東北大学・探求型「科学者の卵養成講座」(グローバルサイエンスキャンパス協定事業))

東北大学・探求型「科学者の卵養成講座」(グローバルサイエンスキャンパス協定事業)

平成28年度 活動ブログ

平成28年度 活動ブログ養成講座の活動を記録しています

2017.03.30

What is 海外研修? その6

こんにちは。埼玉県立浦和第一女子高等学校の川崎弥矢です。What is 海外研修?のその6ということで、7日目の3/24について書いていきたいと思います。

         

〈3/24〉

この日は、カリフォルニア大学リバーサイド校(UCR)の見学と、発展コース研究成果発表がありました。

      

UCR.JPGUCRの様子。緑が多くきれいでした。

UCRの見学では、半導体と昆虫学についての講義と、実験ワークショップが行われました。

半導体の講義のテーマは、マイクロチップの一層構造を作るためにはどうすればよいか?というものでした。最初に全体で半導体についての説明がありました。導体に比べて半導体は、より小さく平面に圧縮できることなどを聞き取ることができました。後で追加で解説していただいたことによると、半導体の単層は電気的に有利な状況を生み出すそうです。実は、半導体の作り方の技術は、電子顕微鏡の観察技術にも活用されているそう。様々な分野のつながりを感じることができます。この研究室は、そのような技術を使って新規半導体の開発をしているとのことでした。

       

その後、3つのグループに分かれて、研究室の見学をさせていただきました。ここでは、1つのツアーに対して、必ず一度は質問することを目標としました。なかなか伝わらないことも多かったですが、丁寧に返してくれたり、ときには新たな資料を見せてもらえて嬉しかったです。グループの仲間にも助けてもらいました。ポイントとなる単語を抑えておけば、質問の趣旨は伝わるということを、卵側の先生から教えていただきました。科学系の単語を学校の英語で習うことは、専門的ということもあり少ないので、自分から学んでいかなくてはならないと感じました。質問では、シリコン基盤は厚さによって、薄いと青、中間は紫、厚いと黒と色が変わることなどを教えてもらいました。

クリーンルーム.JPG見学させていただいたクリーンルーム(と遺伝の渡辺先生)。

昆虫学の講義では、なぜ昆虫学をやるのか?について説明を受け、実際に昆虫に触らせていただきました。助教授が日本人の方で、日本語で話していただいたので、理解しやすかったです。できるだけ、英語で理解しようと思うのですが、やはり日本語のほうが理解できる量が多かったです。昆虫学は、新しい昆虫が見つかったとしたときに、サンプルなど資料をとっておき、害虫となってしまったり、絶滅の危機に陥ってしまったりしたときに、活用するために行われているそうです。私は昆虫学という分野があることは知っていましたが、何のために行われているのかは知りませんでした。もっと貪欲に情報を得ようとする姿勢が大事ですね。ゴキブリやナナフシ、タランチュラを見せていただき、ゴキブリとナナフシは触ることができました。普段は虫に積極的に触ることはないのですが、実際に触ってみると、今まであまり好きではなかった虫の新たな特徴を知ることができ、とても興味深かったです。

昆虫学.JPG色違いのゴキブリ。ゴキブリが可愛く見えてきました。

実験ワークショップでは、UCRのゲノム研究についての簡単な説明を受けた後、色素を使ったマイクロピペットの練習をしました。マイクロピペットは発展コースⅠで使用したことがありました。しかし、慣れていないのか、なかなか上手く使うことができませんでした。色素を希釈して混ぜていく実験で、思ったより時間がかかってしまい、全部できなかったので残念でした。基本の動作で手間取っていては無駄な時間がかかってしまうので、実験器具の使い方をしっかり覚えておくことが重要だと思いました。

      

発展コースの発表では、発展コースⅠの「ゲノム暗号を解読せよ」というテーマで代表として発表させていただきました。英語での発表で、主に3/11の研究成果発表会で英語で発表したグループの中で、海外研修の参加者が担当しました。海外研修前が忙しく、なかなか練習の機会を作ることをできなかったのが悔しかったです。練習不足と緊張が重なり、良い発表とは言えなかったと思います。質問の時間に全く質問が出ず、理解してもらえなかったかなと不安に思いました。発表後に質問が出ないというのは、日本では普通かもしれませんが、STEM高校の生徒はたくさん質問をしていたのでなおさらでした。しかし、実は習ったことのある内容ということで、少し安心しました。私は発展コースで研究させてもらうまで、この内容についてほとんど知らなかったので、STEM高校の授業の進み具合に驚きました。世界を舞台に活躍しようと思うと、彼らとも当然関わることになるので、しっかりと知識を身につけなければいけないと、少し焦りました。

