東北大学・探求型「科学者の卵養成講座」(グローバルサイエンスキャンパス協定事業))

東北大学・探求型「科学者の卵養成講座」(グローバルサイエンスキャンパス協定事業)

平成28年度 活動ブログ

平成28年度 活動ブログ養成講座の活動を記録しています

2017.04.05

アメリカ海外研修について③

宮城県宮城第一高等学校の熊倉凜南です。今回は前回の続きの最終日に学んだことと海外研修を受講してみての感想を書きたいと思います。

〈アメリカ時間3月25日〉

この日でホストファミリーとお別れでした。朝にSTEM高校まで連れていってもらい、駐車場でお別れしました。ホストファミリーの人達が別れを惜しんで涙を流してくださり、1週間という短い間でしたが、日本では学ぶことができない貴重な思い出がたくさんできました。

お別れ.jpg

〈STEM高校でホストファミリーとお別れをしている様子〉

その後バスに乗り、ロサンゼルスにあるカルフォルニア科学博物館で宇宙開発研修を行いました。カルフォルニア科学博物館では特に宇宙に関する展示が多かったように感じましたが、他に建築や極地に生息している動物についての展示も見ることができました。中でも特に印象に残った展示は、チャレンジャーについての記事と極地に生息している動物の展示です。私はこの科学博物館に行くまでチャレンジャーについて全く知りませんでした。この科学博物館で渡辺正夫先生に教えてもらいながら日本人宇宙飛行士の勇姿を知ることができました。このことから、私が生まれる前に安全な宇宙ロケットが開発されるまでにどれほどの努力と勇姿があったのかなど多くのことを考えさせられました。また、極地に生息している動物についての展示では、特に北極に生息している動物の毛と人間が普段身に着けている衣類に使用されている化学繊維などを比較して実際に冷たさをどれぐらい感じるかというのを確かめる施設が印象に残りました。実際に自分で確かめてみるというのは初めてで、化学繊維と動物の毛の違いを身をもって感じることができました。私はこの展示を見て、人工的にその動物の毛の構造を使ってできている化学繊維はないのか、もしあるとしたらどのように活用しているのかなど派生させて考えることができました。

その後、グリフィス天文台に移動して天文物理学研修を行いました。特に印象に残ったことは、隕石についてと展示の仕方です。私は今まで隕石は見たことがありましたが、黒くて鉄でできているものしか見たことがありませんでした。この天文台では外観がきらきらと輝いているものや色が白に近いものなど多くの種類があり、とても驚きました。

また、私はここで展示の仕方が印象に残りました。日本では例えば太陽系にある地球以外の星の重力の違いについて説明するとき、ほとんどが言葉で説明してあります。しかし、この天文台では重力の違いによって生まれる体重の違いを実際に測ってみて体験しながら知ることができました。この展示の方法を日本でも取り入れると小さい子どもでも楽しみながら学ぶことができるのではないかと思いました。

私はこの7日間の海外研修で多くのことを学ぶことができました。この海外研修を終えて特に成長したと感じることは大きく分けて2つあります。1つは英語についてです。行く前は言っていることが分からなかったらどうしよう、なんて話せばいいんだろうなどマイナスなことばかり考えていました。しかし今は、伝わらなくても話してみようと自分から積極的に動いて話すことができるようになりました。また、最初は全然聞き取れなかった英語を日を追うごとに聞き取れるようになり、スムーズに会話をすることができるようになりました。

もう1つは小さなことから考えを派生させて物事を多面的に考えられるようになったことです。行く前の私は例えば山に木が生えていたときにただ眺めるということしかやっていませんでした。しかしこの海外研修で色々なことを吸収する中で、例えばなぜそこには木が生えているのか、どんな種類の木が生えていて地域によって異なっているのか、気候はどのように影響しているのかなど一見何も疑問が生まれそうにないことから今まで学んできたことを使いながら派生させて、深くまで物事を考えられるようになりました。

今回の海外研修では多くのことを学び、吸収し、成長することができました。一方、海外研修を通して今後の課題を見つけることもできました。例えば、語彙力、知識量、経験などです。今回の貴重な体験で成長できた点はさらに伸ばしていく、課題点は自分の努力によって成長できるようにして、この経験をもとにさらに自分自身を成長させられるようにしていきたいと思います。

最後にこの海外研修でお世話になった先生方、事務局の方々、科学者の卵養成講座で講義や運営をしてくださった方々、ひよこの大学生の方々。本当にお世話になりました。どうもありがとうございました。

投稿者:宮城県宮城第一高等学校 |個別ページ

2017.04.05

海外研修で学んだこととは?

