東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

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News Release

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【研究成果】花粉への給水時の柱頭乳頭細胞における液胞動態の制御が重要(6/9)

2025年6月 9日 (月)

 受粉時に花粉は乳頭細胞から給水されると言われていますが、なにがどうなったら、雌ずいから花粉に水が流れるのか。その一端に液胞動態が関係しているのではないかと。液胞膜、乳頭細胞などを蛍光タンパク質で標識して、共焦点レーザー顕微鏡で観察。発表した論文は、
 
Fukushima, K., Hayashi, M., and Watanabe, M. (2025) The regulation of vacuole morphology in stigma papilla cells is involved in water transfer to pollen in Arabidopsis thaliana. Plant Reprod. 38: 15.
 
 附属図書館からの「2025年度オープンアクセス推進のためのAPC支援事業の実施」のおかげで、この論文はOpen accessに。Suppl. dataには動画も。是非、ご一読ください。大事なことを忘れていました。筆頭著者はこの3月に学位を取った福島君。遅い時間までdeepな議論を頂いたのが、助教の林さん。次につながるよい論文でした。

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 わたなべしるす
 
 
 
 

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【お知らせ】2025年9月17日(水)に東京にて「「禹の三角形」モデル構築90周年記念シンポジウム」予定

2025年5月28日 (水)

 「禹の三角形」といわれて、それ知っている!という方は少なく、それ何??という方の方が多いかと思います。1935年に禹長春博士によって、アブラナ属植物6種の類縁関係を当時の先端技術であった「ゲノム分析」という手法で解析され、アブラナゲノムの解析などの論文では必ずといってよいほど、引用されている論文。農学部で植物、農作物を種として学ぶコース(旧農学科)であれば、講義の中で聞いたことがある方もいるかと。

      ↓クリックでポスターのPDF版がダウンロードできます(size=4.7MB)20250528145021-af8109e8fc33cb6a4e08beeeabf6a5dc274f9187.jpg その論文が世に出てから今年で90年目。そんな記念の年に、玉川大・肥塚先生と企画したのが、今回の「「禹の三角形」モデル構築90周年記念シンポジウム」。9月17日(水)に東京大学農学部弥生講堂で開催します。ようやくHPができあがりました。申込は現在準備中ですが、6月上旬には公開したいと思います。90年前の研究の背景、その後の発展など、エポックメイキングな研究の波及効果というか、そんなことを話題提供できればと思います。当日会場でお目にかかるのを楽しみにしております。
 
 
 わたなべしるす
 
 

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【研究成果】あえて「臭く」進化した花たちのニオイを生み出す仕組みを解明 - Science誌に発表

2025年5月 9日 (金)

 稲葉靖子准教授(宮崎大学農学部、東北大学大学院生命科学研究科クロスアポイントメント)らの研究チームは、国立科学博物館、国立遺伝学研究所、昭和医科大学、長野県環境保全研究所、情報・システム研究機構ライフサイエンス統合データベースセンター、龍谷大学、慶應義塾大学との共同研究により、悪臭を放つ花の3属(カンアオイ属、ヒサカキ属、ザゼンソウ属)のゲノムを比較研究し、臭い花の匂い成分をつくる新しい酵素を発見しました。

 靖子先生は、岩手大学で研究をされていた時代にザゼンソウの発熱に関する研究をはじめました(岩手の山林にはザゼンソウがたくさん生えているのです!)。渡辺教授はその頃、岩手大学で助教授をしており、その頃から靖子先生とのご縁があり、共同研究を行っています

 ザゼンソウは英語名"スカンクキャベツ"とも呼ばれ、花からものすごく臭い匂い(昆虫にとっては良い匂いかもしれませんね)を放ちます。その時期に、花が熱を発生する、という現象が知られています。おびき寄せられた昆虫、動物に受粉を手伝ってもらい、ザゼンソウは実をつけるのです(ザゼンソウが雪を溶かして顔を出す景色は美しいので、興味があるかたは調べてみてください)。靖子先生は宮崎大学に着任されてからも、ザゼンソウだけでなく、ソテツやクワズイモをはじめとした様々な花の発熱メカニズムの研究を発展させ、研究されています。

 ザゼンソウだけでなく、他の属の植物でも、臭い匂いを発して昆虫を引き寄せる花が多く見られています。今回の発表は、それらの植物が独立に進化し、同様の"匂い"成分を合成するに至った収斂進化にフィーチャーした論文となっています。"匂い"は植物が能動的に作りだし、利用しているのでは...?と考えさせられる内容です。靖子先生、おめでとうございます!

