梅雨のこの時期に雨が強く降ることはあまりないのですが、前日の香川県立観音寺第一高等学校での出前講義、課題研究発表会のコメントのあと、予讃線での移動中、ずいぶん雨降りが強いところがありました。予報では、火曜日も朝から雨降りと言うことでしたが、何とか日中は曇りで持ちこたえてくれるのではと。そんな梅雨のなか。水田を見ると、田植えが終わったばかりというものから、少し前に田植えを終えて、ずいぶん育っている水田も。渡辺が知っているのは、ずいぶん前の田植え。その頃に植えていた品種とは違うでしょうから。その影響もあって、こんなに田植えの時期が違うのか。ふと、そんなことを考えながら、今治市内での出前講義のスタートとなりました。 2016年度で、ふるさと出前授業も5年目の節目。今年度も今治市立吹揚小学校の高橋校長先生が日程調整等の統括をいただき、6, 7月のシーズンは、最初が3週間前の四国中央市立川滝小学校からスタート。いつもなら、10日ほどで、愛媛、香川、大阪などをと言う日程が多いのですが、学部生向けの講義の調整が不調に終わったこともあり、2回に分割。ちょうど梅雨のたいへんな時期に、お願いしてしまい。。。ただ、一方では、先週は、西日本、特に、九州、中国地方で、ずいぶんの豪雨となり、愛媛県でも警報が出たようで。そのため、子供たちは早めの下校。ということで、いつも通りの日程であれば、逆に、出前講義をこなすことができたのか、心配になったわけでもあり。。。そう考えれば、このプロジェクトに対して、お天道様がちゃんと見ていてくれたのかもしれないなと。。。そんなで、今日、6/28~7/1の4日間で、5つの小学校へ。出前講義のテーマには、「キャベツとブロッコリー」というのと「花の不思議な世界」を用意しているのですが、今回は不思議なことに、5つの小学校全てで「花の不思議な世界」と言うリクエスト。この時期に、リンゴをたくさん用意頂くのは、心苦しいのですが、日本が誇るリンゴ品種「ふじ」の貯蔵性のおかげで、この時期にもリンゴを使うことができるわけで。。。最初は、渡辺の母校である今治市立桜井小学校へ。
渡辺が小学校を卒業したのは、40年近く前。その当時から校庭にある「ユーカリ」の木。これを見ると、ほっとします。帰ってきたなと。仙台、盛岡での生活の方が長くなったので、今治に戻ってもなんとなくお客さんという感じですが、この木を見て、体育館の効果が書かれたボードを見ると、子どものことを思い出します。学校の帰り道に、いろんな探検をしたり、稲刈りのあとには、田んぼで野球をしたり。そんな自然を見てきたおかげで、今があるのだろうと。色々なところで、キャリア教育の出前講義をするとき、そんな話しをするわけで。。。やっぱり、自分の原点なのだなと。。。こんなことを考えていたからだと思います。白衣を着て講義をするところが、失念したまま。もちろん、ずいぶん湿度が高かったのがあったものあり。。。
講義の最初に、昔、変わってないもの。ユーカリの木、校歌、そして、学校に着てくる制服。名札は今は、刺繍で作られていますが、昔はそんなものでなくて、よく壊れて。。。イントロは、花の名前。よく知っていましたね。ガーベラも出てきて、茎の特徴はタンポポに似ているのも、観察できていました。意外と手こずったのは、ヒルガオ。植物だけでなく、写真全体の特徴を見るようにして下さい。では、花は何のためにあるのか。もちろん、子孫である種子形成ですが。。開花から結実までの所は、リンゴをモデルに。リンゴを見たことがある方は、いなかったかもしれないですが、ナシの花を見たことあるのは、素晴らしかったです。日本では、リンゴを全部結実させないで、摘果する。それによって大きさが違うというと、かなりびっくりのようでした。
そのあと、受粉反応。花粉がつくためには、訪花昆虫が必要だし、花粉がふくらみ、花粉管発芽するためには、吸水が必要。その水、どこから来るのか。空気中であったり、雌しべから。こんなことはなかなか考えたことがないのかも知れないですが。。。あと、リンゴの名前は、愛媛ではほとんど知らないというのが普通でしたが、驚くことに、5つの品種(ふじ、王林、つがる、さんさ、北斗)の全てを知っている方が。感動でした。間違いなく、初めての方。あと、ミカンの品種は、たくさん知っていました。いつものことです。これからも新品種ができると思います。しっかり覚えて下さい。