こんにちは。埼玉県立浦和第一女子高等学校の川崎弥矢です。

前回書いたブログまでは、海外研修中に何をしたかということの紹介が中心でした。そこで、今回は何を考えたのか、感じたのか、学んだのかということを中心に書いていきたいと思います。(これまでのブログにも書きましたが、少し補足します。)それでは、主に2つの観点から書いていきます。

     

1.コミュニケーション力の強化について

この研修の目的は「科学技術研修を通した発信力、コミュニケーション力の強化」で、その目的の1つである「コミュニケーション力の強化」についてです。コミュニケーション力というと、英語面での成長と社交面での成長の2つが挙げられると思います。それぞれについて、この海外研修に参加するまでの私と参加した後の私について、自己評価しながら考察します。

     

・英語面

参加するまでの私は、学校と卵の英語サロン以外ではほとんど英語を話したことがないような状況でした。事前研修で2回ほど英語を話す機会があったのですが、聞き取ることができず近くの方に確認したり、他の受講生の方々の英語に圧倒されたりしました。少しは話せると思っていましたが、行く前から英語に関する自信が崩れ去りました。また、行く前にホストファミリーとメールのやり取りをしていたのですが、電子辞書が手放せませんでした。私はそんな英語力しか持っていなかったので、たくさん話すことで現地の自然な英語を吸収することを目標にしました。現地の自然な英語の中で、例を1つ挙げたいと思います。英語で返事をするときに日本語で「はい!」というなら、英語では「Yes!」と、中学校の最初の方で(もしくは小学校の高学年)で習うと思います。STEM高校の皆さんはどのように返事をしていたでしょうか?点呼の場面では「Here!」で、他の場面では「Yes!」であり、他にも様々な使い分けをしていました。一瞬たりとも気を抜けませんでしたが、その分多くの自然な英語を吸収できたと思います。

     

・社交面

交面は日本人の受講生との活動にも、現地の関係者との会話にも当てはまることだと思います。行く前も話すことは好きだったのですが、普段と違う環境に慣れるのに時間がかかってしまい、最初は話せないことが多かったです。この研修では、卵の研究基礎コースの講義のように座って講義を聴くというのは少なく、見学が多かったので、説明もしてもらえますが、質問をすることで知識が完成する研修でした。最初は、英語に不安があり、なかなか質問をすることができませんでした。後半になって質問してみることができたのですが、単語が分からなかったり、文法が怪しかったりすることも多かったです。しかし、笑われることなど全く無く、むしろ理解しようとしてくれました。今振り返ると、もっと最初から質問や会話に積極的になればよかったなと思います。英語サロンの留学生の方がおっしゃっていたように、間違えることは恥ずかしいことではなくて、その努力が認められるというのに感動しました。もし、来年の受講生がこのブログを見ているとしたら、私のような後悔をしないように、間違いを恐れずに突進してほしいです。もちろん、ブログに書くことで、頭の中が整理されて話題もできるので、社交性を伸ばすためにもブログは書くといいと思います。社交性は1年間の研究基礎コースでも伸びたと思いますが、海外研修でさらに伸びたと思います。

     

2.科学について

目的のもう1つに「科学技術研修を通した発信力」というのがありましたが、ここでは科学面での成長について書きたいと思います。海外研修に参加するまでは、高校のSSHの講義を受講しているとはいえ、自分の興味ある分野や習ったことのあることは、話している内容が分かり、盛り上がることができましたが、その他の内容からは目を背けていました。そこで、この研修では学べるものは全て学ぶという目標をたてて臨みました。その土地ならではのものを学べるということからか、生物と地学に関する学習が多かったのですが、触れるものは全て触ったと思います。(普段は虫を触ることも苦手で、手に乗せるなんて想像しません。)例えばトカゲの鱗でも、種類や個体によって様々な触感を持っています。トゲのように尖っているものもいれば、柔らかくふにゃふにゃしているものもいましたし、他にも様々な種類がいました。実際に触ることで、本を見ても分からない感覚を知ることができることを、自分の身で学びました。科学は身の回りに溢れていると言うことがありますが、本の中の式や文章だけでは溢れていることを感じることはできないので、身の回りのものに触って、考えてみることが重要なのではないかと思いました。そのために学校では実験をするのではないかと思います。(私は、ほとんどの授業を実験室で受けた中学校の理科の授業で、科学を好きになりました。)科学者の卵にはブログとは別に「まちかどサイエンス」というのもありますが、自分で考えて調べるという科学者にとって重要で、海外研修中にも行った行動を促してくれるものだったのかなと思います。

