東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

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【お知らせ】生命科学セミナー「植物の自家不和合性における非自己認識機構」を2月28日に開催(2/4)

2017年2月 4日 (土)

お知らせを書いているのは、ちょうど、節分の2月3日。他案件もあって、公開したのは、翌日の2月4日の立春。春に向けて、色々なことが動き出す頃。さて、生命科学セミナー「植物の自家不和合性における非自己認識機構」を2月28日に開催します。今回は、奈良先端科学技術大学院大学・バイオサイエンス研究科の久保健一 博士に、セミナーをお願いしました。

 久保健一 博士は、東北大で学位を取られ、奈良先端科学技術大学院大学などで、博士研究員をされ、その間、ナス科植物ペチュニアを研究材料として、アブラナ科植物の自家不和合性とは異なり、雌雄が1:1で認識するのではなく、1:多での認識、つまり、自己ではなく、非自己を認識するという新しいモデルを構築されました(Kubo et al. 2010)。今回の来仙を機会に、セミナーをお願いした次第です。


↓クリックでポスターのPDF版がダウンロードできます(size=144kb)
20170203194436-43561dd83e61289dc8d06941055525f94c2ed7a2.jpg 渡辺が「アブラナ科植物の自家不和合性」の研究を始めたのは、農学部・日向研。その当時から、雌しべ側のSタンパク質が同定されており、1990年に、Sタンパク質にRNase活性があることが示され、アブラナ科植物の自家不和合性と比較して、考えるよいモデルでした。アブラナ科植物の自家不和合性が1:1の認識であったのに対して、ナス科植物ペチュニアでS遺伝子座上に多数の花粉側S因子があると言うのを初めて見たとき、これはどうなるのかと思っていましたが、それをこのような形にまとめられたのが、今回の久保博士です。では、2/28(Tue), 16:00~18:00に、生命科学研究科・プロジェクト棟・講義室Bで行います。たくさんのご来場をお待ちしております。


 わたなべしるす

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【研究成果】サツマイモ塊根形成とデンプン合成関連酵素・ISAの分子解析をPlant Biotechnolo.に発表(国内1研究室との共同研究; 1/11, 21:00追記)

2017年1月11日 (水)

 本研究室のmainは植物の生殖形質の解析ですが、色々なコラボのもとに生殖形質以外の研究面でも共同研究を行ってきました。

 今回は、石川県立大とのコラボで、サツマイモ塊根形成とISA(isoamylase-type debranching enzyme)の発現などについて、解析したものを発表しました(Nabemoto et al. (2016) Molecular characterization of genes encoding isoamylase-type debranching enzyme in tuberous root of sweet potato, Ipomoea batatas (L.) Lam. Plant Biotechnol. 33: 351-359., https://www.jstage.jst.go.jp/article/plantbiotechnology/33/5/33_16.0926a/_article)。この論文は、pdfを freeでdownloadできますので、興味のある方はぜひ、ご覧頂ければ、幸いです。

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 わたなべしるす

 PS. First authorの辺本さんから別途、今年の目標のような形と連動して、HPに記事が上がるものと思っておりますので。少しお待ち下さい。

 PS.のPS. Springer Nature新春お年玉企画に写真を応募しました。よかったら、FBをお使いの方、try頂ければ、幸いです。


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【お知らせ】生命科学セミナー「The Status of Brassica plants and studying in Yunnan」を1月17日に開催

2017年1月11日 (水)

 生命科学セミナー「The Status of Brassica plants and studying in Yunnan」を1月17日に開催します。今回は、Yunnan Academy of Agricultural Sciences, Professor He Jiangmingに、セミナーをお願いしました。

 大谷大・文学部の武田先生が代表をされている基盤研究(B)「アブラナ科植物の伝播・栽培・食文化史に関する領域融合的研究」で、日本周辺の国々でのアブラナ科作物の栽培状況の調査などを行っており、その関係で、中国・雲南でお世話になったのが、Professor He Jiangming(和江明 教授)でした。今回、ご縁があり、日本にいらっしゃることになり、渡辺の研究室をはじめ、いくつかの所を訪問されると。。。ということで、農学部の鳥山先生とコラボする形で、本セミナーをお願いした次第です。

