東北大学・探求型「科学者の卵養成講座」(グローバルサイエンスキャンパス協定事業))

東北大学・探求型「科学者の卵養成講座」(グローバルサイエンスキャンパス協定事業)

平成29年度 活動ブログ

平成29年度 活動ブログ養成講座の活動を記録しています

2018.03.30

海外研修を振り返って

科学者の卵養成講座海外研修を振り返って

                                                  山形県立米沢興譲館高等学校 2年 横山夏海

今回、3/17から3/26日にかけてアメリカのカリフォルニア州リバーサイドで研修をしました。私がこの研修を通して学んだこと、感じたことを2つに分けて皆さんに伝えたいと思います。

この報告が少しでも皆さんの為になれば幸いです。

○サイエンスを様々な角度からみることができたこと

海外研修では、UCR(University of California, Riverside)、Bourns企業訪問、爬虫類とのふれあい、昆虫学について、昆虫とのふれあい、宇宙関係や恐竜等の博物館ヘ行きました。

UCR

UCRでは、研究室を訪問したり、キャンパスを見学しました。大学が、リバーサイドの電力供給を担っていることや効率的な電力発電等を研究していることを知りました。ですが、ここでは、科学に関する専門用語の知識不足が露呈し、悔しい思いをしました。最大限に与えられたチャンスを活かすために、いかに日常生活を大切にするかということを考えさせられる機会となりました。キャンパスは植物が沢山あって、植物の匂いが強く場所によって匂いが変わることが印象的でした。UCRに留学している東北大学のかわむらさんには沢山お世話になりました。ありがとうございました。

爬虫類とのふれあい

STEMという高校に爬虫類が好きな生徒がいました。その生徒が飼育している蛇やトカゲ、ヤモリを触りました。最初は小さな蛇から始まり、大きな蛇やヤモリ、トカゲが登場してきました。私は大きな蛇をテレビでしか見たことがありませんでした。そして、そこまで爬虫類には興味が無かったのですが、実際に触ったり見てみると、可愛くて可愛くて、爬虫類が大好きになりました。トカゲやヤモリに関しては、目が水晶玉のように美しく、飛び出ていたことが印象的でした。蛇は首に巻いてみました。蛇が動く度に首が締められていって、殺されるかと思いましたが、野生のヘビを感じられたので嬉しかったです。

昆虫について

昆虫など生き物の分類は以前は人が視覚で基準と照らし合わせて判断していましたが、科学の進歩により現在は、DNA解析によって分類されているそうです。これにより、違う分類だと見なされてきた昆虫が同じ昆虫 だと発見されたことがあったそうです。原因は単純で性別の違いでした。科学の進歩により今では当たり前だと思われていることも覆されることがあるので柔軟な考え方を大切にしたいと思いました。

今回の研修で私が最も印象に残った事は、植物です。リバーサイドに到着したときから日本には見られない植物があった為、注目するようになりました。ヤシの木が多く見られる一方、STEMという高校には松の木がありました。つまり、亜熱帯植物と亜寒帯植物が同じ場所で生存していたということです。私は、温度の違いで植物は変わるということを習ったので初めに松の木を見たときは驚きました。でも、人の手によって運ばれた植物が、その地域に適応できるのならそのまま生えるということもあり得るという話を聞き、納得しました。教科書が全て正解だと考えていた私は、こうして自分から身の周りの事に興味を持つことが大切だということを学びました。どんなに小さなことやくだらないと思っていることでも、自分の考え方次第で価値あるものに変わっていくのでその力をこれからも、もっともっと養っていきます。

