東北大学・探求型「科学者の卵養成講座」(グローバルサイエンスキャンパス協定事業))

東北大学・探求型「科学者の卵養成講座」(グローバルサイエンスキャンパス協定事業)

平成29年度 活動ブログ

平成29年度 活動ブログ養成講座の活動を記録しています

2018.04.02

海外研修レポート - Part1

 こんにちは。仙台二華高等学校1年、関 百咲です。
 3/17~26まで、科学者の卵養成講座 海外研修プログラムに参加してきました。そこで体験したことと学んだことを、何回かに分けて記していきたいと思います。



1日目 3/17(土) 成田
 この日は飛行機に乗る前の最後の日。成田空港内のホテルに集合し、出国・入国手続きの注意点やSTEM高校で行う日本文化のプレゼンの練習を行いました。
 そして海外研修に向けて、次のような目標を立てました:
1. ものを見る力を鍛えること
 科学者の卵としてこの研修に参加するので、物事を科学的に考えながら生活する。科学といっても分野は広いので、他の人の話やレポートも参考にして、視野を広げる。
2. 自己管理をしっかりすること
 アメリカの犯罪率は日本に比べて非常に高く、持ち物の管理はもちろん、単独行動しない、指示と時間を守る。また自分の身の回りのことは自分でしなければならないので、
3. ずっと付き合える仲間を作ること
 ホストファミリーの方だけでなく、自分にないものをたくさん持っている9人の仲間ともコミュニケーションをたくさん取って、刺激を受けてきたいと思います。



2日目 3/18(日) 成田→アメリカ
 午前中は研究発表の練習、その後空港で飛行機に乗りました。
 ロサンゼルス空港へ降り立ち、その後ホストファミリーと合流してサンタモニカ・ベニスビーチへ連れて行ってもらいました。ロサンゼルスにはヤシの木の仲間や仙台で見たことのない植物がいて、渡辺先生や伊藤先生に教えて頂いたり調べたりしていました。ビーチは暖かいロス市街とは一転、夜になると本当に寒くなってギブアップしてしまいました。また立石さんが、ヤシの木に挟まれた電灯の柱部分がザラザラしていることに気づいていました。景観配慮でしょうか。電灯というと、ビーチもステイ先の家も、日本より電気の数が少ない気がします。日本はやはり電気を使いすぎなのでしょうか...。サンタモニカ.JPG 夕方の時間帯は陸風が吹くはずなのに、海から風が吹いているように感じる場面が多々ありました。地形的に見ても解決しなかったので、海より陸のほうがまだ暖かかったのかもしれませんね。



3日目 3/19(土) アメリカ
 STEM高校で歓迎されたのち、C-CERTというUCRの研究所、ボーンズ社を訪問しました。C-CERTでは英語の説明で、完全に理解はできませんでしたが、様々な研究を行っている複合施設でした。車の排気ガスを車や燃料、走行条件を変えながら調査しているのが印象に残っています。ccert.JPG ボーンズでも英語でした。飛行機の部品や車のみならずオーディオ機器にもかかわっているそうです。STEMに戻って巨大ジェンガを楽しんだ後は、室内のミニゴルフをしました。夕食は麗奈先輩と私で日本の料理を披露しました。
 私は唐揚げを(唐揚げ粉で)作りましたが、その時に油の温度の大体のはかり方について調べていました。日本なら箸をつけることでわかりますが、アメリカにはないのでパン粉が含まれているであろう唐揚げ粉を散らしてみて、広がり具合で見分ける方法を調べました。おそらくはパン粉の中の水分が蒸発するのが早いほどパン粉の質量も軽くなり、広がりやすいのだと思います。日本料理.jpg



4日目 3/20(土) アメリカ
 リバーサイド市長を訪問させて頂きました。mayor.jpg その後メトロポリタンミュージアムへ行き、展示を見たり、水を使わず絵を描く体験をしたりしました。絵の具が伸びないので、凹凸のある紙上では地の色が見え隠れするようになります。昼ごはんはSTEMの生徒に案内してもらいました。ところで人間の感じる味というのは、甘味・塩味・酸味・苦味・旨味の5つに分けられるそうです。主に2つ、サブとして1つの味が感知できると、美味しいと認識すると聞いたことがあります。とすると、このピザはベーコンの塩味と、チーズの酸味と、加えてパイナップルの甘味を効かせておいしさを感じさせていたのかもしれません。スケッチでは官庁街に足を延ばしました。遠近法を教えてもらい、私たちは裁判所をスケッチしました。



