体に莫大な負担がかかってしまうことになります。


そしてその装置も、複雑な構造をしているので、莫大な費用もかかるわけです。


 


あとは、イメージの悪さですね。大体、原子炉って聞くと原発事故が連想されてしまうので。これもある意味デメリットだと言えます。


 


 


先生は、このことをある古語を引用して説明してくれました。


「天の時」「地の利」「人の和」


戦略というものは、この三つがそろって初めて成功する、という故事成語です。


 


「天の時」:タイミング

「地の利」:有利な状況

「人の和」:人との協力


 


もちろん、核融合炉が技術的に成立している状況でなければ(地の利)、そもそも成功させることは出来ません。


技術の進歩で、核融合炉は成熟し始め、その実用性は現実味を帯びてきています。


しかし、それはよいタイミング(天の時)なのか?


タイミングを間違え、未成熟のままで実用化することは様々な意味で危険です。


また、人々は、社会は核融合炉の実用化を求めているのか?


そして、核融合炉を実現できるのは誰なのか?


様々な人々の理解、納得、協力がなければ、成功させることは出来ません。


 


核融合炉は科学技術の統合体だと表現されています。つまり、すべての分野の「本質」が結集されているのです。


そのためにも、様々な人々の理解、納得、協力がなければ、成功させることは出来ません。


例えばさっきのイメージの悪さにしても、「わからない」ことが不安につながり、不安がイメージの悪さに直結するのであれば、それを解決すればよいのです。


 


つまり、私たちは、もっと他の人に、それも科学を知らない人にでも分かりやすく、分かるまで説明する義務があるんじゃないかな、と、ふと考えました。


大学なんかでやっているような高度な研究は、パッと簡単に説明することはほぼ不可能です。そして、その内容を瞬時に理解することも不可能です。


もしかしたら、同じ大学の、同じ研究室にいる人を相手にするならばそれで通じるので問題ないかもしれません。


しかし大きなプロジェクトの成功のためには、もっともっと多くの人の理解が必要になってきます。


むしろここを疎かにしてしまったほうが、後にいろんな悪影響が出てしまいます。


だから、わかりやすい説明は義務なのではないかと思うのです。


 


シンプルにまとめて説明することは、逆に長々と書くことよりもかなり難しいことであると強く感じます。


肝心かなめの部分はどこか?どこが理解してもらう上で邪魔になるか?もっと短い文でハッキリ表すには?なかなかキリがありません。大変ですね。


 


また、人数が多くなるほど、例えばある方針を全会一致で決めることは不可能なものになっていきます。


よって多数決になるのですが、ここでもう一つ大事になってくることがあります。


それは「多数決のアフター・ケア」です。


 


要するに多数は、少数の意見もある程度尊重して決定するべきだ、ということです。


まあ当たり前といえば当たり前ですよね。そうやって少数を抑圧してしまったほうが、その人達の貴重な力を借りられなくなり、かえって自分の首を絞めることに繋がってしまうからです。


また少数も、ある程度の妥協の心も持たなくてはなりません。多数の気持ちをある意味、ある程度くみ取ってあげることも必要だと思います。


 


 


この二つの本質は「相手の気持ちに寄り添う」ということです。


相手の気持ちに寄り添うことができれば、おのずとこれらは満たされると考えます。


 


一人で達成できないからこそ、相手と行動する必要がある。


自分と相手との間に亀裂があれば、成功させることは出来ません。


 


現在、「ITER」と呼ばれる核融合実験炉で様々な実験が行われてきています。


それにはアメリカ、ロシアをはじめとした国々が、政治的な葛藤も超えて、この技術を実現させるために協力してこの実験を進めています。科学のあるべき姿のひとつに思えます。


やはり科学者の卵に参加して様々な話を聞くと、共通してくるのが「協力」であると感じます。


国と国という大きなものから、自分と隣の誰かという小さなものまで。これからの私たちにはこれが求められているのだと感じます。たったひとりで出来ることなど、たかがしれています。


 


そのためには、他者との上手なかかわりが不可欠となってきます。


今のうちから、相手と良好な関係を築くための力を育てていきたいものです。


 


 


最後。


「次世代素粒子研究施設:国際リニアコライダー(ILC)計画」

です。カッコいい計画名ですね。


佐貫智行先生による講義でした。熱意がハンパない。


 


突然ですが、「サイエンス」とはなんでしょうか?