○アメリカと日本の違いを肌で感じることができたこと

代表的な例は、靴を履いたまま家で生活するということです。日本で素足での生活をしていた私にとっては、それに慣れるということは難しかったです。 また、初日にホストファミリーが食べ物を立ちながら食べていたり、他の人が揃わずに食べ始めたり、遊んでいるときに食べたり。食べるということに関する考え方に、日本とアメリカとでは大きな違いがあるということを実感しました。ホストファミリーのグランドファザーと話すと、日本の食事はフォーマルで、アメリカではカジュアルだといわれました。それ以降食事の文化には慣れていけました。しかし、他のホームステイ先にお邪魔したとき、3時にピザが出てきた時は驚きました。食事に関して、考え方と捉え方の違いを感じました。 私のお昼はたいてい青りんごとサンドイッチでした。私は、アメリカで初めて青りんごを食べました。赤リンゴと青リンゴで比較すると私は、青リンゴの方が好きです。赤リンゴは甘いですが、青リンゴは酸っぱいためです。そこで、赤と青の違いは何なのか疑問に思い調べてみました。私は、リンゴの色や味は育て方と関係しているのではないかと考えました。働きとしては、青リンゴは赤リンゴよりも脂肪燃焼を促進する働きが強く、脂肪が体内に蓄積するプロシアニジンという成分を多く含んでいるそうです。アメリカでは必須ですね。また、収穫時期が青リンゴは、赤リンゴよりも早くアントシアニンという成分が含まれる前(つまり、成熟する前)に収穫されるそうです。

勉強についても違いがみられました。まず、勉強時間が違います。学校は、7:30に始まり15:30に終わります。6時間学校にいます。しかし、私の場合は、12時間です。ホストファミリーに話したところ驚かれました。放課後に勉強をしているのかと思い聞いてみると、放課後は寝ているそうです。勿論、勉強をする人もいると思いますが、日本とアメリカの学ぶという概念が異なっていました。一方で、アメリカでは、学ぶことと活かすこと、実践することまで学校でできるということや生徒自ら計画を立て実行するという面がありました。日本では、学ぶ、そして、勉強するという循環です。これでは、個人で全て完結されますが、アメリカの学校は、そうはいきません。全て野イベントは、生徒や先生間で話し合いより良いものをより効率的に作っています。これにより、お互いの良いところや得意なことを見つけ、まるで家族のように息のあった行動ができているのだと思いました。

今回の海外研修では、他の皆さんのレベルが高く自分がついていけるのか心配でした。でも、皆さんがお互いを認めて、より良い時間を過ごそうとする姿に感心し、私は私らしく早く答えを出すとか良い答えを出す必要は無い、と自分を一度認めてあげることが出来ました。また、同じ事や時間を過ごしていてもそれぞれが感じる事や考えている事は異なっていて、違う視点でサイエンスをみている事は刺激になりました。英語力のなさや五感の疎さを実感しました。今回のような研修だけでなく、日常生活から沢山のことを吸収出来るように知識も増やして自分の考える力をもっと養っていきたいと思います。

ここには書ききれず、伝えきれないことが沢山あります。私は、それらも全て含めて、絶対忘れたくないです。この一年間、卵としてサイエンスに触れることができ本当に幸せです。皆さんとの出会いと科学者の卵を一生の宝物にします。科学者の卵卒業生であることを誇りに、今度は私が受けたサイエンスの楽しさは勿論、他人を認め自信をつけてあげられるような人になります。

安藤先生、大友さん、渡辺教授、伊藤准教授、下山先生、古井さん、川口さん、その他、この研修にご尽力いただいた皆さん、本当にありがとうございました。そして、大変お世話になりました。

科学者の卵の皆さんも1年間ありがとうございました。お疲れ様でした。またどこかでお会いできる日を楽しみにしています!

投稿者:事務局 |個別ページ

2018.03.30

平成29年度 飛翔型「科学者の卵養成講座」カリフォルニア研修⑤(3/24) by Non Sato

こんにちは。岩手県立一関第一高等学校2年の佐藤暢です。3/17〜3/26のカリフォルニア研修の様子をレポートから抜粋・改変してお伝えします。

8日目 3/24(土)
今日の活動内容と感想、海外研修の成果ベスト3・反省点ワースト3、全体を振り返って

初めに今日の活動内容と感想を述べたいと思います。
California Science Centerでの見学で最も印象的だったのはEndeavorです。地球に帰還して表面が傷付いた機体を見て、Endeavorはまさに科学者たちの「努力」の結晶なのだと感じました。宇宙への挑戦は未知の世界を知るということです。そして、未知の世界を知るということは科学の根本的な要素であると私は考えます。< br>Endeavorを実際に目にしたことで、科学者としての好奇心や探究心が改めて呼び覚まされたように感じます。将来もし研究に行き詰まったとき、Endeavorを見たときに感じたことを思い起こし、心の支えにしたいと思います。