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投稿者:事務局 |個別ページ

2018.04.01

海外研修 in Riverside

海外研修 in Riverside

初めまして。福島県立福島高等学校1年の安斎優希です。私は3月17日から26日まで行われたカリフォルニアでの海外研修に参加しました。今回の研修の目的は「科学者の視点を養うこと」です。内容については他の海外研修生の皆さんが大変詳しく書かれていたのでそちらを見ていただくことにして、私からは今回の研修で感じた「海外で科学を学ぶことのメリット」を少し書きたいと思います。

メリット①「常識を疑える」

アメリカは気づきの宝庫でした。日本とはまるで違う文化・人種・気候があるため、日本にはないものがあったりや日本で常識だと思っていたことがなかったりします。私の気づきを少しだけ紹介します。

滞在1日目、私はホストファミリーとスーパーマーケットで一週間分の食料の買い出しに行きました。そこではパンやスナックの他に、ヨーグルトやレタス、パック入りのサラダなども買ってもらいました。「しっかりビタミンを取れてありがたい」と思ったのも束の間、その後サラダが食卓に出ることはありませんでした。 日本に帰った今になって謎が解けました。初日にホストマザーから「冷蔵庫のものは自由に取っていいですよ」と言われていたからです。私はこの言葉を社交辞令と捉えていましたが、実際に言葉通りの言葉でした。サラダを食べたかったら出されるのを待つのではなく自分で用意しなくてはいけなかったのです。初対面の人の家の冷蔵庫からものを取ることに抵抗がある日本人は多いと思います。しかしその抵抗感があまりに無意識すぎて気がつかなかったのです。善意に気づかず残してきてしまったことを大変後悔しています。 科学を考えるときにも無意識を疑うことが必要になります。海外に行くことはその練習としてふさわしいと思います。私も海外研修を通して常識を疑う力がついたと自負しています。

メリット②「自己表現力が身につく」

海外の生徒と交流した時に大抵の人が口を揃えて言うことは「意見をこんなにはっきり言うなんて!」です。私もはっきりと実感しました。 私達が大変お世話になった Riverside STEM Academy(以下RSAとします)で「アイスの棒で橋を作る」という技術の授業を受ける機会がありました。4~5人のチームになってより重いおもりに耐えられるような橋を木の棒とテープだけで作る授業です。始まるやいなや、班内で目まぐるしく意見と情報が飛び交います。英語でうまく意見を言えない私に入る余地は無く、いつの間にかコンセプトが決まり作る作業に入っていました。文化的なものなのか、それとも教育によるものなのかは分かりませんがアメリカ人の自己表現力に圧倒されてしまいました。少しでも遠慮したり躊躇いがあったりするとせっかく考えがあっても生かされないような世界です。必然的に意見をはっきり言う力が身につきます。

また、表現する手段も身につきます。RSAの授業では美術を大切にしていました。スケッチだけでなくピクセルアートや黄金比を用いたアートなども学ぶことができます。さらにプログラミングやプレゼンテーションといったパソコンを使う訓練も日常的にしています。小学6年生のクラスではパソコンを使ってGoogleDriveで情報共有をしながらロボットのプログラムをC言語を使って書いていました。なんと彼らは一人一台自分のパソコンを持っており、宿題はオンラインでやるそうです。これはRSAに限ったことではなくアメリカの多くの小中学校でオンライン化の流れがきているとのこと。私は研究発表のポスター作成ぐらいにしかパソコンを使わないので、習熟度は雲泥の差です。

