2012年度のエクステンドコースで行った柴田季子さんと2011年度のエクステンドコースで行った守屋千尋さんの研究成果が、
植物生理学の専門誌「Plant and Cell
Physiology」に掲載されました。
柴田さんと守屋さんが調べたのはonion3という名前のイネの突然変異体です。onion3突然変異体は、その名前の通りイネの芽生えがタマネギのような形態になる突然変異体です。この突然変異体で、植物の形態形成に重要な役割を果たしている植物ホルモン・オーキシンを極性輸送する遺伝子とオーキシンに発現誘導される遺伝子の発現を調べたところ、これらの遺伝子の発現が弱くなっていることがわかりました。このことから、onion3ではオーキシンの分布が異常になったため、芽生えの形態がタマネギのようになったと考えられました。
この論文には、ONION3遺伝子は表皮特異的に発現し、onion3突然変異体では表皮が正常に分化していないことも報告されています。従って、オーキシンの主要な極性輸送の場である表皮が正常に分化しないため、オーキシンの正常な輸送が起こらず分布がおかしくなり、形態異常を引き起こしたと考えられました。このことからONION3遺伝子の本来の機能は・・・、皆さん、どんな機能を持っているか考えてみてください。
この論文は誰でも無料で読むことができます。以下のリンクから、ぜひ、ご覧下さい。
守屋さんはonion2という突然変異体の解析でも「Plant and Cell Physiology」に研究成果が掲載されています。
渡辺正夫先生より by 事務局