Natural History Museumでは、主に化石と鉱石、鳥類の剥製の見学をしました。
鳥類の剥製の見学をしているときに建物前の石段でハトが首を振って歩いていたことを思い出し、その理由が気になったので調べてみました。
ハトの歩行ビデオを解析したところ、首振りの一回は歩行の一歩とシンクロしていて、歩行で生じる重心の不安定性を補っている、という結果があります。また、ハトは片足立ちのときに頭を停止させ、両足をついて一方で地面を蹴るときに首を伸ばしていることも分かりました。首振りは歩行を安定させるだけでなく運動効率を上げることにも一役買っているそうです。
博物館内では様々な種類の鳥が展示されていたので、ハトのように首を振る鳥とスズメのように首を振らない鳥がいるのはなぜか、その違いは何から生じるのか調べてみると、歩いて餌を探すかどうかの違いだそうです。言われてみると確かに、スズメなどの鳥類は飛距離を両目の視差に対応させて立体視しながら飛んで餌を探すので、視線を下に落として地面の上の餌を探す必要がないのだと考えます。
23日の山中先生の講義で、昆虫は生態に応じて様々に進化したために多くの種類が存在するというお話があったことを思い出しました。生物がその生態に応じて進化したことを実感すると同時に、山中先生の講義を思い出し、山中先生のお話を再度深く考え直すことが出来ました。

次に海外研修の成果ベスト3を述べたいと思います。
1つ目は、未知の世界を知ることが出来たということです。ここではただ単純に知識量が増えたことだけでなく、自分の科学者としての「枠組み」が大きくなったことをも指します。
2つ目は、苦手なものにも挑戦しようとすることの重要性を学んだことです。爬虫類や昆虫はあまり得意ではありませんでしたが、実際に触ってみると触ってみなければ分からないことを知ることが出来ました。科学においても同様に、実際にやってみなければ分からないこともあると山中先生も仰っていました。
3つ目は、科学者の卵として様々な新たな視点から物事を考え、視野を広げることが出来た点です。日米の様々な人と交流し、新たな視点や多角的な考え方を得て柔軟な発想をすることが出来るようになったと感じます。

その次に海外研修の反省点ワースト3を述べたいと思います。
1つ目は、BOURNSでの研修で社長の質問に答えなかったことです。自分の意見を持っていても、その場で発言しなければ相手には伝わりません。頭の中であれこれ考えるよりも、まずジェスチャーなどを介してでも伝えることが大事だと学びました。
2つ目は、研修序盤で、その場で疑問を見つける力が欠けていたことです。ホストファミリーの家に帰ってレポートを書きながら疑問に思ったことが幾つかありました。それらは全て見学中にもっと深く考えていれば見つけられたことです。その場で質問する力の大切さを学びました。
3つ目は、準備不足だったことです。訪れる場所の下調べや事前学習をもっと徹底しておけば、研修が更に有意義なものになったと思います。

最後に全体を振り返って述べたいと思います。
この10日間、様々な経験をし、沢山の人の意見を知ることが出来ました。また、私が研修前に立てた目標は全て達成することが出来ました。これらは全て、将来私が科学者になった際の糧となることを確信しています。研修で学んだことを生かし、これからもEndeavor──努力します。高校生の時期にこのような素晴らしい機会を頂きましたこと、心より感謝しております。ご引率下さりご指導頂きました渡辺先生、伊藤先生、下山先生、福本先生をはじめとする研究室の先生方、事務局の皆様、現地でお世話になりました佐藤先生、川村さん、ジミーさん、STEMの皆様、共に体験を共有した9人の仲間、そして科学者の卵養成講座に関わる全ての方々に感謝申し上げ、この度の研修の締めくくりと致します。そして、来年度以降も科学者の卵養成講座が継続しますことを心より祈っております。

投稿者:事務局 |個別ページ

2018.03.30

平成29年度 飛翔型「科学者の卵養成講座」カリフォルニア研修④(3/22〜3/23) by Non Sato

こんにちは。岩手県立一関第一高等学校2年の佐藤暢です。3/17〜3/26のカリフォルニア研修の様子をレポートから抜粋・改変してお伝えします。

6日目 3/22(木)
今日の活動内容と感想

2度目のEngineering Challengesの後に爬虫類に関するお話を聞いて動植物の水彩画を描き、午後はシカモアパークの入口にあるネイチャーセンターを訪れた後に2度目のSTEM Worksがありました。