以上が私が強く感じたメリットです。

個人的な反省も1つ。単語力とリスニング力の低さです。会話する時に伝えたくても単語が出てこなくて伝えることを諦めたり、話しかけてくれたのに返事ができなかったりすることがありました。そのため会話に少し消極的になってしまい、せっかくの貴重な機会を生かしきれていませんでした。ただここで諦めるのではなく、次に海外に行くときまでの宿題だと思って日々の英語学習へのモチベーションを上げていきたいと思います。

最後に一言。今回の海外研修ではいろんな人に支えられていることを実感しました。拙い英語しか話せなかった私の気持ちを汲み取ってくれたホストファミリー。気さくに話しかけてくれたRSAの生徒達。何よりこの場を設けてくださった東北大学の先生方。他にも色々な方々に支えられてこの海外研修に参加することができました。この場をお借りして感謝申し上げます。ありがとうございました。

投稿者:事務局 |個別ページ

2018.04.01

海外研修のまとめ

こんにちは、宮城県仙台二華高等学校の立石朱紗美です。
海外研修(3/17~26、カリフォルニア州リバーサイド市)の報告ブログです。かなり長くなりますが、お許しください。
まず最初の2日間は成田で事前研修でした。プレゼン等の練習をして、18日夕方に出国しました。時差のせいで到着は18日のお昼前。ここからは日ごとにまとめていきたいと思います。
3/18(Sun. )
アメリカに着いてから、バスでリバーサイドに移り、ウェルカムパーティーをしました。
まず気がついたのは、アメリカでは街に生えている木の種類が違うことです。ヤシの木をはじめ、全体的に樹高が高く、木の上の方でだけ枝が分かれて広がっているものが多いように感じました。これは熱帯の植物の特徴なのだそうですが、光を得るために上に伸び、その幹をつくれるくらい一年を通して盛んに光合成ができ、かつ暴風が吹かないため折れないという条件のもとに生まれた特徴のようです。
また、随分と景色が黄色いように感じました。よく見ると、道路などの舗装が黄色いせいでした。日本ではアスファルト、アメリカではコンクリートでの舗装がメジャーなようで、アメリカの重い車や交通量に耐えられる頑丈なコンクリートが選ばれたようです。
ウェルカムパーティーでホストファミリーと会い、いよいよホームステイ生活がはじまりました。
車内から
3/19(Mon. )
STEMでのウェルカムパーティーと校内見学、UCRの見学、Bourns Inc. の見学をして、STEMでアイスブレイクをしました。
STEM校内の見学では様々な教室を見てきました。一番驚いたのは演劇のクラスです。アーティスティックな活動もあるのですね。
数学の教室にレポートが貼ってあったのも印象的でした。日本では理系の学校といっても理科系のレポートが多いと思うので、「生活の中の数学」というテーマ(だと思います)で書かれているのは新鮮でした。
UCRのバス待ちの間に渡辺先生とグレープフルーツの木を見ました。残念ながら花は咲いていませんでしたが、実はたくさんなっていました。渡辺先生によると、庭木のグレープフルーツが小さいのは、摘花(摘果とも言う)をしないからだそうです。摘花は簡単にいうと間引きのことで、日本では同じ枝の花や実を取ってひとつを大きく育てるのですが、アメリカではそのようなことはしないのだそう。ちなみにリバーサイドはオレンジで有名です。日本のみかんのような感じで手で剝いて簡単に食べられる品種もあります。もちろん美味しかったです!
UCRは、すごいの一言に尽きます。説明がほぼ聞き取れず英語力のなさを痛感しましたが、環境問題(特に大気汚染)解決のために排気ガスなどの研究を行っているようでした。壁一面に電灯の並んだ大きな実験室などもあり、大学で行われる最先端の研究のスケールに圧倒されました。
Bourns Inc.はとても素敵な場所でした。社長さんも気さくな方で、たくさんのお話をゆっくり、分かりやすく話してくださったのが印象的でした。ですがなによりも創業当時のお父さんお母さんの、お客さんにとっていい製品を作ろうとし続けた姿勢に感銘を受けました。
また、創業者であるお父さんは、若いころからいろいろな機械などを自分で作っていたそうです。自分の手で何かを作っていくという経験が、クリエイティブな才能を育てたのかもしれない、と思いました。
STEMのアイスブレイクはビッグサイズのジェンガでした。