↓クリックでポスターのPDF版がダウンロードできます(size=144kb)

20170111134242-bad83e134709f1e55952407da88e820a2dc339bf.jpg 渡辺は時間などの関係で、雲南に訪問できていませんが、当日は、中国・雲南でのアブラナ科作物の栽培、育種などの状況を聞くことができるのではないかと、楽しみにしております。では、1/17(Tue), 15:00~16:00に、生命科学研究科・プロジェクト棟・講義室A (片平キャンパス)で行います。たくさんのご来場をお待ちしております。

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 わたなべしるす




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【研究成果】対立遺伝子の組合せで優劣性が変化する分子メカニズムは低分子RNAで制御、世界初で証明、英国・科学雑誌「Nature Plants」(12/23, 1/8, 30追記)

2016年12月24日 (土)

 昨日から今日にかけて、温暖前線、寒冷前線が通過したのでしょうか。昨日、22日は不思議なくらい暖かい1日。一転、今日の天皇誕生日の23日、祝日は気温は夜中から下がる一方。。。今日くらいの方が、冬らしいと言うか、冬至を過ぎた天候としては普通なのですが。。。アブラナを使った秋の最後の実験には、少し寒いですし、一方で、来春用の材料に春化処理をするためには、この気温が適温のような。。。

20161224205225-d510da2dd010e9b794eb1fe312b79cdc92057479.JPG さて、今年は研究成果として、宮崎大の稲葉先生とのザゼンソウの研究イネを材料にした低分子RNAと耐冷性の研究統合databaseを用いた標準化遺伝子の研究を、これまで発表してきました。年末になったこの時期に、また、新しい研究成果を発表できるのは、望外の喜びです。今回は、メインの研究であるアブラナ科植物の自家不和合性について。アブラナ科植物の自家不和合性は、胞子体的に機能するS複対立遺伝子系で、遺伝学的に説明されています。胞子体的に機能することで、ヘテロ個体においては、S対立遺伝子間に優劣性が生じます(Hatakeyama et al. 1998, Kakizaki et al. 2003)。2010年にclass Iとclass IIの間での花粉側の優劣性を制御しているのが、SMIという低分子RNAをコードした遺伝子であり、優性を示すclass IのS対立遺伝子(SP11)を有する系統には、このSMIが存在し、これが劣性のSP11の発現を抑制していることを示しました(Tarutani et al. 2010)。

 しかしながら、このS対立遺伝子間の優劣性は、さらに複雑で、不思議な現象を示していました。つまり、S44>S60>S40>S29という直線的な優劣性関係がS対立遺伝子間に見られます。S44対立遺伝子は、残りの3つの対立遺伝子に対して、優性を示しますが、S60, S40というのは、どの対立遺伝子とヘテロ個体を作るかによって、優性にも、劣性にもなることができる。きわめて、不可思議な現象を示していることになります。この現象を説明するために、上記4つのS対立遺伝子のSP11/SRK領域を解析したところ、class Iが優性を示すSMIとは異なる領域にSMI2と呼べるSP11のプロモーターに対して、相同性がある領域を見つけ出し、このSMI2がプロモーターとの相同性程度にあわせて、遺伝子発現を抑制し、結果として、上記の複雑な優劣性を制御していることを明らかにしました。このことは、英国・科学雑誌「Nature」の植物専門オンライン姉妹誌「Nature Plants」に掲載されました(日本時間:平成28年12月23日(金) 午前1時, Yasuda et al. (2016) A complex dominance hierarchy is controlled by polymorphism of small RNAs and their targets. Nature Plants 3: 16206.)。

20161224205148-cfc04c2c4bb3f741a26763b4ffe9ac300348daf3.JPG 今回の研究は、奈良先端大、農研機構、大阪教育大、神戸大、東京大との共同研究の共同研究であり、多くの方々の共同研究のもと、メンデルが唱えた「優性の法則」に、新たな一面を書き記すことができたのではないかと思います。このような分子メカニズムで、優劣性を制御することを汎用的に利用できれば、作物の品種改良が新たな側面から展開できるのではないかと思っております。