2度目のEngineering Challengesでは、3人の男子生徒と一緒に作業を進めました。昨日は見本を元に作るということをしましたが、今日一緒に作業した3人の男子生徒にその旨を伝えたところ「昨日作製したものよりも頑丈な構造のものを私たちで作り上げよう」と提案されました。昨日作製したものは底の支える部分が弱く確かに橋としては心許ない様子であったので、今日はより頑丈な橋を作ることを目標に定めました。
他の皆さんは三角形を組み合わせた橋を作ったグループが多いようでしたが、御多分に漏れず私のグループも三角形を組み合わせて作製するということになりました。まず三角形の辺々にはスティックを二重に重ねることで強度を高めました。そして三角形を形作る際には二重にした隙間に三辺を互いに差し込むことでテープで接着せずともスティック同士を繋ぐことができ、強度も増すのだと思いました。
作業を進める中で三角形を次々に並べる様子が寄木細工に似ていると感じ、日本以外にも寄木細工はあるのかと思い調べてみました。
調べたところ、マーケトリー、パーケトリー、タラセアの3つの種類があることが分かりました。基本的に木材を使用しますが、骨、象牙、貝の真珠層、真鍮、銀なども使用するようです。
私のグループを仕切ってくれた男子生徒はこのような工作が好きだと言っており、様々な提案をしてくれました。好きこそ物の上手なれという言葉がありますが、自分の関心があることに対しては積極性が高まり知識の幅も広がるのだと考えます。これからも科学を好きな気持ちを大切にしていきたいと強く思いました。

爬虫類に関するお話では実際にヘビやヤモリに触れました。目の前のケースの中にいる非常に小さなヘビが人間を殺すことが出来るほどの猛毒を持っているということに驚きました。実は幼い頃に苦い思いをした為に、ケースに入っているのを見る分には良いのですが、直接触るのは少し苦手でした。しかし、伊藤先生にヤモリを掌の上に乗せられて触ってみると、意外に怖くありませんでした。また、硬そうに見える鱗は触ってみると柔らかく、腹側も水風船のようにプニプニとした感触でした。ヘビを触ったときにはしっかりとした骨の感触があり、体表面が冷たいと感じました。
これらのことはただ眺めているだけでは決して認識できず、実際に触ってみたからこそ分かったのだと思います。苦手なことにも勇気を出して一歩踏み出してみるという、科学者としても人間としてもあるべき姿を学ぶことが出来ました。伊藤先生、ありがとうございました。

ネイチャーセンターではコヨーテやタカなどの剥製を見学し、館員の方からお話を伺いました。ステップ気候の乾燥地域の動植物の種には偏りがあると思っていたのですが、カリフォルニアには非常に沢山の種類の動植物が共存しているということを知り、意外に思いました。また、街を移動しているときに目にする剥き出しの岩は花崗岩で出来ているということを知り、花崗岩が多い点は日本と同じなのだと思いました。
シカモアパークの中に入ることが出来なかったのは残念でしたが、今後機会があれば行って実際に自分の目で見てみたいと思います。

STEM Worksでは、私のグループは3人でしたが無事にスムーズに進めることが出来ました。
昨日の反省を活かし名前の漢字の候補を考えておいたので、生徒たちを待たせる時間を少なくすることが出来、より効率良く進める事が出来ました。また、今日は漢字の意味まで教える時間があり、意味を伝えるとそれぞれ喜んだり笑ったりしていました。特に女子生徒に「美」や「愛」という名前を付け、その意味が「beauty 」や「love」だと教えると嬉しそうにしていたのが非常に印象的でした。
また「名前の漢字を何種類か考えて欲しい」と男子生徒からリクエストされ、数種類考えてあげました。私たちの授業の中では詳しく説明しませんでしたが、同じ音を持つ漢字があると推測してのことだと思います。科学者として多角的な視点が必要であると学ぶ良い機会となりました。

