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研究概要|新学術領域

領域の研究内容1

 複雑な対立遺伝子構成やエピゲノム構成によって、個体や集団内に多様な表現型や様々な生命現象が生じることが考えられますが、その実体は明らかではありません。
 多様な遺伝子の組み合わせにより支配される現象は、しばしば交雑を行うことで顕在化することが知られています。
  例えば、メス馬とオス驢馬(ロバ)の組み合わせから生まれる種間雑種ラバは、体が大きく力も強いので家畜に適しており、雑種強勢の代表例として知られています。
 一方で、ロバをメスに馬をオスにした逆向きの交配では、ケッテイと呼ばれる貧弱な子孫が生まれます。
 このような雑種弱勢現象が極端に進行すると雑種致死となることが一部の生物では理解されていますが、雑種致死を介した生殖隔離機構に関して多くの生物に一般性があるかどうかは不明です。

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 対立遺伝子の組み合わせによって制御される生命現象として最も研究が進んでいる例の一つとして、植物の近親相姦を回避する機構、自家不和合性があげられます(図1参照)。
 近年、高山領域代表、鈴木計画班員を中心としたグループにより、対立遺伝子間の優劣性を決定するエピジェネティック制御機構や、遺伝子重複とその組み合わせが不和合性を決定する仕組み、この機構が進化の過程にどのように貢献したかが次々と明らかにされています。
 今後、自家不和合性の制御機構の更なる解明が期待されると共に、これら対立遺伝子の発現を制御する機構や遺伝子重複・組み合わせによって支配される分子機構と他の生命現象との関連が期待されています。


【図1】上記サムネイルをクリックすると拡大画像を表示

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 前述のラバの例は、研究対象として直接取り上げていませんが、関連する現象は「ハム太郎」の愛称でも親しまれているドワーフハムスターの種間交雑(松田計画班員)や植物のイネ属の種間交雑(木下計画班員)でも見られます(図2参照)。
 いずれの場合も、交配の両親を入れかえた組み合わせによって、F1雑種の胎盤・胚発生あるいは胚乳(種子の組織)の過成長や萎縮といった現象として現れます(図2参照)。
 これらの現象は、それぞれの父・母の由来に応じてF1の表現型が決定されることから、同様に遺伝子の由来に応じて発現が決定されるゲノムインプリンティングが関わっていることが予測されていますが、その実体は明らかではありません。
 哺乳動物と被子植物に保存された現象を比較しながら、その分子機構を解明することが期待されています。
 そもそも、どのようにしてこのような複雑な対立遺伝子構成やエピゲノム構成が生まれるのか?という問いは、生物の進化の過程を問うことにも繋がります。


【図2】上記サムネイルをクリックすると拡大画像を表示

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領域の研究内容2

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