 わたなべしるす

 PS. News and Viewsにこの論文の内容の解説とする記事をいつも研究の競争相手であるトロント大学のProf. D. Goringが書いてくれていたのは、感動でした。

 PS.のPS. 奈良先端大では、共著の和田先生と安田君がプレス発表を。東北大からもプレスリリースを。そのこともあり、日本工業新聞日本農業新聞NHK関西 NEWS WEB読売テレビ等に、取り上げていただきました。ありがとうございました。

 PS.のPS.のPS. 1日前かも知れないですが、昆虫の擬態がずいぶん古い時代からだと。。。なるほどと。。身近な話では、雨宮キャンパスが青葉山に行くのに対して、片平の近くにキャンパスを集めるというのも。。。集めるという点では、同じかも知れないが。。。

20161224205305-167b119951625c43a8a8b4591591118a888aafba.JPG PS.のPS.のPS.のPS. 1/8(日) 12:35. 12/23(金)の発表は、AOPとしての公開でしたが、2017年1月号に綴じられたと言うことが、HPに。また、表紙として、この論文の材料であるアブラナ科植物の花が取り上げられました。

 PS.のPS.のPS.のPS.のPS. 1/30(月) 18:15. 1/8(日)に、Nature Plantsの2017年1月号に綴られたと言うことを記しましたが、Nature Japanの日本語HPにも。簡単な説明だけですが、。。あと、お知らせしたと思っていたのですが、大学のtop page研究科のtop pageにも記事があったのでした。いずれも、今では過去記事としてしか、見えないですが。。。やっぱり、物事は、タイミングですね。









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【お知らせ】平成29年度入試説明会・オープンラボ(仙台開催)は、5/20(土)に決定、東京会場は5/13(土)に実施(12/16, 4/4追記)

2016年12月16日 (金)

 今朝の仙台市の最低気温は、-1.8oCとか。。。先週が愛媛で出前講義でしたので、それから考えると、10oC近く低くて。さすがに、寒いですが、来週には、この寒さも一次的に緩むとか。。。

20161216170915-7b8fc3ef9bb4aafbc5b1bedf8dbf1c86fbbad2c0.JPG さて、来年の話をすると鬼が笑うと言うのでしょうか。少し早いお知らせかも知れないですが、毎年開催している、大学院入試の説明会とオープンラボ。東京開催があって、その翌週が仙台というのが、ここ数年のパターンでした。仙台開催、東京開催の詳細は、また後ほど、掲載するとして、日程だけは、早めの方がよいのではと。。。いうことで、まずは、お知らせを。

20161216170934-d9b37920067726dda4558b17ac58d7ca5d87eb1f.JPG1. 仙台開催
<入試説明会>
【日時】平成29年5月20日(土) 10:00~(予定)
【場所】片平キャンパス 生命科学プロジェクト総合研究棟1F 講義室

 入試説明会の前半は、大学院の概要、奨学金、講義などの学務的なこと。先輩院生の普段の生活。後半は、各分野のポスターのところで説明会。平行して、各分野の持ち時間3min程度のshort talkも。渡辺研究室でも、研究内容、何を目指しているのか、他研究室との違いなどをお話しできるかと。。。ぜひ、いらしてください。

 それに引き続き、研究室に移動して頂き、

<オープンラボ>
【日時】平成29年5月20日(土) 14:00~19:00(予定)
【場所】片平キャンパス 生命科学研究科本館 3F 303号室

 研究室の様子、実験設備、大学院生などとの語らいの時間を設定します。一昨年から好評である、研究室見学の方々に、渡辺研のイベントである「ケーキ会」を楽しみながら、語らいの時間を設けるようにします。渡辺は、アルコールがだめなので、labではケーキ会がほぼ月一で開催と言うことになっており、1つの体験イベントとして。と思っておりますので。お待ちしております。どこのケーキなのか。それもお楽しみに。。。

20161216170953-fa4320316570bc460b46b3b3f85b8aba68a628c5.JPG2. 東京開催
<入試説明会>
【日時】平成29年5月13日(土) 13:30~15:30(予定)
【場所】フクラシア品川(高輪口) (6階) (https://www.fukuracia.jp/shinagawa2/)