     

ここに書いたこと以外にも、上手く言葉に表すことができないので書けませんでしたが、もっと考えたことはあります。科学者には語彙力・文章力も必要ということですね。理系だから文系科目は学ばなくてもいいなんてことはなく、全ての学問はつながっているということを、1年の科学者の卵を通して感じました。この講座に参加できたことは、とても幸運だったと思います。本当にありがとうございました。またブログを書きたいと思うので、そのときは読んでいただけると嬉しいです。他の方のブログや、まちかどサイエンスも読み続けたいと思います。

     

埼玉県立浦和第一女子高等学校 川崎弥矢


      

INDEX(私の書いたブログです。)

What is 海外研修?

その1  その2  その3  その4  その5  その6  その7

科学者の卵! 最終回!!

第10回 科学者の卵に参加して

第9回 科学者の卵

第8回科学者の卵養成講座

国際女性会議 WAW!2016を聴講して

第7回 科学者の卵

プラチナエネルギースクール@埼玉

第6回 科学者の卵

第5回科学者の卵

第4回特別講義

第3回が終わって・・・

初!科学者の卵!!

※第2回の講義については書いていません。

他の方のブログもぜひ見てみてください。

投稿者:埼玉県立浦和第一女子高等学校 |個別ページ

2017.04.04

海外研修のご報告④

こんにちは。日本航空高等学校の加藤愛菜です。今回が最後の記事となります。

The Sixth Day

この日はリバーサイド市長のもとを表敬訪問し市長(元高校の先生、とてもフレンドリーです)や国際交流課の方にテラスのようになっている見晴らしの良いコミュニティスペースを歩きながらリバーサイドについての説明をしていただきました。

内容は多岐に渡り、リバーサイドの伝統的なホテルであるミッションインについてや、リバーサイドは大学の多い都市で世界中から生徒が、帰省の時期に人口が減るほど多く集まるということ、またその学生が落とすお金がカリフォルニアでは高価な水の代金(カリフォルニアは乾燥しているのでコロラド川から取水する必要があり水が貴重で高価である)を賄うのに役立っていることなどを聞きました。

また90年代後半ではオレンジ栽培の成功により、アメリカで最も裕福な都市になり、UCR(カリフォルニア大学リバーサイド校)も柑橘類の研究機関として発足したとのことでした。

テラスからリバーサイドを見渡した後は市長の部屋に行き、部屋の様子を見たり仙台市長の親書を渡したりしました。

その後STEMに戻り2回目のSTEM workをしました。1回目で流れは掴むことができ、さらに相手が少人数かつ高校生だったため(1回目の相手は中学生でした)、騒がしくならず趣旨もうまく伝わり滞りなく進めることができました。

放課後は3人のSTEM生+日本人の高校生4人でショッピングに行き、そこのフードコートで人種差別を科学的な視点から解決するにはどうすればよいか一緒にディスカッションしました。(実はこの日の午前中に人種差別や原田ハウスについてのディスカッションを海外研修のメンバーでしたのでその流れを受けています)結論を書くと、現在私たちは違う外見的特徴を多く持っていますが元をたどれば同じ祖先を持っているので、それを知るために、自分の祖先がどこから来たのかを科学的に検証するシステムを開発するのはどうか、というものです。道徳的なことや歴史的なことで人種差別について学ぶことはもちろん大切ですが、このように元をたどれば自分たちは結局同じ人類であり差別が無意味であるということを科学的に証明するのも手だと思います。

The Seventh Day

この日はUCRの見学がメインでした。朝はUCR内のスターバックスに集合しました。このスタバの営業時間は朝5時半から夜中の12時まで。朝から勉強している学生がたくさんおり、アメリカの大学生は本当によく勉強するという話をいろいろなところで聞きますが、このスタバの営業時間にも表れているのではないでしょうか。