      

集合写真より.JPG集合写真を撮っていたとき。

いろいろなポーズの人がいておもしろかったです。

この日はSTEM高校と交流する最後の日ということで、送別会を開いてくれました。Tシャツを色紙代わりとして、サインやメッセージを書きあったり、ダンスを踊ったり、写真を撮ったり、ご飯を食べたりしました。ホストファミリーがこっそりと、卵の受講生の名前を書いた大きな紙を、壁に貼っておいてくれて感動しました。ダンスはこれまでにもやったJust Danceに加えて、卵からサプライズでダンスをしました。それが恋ダンスです。恋ダンスはケネディ元アメリカ大使が踊ったことで有名ですよね。その動画をバックに流しながら1回目は卵の受講生で、2回目はその場にいた全員で踊りました。これが成田で行われた恋ダンスの練習の理由です。STEM高校の生徒が知っていたかは微妙なところですが、とても喜んでもらえ嬉しかったです。SNSでつながったSTEMの生徒もいるので、この関係を絶やさないようにしたいです。またどこかで会いたいです。

      

大型スーパー.JPG日本で見たことがないスーパーでしたが、アメリカでは有名なのだそう。

ホストファミリーとの最後の交流では、大型スーパーマーケットに連れて行ってもらいました。アメリカはビッグサイズのものが多く驚きました。

    

次回は(きっと)最終回3/25分(8日目)についてです。

投稿者:埼玉県立浦和第一女子高等学校 |個別ページ

2017.03.30

海外研修を通して

こんにちは。東桜学館高校2年叶内彩です。


先日、10日間の海外研修に参加して来ました。私は研修中学んだこと、研修を通して変わったことなどを書きたいと思います。


様々な場所を訪問させて頂き、学んだことはたくさんありますが、ここでは2つ書きたいと思います。
1つ目は発信力についてです。STEM高校の中を案内して頂いたり、STEM高校の生徒の御自宅にホームステイさせて頂いて一緒に生活したりする中で、日本との教育の違いを見ることができました。各教室を回って思ったことは、楽しくなる工夫をし、かつ自主的に学んでいるということです。理科系の教室には、生徒達が作ったであろう模型や絵入りの説明などが並んでいました。また、STEMの中学生が自身の創作した車を走らせており、説明を求めたときにすぐにしっかりと車について話してくれました。表現や発信する能力の高さに驚くと同時に、私達が見習うべき点であり、今後必要になってくる力であると感じました。また、STEMの生徒は一緒に遊ぶときと、接待したり進行したりするときはまるで別人のようで、切り替えをしっかり行なっている点も私が個人的に見習わなければならない点であると感じました。
2つ目は、相互理解についてです。ハラダハウス、と聞いて何のことかわかる方はいらっしゃるでしょうか。おそらく少ないのではないかと思います。私は全く、名前すらも聞いたことがありませんでした。リバーサイドにあるハラダハウスに住んでいた原田夫妻は、当時の移民差別に立ち向かった先駆者であり、ハラダハウスはその象徴といえます。市の中心部にある人物の銅像についても紐解きながら、ハラダハウスの保存を含め、差別に対する考えを卵のみんなでディスカッションして来ました。自分の意見を持ちつつ相手の意見も理解する、ということは難しいことだと改めて感じました。15人の中でも様々な考え方があるので、世界規模になればもっと多様な考え方が生まれます。それをお互いに理解し合うことは中々現実的では無いのかもしれません。それぞれの価値観・普通の考えは一律では無い、ということも難しいです。しかし、他の人の意見を聞くということは自身の成長や人類の発展に必要不可欠ですから、理解し合う、そして理解してもらう努力は続けていかなければならないと感じました。また、多くの人にハラダハウスなどについて知ってもらうために、ここでも情報発信能力が必要になると感じました。
私が研修を通して変わったことは、疑問に思う・考える癖がついたことです。研修途中、先生方から科学的な視点も持ちなさいとご指摘がありました。本来ならその点を1番に気をつけるべきでしたが、英語面に気を取られて忘れてしまっていました。その点に注意して残りの数日間を過ごしたところ、撮った写真を振り返ってみても、文化的な違いとしてだけ感じていたことも、全てが科学的な疑問に繋がり、自分の思考が変わったことを実感しました。また、精神的な面では、緊張しても震えなくなりました。
反省点やそこまで変わることができなかった点もたくさんあります。英語面では、話すスピードが速かったり、専門用語などのわからない単語を出されたりすると、ほとんど聴き取れない場面が少なからずありました。それは今後の課題であり、英語能力として自分が到達すべき目標にもなりました。また、精神的な面では、消極的な部分を変えられずに研修を終えてしまいました。今後、消極的とは具体的に何が原因なのか、克服するためにはどうすればよいか考える必要があります。プレゼン能力についても、聞き手のことをもっと意識し、STEM生にならって伝える工夫をしていく必要があると痛感しました。


