東北大学・飛翔型「科学者の卵養成講座」(グローバルサイエンスキャンパス協定事業)

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平成23年度活動ブログ

平成23年度活動ブログ養成講座の活動を記録しています。

2011.07.10

出前授業@福島高校

高校生のみなさん,こんにちは!
昨年度の発展コース「君が天文学者になる4日間」を担当しました理学部天文学教室の田中幹人です.

6月27日に福島高校へ出前授業に行ってきました.テーマは,天文学「銀河考古学への招待」とキャリア教育「大学生との座談会」でした.今回の出前授業では,東北大学の理学部,工学部,農学部そして文学部から合計7人の大学生が,高校生のまとめ役として授業に参加してくれました.

★天文学パート

 実際の天文観測から得られた本物のデータを見ながら,大学生と高校生が一緒になって議論をすすめ,「重力を通じて,銀河がどのようにしてできたか」について学びました.使用した教材の元ネタの論文が次のホームページ(全て英文)にありますので,興味ある高校生は読んでみましょう!授業では論文中の図1を使いました.読めるかな〜?というよりは,ホームページのどこかをクリックすると論文をダウンロードできますので,まずは探してみましょう.

論文「Stellar Tidal Streams in Spiral Galaxies of the Local Volume: A Pilot Survey with Modest Aperture Telescopes」

 この論文は,本物の天文研究論文です.天文学者はこのような論文を読み書きすることも仕事の1つです.国語が苦手なそこのあなた!英語が苦手なそこのあなた!もしあなたが将来,研究者を目指すなら,今,学んでいる文系科目も大事にしましょう!

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★キャリア教育パート

 高校生に,リアルな大学生との会話を通じて,大学生になった自分をイメージしてもらおうという内容でした.研究だけでなく,就職・進路,サークル活動や受験といった大学生の体験談を聞いたり,実際どうなの?という質問をしたりして,ぶっちゃけトークをしました.多くの高校生にとって,今の最大の目標は大学受験合格かもしれません.でも,それがゴールではありませんし,人生はまだまだ続きます.しかも,大学生になると今までに味わったことのない自由な環境に投げ出され,また就職という人生で最も大きな選択を否応にも迫られることになります.なので,今から数年後の自分をリアルに想像しておくことは,自分の将来を作っていくためにとても大切なのです.

さあ,あなたは「どんな」大学生になりたいですか?

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image3.jpg★高校生たちの気づき

 授業の最後に振り返りをしました.高校生からは,それぞれのパートについて次のような「気づき」がでました(一部抜粋).

天文学パート:

  • どうやって銀河ができたか話し合って正解に近づけたので良かった.
  • 銀河と言うと渦を巻いている部分しかイメージになかったので,もっと広い部分までが銀河に含まれるとわかって良かった.
  • ストリームというものを初めて知って面白いと思った.
  • 銀河にガスがあることに驚いた.
  • 銀河は絶え間なく動いていると思った.
  • アンドロメダ銀河と銀河系が将来合体してしまうことに衝撃を受けた.
  • 自分は潮汐力というものの原理もよくわかっていなかったので,今回話を聞いて仕組みがわかった.
  • 銀河も宇宙も広い.
  • 天文学は古い学問だと思っていたが,現在進行形の学問だった.
  • 普段よく見る天体写真は実は着色してるものだということにびっくりした.
  • 太陽の質量が求まることに驚いた.
  • スーパーコンピュータはすごい.
  • 天文学で使う装置の作り方が不思議だった.
  • 天文学にはまだわからないことがたくさんあるというのがわかった.

座談会パート:

  • 大学生の具体的なイメージがつかめた.
  • 正直,大学に入ったら遊べるというイメージだったので,大学に入ってからの勉強も大変だと聞いて頑張ろうと思った.
  • 先輩ひとりひとり違った考え方を持っていて面白かった.
  • 自分の進路をまだしっかり考えていなかったので,先輩の話から学んで自分のことについても考えていきたいと思う.
  • 後悔のないように進路を決めた方がいい.
  • 大学生は自分で望んで今の進路に進んでいる.だからつらくても耐えられる.
  • 進路を決めるときには下調べが重要.なぜなら教授によっても変わるから.
  • 何がやりたいのか,を決めるのが大事.
  • やりたいことをやろうと思う.
  • 今からやっておかなければならないことがある.
  • 就職の厳しい現状を知った.
  • 職は選べる.
  • 自分で行動しなければならない.
  • 大学生の話を聞いて,志望校を決めることができた.

