仙台の天気も秋空が落ち着いてきたような。。。ただ、週末から連休にかけての当たりで台風18号が仙台に接近とか。。。かなりの勢力なので、どうしたものか。。。そんな中、今週は愛媛・今治での出前講義。来月には、えひめ国体があると言うことで、あちこちにお知らせがでていたり、。。宿で、テレビのニュースをつけると、それとは違う今治市の問題が市議会で、議論されているとか。。。最終的な決着がどうなるのか。
9/12(火):今治市立立花小学校「キャベツとブロッコリー」(2017年度ふるさと出前授業-7)
6月に6つの小学校(常盤小、国分小、桜井小、吉海小、近見小、川滝小)での実施でスタートした、2017年度ふるさと出前授業。9月は基本、運動会があるのですが、そんな中にもかかわらず、運動会練習の合間に、立花小学校へ伺うことができました。当日は、早朝のかなりの雨で、運動場は水たまりがあるほどだったので、講義枠で、練習ができないのは申し訳ないなと。。。というか、そのような中、ふるさと出前授業を受けて頂き、ありがとうございました。 学校に伺い、徳永校長先生と後述の「イチョウ」の木の話をしたこともあり、講義の最初に、自分が学んだ小学校のすばらしい点を、理解していてほしいと。。。それに続いて、トマトをモデルにして、種子発芽から生長して、また、トマト果実、種子ができるという形態形成の一連の流れを復習。緊張していたのか、発表が少なかったですが、ちゃんと種子が次の世代であることも理解していて。続いて、キャベツブロッコリーはどうなるか。実物を見て、どこに当たるかを考えて。。。では、もともと、中近東に起源を持つキャベツとブロッコリーの先祖から別れたこの2つの植物。この2つの植物を交配したら、どうなるのか。。。10のグループにわかれて、とりのこ用紙(模造紙)に、班ごとに考えをまとめて、発表するということに。
運動会の練習の関係で短縮時間でしたが、絵を描くことをしっかりがんばってくれて、半分以上のグループで5min前には、終わっていて、発表練習をしていて、このあたりはさすがだなと。。ということで、絵を描くのを終了する時間には、すぐに発表することができて。。実物のキャベツとブロッコリーを使うことをこちらが言わなくても、練習段階で、使ってもよいですかと聞いてくれた方も。なかなか、積極的でよいですね。発表に続いての質疑もゆっくり取りたかったのですが、1人だけにお願いすることにして。ブロッコリーとキャベツの茎がつながってないような、あるいは、不明確なグループには、そこがどうなっているかというような鋭い質問を。
講義の最後は、キャベツとブロッコリーの遺伝子を持った植物の謎解き。どのグループもしっかり、理科の植物の形のルールを守っていましたと。そんな風に、理科が好きであったり、しっかり取り組めるのも今治市に50年以上前からある「理科専科」の仕組みのおかげだと。。。そんな話をしたあとに、代表の方から今日の出前講義へのお礼の言葉。それぞれのクラス代表からとてもしっかりとしたコメントを頂きました。ありがとうございました。このことをきっかけに、さらにがんばって下さい。
講義のあと、5年3組だったと思います。welcome頂き、黒板には大きくお礼の言葉も。ありがとうございました。とてもよい記念になりました。最後になりましたが、徳永校長先生、理科の白鞘先生、5年生の先生方をはじめとする関係の先生方には、大変お世話になり、ありがとうございました。また、次年度も楽しみにしておりますので。
PS. 講義が始まる前に、徳永校長先生と立花小学校の歴史を。徳永校長先生は立花小学校の卒業生。ご自身が小学生時代には、校庭に大きなイチョウの木があったとか。。書類を片付けていたときに、今から50年以上前の写真に「イチョウ」の木が校庭にあるのを拝見して、驚き。真ん中とまでは言わないまでも、こんなところに、木があるのは。体育の時間、運動会などで、大変だったのでは。。。昭和40年代後半になり、児童数が増えたことに伴い、移設を試みたけど、だめだったとか。。。大きな樹木の移設の大変さは植物を扱っているものには。。枯れてしまった木の年輪が分かるように、その一部が、校長室に。。。そういえば、以前から、立花小学校に伺って、あったことは覚えているのですが、そんな歴史があったとは。。。