明日は研究発表があります。渡辺先生にアドバイス頂いたことを元に、大きな声で自信を持って発表したいと思います。
7日目 3月23日(金)
今日の活動内容と感想

今日はUCRキャンパスツアー、山中先生ご夫妻のご講義の後、午後はSTEMでの研究発表、Farewell Partyがありました。

UCRキャンパスツアーでは、キャンパス内にある2つの図書館をはじめとして様々な施設を見学しました。図書館には多くのパソコンがあり、本を読む学生だけでなくパソコンを使ってレポートを書いたり、勉強したりしている学生が沢山いました。以前、アメリカの大学生は非常によく勉強するという話を聞いたことがあります。学習意欲の高さも勿論必要ですが、素晴らしい学習環境が整っているということもその理由の一つなのだと感じました。
特に印象に残っていることは、キャンパス内にオレンジの木が植えられていることです。東北大学も構内に緑が多いと感じますが、果物は実っているのでしょうか。少なくとも私の知る限り、青葉山キャンパスと星陵キャンパスには見つけられませんでした。どなたかご存知の方がいらっしゃるなら、是非私に教えて下さい。

山中先生ご夫妻のご講義では、初めて耳にした昆虫学という新しい世界が広がりました。未知のことについて知ることが非常に楽しく、今回の研修で最も多くのメモを取りました。
まず、昆虫学には大きく分けて2つの研究分野があります。1つ目は害虫駆除、2つ目は益虫保全です。益虫は農業を陰で支えているため、農学とも相関があるということを知り、昆虫学が身近に感じられました。
昆虫は現在はゲノム配列によって分類されていますが一昔前は脚の形などの視覚的な要素で分類されていたこと、また、アリやハチなどの社会的昆虫の社会は人間社会に似ていると考えられていることが衝撃的で面白いと感じました。以前、働きバチの中に怠惰なハチがいるのは、よく働くハチが疲弊したときに代わりに怠惰なハチが働いてバランスを取るためだという話を聞いたことがあります。怠惰なハチは実は全体を俯瞰しているという点では私たちも見習うべきですね。
幼虫から蛹になる過程、蛹から成虫になる過程ではそれぞれエクジソンというステロイドホルモンが盛んに分泌されるというお話がありました。エクジソン以外に成長過程において現在注目されているホルモンはあるのかと尋ねたところ、幼若ホルモン (ようじゃくホルモン、Juvenile hormone : JHと略す)との答えが返ってきました。JHは昆虫のホルモンの一種であり、変態を抑制しながら幼虫の成長を促進します。脳の後ろにあるアラタ体から分泌され、エクジソンとともに昆虫の成長および変態を調節する中心的ホルモンです。JH産生が低下・消失するのに伴いエクジソン産生が出現・上昇するため、2つのホルモンの相関を調べることが研究課題の一つであると仰っていました。
山中先生が仰っていた「研究室を選ぶきっかけは何でもいい、やってみなければ面白さは分からない」という言葉が強く印象に残っています。私は様々な分野についての理解を深めることが自分の研究を発展させることに繋がると考えるので、山中先生ご夫妻の講義を通して女性科学者としてのビジョンがより明確になりました。

STEMでの研究発表では、渡辺先生からご指導頂いた大きな声で読むということを意識し、達成出来ました。ウェスタンブロットについて説明する前に聴衆にウェスタンブロットを知っているかどうか尋ねたことで、彼らの興味を今一度こちらに向かせると共に、どの程度の説明が必要なのかということを把握することが出来ました。スライドをただ説明するのではなく、聴衆の反応を確認しながら発表を進めることも大切なのだと改めて思いました。将来、学会などで発表する際にはこのことを念頭に置きたいと思います。また、ご同行頂いた川村さんにも心より感謝致します。

Farewell PartyではSTEMの生徒とメッセージを書き合ったのですが、STEM Worksで作製した御朱印帳への書き込みをお願いする生徒や、習字クラスで覚えた平仮名で名前を書いてくれる生徒がいました。私たちの文化を理解し、評価してくれていることが伝わり大変嬉しく思います。
将来、日本に留学したいと考えている生徒には私たちの文化を理解しようとする気持ちを持ち続けて欲しいと思うと共に、特に東北大学への留学を考えている生徒には是非、来年度以降の科学者の卵養成講座の英語サロンでの会話のきっかけにして欲しいと思います。