 研究科の概略と入試の説明。そのあと、希望する教員との面談。渡辺の研究室を希望する方がいらっしゃれば、東京会場にも伺うと言うことに。去年は、広報委員会委員長職を仰せつかっていたので、必ず、東京にも顔を出したのですが、東京会場を希望される方、また、お知らせしますので、申込をお願いすることになるかと。なお、東京会場には、「仙台の銘菓」をと思っています。仙台の銘菓???、お楽しみに。

 昨年度からの継承で、仙台開催が土曜日の1日のみの開催に。もし、東京開催、仙台開催のどちらの日程にも都合が合わない方。是非、mailでご一報下さい。これまでも、そうした方に合わせて、別日程で研究室見学を設定していましたので、次年度も同様に行いたいと思いますので。

20161216171035-bd899231c1cb8531086b1197f3cebc7605b859f7.JPG 渡辺は元々は農学部の出身で、学部生、大学院生、助手の時代を東北大農学部で。そのあと、助教授の時代が、岩手大農学部で。2005年4月から、今のポジションに。今は、生命科学研究科と言いますが、渡辺のポジションをさかのぼると、1939年8月に設置された附属農学研究所になります。渡辺が学部生、大学院生の頃もありました。その後の改組で、全国共同利用施設・遺伝生態研究センターとなり、現在に至るというわけです。こうして、3つの異なる場所で研究を展開してきました。その間に重要視したこと。それは、研究室に閉じこもることなく、広く外の研究室と共同研究を行うこと。渡辺が学部生として、卒論実験を始めた1987年当時は、かなり珍しかったように思います。おまけに、学部生の実験のメインは、理学部生物・動物発生学・竹内教授の元で抗体作製実験を行い、その抗原などの精製には、東京大農学部・生物有機化学・磯貝助教授の所にも学部生なのに、数回伺って。。。外に出ると、知らないことも多いですが、その分、学ぶことも多いです。いずれも、その道のプロ、餅は餅屋と言うことですから。そんなで、岩手大時代、仙台に戻ってからも、できるだけ、多くの研究室と共同研究を展開できたことで、学生さんたちにも、色々な研究室のよいところを吸収してもらえたのでは。。。とじることなく、できるだけ、外とコラボすることが、学生時代を終えたあとの学生さんの色々な刺激になったり、色々な事へのチャレンジ精神を要請できているのかなと思っています。いずれ、そんな研究室です。

20161216171050-b5ce171f45250a03df5dc9535e16a5123697d093.JPG 最後になりますが、研究面で渡辺の研究室が目指すのは、世界トップ水準・世界トップをgetする野望を抱き、達成すること。それが、人間を成長させる原動力になるのだと。。。そんな世界トップクラスという野望を渡辺研究室で達成してみませんか。あと、もう1つの研究室のアドバンテージ。それは、研究室がある片平キャンパスという場所が、仙台駅から徒歩15minと言うこと。来年の3月には、雨宮キャンパスにあった、農学部も青葉山新キャンパスへ。渡辺がいた頃の、町中にあると言うアドバンテージがなくなり。。。また、工学部、理学部、薬学部も青葉山に。と考えると、片平キャンパスで学べる利点は、地下鉄などを利用しなくても、自転車で、研究室まで来ることができると。いかがでしょうか。そんな立地条件。ということで、より多くの皆様をお目にかかれるのを楽しみにしています。もちろん、受験の学年である学部4年生だけでなく、学部の1~3年生、あるいは、高校生でも、見学をwelcomeですから。。。。

20161216171105-db214985d539462a9cc2c98c499a0edaadc78c62.JPG
 わたなべしるす

 PS. この記事を書いているのは、16日の金曜日。夕方からは、研究室の忘年会が。。。その記事は、また、学生さんが書くでしょうから。お楽しみに。。。

 PS.のPS. 4/4(火) 18:45. 東京会場の場所が確定しましたので、変更しておきました。詳細は、4/4(火)の記事に。こちらを見た方は、そちらへどうぞ。


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