自分に足りない部分と向き合ったり、他の卵のみなさんと一緒に科学などについて話し合ったりする機会を持つことができ、とても光栄でした。優しく手厚く歓迎してくださったSTEM高校の方々、基礎講座から海外研修まで1年間支えてくださった科学者の卵の事務局の皆様、先生方、メンターの方々、そして卵のみなさん、本当にありがとうございました。3a56854d8233525efbf762699fff680822eeab28.JPG

投稿者:山形県立東桜学館高等学校 |個別ページ

2017.03.29

海外研修を終えて

福島県立福島高等学校1年の西澤亮輔です。私は平成28年度の飛翔型科学者の卵養成講座の海外研修に参加させていただきました。この海外研修の感想や語学の面、科学者の卵としての考察力や思考力、そして海外研修のテーマであった発信力について書かせていただきます。拙い文ですがよろしくお願いします。 まずは語学力の点から。私は以前にもロサンゼルスに行ったことがありましたが自分の英語力には自信はありませんでした。現地について初日にホストファミリーと会ってたくさんの質問をされました。その質問には何とか返答することが出来たのですが、自分からホストファミリーに質問すること、日常会話をするという積極的な会話は全然出来ませんでした。正直最初は最低限の会話で済ませようという考えも少しありました。そんなことを考えて数日が経ち、ホストファミリーのご好意でWBCを観戦しに行く機会を得ることが出来ました。僕自身野球がとても好きだったので日本人選手を紹介しようと初めて積極的に話すことが出来ました。やはり英語を始めとする語学は積極的に使うことで上達するのだなと感じました。そして英語を話すことが楽しくなり、YES.NOや単語だった返答が文章で返せるようになってきました。僕としてはとても嬉しかったのですがここで気を緩めてはいけません。さらなる高みを目指すことが重要だと思います。しかし今回の研修で英語は「やればできる」ということを高校1年という早い段階で実感できたことは今後の自分にとってとても良いことだと思います。これからも英語学習を熱心に取り組んでいきたいです。 次に考察力、思考力について。最初の頃は英語で手一杯でしたが、メンターさんや渡辺正夫先生から「科学者の卵としてアメリカに来ている」ということを言われ、日々の発見を科学的に考察しようと意識づけることが出来たと思います。僕は今まで物事を額面通り捉え、そこから発展させることはできていませんでしたが、今回の研修でそれが少し可能になったと思います。これは僕が僕の高校でもよく言われていることです。「それは結果だろ?原因を考えろ」と...。このことは科学の世界でもとても重要だと思います。このようにある物事を知ったらその背景やそれに至った要因をさらに高いレベルで同時に考えることができるようにこれからも精進していきたいと思います。 最後に発信力について。これは先ほどの語学力と少し関係しているかもしれません。これも反省から始まるのですが、僕は今まで自分から話すという積極的な人間だったわけではなく、どちらかというと日本人特有の「場の雰囲気を読む」ということを多くしていたと思います。しかし現地で私たちがお世話になったSTEMという高校の高校生や一緒に行った卵の皆さんを見て意識が変わりました。みんなとても積極的だったのです。また現地の高校生は政治などの少し難しい話題にも関心を持っており少し日本との違いを感じました。難しい話題を話すためにはそれに関する下調べ、知識が重要です。なので自分の意見を持つ際にはそれに関する知識をしっかりと身につけて臨むと良いと思いました。僕は今回発展コースで研究したプラズマの発表を英語で現地の高校生の前で発表する機会がありました。自分の研究についてよく熟知しているつもりでしたが、装置の流れの仕組みを十分に理解することができていず、担当の先生にも直前まで迷惑をかけてしまいました。やはり人に何かを発表する際には自分がそれに関して完璧になる必要があるなと感じました。また人に勉強を教えると自分の学力が上がると言われるように人に何かを発信することでその人の発信力が高まり、より内容も深まると僕は思います。なりふり構わぬ積極性が全てというわけではありませんが、機会があれば飛びつくくらいの積極性は必要なように感じました。科学の世界では英語はできて当たり前とメンターの方から言われました。今回原稿を持って発表したのですがやはり原稿はなくても発表できるようにならねばならないと感じました。英語力も身につけなければならないと思います。 今回の研修では様々な体験を通して自分を改めて見つめ直すことができたと思います。また成果が出たのと同時に新たの課題も続々と見つかってきています。今回の研修を今後の自分の成長の糧として一皮向けた新しい自分になれるよう努力を惜しまないようにしていきたいと思います。この研修を始めとする科学者の卵養成講座を支えてくださった先生方、事務局の方、メンターの方々等々、そして一緒にここまで来れた卵のみなさんに感謝したいと思います。本当にありがとうございました。