渡辺の通っていた桜井小学校には「ユーカリ」の木が。出前講義で伺ったとき、見るたびにほっとしたのを思い出して。。。歴史あるものがなくなることの大変さというか、大事にしないといけないと。。。そんなことを考えることができた時間でした。ありがとうございました。 PS.のPS. 当日のうちに、立花小学校のHPに出前講義の記事が。連動記事として、徳永校長先生がニンジンが抽苔して、花を咲かせているものを用意頂き、観察になったと。。。きっかけになって、よかったのだろうなと。。。ありがとうございました。
PS.のPS.のPS. 10/3(火) 10:45. 当日お世話になった白鞘先生から、こちらからの手紙を受け取ったというmailを頂きました。ありがとうございました。こちらが驚いたのは、立花小学校へ送った返事の手紙を並べて、また、1人1人に送った手紙を担任の先生が手渡している様子が立花小学校のHPに。。。。こちらが感動でした。ありがとうございました。また、来年も伺えればと思います。(ふるさと・今治には、いまだに、1人1人に返事を返しています。その当たりは、ふるさとということで、他の学校の皆様、お許しください。。。)
9/12(火):愛媛県立今治北高等学校・特別講義「農学・生命科学入門」
午後と夕方のはざまくらいから、愛媛県立今治北高等学校へ。6月にふるさと出前授業で伺った折に、9月に講義をお願いというリクエストを頂き、6年ぶりに、愛媛県立今治北高等学校での、出前講義。担当頂いた生物の玉井先生。色々と話をしていたら、10年近く前に愛媛県立松山東高等学校で出前講義をしたときに、お世話を頂いた先生だと。世の中、狭くできているなと。 講義に参加してくれた生徒さんは、1, 2, 3年生で20名程度。恐れ入ったのは、近藤校長先生、菅教頭先生が最後まで講義を聴いて頂いたこと。お忙しい中、ありがとうございました。講義は2hr弱で、前半が植物の自家不和合性というか、それにまつわる植物の生殖・品種改良の話。後半が渡辺をモデルにした「キャリア教育」。前半部分は、先週の土曜日の科学者の卵養成講座で使った新しいスライドのversion。まだ、慣れてないのもあり、また、ここはというところを説明したり、考えてもらったりして、一部、スキップしたところも。植物は自分の花粉で受粉するという自家受粉だけでなくて、他家受粉もあると言うことを理解頂けたのではないでしょうか。動かない植物、でも、色々と考えているのだと。。。世の中のと言うか、自然の不思議の一端を見て頂けたのではないでしょうか。
後半は、渡辺の小学校時代から現在に至るまでを話ながら「考える」ということの大事さを。。。最近の子供たちは、遊ぶ道具類が増えていることもあって、昔のように、工夫というか、そんなことをしなくてよい時代になって。。。でも、自然豊かな「今治」で、是非、自然の変化を観察して、考える習慣を身につけてほしいと。。。さらに、高校で考えるというか、論理性を身につける「数学」。難しくなって大変かも知れないですが、大学、その先での考える習慣、論理性を身につけるためには、大事ですからと。1, 2, 3年生という受講生だったので、3年生には半年後の進路のことで頭がいっぱいのはず。渡辺も共通一次試験(今のセンター試験)をうまくできたという方ではなくて。。。ただ、そんな時に、手を伸ばしてくれる方はいるはずで。そんな方を大事にしてほしいし。センター試験の結果をしっかり受け止めて、いくことができる大学でしっかりがんばり、その先の社会に出てほしいと。大学は通過点であり、目標ではないですから。