これを語源からたどっていきたいと思います。


 


サイエンス「science」

←scientia「知識」(ラテン語)

←scire「知る」

←scindere「切る、分ける」


 


つまり、サイエンスとは、「切る、分ける」ことなのです。

これが今回のテーマ。


 


分析すること、分けることは科学の源です。


 


ハンバーガーって何で出来ているか分かりますか?


まあ大体わかりますよね。パンと野菜とハンバーグ。パンは小麦粉とイースト菌と水から出来ている。


 


じゃあ、「水」は何で出来ているのか?まあ、水分子ですよね。


じゃあ、「水分子」は何で出来ているのか?まあ、水素原子と酸素原子ですよね。ここまではまあいいんですよ。


じゃあ、「水素原子」と「酸素原子」は何で出来ているのか?


 


 


..................?


 


 


そう、こうやって幾度となく分けることを繰り返していった果てにあるもの。


それは、あらゆるものの素となる粒子。これこそが「素粒子」なのです。


 


その中でも「電子」「アップクォーク」「ダウンクォーク」の3種類が主に物体を構成しています。


つまり、ハンバーガーもサンドウィッチもライスバーガーも何でも、この3種類の素粒子から出来ているのです。


 


しかし、どうやって構成されているのでしょうか?マッチの家を建てるにも、マッチだけで構成すればバラバラになってしまいます。


そうならないためには、接着剤を使って、マッチとマッチを繋げることで、しっかりと構成することができる。


 


ん?


 


接着剤?


 


じゃあ、素粒子にとっての「接着剤」とは?


 

それが、力を伝える粒子「ゲージ粒子」と呼ばれるものです。おもに光子、ウィークボゾン、グルーオンの3種類です。


これらが先ほどの3種類の物質を創る素粒子(アップクォークなど)と結びつき、物質が出来ているのです。


このことを通じて、あることが研究されています。


 


「宇宙」です。


 


地球は何で出来ているのか?まあ、ぶつかり合った隕石からですよね。


 


じゃあ、その隕石はどうやってできたのか?


 


じゃあ、宇宙はどうやってできたのか?


 


すべてのものが素粒子から出来ているのであれば、これら3つも素粒子から出来ていると考えることができます。


しかし、素粒子がわかったからといって、この広い宇宙に存在する全てが直接解明されるわけでもありません。


例として「ダークマター」や「ダークエネルギー」が挙げられます。失敗した料理もダークマター


それを直接解明して宇宙の真理に迫る(これもものすごい大事)よりも、比較的手軽(?)な方法があります。


 


無いものは作ればいい。


 


手元に宇宙がないのなら、


 


宇宙をつくってしまえばいい


 


宇宙は、ある小さなところに大きなエネルギーを集まったことがきっかけではじまっていきます。


この原理を利用すれば、私たちにも宇宙がつくれてしまうはずなのです。


 


ではどうするのか?


 


電子という素粒子と陽電子という電子と反対の性質をもつ反粒子を、超加速させて衝突させるのです。


そうすることによって、電子と陽電子はぶつかって無くなります。しかし、そこには大きなエネルギーが生まれます。


こうして宇宙ができます。(宇宙ができて素粒子ができるのか、素粒子が瞬時に構成されて宇宙になるのかはわかりませんが)


 


 


そしてこれを行うための装置(施設?)が、


「ILC(International Linear Collider)」(国際線形衝突器)なのです。ようやくタイトル回収ですね。


リニアコライダー(線形衝突器)は長い筒のような形状をしています。しかし、ただの長い筒ではありません。


その長さはなんと50㎞。仙台~山形間、私の家~十和田湖間、そしてバチカン市国14周とちょっと。すごい長さです。


 


そしてこのリニアコライダーの狭い空間の中に、100億個の電子を詰め込み、その塊同士を双方から衝突させます。


これが難しいのです。その難しさは1月と7月の地球の位置からピンポン玉を打ち出して正面衝突させることに匹敵します。もはや何が何だか分からなくなってきますね。


 


ILCもなかなか大きなプロジェクトのひとつです。これもITERと同じくたくさんの協力なしでは成功させることは出来ません。共通してくるところですね。


 


今回、非常に興味深い話を聞くことができました。


 


 


簡単に言うと「信念のある者同士の争い」です。


何について争っているのか?