自家不和合性という仕掛けが、花粉と雌しべの相互作用であると言うのは、かなり不思議なことのようでした。動画というのはインパクトがあります。では、なぜ、遺伝子を混ぜる必要があるのか。かなり難しいことのようでしたが、身近な例として、イヌの純系と雑種。少しイメージが難しかったのが、何となく、わかってもらえたのでは。また、リンゴの食べているところは一体どこなのか、その根跡を実際のリンゴで観察。この時期にリンゴを用意頂き、ありがとうございました。講義のあとに数名の方から、鋭い質問が、よくいろいろなことを考えています。是非、これからも、桜井の自然からたくさんのことを学んで下さい。
最後に代表の方から、今日の講義へのお礼の言葉。とてもしっかりしていました。ありがとうございました。とても素晴らしい後輩でした。そのあと、いつもの世界に向かって情報発信。
講義が終わったあと、奥村校長先生、日浅教頭先生と昨今の教育問題について、deepな議論する時間を頂戴しました。小学校にもアクティブラーニングの流れが。。。これをどの様に扱うのか、出前講義を高校で行っていたり、また、大学の実情。さらに、実施に伴う将来への影響など。。。何より、大学での実情は10年近く前からの小学校に始まる教育の終着点。そう考えると、これからの日本国の教育をどうするのか、とても難しい問題だと。貴重な議論の時間を頂戴したこと、ありがとうございました。最後になりましたが、本企画の立案、計画を取り仕切って頂いた吹揚小学校校長・高橋先生、桜井小学校校長・奥村先生、日浅教頭先生、6年担任の先生方をはじめとする関係のみなさまに、この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。最初が順調なスタートでしたので、4日間、がんばってできそうです。今後ともよりよい連携ができればと思います。よろしくお願いいたします。
わたなべしるす
PS. 講義をしたのは、体育館。昔、講堂があった場所。校歌であったり、書き物が。その中の「よく見、よくきき、よく覚え、そして考える」。渡辺が使っていた講堂の時代から会ったのか、そうでないのか、不明ですが。よい言葉だなと。 PS.のPS. 渡辺が6年生時にできた当時の「新校舎」。いまは、2, 3年生が使っているとか。また、講義の最後に、小中学校の同級生の子供さんが挨拶に来てくれて。感動でした。懐かしく、ありがたいことだなと。。。
PS.のPS.のPS. 今年度の6年生担任の先生方は、去年に引き続き、お世話になった先生がいらしたり、以前、富田小学校でお世話になった先生だったり。この企画が長く継承されているからこそ、こうした機会があるのだと。ありがとうございました。また、次年度もよろしくお願いします。
PS.のPS.のPS.のPS. 10/30(木), 19:50. 遅くなりました。今日、桜井小学校のHPを拝見したら、渡辺の出前講義の記事が。タイトルがうれしかったです。「渡辺先生母校に帰る ふるさと出前授業実施」と。。とても素晴らしい後輩たちでした。ありがとうございました。
【出前講義】今治市立桜井小学校「花の不思議な世界」(2016年度ふるさと出前授業-2、6/28, 30追記)
2016年6月28日 (火)
新しいメンバーが加わりました♪
2016年6月28日 (火)
研究室に新しいメンバーが加わりました♪
名前は天蚕(てんさん)ちゃんです。
蚕の字でわかる通り、、、蛾です。
蛾と聞くとちょっとテンションが下がってしまう私ですが、 ただの蛾ではありません。
皇居で皇后陛下も育てている由緒正しき野生の蚕ですよ!
よく知られている家蚕(かさん)と違って野生の天蚕は綺麗な緑色の繭を作るそうです。
ちょっと見てみたくなりますよね〜。
頂いて低温で保存していた卵を室温に戻してドングリの葉の上にのせると、、、
数日で孵化するという予想を覆して数時間でちび芋虫君の登場です。
体中から毛が生えていて、決して可愛いとは言い難い彼ら。
今は葉を少しかじる程度ですが、これから脱皮を繰り返してかなりBIG SIZE!!になるそうですよ!