順番が進むにつれてゆらゆらするタワー、ブロックの揺れに一喜一憂するみんな。日本とは比べものにならないぐらいつよい日射で暑かったですが、その暑さを忘れるぐらい熱中できるゲームとなりました。数学のレポート
庭木のグレープフルーツ
3/20(Tue. )
市長訪問、美術館見学およびペインティング&スケッチ体験、お昼ご飯with STEM students を行いました。
まず姉妹都市交流の一環で、市長訪問にうかがいました。事前研修で突然スピーチ担当だと通告され、緊張しつつの訪問でしたが。ベイリー市長が部屋にいらっしゃった時から気持ちが上の空でした。紙を見ながらでかなりかっこ悪かったですが、何とかスピーチすることができました。市長さんが気さくな方で本当によかったです。
その次は美術館見学とスケッチ体験でした。スケッチでは遠近法を利用しろとののとで、mission innを斜めから描きました。STEMの方々は絵も上手です...。
3/21(Wed. )
サイエンスチャレンジ、STEMワークスwith middle school students、STEM中学校(?)授業体験、シニアレセプションを行いました。
サイエンスチャレンジでは、ポップスティック(アイスの棒のようなもの)を使った橋製作に挑戦。長さと耐久性を兼ね備えなければならないらしく、私たちは三角形構造をベースに製作することに。スティックとテープではうまく三角形を作れず、悪戦苦闘しました...。
初めてのSTEMワークスは短縮版ということで、かなりばたばたしたものになってしまいました。STEMワークスとは日本文化紹介のようなもので、私たちは御朱印帳制作ワークショップをしました。中学生にうまく伝わらず反省点も多かったですが、完成した御朱印帳を手ににこにこしている姿にほっこりしたりもしました。
STEM中学校(?)の授業体験では、ラズベリーパイなるものを見学しました。そもそもなんぞや、ラズベリーパイとは。何とか聞き取った英語から読み解くに、小さなパソコンのようなもののようです。プログラムを書いて、コネクターなどを使ってラズベリーパイに送ると、ラズベリーパイ本体から音が出せたりするようです。ロボットを動かすことなどもできるそうで、彼らは完全に使いこなしていました。
シニアレセプションでは、ミニパイプを使ったビー玉リレーに挑戦。ゆっくり送らないとビー玉が落っこちてしまい、一回目のリレーでは私たちのチームが最下位...。(その反省を生かして二回目は一番乗りでした!よかった!)
途中から雨が降り出し、やむなく途中で終了してしまいました。渡辺先生が「いわゆるshowerだ」とおっしゃっていましたが、ホストシスターに聞いても「突然降ってすぐやむ、でもまたすぐ降るよ」とのことで、あまり珍しくなさそうでした。リバーサイドは寒暖差+盆地ゆえの山をのぼる上昇気流の発生、でshowerが降るのでしょうか?個人的には日本の夕立に近いのかなと感じました。雷鳴も少し聞こえたので。
3/22(Thur. )
サイエンスチャレンジ②、爬虫類体験、水彩画、シカモア展示見学、STEMワークス②を行いました。
(こちらでは珍しいらしい)雨のため、シカモアパーク見学はやむなく中止になってしまいました。その代わり、中学生とサイエンスチャレンジにリトライしました。昨日やってみて勝手が分かったので、私はいくぶんスムーズに作業を進めることができました。この日も、基本構造は三角形です。
爬虫類体験は恐らく私が1番成長したイベントではないかと思います。
基本的に虫や爬虫類は苦手なのですが、せっかくの機会と言い聞かせて抱いてみると意外と面白かったです。蛇を持ってみて、初めてうろこが丸みを帯びていることに気づきました。背骨を手で触ってみたりして、体験しながら学ぶという楽しさを知ることができました。
シカモアパーク横の建物での見学では、たくさんの鳥やハチの展示を見たほか、館員さんからお話を伺いました。カリフォルニアにはなんと1400種近くのハチがいるそうです!たくさんの種類の生物がいるのは、いろいろな気候があるので植物の種類が多いからなのだそう。何気なく見過ごしてしまいがちな植物だけれども、彼らが生態系の根本を担っているのだなとあらためて思い知らされました。
STEMワークス②は時間が長くなったこともあり、前日より多くのことをすることができました。高校生相手だったこともあるとは思いますが、昨日の反省を生かして表現を変え、実演もしっかり交えるようにしたことによって、指示が通りやすくなった気がしました。意外だったのは生徒さん方の中に日本語が大好きな方々がいたことです。「愛」や「希望」、「花」などを書いてほしいと言われました。途中、「蝶」を求められて漢字の苦手な私はギブアップ...。