★最後に

 今回,福島高校へ出前授業に行って,高校生だけでなく,私や大学生にとっても,とてもよい勉強になりました.例えば,

  • 高校生に自分が今,大学で学んでいる理由や,将来やりたい職業を目指している理由を語ることを通じ,自分の今の気持ちを再度見つめ直すことができました.
  • うまくいかなかったことや,自分に不足していることが見えたので,この経験を将来にいかしたいです.
  • 普段人前で話すときは緊張するけど,今回の座談会を通じて緊張しないで話す方法をみつけることができました.
  • これからの自分の就職活動に対する考え方が変わりました.大学で何をやったかではなく,これから何ができるかを考えて就活に臨みたいと思います.
  • 自分の1つ1つの経験を,分かりやすくかつ具体的に伝えられるようになるべきだと気づきました.
  • 高校生の生の声をきくことができ,これが何よりも貴重な経験になりました.

という気づきが大学生から出ました.今回の授業は,お互いに実りある出前授業になり大変よかったと思います.ありがとうございました.

★宣伝

〜プロの研究者の仕事とはなんぞや,天文学とはなんぞや,を知りたい高校生へ〜

私たち,天文学教室では,次の2つの企画を用意していますので,ぜひ参加してみて下さい!

東北大学オープンキャンパス「君が天文学者になる3時間」

もしも君が杜の都で天文学者になったら。。。〜高校生×東北大学×仙台市天文台=?〜

理学部天文学教室 GCOE助教 田中幹人

追伸,
 あなたの高校へ天文学の授業とリアルな大学生を,ボランティアでお届けに参りますのでお気軽にご相談下さい!




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2011.07.10

第1回の講義を終えて。。(生命科学・渡辺, 7/8)

 受講生の皆さんへ。生命科学の渡辺でございます。今年度、はじめの講義でしたが、いかがだったでしょうか。開講式があったりで、少し時間が短くなりましたが、講義のあとに多くの鋭い質問があり、また、その数の多かったこと。感動ものでした。ありがとうございました。「自家不和合性」と言う形質は、今回説明したような、花粉と雌しべの相互作用と言うことだけでなく、質問にあったように、どの様にして自家不和合性が失ったのかという、農耕、栽培化、進化と言うことと関係あります。また、その自家不和合性が、自然界の生態系の中でどの様に機能しているのか、また、自家不和合性を失ったときにどの様に広がるかなど、生態学的な側面もあります。今回は時間がなく説明をしなかったですが、花粉認識分子のSP11と雌しべ側認識分子のSRKがどの様な分子構造をとって、それが鍵と鍵穴の関係になっているのかと言うこともあります。これは、化学というか物理というか。

DSCN0824.JPG さらに、今回紹介したアブラナ科植物の場合、例えば、キャベツのなかまの祖先は、地中海沿岸であり、ハクサイ、カブの仲間は、中近東のアフガニスタン、イラン、トルコの当たりが、起源と言われています。そうしたところから、日本に伝播するときに、自家不和合性遺伝子がどの様に機能したかなど。今回説明できないような、他の科学分野との関係が出てきます。ぜひ、そんなことにも考えをむけてみてください。

 それから、皆さんのレポートにもありましたが、意外と、身近なものに気がついていないと言うことです。前日に書いた記事にちょっとした出し物があるとあったように、花のプレゼントを用意しましたが、それに答えることができることが少なかったことです。毎日食べているものの野菜、果物などの花ですが、この様なことを例にとっても、意外と気がついてないというか、みていないことです。毎日の自然の変化を観察する上で、身の回りの植物は、良い材料だと思います。ぜひ、そうしたことに目を向けて、自然の不思議を見つけ、小谷先生が言われていた「自然への畏敬の念」を養ってください。

 質問は、レポートに書いてくれた方もいたかも知れないですが、書き足りない方、遠慮なく、mailで寄せてください。研究室のHPのここにありますので。お待ちしております。

 次回、皆さんと講義でお会いするのは、12月のキャリア教育という、渡辺の人生をモデルとして、皆さん自身の進路を考えると言うことを行いたいと思います。渡辺は、運営も預かっているので、次回のサイクロトロンの見学でもお会いすると思います。そうしたときに質問をしてくれてもかまいませんので。また、お会いしましょう。

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 わたなべしるす

 PS. 渡辺の研究のHPにも記事を記してあります。ぜひ、ご覧ください。そこから、研究成果などの発表もしていますので。

 また、多くの関係の高校の先生方もいらしておりましたが、今回の講義を聴かれて、出前講義をリクエストいただければ、こちらも幸いです。遠慮なく、mailでご連絡ください。お待ちしております。