普通のカイコの幼虫は3cm程度ですが、天蚕の幼虫(雄)はなんと!!6cmまで成長するらしいです。
ちょっと想像したくないサイズですよね。
大きくなって彼らが繭を作った暁には、みんなで!糸を紡ぎましょうね♪
今後も彼らの成長をDiaryでお伝えしようと思っていますのでお楽しみに!!
いとう
追記
もしや、と思って検索した今流行のゆるキャラ!
やっぱり居ましたよ!!
シルキーちゃん♪
間違いなく"The 蛾!"ですね。
【教養講義】「大学生のレポート作成入門-図書館を活用したスタディスキル-」研究における情報収集・評価-提出レポートへの全体コメント(6/27)
2016年6月28日 (火)
先週の火曜日に図書館での講義「大学生のレポート作成入門」。HPを細かく見て頂いている方にはわかるとおり、5名の教官によるオムニバス形式。学習支援センターとの連携、レポート作成概論、図書館で利用できるdatabase概論、プレゼン概論、それと、渡辺の情報収集とその評価。今年度からこの形式に大幅にてこ入れしたこともあり、色々と齟齬があるのは、お許し下さい。今年度を踏まえて、次年度よりよいものにと。 で、レポートを中間評価するというのが、今年の講義の肝いり。渡辺もこのようなトライは初めて。もちろん、これまで展開ゼミなどで、中間発表をすることはありましたが、web-baseであったり、pptを使ったプレゼンであったり。レポートが書きかけのものもあるのを評価というのは、初めてのチャレンジングなこと。。。その難しさも実感。。。。学生の頃、教えてもらった応用昆虫学というか、害虫学研究室の松田先生。みんな同じくらいに書いてくれれば。。。突拍子もなくたくさん書いたり、あまりに少ないのがいるから。。。渡辺は、何でもよいので、わかることをその時間内に全部書こうとした方だったので、。。その当たりは、飲み会などの席で。。。まとめることの難しさを実感したり。。。教養部の頃には、レポート、テストを選択できるという講義で、レポートを書いて、想定よりもよかったりして。。。。今でも、色々な答案を作成しますが、難しさは今でも実感します。
と、前置きが長くなりました。ここは、是々非々で全体についてのコメントを。各自へのコメントは、別途、当日に配布されたのでは。長くは書いていません。他の答案審査のように300文字とか、制限がなかったので。。。まず、平均的に見て、長い文章を初めて書いたのか、その当たりはよくわかりません。高校時代にどの様な経験を経てきたのか。例えば、SSH、SGHとか。そうでないとか。いろいろあると思います。そう考えると、基本形はできているのではないかと思いました。ただ、まだ、未完成などありましたが、方向性としてはおもしろいなど、よいものができるのではと。あと、基本という点では、図の説明(legendといいますが。。)は、図の下に。表の説明は、表の上に。通し番号を入れる。また、それは、必ず、レポートの中で、引用する。図1, 表1のように。あとは、引用文献は、後ろにまとめる。普通は、abc順ですね。2回目の講義の所に、少し、渡辺が記しておきました。
あとは、どれだけ内容をおもしろくできるか。それには、現状認識をしっかりして、それをどの様に表現するのか。大学1年生に求めるのは、酷かと思いますが、それも高いところを目指すと言うことで。日本語で考えることが、基本でしょうから、大事にして下さい。レポートも論文も、読んでもらって、なんぼ、でしょうから。たぶん、間違いなく。あと、現状認識と言う点で、なぜ、その実例を引っ張るのか、歴史背景はどうなのか、その深さによって、なるほどと思う場面と、ちょっと浅いなと思う場面も。これもたくさん書かないと難しいことだと思います。レポートの場合、自分の意見、主張を入れることは少ないかもしれないです。あくまで報告書なので。ところが、論文は、自己主張をするところ。つまり、最後に自分として、だから、どうなのだという意見がないといけない。これは、渡辺の師匠である日向先生によく言われました。。。答案、文章、論文を書いていて、いつも悩まされます。この年になっても。あと、異分野との融合ができているものは、とてもniceでしたね。おもしろく拝見しました。