ポップスティック橋
3/23(Fri. )
UCRキャンパスツアー、昆虫学、研究発表、フェアウェルパーティーをしました。
まずはUCRキャンパスツアー。広くて開放感に満ちあふれていました。
面白かったのが大学構内の道端になっているオレンジの木の話。実は自由に採ってもいいそうですが、酸っぱくて苦くてあまり美味しくないのだそう。
ちなみにキューティーズというオレンジはUCRが開発したのだそうですが、こちらはちゃんと美味しいです。(前述の日本のみかんに似ているのはこれのことです。)
一番衝撃的だったのは昆虫学体験です。昆虫の変態の理由について。消化吸収に特化して成長し、その後で性成熟をして形態を変えるというのは、言われてみるととても合理的です。
個人的には、昆虫の話ももちろんですが、フェロモンの話にとても心引かれました。ごく微量の化学物質で行動が変わるというのはとても興味深いです。人間が鋤鼻器官(じょびきかん、フェロモンの受容器官)を失ったのはなぜなのでしょう。もしかしたら人間がフェロモンのようなものを放出しているかも知れないのに、どうして進化の過程で受容体だけがなくなったのでしょう。受容だけできなくなったというのは何だか不思議です。どうしてでしょう......。
研究発表は、原稿をついぞ暗記できず紙をもちながらの発表になってしまいました...。残念。
しかしメンターの古井さんには、ちゃんと伝わっていたよと声をかけていただいたのでうれしかったです。質問してくれたSTEMの生徒さんもいて、私たちの研究をしっかり伝えられたのはよかったです。
フェアウェルパーティーでは、なんともアメリカンなバケツアイスが登場...。
UCRの図書館構内にあるオレンジの木
3/24(Sat. )
カリフォルニアサイエンスセンター、ナチュラルヒストリーミュージアム見学をしました。
まずはカリフォルニアサイエンスセンター。大迫力のエンデバー見学から始まりました。そもそもエンデバーとは何かを知らなかった私は、里桜先輩から「スペースシャトルで、何度も離発着が可能で、基本的な任務は輸送」だということを教えていただきました。発射するもの=ロケット=一回きり、と思い込んでいたので、何度も離発着できるというのが衝撃的でした。
エンデバーのガレージ収容シーンや実物を見て、宇宙やスペースシャトルには無知な私ではありますが、とてもわくわくして興奮しました。傷だらけの機体から宇宙飛行の厳しさを感じました。あの小さな無数の傷は大気圏を抜けるときや突入するときのものなのでしょうか。
他には海草の展示、生物の展示を見ました。海草の水槽の中に白くて小さな動く粒があったので、これは何かと聞いたところウニの赤ちゃんだそうです。
生物の展示ではかわいいヒヨコたちを眺めたりしていました。癒やしです。ヒヨコの親認識について『嘴によって親について知る』と、少々私たちの認識と違う記述があり、下山先生にうかがったところ「生まれて最初に見たものを親と認識する(刷り込み)が激しいのは鴨類などで、ヒヨコはそれほど視力がよくないので嘴を使って外界認識をして、親が何か学ぶのではないか」とのことでした。
次に見たのはナチュラルヒストリーミュージアムです。私たちが見たのは恐竜と石と鳥の展示です。恐竜の化石たちもまたまた大迫力でした。展示のなかに子ども恐竜と小型恐竜の成体をどう見分けるか、というものがありました。かねてからの疑問だったので読んでみると、子供と大人で骨の形が変化したりするのだとか。ある種では眼窩(?)の骨の形が変わるようです。眼窩の骨の形が変わると視野なども変わるのでしょうか。
エンデバー恐竜模型
その後25日にロサンゼルス空港から出国し、日本に戻ってきました。
かなり長くなりましたが、研修はこのような内容でした。これでもかなりコンテンツを減らしたので、もし伝わりにくい点等があれば申し訳ないです。
本当に充実した研修でした。ここには書ききれないほど、たくさんの気づきや貴重な経験を得て、なにより科学の楽しさを見つけられた10日間でした。
引率してくださった先生方、参加者の皆さん、本当にありがとうございました。
そして、一年間「科学者の卵養成講座」でお世話になった皆様にも、心より御礼申し上げます。大きく成長できた一年間でした。受講生の皆さんと、また再会できるとうれしいです。
皆様、本当にありがとうございました。