このあたりですでに予定の時間に近づきつつあり、大学で学ぶことというか、自分のコンセプトともいえる「座右の銘」をもってほしいとか、そのようなことは、少しはっしょって、。。最後のところでの質問時間には、1名だったでしょうか。質問を。誰もしない中で質問をするのは、勇気が必要なこと。それをできたことを自信にして、がんばって下さい。講義のあとには、数名の方が、普段の部活動での研究について、あるいは、将来についてなどの質問を。。今日1日、考えたこと、改めて、振り返ってみて下さい。最後になりましたが、今回の講義を設定頂きました玉井先生をはじめとする関係の先生方にこの場を借りて、お礼申し上げます。ありがとうございました。また、次年度もこうした機会ができれば、幸甚です。
9/13(水):愛媛県立今治西高等学校・大学出張講義「農学・生命科学入門」
水曜の午後は、母校である愛媛県立今治西高等学校へ。今治駅から徒歩で高校まで、歩いていると、高校の同級生である九工大・安永先生に駅からすぐのところで、ご一緒に。せっかくの時間なので、最近のサイエンスであったり、大学事情などを議論しながら。合間を見て、花の写真も。そんなで始まった「大学出張講義」。文系から理系まで12のコースが用意されており、これからの進路を本格的に考える2年生には、将来を見すえて、何らかのヒントになったのでは。。。 渡辺の講義をお世話頂いたのは、生物の中川先生。後述のように、東北大で行っている飛翔型「科学者の卵養成講座」の学校推薦枠の研究を指導されている先生。講義の内容は、毎年少し欲張って、渡辺の研究内容である、植物の生殖、遺伝、育種、自家不和合性についてと、渡辺のこれまでの人生をヒントに、キャリア教育。前日の愛媛県立今治北高等学校と同じパターン。ただ、新しいスライドセットなので、ここ日も試行錯誤を。また、いつものことですが、こちらから生徒さんに問いかけて、答えてもらうパターン。遺伝的多様性があることが、植物でも重要であることは、実感頂けたのでは。というか、植物の花の場合、雄しべと雌しべが同居しているのに、自殖でなくて、他殖をする、それも、環境などによって変化させるというのは、不思議に思う世界なのだと思います。少しだけでよいので、植物の花を見たとき、へーーと思ってもらえればと。また、品種改良をするためには、かなり大変な労力とコストがかかること、また、そんなすごい品種を作ると、長い間、栽培されるものだと。リンゴのふじを例にしましたが、それよりは、身の回りにたくさんある、柑橘品種で昔からのもの、最近のものを比べてみて下さい。今の品種の共通性を見つけてみれば、今の柑橘類に何が求められているのか、そんなことが見えてくると思いますので。
後半は渡辺の小学校からこれまでを振り返る、キャリア教育。小学校の頃、学校の帰り道にツバキなどの花の蜜を吸いながら、帰ったわけですが。今でもそんなことをしている生徒さんがいるのは、さすが、今治というか、自然の中で色々な経験をしているなと。そんな時、何かを考えるのか、考えないのかは、大事なこと。どこに「加減」を持ってくるか、つまり、いい「加減」を知るということというか、どこまでチャレンジをするか。これからの大学、社会人としては、大事なことですから。高校時代の渡辺がどんな生徒だったのか。数学で公式に頼らない考えることを大事にしたということ。国語、英語は、苦手であったこと。そんなことを受験生になっても克服できず、目標に100点足らず。。。その時に、渡辺の小学校時代の恩師である白石先生から「どこもいくとこ、ないわけでないんだろ。いけるところでがんばれば、ええやないか」と。そんな言葉があったからこそ、今の場所でがんばっているわけで。そんなことを思ってくれる方を大切にしてほしいと。また、目標の志望校でなくても、そこでがんばってみる、大事なことだと思いますので。