明日はいよいよ最終日です。渡辺先生が仰るように、ロサンゼルスに移動した後は特に安全に留意したいと思います。

投稿者:事務局 |個別ページ

2018.03.30

平成29年度 飛翔型「科学者の卵養成講座」カリフォルニア研修③(3/20〜3/21) by Non Sato

こんにちは。岩手県立一関第一高等学校2年の佐藤暢です。3/17〜3/26のカリフォルニア研修の様子をレポートから抜粋・改変してお伝えします。

4日目 3/20(火)
今日の活動内容と感想

今日は市長表敬訪問の後、Art Museumを見学しました。

実際にお会いしてみると市長さんは大変気さくな方だと感じ、人の上に立つ人間としてあるべき姿を改めて認識しました。市長室のベランダから市内を一望したときに薄桃色の花弁を呈した植物が見えました。恐らく気温的に考えても梅の木ではないはずなので、きっと桜の木だと思います。アメリカには日本から贈られた桜が植樹されている話は以前聞いたことがありますが、実際に咲いているのを初めて見ました。カリフォルニアのような乾燥したステップ気候であっても咲く様子を見て、桜の生育に適した環境と枝垂れ桜について調べてみました。

①日照時間が長い
サクラは陽樹で日照を好むので常緑樹や建物の陰になるような場所ではよく生長しません。特に樹冠部に日が当たらないと花つきが良くありません。
②水はけがよい
サクラは生育上、肥沃で適度に湿った排⽔の良い壌土や砂質壌土が最も良く、砂礫地や低湿地を嫌います。
③人や車の往来が少ない
サクラは浅根性であるため、根を踏み固められたり、車の往来などにより土壌が固結すると呼吸作用が衰え、生育不良や根腐れなどの原因になります。
④剪定をしない
剪定部分からの萌芽力が弱いので、なるべく切らず自然樹形にします。しかし、病害枝やからみ枝など不必要な枝は細枝のうち早めに切り取る必要があります。
⑤海からある程度離れている
オオシマザクラのように比較的強い種類もありますが、多くのサクラは比較的潮害に弱いです。
⑥連作でない
サクラには「いや地」現象があり連作を嫌うので、前に桜を植えてあった場所では生長しにくいです。

桜の樹形には上に向かって伸びるもの、横に広がるもの、下に向かって枝が垂れるものがあります。種類や育つ環境によって樹形は様々ですが、枝垂れる桜には枝の年輪に特徴があります。
木の幹の年輪は、ほぼ同心円状に並んでいます。しかし、桜をはじめとする被子植物の枝は、発達している上半分が広く、下半分が狭い年輪になっています。枝の上半分が発達すると、重力に負けず、引っ張り上げられる形になるので、枝垂れることなく生長します。
一方、枝垂れ桜はというと、上下の年輪の幅に差がないため、枝を引っ張り上げることができません。ちなみに、ジベレリンという植物ホルモンの一種を施すと、枝垂れることなく生長するようです。

Art Museumでは、第二次世界大戦での日系人の遺品類を用いたアートや古代のメキシカンアートを見学しました。個人的に美術館や博物館が好きなのでArt Museumでの活動は楽しかったのですが、科学者の卵でアート活動をするとは思いませんでした。なぜアート活動が盛り込まれたのか見学やデッサンを通して分かったような気がします。デッサンをするときには対象物をよく観察します。これは科学者として対象物を科学に置き換えても同じことが言えると思います。また、想像的な活動を通して柔軟な発想を養ったり、創造的な活動を通して発想を形にする力を養ったりすることが目的だったのではないかと考えます。
Art Museumでの活動を通して科学者に求められる力を養うことが出来たと思います。

明日は待ちに待ったSTEM Worksです。皆さん、明日以降も体調に配慮しつつ元気に頑張りましょう。

5日目 3/21(水)
今日の活動内容と感想

Engineering Challenges、STEM Worksの後、Red Cross Clubの授業に参加し、Senior Receptionがありました。

