超大型と言われている台風21号は現在北海道の南の海上を東寄りへ進んでいて、広い範囲で風の強い状態が続いているそうです。
仙台も朝方にピークを迎えてかなりの雨風でしたが、大学周辺および研究室は特に被害もなく、現在は晴れ間も見えています。
各地で大きな被害も出ているようで、1日も早い復旧をお祈り申し上げます。
さて、今回の台風21号には「ラン」という可愛い響きの名前が付けられています。しかしその意味は「嵐」。まさにそのものですね。
台風の命名法には決まりがあって、北西太平洋または南シナ海の領域で発生する台風には同領域内で用いられている固有の名前を付けることになっているそうです。発生順にあらかじめ用意された140個の名前を順番に用いていて、一巡すると1番目(ダムレイ、カンボジア語で"象"の意味)に戻る決まりです。
ちなみに今回のランは139番目で、日本が提案した名称も多数あって、「テンビン」、「ヤギ」、「カジキ」、「クジラ」、「コンパス」など、すべて星座の名前に由来しているそうです。
学校が休校になり、時間を持て余している子ども達とネットでこんなにわか知識を得た母でした。
いとう
ラン、LAN、嵐
2017年10月23日 (月)
【アウトリーチ活動】仙台市立七北田小学校、栃木県立宇都宮女子高等学校・出前講義(10/22, 24追記)
2017年10月22日 (日)
10月になって20oCを超えたり、10oCが最高気温だったり。。。展開ゼミの講義枠を後期に持っているわけですが、植物にも厳しい環境変動の今年の秋の終わりから冬の初めの感じのような。。。それでも高温をもたらす台風21号が北上中。。。コースは仙台を直撃しそうな。。。植物を管理しているガラス室の開閉もあったり。。。いずれ、天候不順は困ったもので。。。ただ、こんな悪天候でも、プロ野球のCS(クライマックスシリーズ)は行われ、雨に泣かされるシリーズのような。。。この記事を書いていた土曜日の昨日もセリーグは中止になったとか。こんな台風が近づいている10月中旬には、2つのアウトリーチ活動を。
仙台市立七北田小学校・仙台市理科特別授業「花の不思議な世界--りんごの花からリンゴができるまで??--」(10/16)
昨年まではNSPでお世話になっていた仙台市立七北田小学校。仙台市教育センターの理科特別授業で伺うことに。最初にNSPでお世話になった内藤校長先生から数えて、4人目の校長先生が今年から赴任されたのですが、出張をされていてお目にかかれなかったのは、残念でした。ただ、最近、小学校だけでなくて、高校などでも。。。いずれ、渡辺が子供時代は、校長先生に会うことが珍しかったので、同じようなものなのですが。。。welcome boardがお迎え頂き、ありがとうございました。 さて、5年生に「花の不思議な世界」。NSP最後の世代で、去年は「ヘチマの仲間」であるウリ科の講義。先月の仙台市立北仙台小学校へ行ったときに、七北田小学校からの転校生がいたのはびっくりでしたが、5名を超える全国からの転校生もいて。最初に渡辺の自己紹介と渡辺の子供時代の話も。講義の初めは、花の名前のクイズ。ガーベラの名前が出てきたのは、niceです。で、
一緒に「○△科」ということも。アオイ科というのは難しいようでしたが、「オクラ」の花にハイビスカスが似ていると言うことをしっかり観察できている方も。そのあとは、ヘチマの雄花と雌花を使って、受粉をやってみよう。花粉が着くと雌しべの先端が「黄色」くなることにきがついてもらえたのでは。是非、できなかった多くの方々もやってみて下さい。楽しいものです。受粉と言うことで、電子顕微鏡での観察、動画での花粉発芽、花粉管伸長がどうなっているかを見てもらい、考えることを。難しかったかも知れないですが。。。このあたりで折り返し。
リンゴの花の開花から結実まで。摘果をするという日本の農業をのすごさも実感。そのリンゴには、自家不和合性が。なぜ、そんな形質が必要なのか。ちょっと難しかったでしょうか。遺伝的多様性が大事なこと。最後は、リンゴの果実に残っているがく、乾燥した雌しべ、おしべも。是非、また、自宅で観察して下さい。最初の自己紹介のところがちょっと長かったので、最後は駆け足で。最後になりましたが、5年生の担当の先生方にこの場を借りてお礼申し上げます。また、来年も伺えればと思います。新しい校長先生にお目にかかるのを楽しみにして。。
わたなべしるす