なにより、これだけheterogeneityが高いレポートを評価するのも初めて。違った意味でよい刺激をもらいました。最近の学生さんが何を考え、何に興味を持っているのか。もちろん、渡辺がfollowできるものもあれば、不十分なものもあったかもしれないです。植物科学、遺伝学に始まり、政治経済、スポーツ、歴史、自然科学一般、アニメもある程度は、こなせるつもりなのですが、それでも、もっと幅広く物事を俯瞰的に見ておかないといけないことを実感させてもらいました。その意味では、楽しく拝見しました。ありがとうございました。
あとは、形の問題であったり、ひねりをどう入れるか。スパイスですね。なかなか難しいですが。。。ここで基礎を作った文章力。しっかり継続して書くようにして下さい。そうでなければ、なかなか身につかないですから。これからの大学、大学院、社会人として大事なこと。それは、文章力(作文力)、情報収集力・解析力、コラボ力だと思いますので。以上、レポートのコメントと言うことで。
わたなべしるす
PS. この記事は愛媛から。香川県での出前講義を終えて。。。しっかりと完成したレポートになることを祈念しつつ。。。
【出前講義】香川県立観音寺第一高等学校・SSH課題研究発表会(6/27)
2016年6月27日 (月)
午前中が1年生向けのキャリア教育。いつもなら、その講義だけで、日を改めて課題研究発表会、運営指導委員会などが行われるのですが、今回は、午後から連続で発表会。10の研究課題について、口頭発表。研究内容も物理、化学、生物、数学に加えて、境界領域に近いようなテーマも。また、うどん県と言われるだけのことはあり、「うどんの茹で汁」を研究対象にしたものも。また、big dataに近いものを解析しようと試みているものも。なかなか、チャレンジングなことかと思います。 発表を見ていて、少し気になったこと。課題研究発表会だけでなく、学会などでも見かける要旨の作成。渡辺も最初に学会発表をしたとき、あの当時は、ワープロで作成したものを定型の用紙に貼り付けて、と言う形での準備でした。どの様に書けば、中身がわかるかということ。もう少し書いてくれないとわかりにくいというものも。また、英語での要旨の要旨を作成することをあちこちで見かけますが、これもなかなかの問題。と言うのも、科学英語の場合、基本、受動態で書くと言うこと、それができているものもあれば、そうでないものも。また、書くのであれば、英語を半ページで、残り、1.5ページを日本語でしっかりというのはいかがでしょうか。英語で書かれてあるのが、ほぼ、introに近い状態のもあれば、結論までのも。もう少し書いてみる。大事なことのような気がします。と言う、渡辺が高校の時、そこまで作文できたかと言われると。。。難しいのですが。。。あと、日本語の文章力。これも大事なこと。項目として「目的」等に分けるのも見やすくて大事ですが、長い論理的な文章を書く力の養成も大事かなと。
ビックデータに近いJリーグ・J1のボールの動きから勝因・敗因を探そうとしているのは、おもしろい試みだなと。残念なのは、その解析した実際の試合を見てないこと。やっぱり、問題点は「現場」に落ちているわけです。机上の空論になってはいけないわけで。。。また、最近は、web上にボールの位置、プレイしている選手の位置まで示されているdataもあるかと。。。はじめて見たときは、感動したのを覚えています。その全体を解析するのは難しいにしても、ボールの位置だけでなく、ゲームの流れを実際の試合を見ながらやってみることも大事ではないかと。。。化学実験では、化学発光が。お祭りの出店などで、よく見かけるものだと思います。それに近い実験系を組んでいましたが、光強度の単位、これはいつものことかも知れないですが、ルクスでなくて、マイクロアインシュタインという光量子束密度計を使えないかなと。。。 質疑では、英語を教える外国人(ALT)の方も配して、よかったのでは。というか、こちらが積極的に英語で質問をすればよかったのかも知れないですが。。。ちょっと反省でした。