Engineering Challengesでは、ポップスティックと呼ばれるアイスクリームバーの棒の部分に似た形態の木材を使って、机と机の間を渡す橋を作成しました。見本の写真からは構造が分かりにくく初めは戸惑いましたが、同じグループのSTEMの生徒が紙に見取り図を描き、部分的な構造についてもメモしていたのを見て、非常に関心しました。頭の中であれこれと考えてどこから手を付ければいいのか分からない状態を打開するために把握出来ていることを整理して書き出してみるということは、状況を理解するだけでなく思考を整理する上でも重要であると学びました。
また、座っている場所の反対側の作業をする際に手元が見えにくく効率が悪いということに途中で気付き、向かい側に座っている人に、自分が着席している側のパーツを製作することを提案出来たことが私にとって大きな進歩であったと思います。この度の研修を通して、自分のことだけでなく全体を見渡すことが出来るようになったと実感することが出来ました。

STEM Worksでは、私はお習字の担当でした。今日は30分しか時間が無かったために、生徒の名前の漢字の意味まで教える時間が少なく全員に手が回らなかったのが心残りです。明日はもっと時間があるので、漢字の意味まで教えたいと思います。
生徒の名前を尋ねているときに、似た名前があると感じたので、時間短縮のためにもポピュラーな名前にあてる漢字をある程度事前に考えておけば良かったと思います。この反省を明日に活かすために、現在漢字の案を考え中です。また、日本語に無い音の名前に対しては意味や直感で漢字をあてることも必要だと感じました。
参加してくれた生徒の中には、中国出身で名前が既に漢字であるという方もいました。1つの教室の中には様々なバッググラウンドを持つ生徒がいるのだと実感すると同時に、アメリカが人種のサラダボウルと呼ばれる所以を納得しました。
同じ班の皆さんと初めてとは思えないほどスムーズに担当テーブルなどの連携をすることが出来ました。また、先生方やメンターさんのヘルプもあり、人数不足も解消されました。皆さん今日はありがとうございました。明日も頑張りましょう。

Red Cross Clubの授業では、各教室に設置してある募金箱に集まった金額を集計しました。先生に「集めたお金はどんなことに使われるのか」と尋ねたところ「世界中の子供たちや病人やホームレスの支援をしている」と返答して下さいました。実際に、東日本大震災のときに寄付金が復興に使われたそうです。アメリカ赤十字社の方々もいらしていて、285人の子供たちを助けるために517ドルが必要だと試算して下さいました。今週私たちが集めたのは383.71ドルだったので、来週の授業のときには目標に到達していることを願います。
授業そのものは科学との直接的な関わりはありませんでしたが、現状を打開し、社会を変えるためには科学の力が必要です。例えばワクチン開発、薬の開発、栄養剤の開発などが挙げられます。
科学者としてすべき社会貢献の一端を垣間見ることが出来、新たな科学者の視点を得ることが出来たと思います。

Senior Receptionでは、流しそうめん形式でビー玉を転がすゲームをしました。途中から雨が降りましたが、通り雨だったようで直ぐに止みました。カリフォルニアでは通り雨が多いのかと疑問に思い調べたところ、雨季でも2〜3時間のスコールのような通り雨の場合が多いとのことでした。今は雨季ですから、明日も恐らく急に雨が降るでしょう。

出発前から楽しみにしていたハラダハウス見学とシカモアパーク見学がどちらも中止になり非常に残念ですが、明日の活動も頑張ります。

投稿者:事務局 |個別ページ

2018.03.30

平成29年度 飛翔型「科学者の卵養成講座」カリフォルニア研修②(3/18〜3/19) by Non Sato

こんにちは。岩手県立一関第一高等学校2年の佐藤暢です。3/17〜3/26のカリフォルニア研修の様子をレポートから抜粋・改変してお伝えします。

2日目 3/18(日)② (リバーサイド)
今日の活動内容と感想

今日はフライトを終え、ホストファミリーと対面しました。

到着後、かねてより私がリクエストしていたサンタモニカビーチ、ベニスビーチに連れて行って頂きました。浜辺を歩いていて気になったのは、松島の海と比較して砂が非常に粒揃いで真っ白であるという点です。どうしてこのような砂が形成されるのでしょうか。 砂浜の周りの山や崖、地面などを見ると、砕けて小さな砂粒になる前の岩石、つまり砂のもととなるものを見つけることができます。これらの岩石の色と砂粒の色がよく似ていることから、砂浜の砂は周囲の岩石(岩体)からもたらされたのだということが分かります。このことを「砂の現地性」と言います。
一方、大きな川の流れによって、海から遠く離れた山地などからも岩石や土砂が運ばれます。河口まで運ばれると波の作用で波打ち際を漂ったり(漂砂)、沿岸流によって流されたり(流砂)しながら砂浜を形成する砂として堆積していきます。