投稿者:事務局 |個別ページ

2018.03.31

飛翔型「科学者の卵養成講座」米国研修を終えて

こんにちは、宮城県仙台第二高等学校の大井一輝です。

私は、3/17から3/26にかけて、飛翔型「科学者の卵養成講座」米国リバーサイド研修に参加していました。これは、現地のRiverside STEM Academyの高校生の家に一週間ホームステイしながら、大学や企業、研究機関などを始めとする様々な場所を訪れ、その分野の専門家からお話を伺ったり、科学的な体験活動を行ったりしながら科学者としての視点を養うというプログラムでした。

十日間の全日程について事細かく記すのは難しく、また、科学者の卵という点からも少し外れてしまうかもしれないので、この研修で私が何を学んだのかについて書きたいと思います。

まず、科学的に物事を見るとはどういうことなのかを学びました。この研修中、私も含むメンバー10人が先生方から意識するよう言われたのが、これは決して英語研修ではなく、科学者としての視点を養うためのプログラムであるということでした。初めは、なぜ科学者の視点を養うという目的でアメリカまで行く必要があるのかわかりませんでしたが、研修を終えた今ならはっきりとその意図がわかります。そこには、主に三つの理由があったと思います。

①当たり前に感じていたことについて、再び考えるため

アメリカの一般家庭での生活を通して、日本では当然のように思っていたことを相対的にとらえることが出来ました。例えば、日本では、道路といえばアスファルトですが、重量のある車の交通量が多いアメリカの道路にはコンクリートも使われているということや、雨の降らないリバーサイドの方が、強い日光による消耗で日本よりもワイパーの交換頻度が高いことなどです。このような一つ一つの気づきから、日常生活で無視して見逃していることにも実は科学への入り口が多くあると知りました。(下の写真は、素材の異なる二種類の道路と、リバーサイドの日差しです。)

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②考えることに集中するため

この十日間、学校の課題や受験勉強などのあらゆる面倒なことから、物理的にも心理的にも距離をとったことで、頭に浮かんでくる疑問について純粋に考えを巡らせることができ、またそのための時間もたくさんありました。特に、ホストファザーの運転する車でいろいろな場所へ連れて行ってもらったのですが、その道中に助手席から見える物について次から次へと疑問がわき、そこから発展して実に様々なことについて議論しました。疑問についてとことん考えるという意味でも、英語の訓練という意味でも、ドライブは非常に有意義な時間でした。

③科学技術で世界をリードするアメリカを自分の目で見るため

UCR(カリフォルニア大学)の研究機関では自動運転や電気自動車、次世代のエネルギー技術を目の当たりにし、bournes企業訪問では大きな成功を収めたにもかかわらず、他の分野にも挑戦し続ける会社の経営者に求められる資質について話を伺い、そしてカリフォルニア科学センターでは、アメリカだけが実用化したスペースシャトルの栄光と悲劇を知りました。挙げればもっとたくさんあるのですが、それぞれを五感でとらえることが出来たというのは、この上なく貴重な体験でした。