UCR内のツアーで印象的だったのは半導体の研究室見学です。見学の前の教授のプレゼンテーションでは、以前の半導体の断面は層が平らに重なっておらず電気を流したときの効率が悪いので平らにする必要があること、半導体の最適なバンドギャップを生み出す物質を探したり、最適な層の数を研究し、オンオフがよりスムーズにできる半導体を作る研究をしているとのことでした。その後半導体のサンプルを作るクリーンルームや働きを解析する施設を見学しました。クリーンルームは厳重に管理されていて帽子と白衣をつけて作業している人もおり、半導体を作るという作業が少しでも阻害するゴミなどをいれてはいけない繊細なものであるということがうかがえました。今まで半導体や電気の話は苦手で嫌煙していたのですが、ここでの研修は本当に面白く興味がわき自分でも驚きました。サイエンスと言っても様々な分野があって、その中にはもちろん興味がないものや苦手なものもあると思います。しかし私のように何かがきっかけでそれが実は面白い分野であったということがわかるかもしれません。将来自分が研究するときにどんな知識が必要になるかわからないのですから、好きになっておいて損なんてことはないのです。最初から壁を作らずサイエンスに対して心を開き幅広い知識を得るということが将来の自分のためにできることなのではないかと考えました。

この日がSTEMの学生と交流する最終日だったので、全ての行程を終えた後に送別会を開いていただき、Tシャツにメッセージをもらったりダンスをしたりして別れを惜しみました。この滞在で友達が増え、まだまだ話したりずあと1年はリバーサイドに留まりたかったのですがこの日で終了です。

友達の一人が何度もハグをしてくれたり(私も負けじと返しました)、"I'll miss you."と言ってくれたり、さらに帰り際まで見送りに来てくれて本当に別れるのがつらかったです。今もメールでコンタクトをとっており仲が続いているので、また会いに行きたいと思います。

The Last Day

この日は早朝にSTEMでホストファミリーとお別れをしてからバスに乗ってCalifornia Science Museumに行き、エンデバーを見たり、IMAXを見に行ったりしました。まずエンデバーの展示についてです。エンデバーは今までに何度も宇宙に行っているが、機体が爆発したり空中分解したりして乗っていた宇宙飛行士が亡くなってしまったというものがありました。宇宙飛行士は宇宙に行く前に遺書を書く方が多いと聞きますが、相当な覚悟がなければスペースシャトルやロケットには乗れないのだということを改めて感じました。未開の宇宙には様々な可能性があることは確かですが、そのような犠牲の上に宇宙の研究が成り立っているということを忘れてはならないと思いました。そしてIMAXでは3DISSの内部や地球の表面を見ることができ、実際の宇宙飛行士のISSでの生活や、宇宙服を着てISSの外にでるのがどのようなものかなどを自分も宇宙にいるかのようなリアルさで体感することができました。ISS内部にはランニングマシンや筋トレ装置もあり、ISSの開発には様々な分野の人が携わっており、宇宙飛行士が過酷な環境でもよりよい生活ができるように工夫しているのだということがわかりました。

そして最後はグリフィス天文台に行きました(LA LA LANDのロケ地でもあります)。天文学を学ぶために、より遠くのものがはっきり見える望遠鏡の開発が求められてきたという展示があり、天文の研究にも工学の知識が必要であることがわかり、自分が学びたい分野だけでない他の分野も学ぶことの大切さを理解すると共に科学者の卵で一年間様々な分野について学べたことの有り難みがわかりました。

○まとめ○

過ごした1週間があまりにも濃く私の成長1年分がつまっているのではないかと思っております。1番成長したと自負しているのがリスニング能力と科学的な視点から考える力です。リスニングについて、日常会話も行く先々での解説も英語で、最初は一つ一つ耳を研ぎ澄まさなければならず疲れもありましたが徐々に頭にスムーズに入ってくるようになり疲れも感じなくなりました。科学者を目指すにあたり英語ができるということは必須なので、英語の勉強をする時間が取れる今のうちに使えるものにしていこうと思っております。また、科学的な視点から考えるようになったということについてですが、毎日書いていたレポートに秘密があります。最初は科学的な視点を意識せず内容の薄いレポートを提出してしまい、先生方やメンターの方々から「これは語学研修でなく科学者の卵だ。もっと科学的な視点を持ってレポートを書かなければならない。」という喝を頂戴しました。そこから一日一日を科学的な発見や考えを持つことを意識して過ごすようになり、最初は苦労しましたが徐々にアイデアがどんどん出てくるようになり楽しめるようになっていきました。このようなことを自分が言えるようになるとは研修前の私は思ってもいませんでしたが科学的な視点を持ってみると何気ないものも面白くなるものです。この面白さを忘れずに今後とも科学者になるべく精進していきたい所存です。このような楽しみを得ることができ、自分を成長させることができたこと、そのどれもがサポートしてくださった先生方やメンターのみなさん、研修メンバーのみなさん、STEMのみなさん、ホストファミリーのみなさん、、、挙げればきりがありませんが多くのみなさんのおかげです。心から感謝しております。みなさんとの出会いは私の大きな財産です。今後ともよろしくお願いいたします。