今回の「卵」では、ふたつの、国際協力が求められる、実験施設が登場しました。


それが「ITER」「ILC」です。


 


どちらも国際的プロジェクトなだけあって、二足のわらじ、なんてことはできないのです。


ITERを選べばILCは消え、ILCを選べばITERは消える。どちらもこの国にとって重要な施設、重要なプロジェクトです。まさに究極の選択。

(結局、ITERは他の国に建設されることになりましたが............)


 


 


相反するふたつの意見が出たとき、そこには少なからず争いが発生します。


しかし、争いだからといってわざわざコロニー落としからの一年戦争を始めるわけにもいきません。


平和的に解決しなければなりません。


 


では、何をもって「平和的解決」と言えるのか?


それは「双方の納得」が生じたときです。


 


研究者とは、基本的には自分の研究対象が最も価値が高いと思っている生物である、と笠田先生は教えてくれました。


そんな彼らの本音だけをぶつけ合うのみでは、いつまでたっても解決にはつながりません。


一度、相手の意見に落ち着いて耳を傾けてみる。全てはそこから始まります。


次に、相手の立場でも一度考えてみる。これもある意味、相手の気持ちに寄り添った行動であると言えます。


あとは、相手の状況をある程度くみ取ってやることも重要です。これがなければ永遠に終わりません。


 


また、これは研究者:研究者に限った話ではありません。研究者:市民 でも、市民:市民 でも、何にでも当てはまることです。


私たちは私たちとは違う人たちと社会生活をしています。それぞれ自分の考えや、自分の信念をもっています。


 


これから先、たくさんの人と出会って社会生活を送っていく上で、こうした衝突というものは避けられないものになってきます。


私たちは話し合いをしている最中、相手が自分の意見をどうしても聞き入れてくれないと、段々その相手のことを「敵」だと認識したくなってきます。


 


しかし、その人はおそらく敵ではありません。おそらく双方の目指していることも、その対極に位置してしまった人々の全面的な協力がなければ成功しないものだと(半ば勝手に)思います。


私も実際、あることについて議論している最中、その議論が白熱してきて、「どうしてわからないんだ」と段々ただの口喧嘩になってしまった、という経験があります。


そうではない。私たちのするべきことはただの話し合いではなく、「対話」なのです。相手の気持ちに寄り添う「対話の精神」が必要なのです。


 


その後、その相手とは和解、というか仲直りをしました。


今では情報だったり意見だったりを交換することで互いを高め合うことのできる、よい仲間となったと(半ば勝手に)思います。


これは、仮に私がその相手をずっと「敵」だと認識していれば、起こらなかっとことだと感じます。


 


 


本質的には、国際交流も、仲間との交流も同じものです。


そしてこれは数学などのように、「こうすればよい」という明確な答え、方法は存在しません。


 


私たちはこの多感な時期にこそ、相手との関わり方について深く学ぶことを通じて、自分なりの「対話の精神」を形成しようとするべきなのではないか、と私は考えます。


その積み重ねは、これからの社会、そして今後の人生において確実に役に立つものだと思います。


 


 


長い年月が経てば、人の考え方というものは大きく変わってしまいます。


事情も変わってきます。


それは当然のことであり、おかしくもなんともないことです。


 


 


しかし、この「対話の精神」だけは、ずっと変わらないでありたいものです。


 


 


 


 


 


 


 