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次に学んだのは、人とコミュニケーション(会話や議論)をとる方法です。これまでの英語サロンなどでは、相手のことを知ろうとして話を聞くことに努めていました。しかし、それだけでは英語力の向上にならないばかりか、海外の人たちと親しくなることはできないと気づきました。日本人同士なら相手の考えを察することが多少なりともできますし、「聞き上手」という言葉もあるくらいですが、ほぼ初対面の、さらに海外の人に対しては今までのやり方を改める必要がありました。そのことに気づけたのは、幸いにも初日でした。ホストファミリーの家に向かう車内で、私は例のごとくどんな人たちなのだろうと、彼らの話を聞こうと意識していました。しかし、彼らが私についてたくさん尋ねてくるうちに、相手を知ろうとしているのは彼らも同じなのだと分かりました。その後は、徐々にですが相手の言うことに対して自分の意見も述べつつ、互いに相手を理解することを目指してコミュニケーションをとるように心がけました。そのおかげで、ホストファミリーとも強い信頼関係が築けただけでなく、STEM高校では今も連絡を取り合う友達が何人かできました。この経験を生かして今後は、日本人であろうと外国人であろうと、議論の場では、相手の意見を理解しながら、自分の考えもきちんと伝えていく姿勢で臨んでいきたいです。

最後に、自分の頭の中にあることを文章化してみることの重要性を学びました。この研修中、私たちは毎日、科学的な考察を取り入れたレポートを提出しなくてはなりませんでした。初めは、何を書こうかと自分一人で頭を悩ませていたのですが、研修に参加した仲間たちやホストファミリーとの何気ない会話を通して思ったことからも、考えを発展させて書けるようになってからは、それほど苦にならなくなりました。私の場合は合計文字数が15000字に及び、間違いなく人生で最も文章を書いた10日間でした。そのおかげで自分の考えを文章にまとめたり、他人にも理解してもらえるように書いたりする力が伸びたと思います。とはいえ、このブログを書くのにもだいぶ時間がかかってしまっており、また、将来的には論文などを書くことになるかもしれないので、まだまだ訓練をしていこうと思います。

振り返ると、文章化するのが容易でないほどたくさんの学びに恵まれた十日間でした。ですが、それを生かしていけるかどうかは今後の自分次第だという意識もあります。もちろん、物事を科学的な視点から捉えようとするなど、すでに実践していることもありますが、企業訪問で聞いた話など、何年もたってようやく役に立てられそうなこともあります。いずれにしても、これらのこと全てを今後に生かしていきたいという強い感情があり、そのためにも今回学んで考えたことを時々思い返してみながら、前に進んでいくつもりです。

IMG_5843.JPG


ここまで読んでくださりありがとうございます。実は、私は、この研修においてもっとも重要なことの一つを忘れていた節がありました。それは、感謝の気持ちです。確かに、毎日すぐ近くにいた、メンターのお二人や下山さん、渡辺先生と伊藤先生には終始助けられているという実感があったのですが、研修に集中するあまり、遠く離れた日本から私たちを見守り、サポートしてくださっていた実に多くの方々への感謝を忘れていたことを今となって反省しています。だから、この場をお借りして、私たちが無事に研修を終えることに力をお貸ししてくださった全ての方々、そしてこの研修がきっかけで出会えた多くの素敵な方たちに心の底から感謝の気持ちを述べさせてください。本当にありがとうございました。

宮城県仙台第二高等学校 大井一輝

投稿者:事務局 |個別ページ

2018.03.30

第9回 科学者の卵養成講座を終えて/総括

みなさんこんにちは。

宮城県仙台二華高等学校1年の桑原優菜です。

第9回の分のブログを書いていなかったので、その振り返りと全体の振り返りをしたいと思います。

 

~第9回の講座~

1. 英語交流サロン

今回のテーマは「売り込みたいもの」でした。私は自分の住む都市、仙台市をアピールしてみました。

みなさんご存知の通り、仙台は牛タンやずんだもちなどのグルメだけではなく、七夕まつりやジャズフェスティバル、光のページェントなどの大規模なイベント、また青葉城や瑞鳳殿など歴史的な面影も残されている素敵な街です!!東北の中枢を担う都市でありながら緑も多くあり、「杜の都仙台」なんても呼ばれますね。本当に魅力盛りだくさんです。