投稿者:日本航空高等学校 |個別ページ

2017.04.04

海外研修のご報告③(5日目)

*The Fifth Day*

こんにちは。日本航空高等学校の加藤愛菜です。引き続き5日目の活動を紹介いたします。

この日も8時前にSTEMに集合となり、着いてからはすぐにSTEM worksの準備に入りました。

STEM works は私たちがSTEMの生徒に対してアクティビティを紹介して実際にしてもらう、言ってしまえば科学的な要素のある学活の授業のようなものです。4つの班がそれぞれちがうアクティビティを担当し、同時に別の教室で行われるのでSTEM生は好きなアクティビティを選んで参加できます。

私の班は紙相撲を担当し、この日は3回授業をしました。STEMの先生の協力もあり、回を重ねるごとにうまく進行できるようになっていきましたが、科学的な視点から強い力士を作るという本来の趣旨は伝わらず不完全燃焼でした。言葉の壁は高いです。

 STEM worksの後はSycamore Canyon 自然公園に行き地学研修を行いました。

この公園では、絶滅の危機にあるカンガルーラットの保護のために野生の自然環境を残しており、人類が現れる前のリバーサイドの自然環境を知ることができる貴重なものです。最初にSTEMの高校生に生物学系の解説をしてもらいながら丘の頂上まで登りました。途中途中で何度も様々な種類のトカゲをとって見せながら名前の由来や特徴を説明してくれ、また植物やその他の昆虫についても見つける度にわかりやすく解説してくれました。その後UCRの方の地学系の解説を聞きながら再び丘を登りました。コース全体の長さを地球の歴史の長さに見立て自分たちが歩いた分だけその内容も進むという日本にはない新手の授業でした。ここでは生物の誕生や環境の化学的な変化(酸素量など)、また生物の進化とその要因(もともと背の高い植物が多かったが、恐竜に食べられないように背の低い草花に進化したこと等)や影響(様々な種が混ざることで多様性が生まれたことなど)の解説を受けました。

すべての解説の後にいくつか質問し、この丘は大きな岩と小さな粒状の石で構成されており、乾季には水は地下にしかありませんが、雨季には雨が降るため、それにより地面が削られて谷や道に多くある溝が形成されたということがわかりました。このことから、まず丘には草花が多く生息し、丘と丘の間にあった谷には背の高い樹木が生息していたのですが、それはなぜなのかを考えました。草花は水はけの良い砂のような土壌でも適応して生息できても、樹木はそうは行かず、このような乾燥帯で生き残るためには地下水により近い谷で根を下に下に伸ばして水を求める必要性があったからではないかと思いました。

また、その関係からそれらの樹木は陽樹ではなく、生育に必要な光合成量が少ない陰樹なのではないかと考えました。

リバーサイド 245.JPG見ての通り地面に溝がたくさんあります。

リバーサイド 247.JPGSTEMの高校生から解説を聞いています。

このフィールドワークでは鳥の声が頻繁に聞こえたり、花の香りがしたり、風を肌で感じたりと様々な感覚が刺激され多くの発見が生まれました。 また説明の中に「今までも周期的に気候変動はあったが、人間の活動がそれを加速させてしまい、動植物の環境への適応が間に合わないまま結果的に絶滅してしまう」という説明があったのですが、これが私にとって今までで一番気候変動の重大さが理解できた説明でした。周期的に氷河期は来るのだから温暖化はそれで解決され、気候変動は問題でないという主張を聞いたことがありましたが、氷河期が来るまでにどれだけの動植物が絶滅し生態系に影響が出るのかと思うとこの考えは悠長すぎると思います。いくら科学技術が進んでも、自然へ頼らざるを得ないことも多く、科学技術のみで自給自足はできないので生態系の変化は人間にとって重大なことです。これを機に環境問題を今まででよりもさらに深刻なものとして捉えることができるようになり、よい経験ができたと思いました。


投稿者:日本航空高等学校 |個別ページ

2017.04.02

海外研修のご報告② (4日目)

