東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

2012年6月の記事です。

【出前講義】埼玉県立浦和第一女子高等学校・科学者の卵エクステンドコース講義・実験「高等植物における受粉反応の観察、その2」とSSHとの連携(6/29)

2012年6月30日 (土)

 昨年までの3年間の「科学者の卵養成講座」が、今年度から、次世代型「科学者の卵養成講座」として継続。昨年度の発展コースの受講生から、エクステンドコースへのというのも、何とか継続。。。受講生からの希望などの調整もあり、この時期からの開始となりました。渡辺が担当するのは、昨年に引き続き、埼玉県立浦和第一女子高等学校の3名の生徒さんたち。今年度も受験生である、3年生での受講。受験生ということを考えると、頭が下がります。

DSCN2987.JPG 受粉反応の観察は、いろいろなやり方があるのかもしれないですが、渡辺の研究室で一般的に行っている、受粉しためしべをovernightで放置して、寒天にさして。翌日に、アルカリ、アニリンブルー染色をするというもの。夏も近くなり、たくさんの種類の花を見つけることもできるのかもしれないですが、今の時期はちょうど梅雨。そんなこともあり、実験道具と数種類の花を持ち込んでの、実験手法の伝授になりました。花粉をかけるところは、実習して、そのあとの染色、観察するスライドグラス作成は、最後の包埋のところだけ。最近の花は品種改良が進み、雌しべ、おしべが変化したような、八重咲きのものもあれば、。。という感じで、まずは、おしべと雌しべの識別から。翌日は、土曜日なのですが、授業もあるとか。。。やっぱり、土曜日、半ドンがよいなと。放課後には、包埋の作業をということでした。夏休みまでに実験をして、スライドグラスの観察で、渡辺の研究室に来てください。楽しみにしております。

 渡辺の担当ではありませんが、工学部の安藤先生が指導される生徒さんとも、「プラズマ」というテーマで何ができるのか、他領域との融合など、議論の時間がとれました。ありがとうございました。よりよい形で、こちらも進んでくれればと思います。

DSCN2984.JPG 最後に、昨年来訪問するたびにお世話になっている、生物の菅野先生と秋に向けてのSSHとの連携というか、出前講義での訪問のことなども、打ち合わせできたのは、何よりでした。不思議なひとのつながりについても、ひとしきり話ができ、また、実験室に入ってきた「ハチ」のような昆虫の採集の技も拝見でき。感動ものでした。さらに、今月末に予定している、東北大のオープンキャンパスで、希望者を募って、渡辺の研究室にも来て頂けるとか。ありがとうございました。


 わたなべしるす


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シナノキのつづき

2012年6月29日 (金)

先日ダイアリーに書いたシナノキの観察を、今朝も行いました。(先週の金曜日は開校記念日でお休みだったため、観察できず、もう種が出来て、落ちてしまっているのではないかと少々不安に思っていました。。)

今朝の状態はというと、、、
祝☆開花!

DSC02088.JPG写真のような、"弾ける形"の花をつけていました。木全体を見ても、開花している花が多く、まさに、開花ラッシュかと思いきや、、、

よく見ると、雄しべはカラカラに乾燥していて、開花ラッシュ後であったということが分かりました。もっとよく花を見てみると~、、、雄しべが多い!ことにも気付きました。それがこの花を"弾ける形"に見せる要因なのです。

詳しく観察したくなったので、新しい1つの命の可能性を奪ってごめんなさい!と思いながら、花をとり、観察することにしました。

DSC02091.JPGすると、

DSC02093.JPG
がく 5つ
花びら 5枚

見慣れたアブラナより、1つずつ多い。。

注目の雄しべは、、,

DSC02095.JPG30本!

アブラナ
雄しべ:雌しべ=6:1
と比較すると、

シナノキの
雄しべ:雌しべ=30:1
は、かなりの一妻多夫と言えると思います。
 
この構造、サクラと似てるかも!と思い調べてみると、
 
分類は、
シナノキ-アオイ目
サクラ-バラ目
アブラナ-アブラナ目
であり、
 
アオイ目はバラ目よりも、アブラナ目に近いということが分かりました。見た目と分類は違うのか、、、と、、、なぞは、深まるばかりです。また、シナノキの花を手で分解をするのは、想像以上に大変でした。
 
人間による作業の不可能を可能にする、ピンセットの発展を、とてもありがたく思った早坂でした。




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新学術領域研究「ゲノム・遺伝子相関」班会議

2012年6月27日 (水)

今日の仙台は最高気温20℃という予報だったので、27℃近くあった関西との温度差が気になっていましたが、

仙台に着いてみると日差しが強く、日中は半そでがちょうどよいくらいの天気でした。

 

先日の日記にも書いてありましたとおり、各人の実験などでメンバーのほとんどが出張していました。

その中で、新学術領域「ゲノム・遺伝子相関」の班会議にも参加してきましたので、

このことについて報告したいと思います。

 

この班会議は、「メルパルク京都」で開催されました。

  P6270589.JPGのサムネール画像

30もの計画班・公募班による研究のバックグラウンド、研究方針・抱負を聞くことができました。

植物に関することだけでなく、マウスやトゲウオなど動物に関する内容、

また、病原菌に関することなど、普段はなかなか聞くことのできない

様々な分野の研究のお話を聞くことができ、とても勉強になりました。

 

また、自分の研究についても三重大の諏訪部先生とお話をすることができ、とても充実した時間を過ごすことができました。

 

会場は京都駅に隣接していたのですが、京都駅の広さには驚きました!