松島の浜辺の砂と比較するとサンタモニカビーチの砂浜は白っぽく、海の色も明るく緑がかっていましたが、沖縄の砂浜によく似ていると感じました。日本に帰国したら本日撮影した砂浜の写真と、以前沖縄で採取した砂とを実際に自分の目で比較したいと思います。
また、リバーサイドの家々は塀があったり、外壁が白く太陽の光を反射する仕組みになっていたりと、沖縄の家に見た目が似ていると感じました。植物は全体的に背が高いものが多く、沖縄や筑波の植物園で見たものもありました。

明日から本格的に様々なイベントが始まるので、科学者の卵という視点をしっかり持ち、頑張ります。
3日目 3/19(月)
今日の活動内容と感想

本日はRSAウェルカムイベントの後、UCRとBOURNSを見学しました。その後再びSTEMに戻ってジェンガをし、STEMの生徒と交流しました。

RSAウェルカムイベントでは自己紹介の後、各教室の授業を見学し、その幅広い内容に驚きました。演劇や工作の授業は日本ではあまり見受けられません。自分の関心のあることを高校で学べるのは羨ましく思いますが、それらの授業は基礎学力の上に成り立っているのだと考えます。帰国したら今まで以上に日々の授業を大切に受けたいと思います。

UCRで私が特に興味を持ったのは、sustainable transportationに関する研究です。自動車運転のモデルを使用してエネルギーの消費量を計測し持続可能な輸送システムを開発したり、再生可能な燃料を開発したりしている点に非常に興味が湧きました。また、大きなバッテリーに街全体での電気使用量の少ない時間に蓄電しておき、使用量の多い時間に貯めた電気を使うことで電気代を節約すると同時に電気使用量の変動を減らし停電などを防ぐという仕組みには工夫が凝らされていて興味深く感じました。時間のあるときに頂いたパンフレットにゆっくり目を通したいと思います。

BOURNSでは創業の背景から現在の開発製品に関して説明を受けた後「企業を立ち上げるためにはどんなことが重要か」という質問がありました。私は「passion」に加えて「strong will」を挙げます。なぜなら、情熱は不屈不撓の強い信念を維持するのに必要であり、引いては強い信念こそが物事を成し遂げるための原動力になると考えるからです。それに対して、他の受講生が「flexibility」と回答していたのが強く印象に残っています。変化に対する柔軟性や融通性は刻一刻と変化する顧客の需要や社会そのものの変化に対応するために非常に重要です。時には自分自身も柔軟に変化していく必要があるということに気付かされました。

夜、ホームステイ先の部屋の窓からふと空を見上げると、1つも星が見えませんでした。昼間はかんかん照りだったので天候不良が原因だとは思えません。なぜ星が見えなかったのかを考えるにあたって、星をよく見るための条件を調べ、以下の6つに整理しました。

①晴れていること
②月明かりが暗いこと
月が暗いと星が見えやすくなりますが、月が明るいと星の光がぼやけてしまいます。
 ③街の灯りから離れた場所
街の光がなければ星は見えやすいです。逆に街の光が近いと星は見えにくくなります。
 ④空気がきれいかどうか
空気がきれいだと星もはっきりときれいに見えます。排気ガスなどで汚れていると星がぼやけてしまいます。
 ⑤夏より冬
冬は湿気が少なくて星が見えやすいです。夏は湿気が多いので湿気で 星が見えにくくなってしまいます。 (今の時期カリフォルニアは雨季ですが、日本に比べて乾燥しているので湿気の心配は無さそうです)
 ⑥暗い所に目を慣らす
暗い所に目が慣れていると星が見えやすいです。近くに灯りがあったりスマホを使ったりすると星が見えにくくなります。

これらの条件から、②と④の2つが原因だと私は考えます。付近に灯りは無く、月は確かに燦々と輝いていましたし、数値的に示すことは出来ませんが空気が汚れている可能性も一概には否定出来ません。

他の受講生の皆さんのお宅からは星が見えたでしょうか。明日は市長を表敬訪問します。
私は博物館とハラダハウス見学が今から非常に楽しみです。

投稿者:事務局 |個別ページ

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