*The Fourth Day*

こんにちは。日本航空高等学校の加藤愛菜です。前回の更新から日があいてしまいましたが、4日目以降の記事を順次投稿してまいります。この日はSTEMの学生に交じって班ごとに分かれミュージアムを見学したあとScavenger Huntをしてダウンタウンを歩いて見学しました。Scavenger Huntとは写真や絵が与えられるのでそれらが表す場所(リバーサイドの歴史を代表する場所でした)を推測して実際に行きそこで写真を撮るというものです。ここでいくつか回った場所を紹介します。リバーサイド② 013.JPG一見博物館のようなこの場所はミッションインというホテルです。このホテルはアメリカで最も古いホテルの一つで、今まで8人の大統領がここに宿泊しています。リバーサイドはオレンジの生産で成功しアメリカでも裕福な都市になった際、訪れる人も増えたためそれを受け入れるためにこのホテルができたそうです。(リバーサイド市庁国際交流課の方談)このホテルのお城のような外観からもリバーサイドのオレンジ産業がいかに盛んだったかうかがい知ることが出来ますね。

リバーサイド② 016.JPGこちらはリバーサイドアートミュージアムでの写真です。ここはどのような場所かよく分からないまますぎてしまったので少し調べてみました。ホームページを見た際に特に印象的だったのはこの美術館も参加しているというBlue Star Museum についての記述です。現役の軍関係者(なかでも防衛関係の方のみかと)とその家族は戦没将兵追悼記念日から労働者の日までの間全米2000にも及ぶ博物館や美術館で入館料が無料になるというものなのですが、日本では確実に見ない取り組みだと思います。巨大な軍を持つこの国はさまざまな形で軍のサポートしているようですね。

(くわしくはこちらを確認してみてくださいRiverside Art Museum http://www.riversideartmuseum.org/

リバーサイド 160.JPGそしてこちらが今回回った箇所の中で日本人として最も注視すべきものである原田ハウスです。原田ハウスについて私はこの研修に参加するまで聞いたこともなく、行程表に「原田ハウス」という単語が出てきたときにも「原田邸の見学?」というくらいの認識しか持っていませんでした。しかし頂いた事前資料(このURLから私たちがいただいた資料が見られます。ぜひ読んでみてください。私のブログを読むよりよっぽど有意義ですhttp://orangeclub.sakura.ne.jp/siryou/harada_haouse.pdfを読んで、どうしてこれが日本の歴史の教科書に載っていないのだろうかと思いました。というのも原田ハウスはアメリカンドリームを夢見てアメリカに渡った日本人が人種差別を受け、それでも逆境に立ち向かったという歴史を象徴するものであるからです。日本では差別と聞くと黒人や女性に対するものを想像する方が多いのではないかと思います。差別と言えば昔日系移民も受けていたよね、と言うような方は稀なのではないでしょうか。このような日本人が知っていてしかるべきことを知らないという状況を打開するためにもぜひ上のURLから資料を確認していただけたらと思います。

Scavenger Huntではこの場所はSTEMの先生が立っており、様々な写真を見せながら原田ハウスについて説明してくださいました。その中で真珠湾攻撃により日系人を収容するという大統領令がアメリカで施行され原田一家は家からの退去を命じられたという説明があり、そのときに息子の一人が壁に残した"EVACUATED ON MAY 23 1942 SAT 7AM"というメッセージの写真を見せていただきました。どのような気持ちでこれを綴ったのかと思うと悲痛な気持ちになります

少し話は逸れますが、放課後何人かのSTEM生と研修メンバーでショッピングセンター行き、フードコートで休憩しているときに原田ハウスについて話し合いました。そのときのSTEM生の、「自分たちはメキシコ系やイタリア系などさまざまなルーツを持つがアメリカ人であることに誇りを持っており、このアメリカ人としての誇りが原田一家にもあったために逆境に立ち向かうことができたのではないか」という発言がとても印象的でした。ここから考えるとおそらく原田一家の心理的には日本人としてというよりは日系アメリカ人として差別を受けていたということになります。これは重要なポイントなのではないかと個人的に思っておりますがいかがでしょうか、、、。

この原田ハウスについての私の記述は謎が多いと思いますのでしつこいようですがぜひURLから資料を読んで謎を解明していただければと思います。

リバーサイド 175.JPG【おまけ】この日の昼食はピザでした。

投稿者:日本航空高等学校 |個別ページ

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