東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

科学研究費、危機管理、迅速対応・・・・ (4/10, 4/11一部改変)

2011年4月10日 (日)

 震災であろうと、天災であろうと、人災であろうと、時は無情に流れていく。その中でも研究者としての誉れであり、この震災を乗り切り、研究室を運営する研究資金であるのは、科学研究費(科研費)である。今年度は、若手研究(S)という項目の5年間の研究の4年目になります。まとめるという時期でもあります。5年のプロジェクトの多くというか、ほとんどで中間評価というのを受けます。ちょうど、3年目が終わろうとした時期の、3月の終わりに。。。そうした中間報告が来るであろうと言うことは伺っていて、いつなのかと思っていたとき、3/11(金)を向かえてしまい、何の対策もできてなかったのでした。仙台での日本植物生理学会の開催など、様々な案件があり、その対策は不十分などころか、震災で頭の中からぬけていました。心に余裕があれば、昨年度の形式をdownloadして、対策くらいと思うのでしたが。。それを忘れさせるような「大震災」でした。。。。

DSCN4651.JPG そんな報告書に対して、サポートいただけるのは、研究を支えてくださる一連の研究チームでした。そうした危機管理が不十分な中で、サポートいただける、チームの皆さんに本当に感謝をと思う、今日この頃です。チームの1つ1つのピースが相互に連携して、サポートしあっていただいていることが、本当にこの研究を良いものにして、良い研究体制が構築できているのだなと、実感しました。また、チームメンバーの「迅速対応」という点も、感動ものでした。数日前の最大規模の余震の翌日でも、午前で片付けをして、午後一番で掃除をして、すぐにそれなりのことができる体制が構築できたのである。

 危機管理、迅速対応という点では、この1ヶ月の新聞記事で、驚くような記事があった。とある企業であったような気がするが、震災があったあと、30minでどの部署で何がどうなっていてどこにどんな対応をすることが重要で、それを粛々と進めたというのを見つけて驚いた。うちの研究室では、こうはいかないが、少しでも近づけたい。ただ、こうした迅速対応というのは、先の科学研究費でも同様に対応が求められている。つまり、実験、研究ではうまくいかないということがよくある。そうしたとき、どうやって乗り越えるのか、自分の研究室だけで対応できるのか、コラボでどこかの研究室との対応なのか、あるいは、どこかにアウトソースするのか。そうした決断は、植物というどうしてもその生長に依存して、また、花という、生長の中でも最後のステージまで行かないと、何もできない領域を研究しているものとして、いろいろと考えさせられる、「大震災」でした。


 わたなべしるす

 PS. 震災から、あと少しで1ヶ月、。未だ、福島原発がどこに行くのか、不透明です。。。。RI世代でなく、no-RIで実験をした世代と言うこともあって、。。週明けには、SSH, 科学者の卵でお世話になっている、福島高校に伺う予定です。結果については、またお知らせします。。。。。


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