投稿者:福島県立福島高等学校 |個別ページ

2017.03.29

海外研修を終えて その5 アメリカ五日目 Enjoy!!

こんにちは。県立前橋高校二年の山田桂一です。

他の海外研修参加生のブログも増えてまいりました。共有が進んでいる海外研修中のレポートも然り、皆いいことを書くなあ、としみじみ。当然のことながら、人が変われば視点も変わります。私とは異なる考えを知るきっかけとなって、彼らの記述も読むことでますます自身の思考を発展させられているように思います。

【活動内容】

・シニアレセプション

・リバーサイド市長表敬訪問

・ハラダハウスについての議論

STEM works Ⅱ ×2コマ

【成果と感想】

シニアレセプションでは様々なレクリエーションをしました。一つ目はじゃんけんをして負けた人は勝った人についていくゲームです。これは21日にバスを待っている間にも行ったゲームです。ただのじゃんけんなのに大盛り上がりでした。こちらの人は本当にテンションが高いと思います。しかし、次第にこちらのテンションにも順応してきて、ただのじゃんけんに白熱していました。二つ目はつなぎ鬼でした。狭い場所に制限されると、次第に長くなっていく鬼から包囲されてしまい逃げるのも次第に困難になりました。しかし、鬼の側からしても、捕まられるのは両端の人だけなので包囲はできても腕の隙間から逃げられてしまいもどかしさを味わうことも。鬼ごっこなんて小学生以来だったように思いましたが、現地の高校生も含めてこれまた白熱していました。この日の朝は凍えるくらいに寒かったのですが走り回って体が温まりました。三つ目は20日にも行った人間知恵の輪のようなゲームでした。20日に疑問に感じた通り、一度だけ、ひとつの輪にほどけず二つの輪になりましたが、ほどけたことはほどけたのでそれでよいのでしょう。ここまでで3つのゲームを行ったのですが、英語での説明を聞くだけでも内容を理解できたためほんの少し成長を感じて気がしました。

そして、この後は親指をテープで固定し使えないようにしてから、靴紐を結んだりペットボトルのふたを開けたりといった日常生活でよく行う動作を、時間を計りつつ行いました。この際、現地の高校生2人と日本人1人で分かれるように、という粋な指示が出ました。そのため、行う動作のために必要なものを貸し借りして楽しく行えました。紐を結ぶ動作は親指が使えなくても(確かにやりにくいのですが)そこまで大きく不便であったということはありませんでした。しかし、紙をハート形に切る動作では、カッターナイフを握るときに親指がないと安定しにくく、とても苦戦しました。親指だけ異なる方向についていることの利点を味わいました。

最後にジャストダンスをしました。スクリーンに映ったダンスの見本を即興でまねる遊びで、初めてでしたが周りもノリノリで楽しめました。

ここまでの文章で、この日は前日までよりも楽しめてきていることが伝わっているでしょうか。この前日辺りからようやくこちらに馴染めるようになってきて次第に研修が楽しくなってきました。私にとって大きな成果だったと思います。

朝からレクリエーションで軽く汗を流したのちはバスで市庁舎へ移動し、リバーサイド市長に表敬訪問をしました。市長と面会をする前に職員の方からリバーサイド市の歴史とダウンタウンについて説明をしていただきました。21日の街中ツアーではわからなかった内容も知ることができました。市庁舎からの眺めはとても綺麗でした。市長との面会では、仙台市に在住している卵生から仙台市長へ親書を渡しました。市長はとても気さくな方でした。正夫先生の研究室のブログに書いてあった、市長席に座らせてもらったというお調子者の高校生。はい、それが私です。とてもお忙しい中だったそうですがこのようなことまでさせていただいて感激でした。貴重な思い出です。