結果的に、どんな大学に行ってもしっかりやっていれば、これという師匠に巡り会うもの。また、大学、大学院は通過点であって、その先の社会で何をしたいのかを考えてほしいと。。社会で活躍するための基礎を高校、大学で研鑽してほしいと。色々と振り返って考えて見ても、最後まであきらめず、歯を食いしばってがんばること。それが一番大事なことのような。あきらめたら、そこで終わってしまう訳なので。そのことも、恩師の白石先生が「絶対にあきらめないこと」ということを、同じようなことを、その学年の3人の先生方からも、小学校の卒業文集に書いてあったことからも、何事も最後まで目一杯、がんばることだと。。。いつものようにしゃべりすぎて、最後のところは、ずいぶんはしょりましたが、読んだら、分かるようなことだと思いますので、是非、読んで考えて見て下さい。もちろん、質問、相談など、いつでもwelcomeですので。
PS. 講義が始まる前に、今年度から来られた檜垣校長先生とお話しする時間を頂きました。渡辺よりも6級上の今西の先輩に当たる方。時間の関係もあり、いくつかの共通の話題でお話しでき、是非、今西の後輩の皆さんに、東北大にきて頂きたいと。。。また、来年も講義に伺いたいと思います。その折には、また、お時間を頂ければ、幸いです。
PS.のPS. 今年度の「大学出張講義」をお世話頂いたのは、月原先生。数年前にもお世話になりました。細やかな対応を最初に集まった会議室のところから。ありがとうございました。また、次年度も伺えればと思います。よろしくお願いいたします。一方で、昨年度、講義のお世話を頂いた兵頭先生は出張でお目にかかれず。。丁寧に当日いないというお知らせを頂き。。。今年のサッカー部の活躍を楽しみにしております。
PS.のPS.のPS. 講義のあと、科学者の卵養成講座に参加してくれている池内さんと指導をされている中川先生に、メンターをされている学生さんたちとの議論の結果を伝達。先週の土曜日の科学者の卵養成講座でも、メンターさんたちが議論をしてくれていたのですが、渡辺が体調不良で参加できず。。。そんなこともあって、この機会に、これからのことについて、しっかり議論を。残り半年間の短い講座ですが、研究をしっかりがんばって下さいと。そのために、メンターさんとコラボして、できるだけのことをしますから。そんな議論のあと、物理化学というか、熱力学というか、生物物理というかそんなことに詳しい講師の九工大・安永先生も交えて、実験の発展性について議論を。今年の今治はずいぶん暑かったので、実験が大変だったと思いますが、秋の実験をしっかりとがんばって下さい。
PS.のPS.のPS.のPS. 先にも書いたふるさと出前授業、今治自然科学教室などで、講義をした受講生の方も。小学校の頃に聞いた話と同じような話もあったかも知れないですが、また、違った感想を持って頂いたのでは。。。そんな振り返りをしてみて下さい。というか、帰り際に、お礼を言って帰られた生徒さんも。こちらこそ、ありがとうございました。これからもがんばって下さい。
PS.のPS.のPS.のPS.のPS. 講師の先生方、12名のうち、卒業生の方が4名。渡辺と同期の先生(九工大・安永先生、愛媛大・日浅先生)もいらっしゃれば、後輩の方(大阪大・馬越先生)も。比較的近い研究領域。是非、コラボできればと思いますので。これからもよろしくお願いいたします。集合写真は、いつも出前講義でお世話になっている西条農・別府先生を交えてのもので、後輩との写真はgetできれば、また、改めて、uploadしますので。
わたなべしるす
PS. 9/17(日), 17:00. 火曜日の愛媛県立今治北高等学校、水曜日の愛媛県立今治西高等学校のHPにそれぞれ、今回の出前講義の記事があるのを見つけました。ありがとうございました。
【アウトリーチ活動】9/10(日)~9/16(土)のアウトリーチ活動(出前講義)(9/14, 17, 10/3追記)
2017年9月14日 (木)