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2011.06.08

企画紹介:小・中・高生のためのプログラム「ひらめき☆ときめきサイエンス〜ようこそ大学の研究室へ〜」

科学者の卵養成講座「発展コース」で協力いただいている先生方の研究室で短期で実習する機会がありますので、ご紹介します。

小・中・高生のためのプログラム「ひらめき☆ときめきサイエンス〜ようこそ大学の研究室へ〜」 9月3日(土) 「宇宙の塵の不思議なでき方」 ★講 師:理学研究科地学専攻 木村勇気助教 ★対 象:小学校小学5・6年生(定員:16名) ★詳しくはこちらのPDFをご覧ください ★お申込み方法:こちら ★締 切:平成23年8月22日(月) 9月17日(土) 「宇宙の塵の不思議なでき方」 ★講 師:理学研究科地学専攻 木村勇気助教 ★対 象:中学生(定員:16名) ★詳しくはこちらのPDFをご覧ください ★お申込み方法:こちら ★締 切:平成23年8月22日(月) 9月3日(土)-4日(日)、10月8日(土)〜10日(月)、15日(土)〜16日(日) 「もしも君が杜の都で天文学者になったら。。。−高校生×東北大学×仙台市天文台=?−」 ★講 師:理学研究科天文学専攻 服部誠准教授 ★対 象:高校生(定員:16名) ★詳しくはこちらのPDFをご覧ください ★お申込み方法はこちら ★締 切:平成23年8月5日(金) 

8月12日(金) 「泡で金属をたたいて強くする 
★講 師:工学研究科 祖山 均教授 ★対 象:中学生(定員:30名) ★詳しくはこちらのPDFをご覧ください ★お申込み方法はこちら ★締 切:平成23年8月5日(金) *その他にも様々なプログラムがあります(一覧)。 *日本学術振興会のプログラムです。

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2011.06.03

宮城県宮城第一高等学校で、今年度の応募説明会、第2弾(5/31)

 昨日の福島県立福島高校に続く、第2弾は、宮城県宮城第一高等学校からでした。50名を超えるような参加者がありましたが、時間的な制限があり、1.5hrの「科学者の卵」説明会でした。渡辺が科学者の卵のそれぞれのコースの概要、プログラムで予定している講師とその内容、今年度の横暴に当たっての変更点などを概説しました。この説明に続いて、福島高校同様に、昨年の受講生がコメント頂き、このプログラムで自分たちがどれだけ変化したか、影響を受けたか等、やはり、同世代からのコメントは刺激になったようです。

 質問もいくつかあり、今年度も多くの応募がありそうだという感触を得たのはうれしい限りでした。

DSCN0545.JPG 再来週には、仙台二華、仙台第三高等学校の方から、お願いをされております。他の高校でも、応募説明会の開催希望がありましたら、top pageにあります、事務局の方にmailでご連絡ください。できるだけ時間を調整して説明に伺いますので。


わたなべしるす


PS. 関連記事が、渡辺のHPにもあります。さんこうまでに。

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2011.06.02

福島県立福島高等学校で、今年度の応募説明会、第1弾(5/30)

 3年目を迎える「科学者の卵」の説明会も、応募時期が1ヶ月遅れたことから、説明会もほぼ1ヶ月の遅れになりました。〆切りが6/15ということ、6月上旬には、高校総体の県予選があったりで、説明会の日程調整は難航した部分がありますが、まず、第1弾として、5/30に福島県立福島高校で100名を超える生徒さんに参加頂き、説明会を開けました。ポスターなどの印刷が間に合わないことから、プレゼンのみとなりましたが、後日、ポスターなどはお送りするということで、ご了解を頂きました。

 さて、当日は、こちらからの説明に続いて、恒例となった昨年度の受講生から、生の声を頂きました。一昨年、昨年の受講生で10名近い方々が参加頂き、3年生の受験生までこの説明会のためにきて頂いたのは、ありがたい限りです。受験の方もがんばってください。3年目ということもあり、卵の活動が浸透しているのか、多くの質問がなかったのは、少し残念でした。

DSCN0514.JPG 説明会の後半には、渡辺が今年も行う「キャリア講義」をほぼ、フルスペックで行い、実際の講義を疑似体験頂きました。今回の講義がきっかけとなり、卵への応募、進路の決定などのヒントになればと思いました。

 申し込みの〆切りまであまり時間がないかもしれないですが、高校での説明会を希望される方は、事務局までお知らせください。渡辺他、説明に伺える教員の都合がつき次第、伺うようにしますので。


 わたなべしるす

 PS. 関連記事が、渡辺のHPにもあります。さんこうまでに。

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