市長はその日は本当にお忙しかったようで、予定よりもずっと早く表敬訪問が終了しました。そのため、市庁舎の前の道にある銅像と21日に見学したハラダハウスについて議論をしました。私の班ではセザール・チャベスの銅像について、それがなぜ現代に語り継がれているのかを主に論じました。ここからは私個人の考えです。現代の社会では民主主義が尊ばれ、専制君主は忌み嫌われています。民主主義への移行には、チャベス氏が行ったような、権利を認められていない弱者(言い方は悪いですが)が自由を求めて立ち上がった運動が大役を買っているように思います。そのため、彼らを語り継ぐことには、私たちが当然のように享受している権利が獲得されるに至った歴史を伝え、過去の不平等な時代への退化を防ぐ戒めの意味が籠っているのではないでしょうか。(想像以上に自分の考えを文章にするのに苦戦しています。私の考えを正確に文字に起こせているかわかりません。)班での議論の後には、異なる銅像(キング牧師の銅像)について議論した班と合流し、互いに議論を深めあいました。ここでは話が次第に反れてしまい、差別の話からいつの間にか政治の話になっていました。二班合同の議論を経て、最後に四班すべてが合流しての議論を行いました。議論の中で複数のトピックが乱立してしまい混乱状態になりました。最終的には、ハラダハウスを科学的にどう広めていくか、というテーマで議論を進めることになりました。ハラダハウスについてはその3でも書きましたが、私は、ハラダハウスの存在を知ってもらうには、まず私たちが周囲の人に伝えることが重要であると思っています。この議論は、自分の意見を持ち発信する力をつける練習の場として、メンターの方々が企画したそうです。普段は同級生と深い議論をする時間など滅多にないので、とても楽しく有意義な時間でした。ただ、この議論では全員が人文・社会系の視点で意見を述べており、メンターの方から科学者の卵として議論をしているのだから科学的な視点から物事を見るようにとの講評をいただきました。例えば、トピックが乱立していた時に、差別をなくす方法についての話が挙がっていたのですが、メンターの方はそれについて、仮に無限に使えるエネルギーを開発できれば格差を縮小でき差別の解消につながるのではないか、といった例を示してくださいました。科学技術は現代の人類文明において非常に大きな役割を担っています。そのため、心理的・社会的な諸問題に科学的な切り口から介入することも可能なはずです。こうした見方もあることを今回の議論から学びました。

午後はSTEM worksを再び行いました。この日は高校生が対象です。授業時間が短かったため結局この日もくす玉は諦めてキューブを造ることにしました。この日はあまりメンターの方に頼る場面は少なかったのではないでしょうか。最後の授業では、授業の終わりに景品として30枚のくす玉あげたり、くす玉に挑戦したい人に折り紙を配布したりと、予定に全くなかったことを組み込むほどに余裕が生まれていました。景品のくす玉は一つしか用意しなかったのでじゃんけん大会を開催しました。海外で授業をすることはこれから先にもあるかどうかわからないほどなので、最初は恐ろしいと思っていましたが非常に貴重な経験だったと思います。

海外研修15.JPG

最後に。この日は写真が少ないので。

市庁舎からの眺望です。

こちらは土地が広いため背の高い建物が少なく見晴らしは良好です。

投稿者:群馬県立前橋高等学校 |個別ページ

2017.03.29

海外研修を終えて その4 アメリカ四日目 上昇傾向

こんばんは。県立前橋高校の山田桂一です。

さて、今回で4件目ですが、ちょうど折り返し地点(の予定)です。前回は暗い内容でしたが、今回からは明るい内容になっているはずです。まだ失敗しても取り返しがつく身分であることに深く感謝。失敗から多くを学び成長の糧にできれば、今はそれでよいのではないでしょうか。(これからもこう甘えていることはできませんが。)

【活動内容】

STEM works 1 ×3コマ

・地学研修(Sycamore Canyon自然公園)

【成果と感想】

この日の朝は、気負いすぎることをやめたことが功を奏して肩の力が抜け、活動が始まる前の時間に現地の高校生たちと複数対一でも話すことができました。何事も力みすぎないことは大切ですね。このことから少し自信がつき楽しむ余裕が出てきました。

ここから渡辺正夫先生が合流しました。その際に渡辺尚先生から全員に一言。「科学者の卵としてここにきているのだから、語学だけでなく、科学的に考えることをしなさい」といった内容でした。私はそれまで本当に英語を話すのに必死で、それだけしか考えられていませんでした。そのためこの言葉で目が覚めました。帰ってきた今になって冷静に振り返ると、海外研修に行く前も英語のことばかり考えていたように思います。