PS. この週末は、第30期竜王戦七番勝負第1局。渡辺竜王に羽生棋聖が挑戦。挑戦者が勝てば、史上初の永世七冠になるとか。。年末まで楽しめそうです。この記事を書いている日曜日には、第1局は挑戦者の羽生棋聖が勝利とか。。。
PS.のPS. 10/26(火), 20:00. 遅くなったのですが、七北田小学校のHPに出前講義のことが当日のうちに記されていました。ありがとうございました。
栃木県立宇都宮女子高等学校・SSH特別講義「大学教授からの進路選択アドバイス」(10/14)
秋雨前線と台風21号の関係で仙台は雨。宇都宮駅に到着した頃にはやんでいて。。。講義のお世話になっていた吉永先生が異動され、今回で10年目になるのですが、担当は阿久津先生が。講義内容は最初の数年は渡辺の研究している自家不和合性について。その後は自家不和合性と渡辺の人生を振り返るキャリア教育に。近いところだと、渡辺の母校の今治西高校で同じパターン。1.5hrほどで通常の2コマ分を入れるので、しゃべりすぎの渡辺にはちょっとということもあって。。また、例年通り、これはという答えをしてくれた方に論文の別刷をプレゼント。理系を目指す方はある種のきっかけに。文系の方も研究をするとはこんなことということのヒントになれば。。。 前半は植物の生殖の仕組みと自家不和合性。スタッフの増子さんが色々な場面で作ってくれたポンチ絵に差し替えたversionでチャレンジ。スライドの枚数が多くなった分、分かりやすい部分はあるかも知れないですが、その分、しゃべりすぎという問題点も。。。なにげに見ている植物がこんなに工夫をして子孫を残しているのというのは、びっくりされたのでは。。。花を見たり、媒介昆虫のハチなどを見たら、考えるきっかけになってくれれば。また、自家不和合性というようなtrickyなことというか、意外と賢いのだなと。そんなことを考えて見て下さい。
後半はキャリア教育。残り時間は半分以下で。。。ただ、渡辺がサイエンスをやるきっかけになった子供時代のアニメの「博士、教授」。また、小学校の頃に帰り道でやった「道草」。そんな中で色々なことを考えたり、行動をすることは実は大事なのですが。。。なかなか、そんなことができない時代になっているわけですが、できるだけ「いい」加減を見つけるように、チャレンジをしてほしいと。また、高校時代の数学は論理的思考をつけるために重要なこと。そのために、やり方を覚えるのではなくて考えるようにしてほしいと。2年ちょっとで、大学受験。うまくいくこともあれば、そうでないことも。でも、選んだ道がよかったのだと思えるようにしっかりやってほしいと。やれば結果はついてきますので。また、相性というのをよく考えて、研究室、研究内容を選んでほしいと。思ったよりも「相性」って、大きいですから。キャリアを積むとか、キャリアという言葉があふれていますが、人生をよりよい方向に歩むきっかけになればと。。。
もちろん、今回も講義だけでなくて、こちらから問いかける双方向。最初、少し反応がどうかなと思いましたが、最後の質問のところは、かなり多くの方が10名を超えていたでしょうか。この点はほっとでした。いずれ、サイエンス・人生を考える上でのヒントになればと。。。最後はいつものように世界に向かって情報発信。今回は校長先生が出張されており、昨今の教育事情などを話す機会がなかったのは残念でしたが、来年は是非、お目にかかることができればと。。。お世話になった阿久津先生、1年生の先生方にはこの場を借りてお礼申し上げます。生徒の皆さんからのレポートを楽しみにしておりますでの
わたなべしるす
PS. 講義が終わったあと、片付けの時間にもたくさんの質問にきた生徒さんが。その最後は、サッカー部と競技かるた部の2名の生徒さん。宇都宮女子高でサッカー部というか、サッカー選手と言えば、なでしこジャパンの安藤梢選手の母校。玄関先には、大会出場の時の記念のものも、。。是非、母校の先輩の様々な活躍の歴史を学ぶことは大事なように思ったのでした。もちろん、渡辺もこれまでの母校のことを改めて学ばないといけないなと。。。 PS.のPS. 出張に出かけると、宇都宮女子高での出前講義のきっかけを頂いた先生に片平キャンパスで久しぶりにお目にかかり。。。びっくりでした。10年目ということを記念してだったのでしょうか。ありがとうございました。これからもお世話になります。
がんづき、ごちそうさまでした!