 また、今回の論文に使われた材料には、国内の研究機関のコレクション植物が活用されています。多様な植物コレクションの維持には大変なコストと手間と時間がかかっているらしいです(大変ですよね)。ですが、これからの時代、これらの多様な植物資源から、重要な現象がどんどん明らかになっていくのかもしれませんね。コレクションって大事!

 詳しくは、2025年5月8日付の米国科学誌『Science』に掲載されています、ご興味があれば是非ご覧ください。

Yudai Okuyama et al. Convergent acquisition of disulfide-forming enzymes in malodorous flowers.Science 388, 656-661(2025).

DOI:10.1126/science.adu8988



大学院生命科学研究科公式ウェブサイト東北大学公式ウェブサイト宮崎大学公式ウェブサイト、他多数、プレスリリースとして掲載されています。

あわせてご覧ください。



河北新報PR TIMES沖縄タイムス、各種メディアにも取り上げて頂きました。ありがとうございます!




スズキ

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【お知らせ】2025年度 生命科学研究科 説明会(対面実施); 5/10(土), オンライン面談; 5/17(土)への参加登録可能に(4/14)

2025年4月14日 (月)

 2/10(月)にお知らせした通り、生命科学研究科の説明会を5/10(土)に対面で、5/17(土)にオンラインで実施します。昨年度から広く生命科学研究科を知って頂くということで、受験対象の学部4年生だけでなく、学部1, 2, 3年生にも門戸を広げ、「生命科学研究科説明会」と銘打って、生命科学研究科ではこんなことをやっていると言うことを広く知って頂く機会として設定しました。
  20250414144441-f45df973a7d0f7adfc0f6f29df5abe3a14869c01.JPG <5/10(土)の生命科学研究科説明会>:対面で実施
 受付開始:9:00~
 全体説明:9:30~
 対面でのポスターセッション:11:00~13:00
 研究室でのオープンラボ:14:00~17:00
 
 <5/17(土)のオンライン説明会>
 10:00~12:00, 13:00~15:00でzoomでの説明会実施
 
 5/10(土)、5/17(土)のどちらのイベント参加にも参加登録が必要です。詳細は研究科説明会HPをご覧下さい。
 20250414144538-58fe9be2c563a2106ef31073ca88520c30d7f212.jpg ここまでは公式の研究科HPからの情報。では、渡辺の研究室でのイベントについて、簡単に紹介しておきます。対面でのポスターセッションは、渡辺他、研究室スタッフ、学生さんも参加してくれます。生命科学研究科説明会と同じ、片平キャンパスに研究室はありますので、14:00より前に研究室を見たい方は、ご相談ください。続いて、午後からの研究室公開(オープンラボ)を行います。研究室スタッフ、大学院生の方々と研究室の普段の様子について交流頂ければと思います。また、研究室ではスタッフ、大学院生の「息抜き」として、月一の「ケーキ会」を行っています。もちろん、当日も多様な「ケーキ」を用意して、お待ちしております。ケーキを食べながら、研究室のみなさん、訪問してくれた学生さん相互での語らいの時間になればと思います。楽しみにしております。
 
 多くの方々に研究室、研究内容を聞いて頂き、この研究室でみんなと研究をしてみようという機会になればと思っております。多くの方々の参加をお待ちしております。
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 わたなべしるす
 
 
 

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【受賞】東北大学「科学者の卵養成講座」運営委員会および協力機関が、2024年度「PLIJ STEAM・探究グランプリ」受賞(3/6)

2025年3月 6日 (木)

 2009年度から開始した東北大学「科学者の卵養成講座」。今年度で16年目が終了。2025年度から新たに17年目がスタート。これだけ長きに亘ってのプログラムということから修了生の中には、博士の学位を取得し、助教などの職で活躍。中等教育で「これ」という研究、研究者に出会うことで、高校生の進路、職業などにポジティブな影響を与えることができたと思っています。という渡辺は最初の3年間のプログラムの代表、そのあとは副代表のような形で関わってきました。
 
 そんなプログラムが、2024年度「PLIJ STEAM・探究グランプリ」受賞。このプログラムが社会貢献活動、アウトリーチ活動として継続的な活動を行ってきたという点。次世代の科学者、社会人を育成することは時間がかかることですが、大事な点。そんなことに貢献でき、表彰されたことは望外の喜びです。ありがとうございました。これからも精進したいと思います。
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 わたなべしるす
 
 
 
 

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