
<岩手県立一関第一高等学校・小野寺美咲さんへ>
1. 8ヶ所植えたのですが、芽が出たのはたった1ヶ所だけ・・・
「種をまくときは、きちんと発芽を確認するために、たとえば、しめらせたろ紙とかの上に、種を置いて、根っこが出たら、プランタに移すともう少し発芽率が上がると思います。」
2. ピーマンはナス科だし、自家不和合性ではないよね?
「ナス科の野生種は自家不和合性です。身の回りにあるナス科のもので、野生種のものは見つけにくいですね。観賞用タバコ(Nicotiana alata)というのが、自家不和合性というのは見ることができると思います。では、ピーマンは、自家和合性です。」
3. 自家不和合性なのはアブラナ科だったはず。。
「説明不足かもしれないですが、高等植物の半数くらいは、自家不和合性を持っているといわれています。アブラナ科植物だけではありません。」
4. 今回、ピーマンが小さくなってしまったのは?
「先の説明の通り、ピーマンは自家和合性ですから、訪花昆虫がいれば、自分の花粉で種ができて、ピーマンは大きくなります。では、小さくなった理由は、「栄養や水の不足によるもの」ということを書いてありましたが、その通りだと思います。次に育てるときには、肥料をあげたり、もう少し大事に育ててみましょう。たくさんのピーマンができると思います。」

<山形西高校・柴田季子さんへ>
1. リンゴの自家不和合性の話であった「種」と「食べるところ」の遺伝子がちがくなってしまうのか??
「まず、種はどうやってできるか。これは、花粉の持つ父親由来の遺伝子と雌しべの中にある母親由来の遺伝子が受精して、胚ができ、それが種になります。つまり、種は、両親の遺伝子を持っているということです。ここには、花粉、卵それぞれでの、「減数分裂」が重要であり、親植物の遺伝子は、2nの状態ですが、減数した花粉と卵は、それぞれnです。つまりn + nで2nに戻るわけです。種は。では、リンゴの食べるところは、??。これは種の周りのめしべの細胞、減数していない細胞(2n)が、成長するわけです。つまり食べるところには、父親の遺伝子が関与する余地はありません。なので、「種」と「食べるところ」の遺伝子は、違うということになります。」
2. 純粋な種はどうやって作るのですか?(1のような農作物のとき)
「自家不和合性ですから、自分の花粉で種が取れません。普通の方法では。そこで考えられて、自分の花粉で種を取る方法は、未熟な雌しべ、つまり、つぼみの状態の雌しべに、花粉をかけるということです。多くの場合、つぼみ状態、未熟なつぼみの時期には、自家不和合性の雌しべ側の因子の準備ができていません。つまり、そのときの雌しべは自分と他人の花粉を識別できません。ただ、受粉した花粉を発芽させて、受精できる能力はある。この方法を使います。つぼみの萼、花びらをピンセットで除去すれば、雌しべを出すことができます。これを蕾受粉といいます。花粉は成熟した、開花したおしべから出ているものを使います。他にも5% CO2処理だったり、濃度は忘れましたが、数%のNaCl溶液をかけることでも、自家不和合性は打破されます。処理のタイミングは、受粉して、花粉管が雌しべの中に入ろうとしている時期だといわれています。」
3. なぜ近親交配をすると劣悪の遺伝子が増えてしまうのですか
「植物だけでなく、生物は基本的に遺伝的に多様といわれています。これは何を意味するかというと、特定の遺伝子を見たときに、ホモではなくて、ヘテロだということです。遺伝学がわかるかどうかわかりませんが、AA, aaという優性、劣性ホモではなく、Aaというヘテロということです。これはいろいろな遺伝子が混じり合うからです。もちろん、すべての遺伝子でヘテロというわけでなく、遺伝子によっては、AA, aaだったりします。では、こうした生物というか、植物において、近親交配をしたら、Aaというところで、分離が生じて、aaという劣性ホモの場所(遺伝子座)が増えてきます。こうして、劣悪遺伝子が増えるということになります。」
これらで回答になっているでしょうか。不明なことがあれば、また、HPにuploadしてください。
それから、HPを書くときに、必ず、タイトルを入れてください。記事ではそこをclickしたら見えるようになります。一番新しい発展コースの記事のところにタイトルがなかったので、最初の文章を入れておきました。次回以降、。。
わたなべしるす