【アウトリーチ活動】9/3(日)~9/9(土)のアウトリーチ活動(出前講義)(9/10, 17追記)
2017年9月10日 (日)
土曜までの9月の最初の週がどの様に始まったのか、。。年のせいにはしたくないのですが、週の後半に体調を崩して、仙台市教育センターからお願いされていた2件の出前講義に伺えず。。。申し訳ありません。改めて、日程調整を頂いているようですので、必ず、伺いますので。夏の天候が不安定だったからなのか、いずれ、体調管理と免疫力向上の重要性を改めて。。。世の中では、めまぐるしく色々なことが起きているのだと思いますが、男子100メートルで日本人初の9.98秒。10秒の壁を突破と。放送で何度か見て、このちょっとの大きさの差の大事さというか、大きさというか。そんなことを実感しながら。。。
9/9(土):飛翔型「科学者の卵養成講座」特別講義・進化論を唱えたダーウィンも注目した高等植物の自家不和合性
本来なら、お昼前後から、このプログラムのオーナーであるJSTによる「実地意見交換会」があったのですが、最後の少しだけ、議論に参加を。委員をされている鳩貝先生、野村先生などにも、こちらのコンセプトなどを語る時間ができたのは、国内で行われているほかのGSC(グローバルサイエンスキャンパス)にもよい影響ができたのではと。。
会議のあと、引き続き、講義。例年行っている「自家不和合性」ですが、少しばかりスライドをversion up。自家不和合性というサイエンス面を語ることに力点をおいたスライド構成をその背景にあるもの、さらには、応用としての品種改良の側面などについても。少し盛りだくさんであったでしょうか。これまで色々なところで作成してもらっていたポンチ絵を引っ張り出してきて、より話が分かるように並べて、しゃべる初めてのトライ。ほぼ、時間内に収まったのは、ほっとだったですが、あれもこれもだったのは、次への反省と言うことで。 いつもは、ヒマワリの上のハチの写真を使うところを今回は、別プロジェクトの関係で花の写真を提供頂いた四国中央市立川滝小学校・村上校長先生から提供頂いたスイカの雄花、雌花の写真。雄花の上に、ハチが飛んでいて。基本、このハチは、子房を持っている雌花の雌しべ先端に受粉をしてくれることを期待するわけです。これは、ふつうのこと。では、このハチは、どこから来たのか。さらには、この後、どんな花に行くのか。ここで大事なことは「季節感」。渡辺は農学部なのでの、農作物の花の時期はある程度、カバーできていますが、それ以外のものとなると。なかなか。。それでも、ある程度の季節感は、子供の頃からの学校の帰り道で、道草をしたおかげで。。。答えてくれた受講生の方は「リンゴ」だったか、「サクラ」だったか、いずれ、バラ科の花。これは、春先に開花するわけで。夏の花である「スイカ」とは。。。この「科学者の卵養成講座」でよく話をする注意力、観察力になるのだと思います。これをきっかけに、花に注目するだけでなく、身の回りの自然に注意を払ってほしいなと。。。
動物、植物を問わず、子孫を残すことの重要性。このあたりをイントロにうまく入れればよかったのですが、ちょっと失敗。終わったあとの受講生のコメントを見たり、質問を聞いたりしながら。。子孫は多様であるからよいわけです。それを保証するのが、お互いに遺伝子が少しずつ違っていると言うこと。そのために、自分とは異なる遺伝子を有している個体と子孫を残すことが重要になるわけです。小学校からの植物についての教育体系を改めて考えて見る必要があると思ったのですが、動物のほとんどは雌雄異個体。なので、他殖、つまり、他の個体との間で子孫を残すことが一般的。ところが、植物は雌雄同体という方が一般的。つまり、植物も何かの仕組みで他殖をしないといけないわけですが、渡辺の記憶をたどる限り、小中高でそんなことを学んだ記憶がないですし、今の高校生物の教科書も渡辺の頃の倍以上くらいの厚さがありますが、遺伝子を伴うようなことは書かれていても、自殖性、他殖性その有利、不利というか、そんなことは余り語られることもないのでは。ふと、そんなことを。