2017年10月18日 (水)
仙台からこんにちは、マスコです。最近、仙台は急に気温が下がってきました。インフルエンザの噂もちょいちょい聞きます。気をつけたいです。
仙台一高の高校生たちが、もちもちした甘いものを持ってやってきてくれました。
大変もちもちして美味しい、小松原先生、生徒のみなさん、ありがとうございます。
我々スタッフ、学生も一つづつ美味しく頂きました。お心遣い、ありがとうございました。
仙台一高の生徒の皆さんは、忙しい学業の合間を縫って、研究室で実験をコツコツ進めています。今後も、ぜひ頑張ってください!
バスボムを作ろう!in ガス展
2017年10月17日 (火)
こんにちは、M1の引地です。今回の記事は少々長いと思います。
最近急に寒くなりましたね~。
寒い日の夜には、ゆっくりお風呂に入りたくなりますね。入浴剤を入れてゆっくり湯船に浸かると、体の芯まで温まります。
粉末状の入浴剤も良いですが、バスボムタイプの入浴剤は、しゅわしゅわぁ~っと発泡しながらお湯に溶けるので、溶けかけのものを手で握ったりして楽しいバスタイムを過ごせますね。
街中では、至る所にカラフルで良い香りがするバスボムのお店が...。自分用に使うのは勿論のこと、ギフトとしても定番です。
そんな「バスボム」、実は身近なもので作れるんです!
先日の10/13(金)~10/15(日)、たかさきさんと私は東北大学サイエンス・エンジェルの活動で、仙台市ガス局さんが主催する「第50回記念市ガス展」でお子様向けバスボム作りのワークショップを行いました。
作り方は、食塩:クエン酸:重曹=1:1:2 と、好きな色の色素を蓋付きの容器に入れ、振ってよく混ぜます。
混ぜた粉をビニール袋に移し、無水エタノールを噴射して湿り気を与え、揉み込みます。
後はシリコン製の型に混ぜたものを詰めるだけです。
私も試作してみました。できたバスボムは、こんな感じで袋に入れてお持ち帰りできます。固まるには1日かかるので、翌日優しく型から出してみると...
今回は型に詰める際に、アヒルのおもちゃも入れておくことで、入浴剤が溶けたときにアヒルちゃんが浮いてくるという仕掛けにしました。
さて、ガス展1日目...
お子さんをターゲットにしていたのですが、平日だったこともあり、会場の国際センターには大人の方ばかり。初回のお客さんは、大人の方やご年配の方となりました。
これには我々も驚きましたが、
「今回は子どもは少ないけど...昔の子どもならいるわよ♪」というおばあちゃんのお言葉通り、皆さん目を輝かせながらとても楽しそうに作っていました!
ありがとう、と言いながらバスボムを持ち帰るおじいちゃんおばあちゃん、大人の方の笑顔を見て、心がじんわりと温められました。
午後になったら保育園・幼稚園帰りのお子さんが少しずつ増えてきました。
2・3日目以降はほぼお子さんのお客さんで席が埋まり、満員御礼!席も1テーブル4席から5席へと増やしました。
私達は説明やサポートをしながら、ママやおばあちゃんと一緒に、上手に作っていました♪
そうそう、なんと3日間連続で来てくれた子もいました。
たかさきのことが大好きになり、「お姉ちゃん(たかさき)のテーブルでやるー!」と、ご指名まで。
なんと、その子が作ったバスボムをたかさきにプレゼントまで...!
仲良くなれてよかったね!
バスボム作りの後は、シャボン玉実験をしました。
実際にバケツにバスボムを溶かして、しゅわしゅわ~と発生した二酸化炭素がバケツの中に溜まるので、そこにシャボン玉を入れると二酸化炭素の力でシャボン玉がその場で浮いているように見える、という実験です。
原理も分かりやすく、簡単にできるかと思いきや...シャボン玉が途中で弾けたりして、中々うまくいきませんでした。
前半は、「中々成功しないのですがご覧ください。」と言いながら実演していたので、お客さんに気を遣わせてしまったり、お子さんだと何をやってるのか伝えられなかったりと反省点がありました。
しかし、(実は)かつて吹奏楽部に所属していた私は、「pp(ピアニッシモ)の音を出すように吹けばいいのでは?」とふと思いつきました。
pp(ピアニッシモ)のように優しく、かつ腹筋を使いながら息を吹くことをを心がけ...
結果...