投稿者:事務局 |個別ページ

2019.12.08

エネルギー

 岩手県立水沢高等学校の佐々木遥大です。前回の講義で思ったことを書きます。 笠田先生の講義では、先進国では電力消費とHDIの間に相関はないと分かりました。HDIが高いから先進国と呼ばれるのだとも思いました。基本的に必要な満足感が得られている人と得られていない人との議論は成立しないというのはなるほどと思いました。石炭火力発電をやめようとしている国はエネルギーが足りなくなるので、ITERに協力していると分かりました。産業革命を起こしたイギリスも石炭火力発電をやめようとしているというのは驚きでした。太陽光発電は火星以遠では難しいというのは確かにそうだと思いました。エネルギー分野では、あるエネルギーを研究している人はそのエネルギーをよいと言うというのは共感できました。核融合炉の実現には色々な科学・技術の間をつなげる人が必要だということでしたが、どのようにそのような人材を育てるのだろうと思いました。また、もう1つ疑問に思ったことは核融合炉は建設地に制限があるのかということです。 佐貫教授の講義では、電子は速いから輪っかに見えるというのは確かにそうだと思いました。陽子と中性子の中にあるクォークは3つだというのは初めて知りました。グルーオンのグルーはのりのグルーだというのはなるほどと思いました。電子と陽電子を衝突させると何もなくなるがエネルギーはあるので、小さいところに大きなエネルギーがあるという宇宙の始まりの状態になり、素粒子ができるというのはとても分かりやすい説明だと思いました。  20191208171203-c078041988ab974949734312dc37fa5c76f5fbb9.jpg  最後に、私の住む奥州市はILCの建設候補地に含まれています。ILCが実現できるようにもっと機運が高まることを期待しています。

投稿者:事務局 |個別ページ

2019.12.07

第6回?科学者の卵を終えて、

 こんばんは。花巻北高校2年の佐々木愛です。またまた遅くなりましたが第6回講義を終えてのまとめをしようと思います。

①English Salon

 二回目の英語サロンは前と変わり三人生徒に一人の留学生さんという4人グループのかたちでした。以前よりみんなの声が聞きやすくて話しやすい場でした。自分の自慢できることがテーマでしたが、私自身については好きな食べ物や趣味、将来の夢などを話しました。留学生さんのほうからどんどん質問をしてきてくれたおかげで何とか会話ができました。地元の国の話や、大学での研究についてお話を聞けてとても楽しい時間をつくれました。

 私が学校の授業でアフリカについて習ったあとで、今回のことを思い出し、あることをリンクさせることができました。それは、ナイジェリアはもともとイギリスの植民地であり公用語が英語だということです。私のグループの留学生さんは、母国ナイジェリアでは家庭内では地元の言語を話しているのに対し、学校など家の外では英語を習い、使っていたそうです。これは昔の名残があって独立した後の今でも英語が話されているからだと思う。このように英語サロンでの活動が学校での授業でつながったことが感じられとてもうれしく思いました。

 また、私が今回の交流を終えて必要だと思ったことは、①相手が言ったことに対して相槌をうったり、反応をすること、②なんとか英語で話してみることです。まだまだ足りないことばかりですが次はこれらを意識してのぞみたいです。

②講義「ワタシとアナタのエネルギー問題 ~核融合炉がツナグ未来~」 笠田竜太教授

 この講義ではまず、現在のエネルギーの使われ方などの現状を知ることができた。そして核融合炉の仕組みやメリット、デメリットが分かった。地球のエネルギー問題はますます重要になってくる話題だと思うので自分から興味を持って調べていけたらなと思った。

 そしてその場でアンケートを取るというスタイルは初めてでこうやって進めていく方法もあるのだと感心した。質問の仕方で結果が変わってきたりして人の心理のようなことも見られて面白かった。

③講義「次世代素粒子研究施設:国際リニアコライダー(ILC)計画」 佐貫教授

 ILCは私の住む岩手で誘致されているものでよく聞く話題なのでとても興味がありました。実際のILC での宇宙の始まりの作り方をすることができ、ますます面白い計画で、難しいものなのだと思った。もし本当に岩手の地に作られるとすると、日本でも注目されることでもあるので、この講義でしっかりと理解を深められてよかった。

投稿者:事務局 |個別ページ

2019.12.07

第4回科学者の卵を終えて

こんばんは。花巻北高校の佐々木愛です。4回目の講座のまとめをしていこうと思います。前回活動ブログを書いた時からも少し時間が経ってしまいました。なるべく早く書けるようにしていきたいと思います

➀サイエンスカフェ

 今回のテーマは、「科学・社会・生命倫理」ということで、科学を倫理の目線から考えていきました。科学の中身ではなく、科学者がするべきこと、考えるべきこと、科学が社会で果たす役割について考えていきました。普段は、すでにある科学技術や研究内容を学ぶことが多く、倫理はなかなか自分からは調べてみようとしなかったので興味深かったです。学んでみて、科学に対して今までとは別な考え方ができて良かったです。