軽く喝を入れられたのちに待っていたのが、その1で書いた、噂のSTEM worksです。この日は現地の中学生が対象でした。自分たちで授業を担当することは初めての経験でした。加えて英語で、となるとこれからの人生であるかどうかさえわからない経験です。3コマの授業を受け持ちました。私たちの班では折り紙で立体を造ることに挑戦してもらいました。当初は24枚の折り紙を使って小さいくす玉を造り、その後時間が余ったら30枚の折り紙を使ったくす玉に挑戦してもらう予定でした。しかし、私たちがシンプルユニットの折り方を説明するのに非常に苦戦し、それだけで授業のほとんどの時間を消費してしまいました。そこで急遽、6枚の折り紙でキューブを造り、最も多く作れた班に賞品のシールをプレゼントする内容に方向転換しました。しかし、結局一回目は悲惨なもので、来てくれた子たちの中にはかなり退屈そうにしていた人もおり、申し訳なく感じました。先生とメンターの方に横から助けていただき何とか事なきを得ました。二回目以降は一回目に助力をいただいたときの要領で進め、何とか持ち直して成功させられたように思います。来てくれた子たちの中でも楽しそうに取り組んでいる子が増えていました。班によっては、綺麗なキューブを協力して多数作っていたところ、個人プレイで最終的には数個しか作れなかったところ、班で一つ作って満足して鶴を折りはじめてしまったところ、など個性が出ていて見ていて興味深く思いました。しかし、私にはまだ臨機応変に説明を変えられるほどの英語力がなく、この日はメンターの方に頼り切ってしまいました。

海外研修12.jpgSTEM worksの様子。

写真にあるキューブを作りました。

午後は近くにあるSycamore Canyon自然公園にて地学研修を行いました。二つの班に分かれ、私の場合は前半が地学研修で後半が生物の研修でした。地学研修では自然公園を歩きながら説明を受けました。歩く距離と年代とを対応させた説明であり斬新だと感じました。歩く距離で年代を表していたので、途中はしばらく歩くだけの時間もありました。酸素の話や生物の体の大きさの話など、個人的に興味深い話をいくつか聞きとることができました。(とても他者に説明できるほどの明瞭な理解ではなく、概要だけのアバウトな理解ですが。)後半の生物の研修では、今度は見かけた生物を記録しながら、再び自然公園内を歩きました。案内してくれたのはRSAの生徒さんだったのですが、生物の名前などを質問してみるとすぐに回答してくれて、校内ツアーのときの中学生と同様でやはり説明することに慣れていて感心しました。

海外研修13.JPGSycamore Canyon自然公園

今回訪れた自然公園はカンガルーラットという絶滅危惧種の珍獣を保護するために作られたそうなのですが、この話を聞いたとき私は、なぜ変化した環境に耐えられない程度の動物を保護するためだけにそこまでする必要があったのか疑問に感じました。おそらく回答は「生物多様性を守るため」なのでしょうが、珍獣一種類の絶滅がそんなにも人類文明に大きな悪影響を与えるものなのでしょうか。あの珍獣がまさかキーストーン種であるようには思えません。このことをレポートに書いたところ、尚先生から、このような視点をつけて自然を残す理由付けとしたのではないか、といった回答をいただきましたが、保護をする目的はいったい何なのでしょう。人類は保護している傍らで破壊を続けています。それなのに保護の素晴らしさをどうして声高に謳えるのでしょうか。私は疑問でなりません。保護をする理由もよくわかりません。保護をした結果、何が、どう変わるのでしょうか。冷静に理由を考えてみると疑問符のつくようなことはほかにもあるはずです。(この地学研修では日本では見ることのない生態系を見学できて楽しかったので、それでいいのでしょうが。学術的に価値のあるものを残そう、という魂胆なのでしょうか。)

さて、冒頭にも書いた通り、ここで海外研修の日程の半分が終了し折り返し地点です。ここまでの活動ブログを読んでいかがでしたか。実はこの日の朝、正夫先生よりレポートの公開の話が挙がりました。十五名の考えたことを共有すれば十五名分の成長をできる、というわけです。これと類似した目的で今私は可能な限り詳細に綴っています。海外研修に参加できなかった方も、私の記事を読んで少しでもそれを有効に取り入れることができていたとしたら幸いです。

投稿者:群馬県立前橋高等学校 |個別ページ

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