ということを日本語ではいとも簡単に紹介できますが、英語にするとこのニュアンスそのままに、相手がワクワクするようなプレゼンをすることがいかに難しいか痛感しました。今振り返ると私はかなり棒読みになってしまい、少し言葉につっかえてしまったときもあったように感じます。

今回のテーマのように「売り込みたいもの」を紹介するときは、いかに相手に対して魅力的な印象付けができるかがカギになると思いました。そのためには抑揚のある英語の話し方、相手の聞き取りやすい声のボリュームと速さを考えてプレゼンすることが大切だと分かりました。

この英語交流サロンで、多くの留学生と交流をすることができました。留学に興味がある私にとって、実際に今留学を経験しているみなさんのお話を聞けるのはとても貴重な機会となりました。それと同時に、「この言葉は何と言えばいいのだろう?」「もっとこういう言い方があるのか」など、生の英語を使うことで初めて分かることをたくさん発見することができました。

 

2. ~薬を創る化学技術~

まず、創薬研究の成功確率と必要経費の数字にとても驚かされました。成功確率はおよそ1/30000、必要経費はおよそ1000億円だということです。なかなか想像しにくいというのが正直な感想ですが、1つ1つの地道な研究の上に薬が作られ、私たちはそれを便利な形で使うことができている、ということを再確認しました。

3. ~次世代素粒子研究施設 国際リニアコライダー計画~

以前ノーベル物理学賞を受賞された梶田隆章先生のご講演を聞く機会があり、そこでニュートリノを含めた素粒子研究の意義について学び大変興味を持ち自学していた分、より分かりやすく講義を聞くことができました。素粒子は私たちの目に見えない分実感がわきづらく縁遠いものに感じてしまいがちですが、素粒子の研究が拓く新たな発見の可能性を知り、感動してしまいました。世界的な枠組みで行われる研究が、私たちの暮らしの近くで行われるかもしれないと考えるとワクワクしてきませんか?!素粒子の分野を理解するのはとても難しいですが、より知識を深めることができたらなと思います。

 

~~総括~~

長いようであっという間に1年が終わってしまいました。毎回の講義の内容についてはもちろん、英語を話す能力、コツ、レポートを書く際の文章力、表現力、プレゼン力など本当に本当にたくさんのことを学ぶことができました。毎回の講義では、学校では決して習えないような専門的な内容から最先端の研究まで、その難しさにつまづきそうになりながらも自分なりに理解を深められました。また研究発展コースⅠでは、珠玖仁先生のもと三次元培養について学びました。発展的な内容なので自分で調べたり論文を読んだりして勉強し、これを機会に多くのことを学ぼうと努力することができたと思います。

私は最初、この講座に特別聴講生として参加させていただいていました。1番最初のブログで、「受講生の選には漏れましたがせっかくのチャンスを最大限生かしたいと思います」と書いていましたが、その目標は自分の中では達成できたのかな、と思っています。海外研修には行けませんでしたが、受講生、発展コースへと選抜していただき、最後は最優秀賞という形でこの講座を修了することができ、またとない貴重な経験をたくさんさせていただきました。学校のプログラムでアメリカへ研修に行っていたため3月10日の発表会に出席できなかったのは少し心残りです、、。

最後になりましたが、講義をしてくださった先生方、事務局の皆様、珠玖先生、TAの方々、そして同じ研究室で学び、私の分まで発表をやってくださった2人の卵、英語交流サロンやサイエンスカフェなど様々な場で交流を深められた皆さんに心から感謝します。同じ興味を持った方々、異なる関心を持った皆さんと関わりを持つことができ、私自身科学に対する視野がぐんと広がったような気がします。

今の私はまだ卵の殻を割ったばかり。講座は終わりになりますが、ここからがまた新たな出発点だと考えています。この先ひよこになり、さらに成長して大空を羽ばたくことができるよう、この1年で学んだ全てのことを活かし精進していきたいと思います。

 

皆さん、今まで本当にありがとうございました。またいつかどこかで会えることを夢見て。

投稿者:事務局 |個別ページ

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