「おぉー!浮いてるよ~!」「すごいね~!」
高確率でシャボン玉を浮かせることに成功しました。(この写真では注目を浴びすぎて緊張。)
その後、僕もあたしもやりたい、という声があがり、子ども達のシャボン玉タイムへ。
最後はすっかりシャボン玉に夢中でしたが、どうしてしゅわしゅわが出てくるのか、シャボン玉が浮くのか、という興味を持ちながら今回のバスボム作りを体験してくれたらと思います。中にはリケジョ志望の子もいました!小学生くらいなのにしっかりと進路を考えていると思いました。
休憩時間中には外で開催されていた「東北うまいもんフェア」「仙台マーボー焼きそばサミット」で食を楽しみました。
マーボー焼きそばは文字通り、焼きそば(or揚げそば)の上に麻婆豆腐がかかったものです。
お店によって辛さ・麺の種類など全然違っていて食べ比べが面白かったです。
右の写真の、宮城調理製菓専門学校の学生さんが出していたお菓子もとっても美味でした!
このイベントを通して感じたことは、人の温かさです。
訪れる人は皆さんお礼を言ってくださいましたし、サイエンスエンジェル同士でもうまく手伝い合いながら準備から後片付けまですることができました。
私とたかさきさんはサポートメンバーでしたが、企画や主な準備はコアメンバーのエンジェルさんや、担当の職員さんが行なってくれました。
そして何より、仙台市ガス局の職員さん、当日のスタッフさんがお客さんの誘導・整理券の配布まで行なってくだったおかげで、スムーズな実験教室が行なえたのだと思います。
市ガス局さんからは差し入れや、ガスくじらくんのグッズまで頂き、いろいろとよくしていただきました。本当にありがとうございました。
ラボの皆さんも、金曜日や打ち合わせのときに研究室を空けてしまいましたが、フォローなどありがとうございました。
充実した3日間でした!
M1 ひきち
生業、風潮、期待(10/10)
2017年10月10日 (火)
高校時代、品種改良のテレビ(NHK特集「謎のコメが日本を狙う」)を見て、植物育種学を学んでみようと思った。大学で学んだ後、実際の現場で新しい品種を作って、それを「生業」にと思っていた。なにを違った方向に行ったのか、そんな学問を教育研究することが「生業」となっている。ただ、実際に品種改良をするのは、単純ではない。大学の後輩、高校の同期が実際の現場で品種改良をしているのを見ると、どこに目をつけるのか、何年先までに実現すればよいのか、いわゆる、経験と勘がものを言う。そう考えれば、特定の作目に限定したら、中小企業なのかも知れない。こんな品種改良の業界に限らず、市中の中小企業は、次世代への後継ということが大変な時代のようである。実際の品種改良の現場でも、経験と勘をどうやって後継に手渡すのか。。。AIができたとはいえ、難しい時代である。 実際に品種改良をやっていたら、。。。「メロン」、「スイカ」をhandlingしたかった。カンキツという選択もあったであろうが、10~20年後の市場の要求を理解するのは、難しいと思った。実際、30年近く教育研究していて、20年ほど前にDNAシークエンサーの技術がここまで来ると思わなかったし、大規模dataを扱うためのコンピューターでの解析が必要になると思わなかった。もちろん、師匠である日向先生に大学1年のオリエンテーションで、統計学の重要性のことをいわれた。巨大な統計学と考えればよいのかも知れない。こんな大規模dataを扱うことが世の中の風潮になるとは読み切れなかった。。。
そんな品種改良の現状に対しての期待なのか、象徴なのか、できた野菜に求めるものは大きい。栄養価についてのうわさもあるらしいというか、そういえば、聞いたことがあるような。旬という問題はあると思うし、旬が分からなくなってよいのかというのは、考えさせられる。直接、育種とは関係ないといわれれば、そうなのかも知れない。周年での栽培体系の問題でもあるので。いずれ、色々な技術にせよ、それを支える科学であれ、経験と勘であれ、何らかの形で継承されること、それが大事なことなのであろう。だからこそ、田畑まで出かけるときにもよく使われる「バイク」が国内生産にもどったとか。渡辺も学生の頃にはお世話になった。何を求めて、どうすればよいのか、そんなことを考えること。そんなことを考えながら、後期の展開ゼミにコメントしてみようかなと。品種改良、育種についての話題提供があったので、ふと。。。
わたなべしるす
PS. 10月10日。昔であれば、体育の日。1964年の東京オリンピックを記念してのもの。何とかマンデー。だったろうか。その関係での祝日の移動。それはそれでよいのかも知れないが、何を意図しての祝日だったのか、それが分かるようにはならないものだろうか。。。