最後のところで、香川大学工学部副学部長・長谷川先生と渡辺から講評をと言うことで。長谷川先生からは、何のために研究をするのかというのを大事にしてほしいと。渡辺からは、研究については、発表会でコメントしたので、それはさておき、用紙に書くに日本語をもうすこし充実させること、また、英語でしゃべる能力をつけるのであれば、土曜日の「科学者の卵養成講座」であったように、イントネーションというか、強く発音するところと、弱く発音するところ。そんなことを是非、ATLとコラボするのは、どうかと。。。 最後になりましたが、今回の発表会、委員会でお世話になりました香川県立観音寺第一高等学校・高井校長先生、SSH担当・床田先生、石井先生、圖子先生には、たいへんお世話になりました。今年1年をバネとして、次年度以降、よい形で継承できるようになることを祈念しつつ。。。ありがとうございました。
わたなべしるす
PS. 以前、四国中央市川滝小学校へ伺ったときも、特急列車が特徴的なもの。何の偶然か、今回も。雨降りでしたが、絵のおかげで慰められました。
【出前講義】香川県立観音寺第一高等学校・SSH特別講義「大学教授からの進路選択アドバイス---進路、就職、人生を戦略的に考える---」(6/27)
2016年6月27日 (月)
先週が仙台市内での出前講義(仙台市立袋原小学校、片平丁小学校)。少し蒸し暑い、少しばかりの雨降りくらいでした。明けて、今週は、香川・愛媛遠征。夏のような晴れ間からのスタートですが、夜からはかなりの雨模様とか。それも結構な雨が降ると。。。何とか、先週のような警報が出ることもなく、金曜まで持ちこたえてくれれば。。。子供の頃、大雨というのは、台風くらいだったので。ちょっと気候の変化が心配ですが。今月3つ目のSSH実施校へ。香川県立観音寺第一高等学校では、SSH運営指導委員も仰せつかっており、今回は諸般の事情で、運営指導委員会はありませんが、1年生向けのキャリア教育が午前。午後は課題研究発表会と盛りだくさんの企画で。仙台でも、この時期ずいぶんと夕方の日が長くなり、夏が近いのを感じますが、緯度と経度の関係だと思います、仙台よりも日が長く、19:00を過ぎてもまた薄暗いのは、感動というか。。。子供の頃は、そうだったのだろうなと。ずいぶん、遅い時間まで外で遊んでいましたので。 何回目の講義になるのか、SSHに採択前からですので、7年目。座長はいつも生徒さんたち。最初に校長先生から身に余る紹介を頂き、渡辺の研究面などを含めた自己紹介から。キャリア教育と科学リテラシーの講義と言うことで賜っているので、渡辺の現在までの進路というか、キャリア形成で何が鍵となったのか、また、これからの科学の進歩を考えた時、高校、大学、社会人として、何を考えることが大事なか、そんなことを中心に。何よりも高校時代までに、観察すること、考えることを大切にしてほしいと。もちろん、人生において、これをやってみようと思えることのきっかけに巡り会うことができれば、なおよいかと。。。
小学校の時というか、失敗をする、怒られると言うことが、ずいぶん少なくなった現代。去年、出前講義に伺った高校生からのコメントの中に「失敗をしてはいけないものだと思っていた」というのを見て、ある意味、ショックでした。その点、かなり失敗などを経験しているのは、この後の大学、社会でしっかり活躍できるのだろうと。また、いつものツバキの花の問題。いくつチャレンジするのか。これも社会全体で教育するということが機能しなくなっていることもあって、。。。「こすい(ずる賢い)」というと、言葉がよくないかも知れないですが、どのように加減をとるのか、大事なことだと思います。もちろん、case by caseだと思いますので。その当たりもたくさんの経験から学んで下さい。
高校時代、大事なことは論理的に物事を考える力を養成すること。それから、論理的な長い文章を書く力を養成すること。あと、英語がグローバルの力をつけてくれるものではなくて、コミュニケーションツールと言うこと。昨今の英語教育でしゃべることに重点が置かれているようですが、確かに、しゃべることも重要かも知れないですが、大学、社会人になって、英文を読んだり、書いたりしないといけないことを考えると。そんなことも大事にしないと。それから、高校から大学進学時に大学入試があり、それは1つの壁。現在はセンター試験、各大学の試験のあと、大学へ。センター試験でうまくいかなければ、思ったような志望校でないときも。その時に、どうするか。結構、まじめな問題で。。。渡辺も小学校5, 6年の時の担任の先生に救われました。そんな人も大事にしてほしいなと。