1つの花の中に雄しべ、雌しべがある、つまり、自殖しやすいことは、動けない植物には有利です。でも、一方で、遺伝的多様性を確保することは困難に。。。遺伝的多様性を産み出す仕組みが、雌雄異熟、自家不和合性になるわけです。もちろん、これも完璧ではなくて、環境などによって、他殖できず、自殖になってしまうことも。遺伝子で物事が決まると言うことではなくて、同じ遺伝子でもその環境によって、生き物は影響を受けます。いい加減と言えば、それまでかもしれないですが。。。可塑性というように言われています。ある種の適応力になるわけです。
こんなことを「いきなり」だったので、すこしパンクしたのだと思います。少しこちらが工夫しないといけない点です。あと、他殖性、自殖性というのは、決まっているものではないと言うこと。他殖性植物も自殖することもあれば、その逆も。このあたりのいい加減さがあると言うことも、高校までの理科で教えるのは、テストをするという点では、難しいことなのだろうと。。。答えに可塑性が出て、どれを書いても「○」になりかねないので。。
自家不和合性と品種改良、栽培化ということも、1つの大事な点として話してみましたが、これももう少し工夫が必要だなと。。。スライドとしては、それなりに考えて並べてみましたが、こちらのしゃべりが不十分だったのだと、反省。もちろん、体調不良でということは、よろしくないので。。。
それでも講義のあとに、たくさんの質問を頂きました。鋭い質問も。ちょっと考えると、その質問はあり得ないと言うことを考えないといけないという質問も。質問をする難しさも、実感してもらえたのでは。生物が好きという方の多くがどちらかと言えば、動物であって、動物と植物でその生殖システムが異なるという点の理解でもあったので、改めて、花を見て、また、考えて頂ければと思います。
わたなべしるす
PS. 最初の会議のところで、この「科学者の卵養成講座」の9年間の歴史、それを継承してくれているひよこさんたち。また、彼らの活躍など、高く評価頂いたように。。。こちらとしては、サイエンスをするというようなきっかけを与えるに過ぎず、そのあと、それぞれが何をすることが大事かを理解してくれているのだと。。。講義の中で、「サイエンスとは、論文そのものがゴールではない。むしろそこから、さらなる精進が始まると思うがよい。」ということを話しましたが、「物事を為すとは、技術の習得などその一連のこと、そのものがゴールではない。むしろそこから、さらなる精進が始まると思うがよい。」ということになるかと思います。受講生の方も、ひよこさんたちもがんばって下さい。というか、こちらも負けずに、がんばるようにしないと。。。
PS.のPS. 今回も、niceな答え、質問をしてくれた方に、渡辺の別刷を。これからの励みになったり、サイエンスをやろうというきっかけになってもらえれば、幸いです。もちろんもらえなかった方。11月にも渡辺が今度はキャリア教育の講義を行います。その時に、改めて、チャレンジしてみて下さい。 PS.のPS.のPS. 最初の渡辺の自己紹介で、愛媛・今治といえば。。。もちろん、タオル、造船、等と答えるのが、一般ですが、時事問題としては。。。これでしょうね。。。niceでした。
PS.のPS.のPS.のPS. 9/17(日), 14:20. 遅くなりましたが、科学者の卵養成講座のHPにも、関連記事を。。。お時間のある方。是非に。。
うどんの夏2017(暦の上では秋)
2017年9月 5日 (火)
こんにちは、マスコです。最近、めっきり朝晩寒くなってきましたね。それもそのはず、暦の上では立秋を過ぎ、処暑も過ぎ、白露がもうすぐです。体調崩しやすい時期ですので、あまり無理せずいきましょう。

