東北大学・飛翔型「科学者の卵養成講座」(グローバルサイエンスキャンパス協定事業)

東北大学・飛翔型「科学者の卵養成講座」(グローバルサイエンスキャンパス協定事業)

ニュース

ニュース更新情報や最新ニュースをお知らせ

≪ Prev   |  Next ≫

2010.08.17

サイクロトロン・RIセンターからの返信掲載

サイクロトロン・RIセンターの  四月朔日(わたぬき)先生から返信を頂きましたので掲載致します。(実行委員)

-----------------


**************************************

PETについて、陽電子と電子がくっついて人体の中で光るということなのですが、

その光は人体に対してはまったくの無害なのでしょうか?

変な質問だと思いますがよろしくお願いいたします。

**************************************


もう少し詳しく言いますと、陽電子と電子がくっつくと陽電子と電子は消滅ガンマー

線と呼ばれる電磁波に変わります。

可視光線も同じく電磁波ですが消滅ガンマー線はそれよりずっと大きなエネルギーを

もった電磁波で、体の組織を透過することができます。なので、体の外にある検出器

で測定することができ、人体の内部の様子を調べる検査として利用できるのです。

消滅ガンマー線はX線とおなじ電離放射線と呼ばれる電磁波で、体の組織を通過する

ときに、細胞やDNAを傷つける場合があります。これを「放射線被ばく」といいますが、

大量に浴びると、がんが発生しやすくなったりすることもあります。

しかし、PET検査による放射線被ばくは影響が確認されているレベルより(100ミリ

シーベルト)も十分に低いレベルのもので、一般的なPET検査では人が1年間に自然界

で受ける放射線量(2.4ミリシーベルト)と同じ程度(2.2ミリシーベルト)で、

胃のX線検査(4ミリシーベルト)よりも少ない量となっていますので、PET検査を1

~2回受ける程度の影響は心配しなくてもよい程度です。何十回も受けたとすると、

放射線被ばくによる影響を心配することにもなります。



        東北大学サイクロトロン・ラジオアイソトープセンター

        四月朔日 聖一

≪ Prev   |  Next ≫

PAGE TOP