大学で何を学び、どの師匠の元で研究をするのか、それによって、ずいぶん人生は変わってくると。あと、高校、大学時代の友達を大事にすること。それくらい、その時代の友人はありがたいものです。今はそんなことを思わないかも知れないですが。。。きっと、10年くらいしたら、わかるときが来ると思いますので。そのためにも、長い人生設計というか、今すぐ、5年後、10年後の将来を考えてほしいと。なかなか、難しいことなのですが。また、今の高等教育が日本語で学べるありがたさがなぜなのか、ということなど、今の社会構造もしっかり理解することの大事さも。ちょっと見える世界が変わったのではないかと思います。
最後の所は、座右の銘であり、組織論。香川県の有名人でもかまいませんし、自分が尊敬する人でもよいです。そんな人が何を考え、そうした言葉を発したのか、考えて、自己実現のために、そうした言葉を持ってほしいと。これからの人生に対してしっかりした戦略を持ち、どうやって生き抜くのか、渡辺の若い時代より、遙かに大変なはず。その意味でも「今日の屈辱に耐えて明日のために生きろ」という宇宙戦艦ヤマト・初代艦長・沖田十三の言葉は、苦難を生き抜くためのヒントになるのでは。。。もちろん、紹介した他の座右の銘も。
講義のあと、質問コーナー。ずいぶんたくさんの質問がありました。しっかり自分のことを考えているなと。渡辺がなぜ、四国を出て、仙台までいったのか。。。最近は、ずいぶん親御さんが子供さんたちを近くに置きたい、もちろん、経済状況などもあるのかも知れないですが。でも、大事なのは、自分の人生であると言うこと。自己責任の下、しっかり将来を考えて下さい。また、科学が発展することが人類を幸せにするのか。とても難しい問題ですね。それに近いことが昨日コメントをした「科学者の卵養成講座」にも。ノーベル賞で有名ですが、ノーベルが何に寄与したのか、また、ノーベル賞受賞者の結果が、何をもたらしたのか、しっかり考えてみて下さい。最後に、代表の方から、今日の講義についてのしっかりしたお礼の言葉が。講義を理解して、これからの高校生活を送って頂けるのではと。。。がんばって下さい。
最後になりましたが、今回の発表会、委員会でお世話になりました香川県立観音寺第一高等学校・高井校長先生、SSH担当・床田先生、石井先生、上原先生には、たいへんお世話になりました。ありがとうございました。
わたなべしるす
PS. 講義をするテーブルに、タイムテーブルを貼っておいてくれました。ついつい、しゃべりすぎる渡辺のことを考慮して。ありがとうございました。何とか、枠内入れることができました。 PS.のPS. 高松から宇和島まで結ぶ予讃線。ほとんどが単線。どこかで何か起きると、遅れが。これが複線の線路でないところの大変なところ。そんなことが、この朝も起きたと。。。田舎なので、複線化するほどのこともないですが、というか、複線化しても事故が起きるときは起きているのが、毎日の生活の中で、起きているわけで。難しい問題だなと。。。。
PS.のPS.のPS. 明日から出前講義を行うのが、今治市内。渡辺のふるさと。去年から声をかけて頂いている母校・愛媛県立今治西高等学校での夏の出前講義、螢雪大学2016。8月24日(木)の午前、午後で企画されています。渡辺は観察することの重要さなど、高校生にとっては、少し物足りないと思うかも知れないですが、全てのことの基本ですから。先端のことは、大学、その先でやればよいのですから。また、詳細は渡辺のHPから案内しますので。
PS.のPS.のPS.のPS. 母校の愛媛県立今治西高等学校というか、第98回全国高校野球選手権愛媛大会の組合せが決まったとか。。。そんなお知らせを出張の途中で頂いたりして。。。結果などは、また、このHPから。。。