さて、そんな今日。なべさんが香川県からうどんを持ってきて下さり、それを茹でてくださる、なべ研夏の恒例うどん会が行われました。
毎年の夏(運が良ければ春夏2回)、なべさんはうどんを香川県近辺から持ってきて下さいます。ありがたいことです。いずれも、なべさんが自ら茹でてくださってまして、その様子は過去のダイアリーをご覧ください(うどん2016夏、うどん2016春、 うどん2015夏、うどん2014夏)。
【学会発表】日本科学教育学会 第41回年会(香川) 課題研究発表「出前講義から垣間見た日本におけるSTEM教育の現状」(8/31)
2017年8月31日 (木)
仙台は36日連続の降雨で、作況指数にも影響しそうだとか。。。一方、四国は畑もずいぶん乾燥していたので、雨が少なかったのでは。子供の頃の瀬戸内沿岸がどれくらいこの時期に乾燥していたのか、あまりイメージがないですが、虫取りに行って、降られるようなこともなかったので、今とあまり変わりなかったのかも知れないですが、気温は少しばかりは涼しかったような。。。少しばかり涼しい8月の最終日。世の中的には、サッカーワールドカップ(W杯)のアジア最終予選のホーム最終戦でしょうか。宿題が終わってないので、どれだけ、応援できるか気になるところですが。。。 そんな夏休み最後の日。大学になると、というか、研究室に配属になると、そんなのはほとんど関係なくなるのが、先輩から言われていたことで。。。ただ、小中高の頃には「夏休み最後の日」として、宿題に追われていたような。。。愛媛大・教育の隅田先生の科研費の分担をしているということもあり、その科研費のキックオフミーティングとして、香川・高松で開催された日本科学教育学会の第41回年会で発表することに。。学会が開催されたのは、高松駅のすぐ近く。大学進学以降、今治との往復によく使ったのが、今治から船で三原、尾道に出て、新幹線、神大を使うルート。もう1つが、高松から宇高連絡線で1hrの船旅をして宇野から寝台列車「瀬戸」を使うか、岡山まで出て、新幹線。高松駅から階段を上がり、船まですぐだったような。。。そう考えると、学会の会場があるところは、かつては海だったような。。。そんな感慨にふけって。。
学会発表では、座長であり、お世話役の愛媛大・隅田先生(ジェンダー・地域格差に配慮したSTEAM才能教育カリキュラムに関する学際的研究)が。発表する先生方(Dr. Suotnik, 稲田先生、大橋先生、林先生)、いずれも、これからの日本の科学教育をどうするかと言うことで、時間目一杯に、。こちらは、これまでの出前講義、科学者の卵養成講座などを行って、何が見えてきて、どうすることがこれからの日本の科学力を上げることにつながるのか。難しい問題が山積みですが、何とかしないといけないという心意気を感じた時間でした。ありがとうございました。こうした方向性を学会発表だけでなく、書き物として、残しておくなど、考えないといけないのだと。。。ふと、そんなことも。色々なことを考えることができた貴重な機会でした。ありがとうございました。
わたなべしるす
PS. 学会には普段、SSHの運営指導委員会でお世話になっているような先生方にも。忙しい中、渡辺のセッションに来て頂き、ありがとうございました。また、どこかでお世話になると思いますので。よろしくお願いいたします。
PS.のPS. 学会のあと、運営指導委員を賜っている香川県立観音寺一の石井先生と議論する時間も頂戴できました。お忙しい中、ありがとうございました。年度末の発表会に参加できるように、日程調整をしたいと思いますので。よろしくお願いいたします。ありがとうございました。
窮地、同時、研究(8/29)
2017年8月29日 (火)
