
わたなべしるす
PS. 渡辺のHPも、このことについて記しておきました。あわせてご覧ください。

東北大学・飛翔型「科学者の卵養成講座」(グローバルサイエンスキャンパス協定事業)
2010年8月の記事一覧
2010.08.21
2010.08.17
2010.08.17
サイクロトロン・RIセンターの 四月朔日(わたぬき)先生から返信を頂きましたので掲載致します。(実行委員)
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PETについて、陽電子と電子がくっついて人体の中で光るということなのですが、
その光は人体に対してはまったくの無害なのでしょうか?
変な質問だと思いますがよろしくお願いいたします。
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もう少し詳しく言いますと、陽電子と電子がくっつくと陽電子と電子は消滅ガンマー
線と呼ばれる電磁波に変わります。
可視光線も同じく電磁波ですが消滅ガンマー線はそれよりずっと大きなエネルギーを
もった電磁波で、体の組織を透過することができます。なので、体の外にある検出器
で測定することができ、人体の内部の様子を調べる検査として利用できるのです。
消滅ガンマー線はX線とおなじ電離放射線と呼ばれる電磁波で、体の組織を通過する
ときに、細胞やDNAを傷つける場合があります。これを「放射線被ばく」といいますが、
大量に浴びると、がんが発生しやすくなったりすることもあります。
しかし、PET検査による放射線被ばくは影響が確認されているレベルより(100ミリ
シーベルト)も十分に低いレベルのもので、一般的なPET検査では人が1年間に自然界
で受ける放射線量(2.4ミリシーベルト)と同じ程度(2.2ミリシーベルト)で、
胃のX線検査(4ミリシーベルト)よりも少ない量となっていますので、PET検査を1
~2回受ける程度の影響は心配しなくてもよい程度です。何十回も受けたとすると、
放射線被ばくによる影響を心配することにもなります。
東北大学サイクロトロン・ラジオアイソトープセンター
四月朔日 聖一