②講義「化学反応の場を探る ~マテリアル・デザインと新物質探索~」

東北大学大学院工学研究科 応用化学専攻 滝澤教授

 今回の講義では、原子配列の仕組みから化学の歴史についても学ぶことができた。なかでも電子レンジでどのようにして物があたためられているのかを知れたのがよかった。Ⅽ(黒鉛)など導電性や磁性を持つとマイクロ波を通しやすいということが分かった。普段の生活で電子レンジを使用する機会が多いので、料理をする際など気を付けてつかってみると効率よくできると思った。

③パネルディスカッション

 パネルディスカッションを実際に見たのは初めてでどんなものかとても楽しみだった。一つの質問で五人ともが違う回答で、そこから広く話が続いていて聞いていて飽きることがなかった。分かったことは、説明をする形での話の進め方が上手だということだ。何を聞かれても自分の考えを私たちが分かるように話していたのがすごいと思った。私は聞いている人側のことを考えて話せていただろうかと考えさせられた。そしてパネルディスカッションでは、いろんな意見が出てきて、それらを比べながら聴くことができるところが面白いと感じた。

投稿者:事務局 |個別ページ

2019.12.05

[Radial rays]

秋田県立能代高等学校二年の中村響です。

11月24日に科学者の卵研究発展コースの第一回講義に参加しました。

 「今回の講義で学んだこと」

・大気中や土壌中の主な放射性物質

  ↳セシウム134・セシウム137・カリウム40

・ラドン(煙草に含まれる)は肺がんのリスクを高める

・被爆にはガンマ線による外部被曝とα・β線による内部被曝がある。(放射線の透過性による違い)

・同量の放射線なら、人口の放射線と天然の放射線は同じ影響

・放射性物質は生物濃縮が起こると危険なので、薄めてばらまくのが良い

・ある放射線量を超えて被爆すると現れる疾患(例:白内障、組織障害、個体死など)を確定的影響、DNAが少しずつ傷つくことで発がんなどのリスクが高まる事を確率的影響といい、被ばく量に対してリスクが増加する。

・放射線は被爆するほど発病するリスクが増えるが、他の発病を促す事柄の影響に比べて放射線の影響は小さい。

・医療現場では治療に使う放射線量に制限がない。(CTは20mSv)

・ヨウ素は甲状腺、セレンは筋肉、ストロンチウムは骨にたまりやすく、これを利用した治療がある。

・社会的・経済的要因(放射性物質に恐怖感を覚える人の声・放射線に汚染された物質の撤去や取り換えなど)を考慮に入れて、放射線量を合理的に可能な限り低くするという「放射線防護」の考え方が大事

・福島の原子力発電所から放射性物質が大気中や海中に流出したときは風によって一度関東まで運ばれた。

以上の事が今回の講義で覚えたものです。事前の予習は放射線の性質や種類、何に応用されているかを中心に学びました。しかし、生物への影響については学びが浅かった気がします。講義終了後、もっと詳しく調べられたのだな、と後悔しました。しかし、講義前半の量子力学のお話は、以前の科学者の卵養成講座や量子力学について詳しい友人と日ごろの会話の成果で知っていたことがほとんどでした。

 また、放射線が意外と人体への影響が小さい(極端な量を浴びない限りは)と言う事に多少ショックを受けました。講義受講前の私の放射線のイメージは東日本大震災の時の原子炉の倒壊などその他過去に起きた事故や、発がんのリスクが高まるという二つのみでした。そのため私は被爆する放射線量は可能な限り少ない方が良いよなと考えていました。

しかし、日常的に被爆をしている事、放射線の人体への影響は少ない事を知る事ができ、放射線は総じて怖いという妄信がなくなりました。適切な知識を得る事の重要性を実感しました。

さて、次は私たちが行う実験についてです。私たちの最終目標は、収集したデータの可視化(わかりやすく表現する事)です。過去の研究も拝見しました。過去三年分ではグラフが多用されているなと感じました。私は、測定する場(今回の場合は東北大学青葉山キャンパス付近)の地図を利用するのが良いのではないかと考えます。例えば、地図をある面積ごとに区切ったメッシュマップにして測定した値を色分けして表現する、というものや、できるだけ多くのデータを集めて等値線図にするなどするとデータが見やすくなるのではないかと考えます。

次回の講義は12月8日です。次回は早速データ収集を始めます。より良い発表になるように尽力します。以上で終わります。

投稿者:事務局 |個別ページ

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