小笠原諸島の近くに台風15号が発生した。この前の台風5号では、ずいぶん豪雨の被害が出た。上空の気流の関係で、また、動きが左右されるのであろうが、何事もないことを祈るばかりである。そんなしばらく先の問題ではなくて、今朝の問題。一瞬、何が起きたのか、2011年の震災以降、携帯が鳴ると何かと思う。それも早朝の06:02に。。。携帯の文字列を見て。。。「政府からの発表 2017/08/29 06:02 ミサイル発射。ミサイル発射。***からミサイルが発射された模様です。頑丈な建物や地下に避難して下さい。 総務省消防庁」。今日から出張の愛媛県、香川県の方にはそんなことがあると少し前に予報というか、予告が。。。それがこっちにと言うのは、聞いてない。。。テレビをつけても、たしか、同じ文字列で画面いっぱいに。。。かなりのピンチというか、窮地というか。。。テレビでもインタビューされていたが、どちらからどちらにというお知らせもなく、何を持って「頑丈な建物」と思えばよいのか。。。瞬間的に色々なことを思ったが、外に出るよりはよいと言うことで、そのまま睡魔に。。。 ただ、冷静に考えると、今日からの出張に向けての移動手段の運転状況の確認をしないと。。列車などには遅れがと。。。こんな時こそ、同時にあれもこれも考えるようにしないと。。もちろん、冷静に。慌てるとろくなことがない。まずもって、忘れ物をしたり。。。電子物であれば、fileを送ってもらうなどできるが、そうでないものは、まずもって無理がある。ただ、子供時代を考えると、クワガタムシ、カブトムシをgetするために、虫取り網、ピンセットなど、可能な限りのものを同時に動員して、危険を回避しながらトライした。もちろん、危険が目に見えるので、この場合はやりやすいのかも知れないが、今朝の場合は、目に見えない分、こまったものであった。8月も終わり、こんな時期にもクワガタムシは見つけられるのだと。。。生きている状態でなかったのが極めて残念であったが、大きな力で潰されたというか、衝突なのか。。。そういえば、農学部の助手をしていた頃、夜に虫取りに行くとき、車は手前に止めて、足下を気にしながらといわれたのを思い出した。そんな危機管理ができていれば。。。生きたクワガタムシ(それも、子供の頃であれば、かなりrareなノコギリクワガタか、ミヤマクワガタだったようなので。。。残念感が。。。)を見ることができたのかもと思うと、申し訳なかった。というか、無念なのでした。。。
そんな色々なことが同時にあった火曜日であるが、教育研究に携わっているという点では、「2017年度・全国学力調査」の結果が。問題そのものを見てないので、正確なコメントは難しいが、いつも言われる応用力という文章力・論理的説明力のようなものなのであろうか。高校までを過ごした愛媛県。小学校6年生では上位に名前が。中学校3年生では。。。消えていて。この3年間で何が起きているのか、十分な研究が必要なのであろう。そんなことを見越して、この時期に「日本科学教育学会」での発表をお願いされたのであろうか。「学力調査」といっているが、最終的には「生きる力」になるような。。。言い換えれば、今朝のような危機管理に対して、日頃から意識できるようになれば、物事は少し変わってくるような。。。危機管理のプロの言葉に「悲観的に準備し、楽観的に対応できる」ようにと。。。たしかに、そうなのかも知れない。無事、学会でしっかりした講演をして、帰還できるように。そんな火曜日であった。
わたなべしるす
PS. 木曜日に予定されている学会発表。中身の細かなことは、また、このHPからお知らせするとして。。。議論の中で、それぞれの時代に何をするのか。。。難しい話ですが。。1995年だったでしょうか。仏国に出張したとき、岡山大・農学部の先生とご一緒して。。。その先生が「20代でがんばったことが、30代で活きるわけだよ。30代の頑張りが40代で。。。」。ちょっと背伸びかも知れないけど、できるだけ物事を俯瞰的に見ることができるようになる、そんなことができたら、見える風景であったり、よいこと、足りないことなどが、見えるのでしょうかと。。。とても有意義な時間でした。ありがとうございました。