駅の目の前にある京都タワーも立派でした。

 

P6260582.JPGのサムネール画像    P6270588.JPGのサムネール画像

また、駅の展望デッキにはアジサイが。

P6270592.JPG

仙台では咲き始めたばかりのアジサイ。

先日の日記にもあったように、アジサイは成熟するにしたがって濃い色になるとのこと。

京都でははっきりとした色のアジサイを見ることができました。

 

この前梅雨に入ったばかりと思っていましたが、あっという間に梅雨が過ぎ、

夏がやってくるんだろうなぁ・・・と感じました。

たくさんの研究について知り、自分も頑張ろう!と、モチベーションも上がったので、

今やるべきことをコツコツと、頑張っていきたいと思います。

 

M1 曽根

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ほとんど出張中です

2012年6月26日 (火)

渡辺グループは今週の前半、渡辺先生以下メンバーのほとんどが出張中です。

各人の実験や、新学術領域"ゲノム・遺伝子相関"の班会議等にも参加しているためです。

ご迷惑おかけ致しますが、よろしくお願いいたします。

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という訳で、静かな実験室で顕微鏡を見たり、温室に水やりしにいって過ごしてます。

お留守番部隊の増子です。

温室の隣にはアジサイが植わっている花壇があるので、水やりついでにM2古武城さんと観察に行ってきました。

アジサイは学名Hydrangeaと言い、"水の容器"という意味のラテン語だそうです。

学名からして梅雨っぽいですよね。

久々に見に行ってみると、沢山の花が咲き始めていましたよ!

開花直後の花は葉緑体の緑があるので薄い緑ですが、

DSC01400

日を追うに従って、アントシアニンの一種であるデルフィニジンが蓄積、

DSC01399

補助色素と各種金属イオン、pH(土壌由来・アルカリ性)のため青色になります。

DSC01402

最終的には花の成熟に伴う有機酸の蓄積により、pHが酸性に傾き赤色に変化します。

美味しそうだなー、と思っても食べちゃダメです。

アジサイには毒があり、場合によっては死に至るケースもあるそうです。

毒の種類は違えど、スズラン等と同じですね。気をつけなはれや!

 

アブラナ・春シーズンも終わり、梅雨を抜けるとイネシーズンが近づいてきます。

もう7月ですねー。体調に気を付けて、夏を迎えたいです。

 

増子

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道草、時間、注意力(6/26)

2012年6月26日 (火)

 出前講義で「キャリア教育」を講義するとき、小学校の頃の「道草」について話をする。季節折々でいろいろな道草があった。春から夏にかけては、できることがたくさんあった。自然の中で。春先には、「カラスノエンドウ」を使ってのマメ笛。これは道ばたの雑草。田植え前には、むぎぶえ。ムギはもちろん、農作物。今考えても、よくないことだと思うが。。でも、カラスノエンドウのマメ笛より、むぎぶえのほうがずいぶんと難しかったような。。。今日の新聞に「桑の実」をみつけた。食べると、いろいろなものが紫に。食べるとすぐばれる。自宅に帰ってから。。。。イネが出穂、開花すると、そのうち中がふくらんでくる。つぶしたら、どうなるのか。。中から、白い液状のもの。大学の作物の講義で、デンプンが固まる前の時期に「糊熟期」というのがあると。あれのことなんだ。。他にも、道草ではたくさんのことをやった。王冠を靴の下に置いて引きずる。冬の暖には欠かせない。何のことはない、「摩擦熱」。花の蜜の甘さ。じゃんけんをしての鞄持ち。今にして思えば、道草で学んだというか、拾ったというか、そんなことはたくさんあったような気がする。

DSCN2968.JPG 今、道草をするというのは、「安全」等の面で、無理があるようである。また、そんな時間もないのかもしれない。ただ、詰め込み教育といわれた時代だったから、道草くらいだったのかもしれない。そう考えれば、今でも時間はあるのかもしれないが、道草をして、少しきょろきょろしてみると、意外なものを見つけることがある。逆に言えば、きょろきょろしているから、危ないことに気がつくこともある。どこかの軒先にアシナガバチの小さな巣を見つけたり。時間は誰にも平等に流れる、「物理量」なのかもしれないが、そうは思えないこともある。最近はどうも1日が短い気がする。

 やっぱり、年をとったのかもしれない。十分に注意してきょろきょろしているつもりが。安全が担保されてないことも。あれと思うが、。。。年といえば、それまでかもしれないが、きょろきょろすることで、見えないものが見えたり、おもしろいものをふと見つけたり。少しでも時間を見つけて、少しの道草で、高い注意力を発揮できれば、今まで見えないものが、見える形になるのではと思う今日この頃である。

 そういえば、来月の東北大・サイエンスカフェ・「エンジョイDNA~よくわかる遺伝子組み換え植物~」ということで、農学部の鳥山先生(通称・トリキンさん)が、お話しを。ひさしぶりにみちくさでもしてみようかなと。。。


 わたなべしるす

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