今回のプロジェクトは、文理融合でアブラナ科植物をモデルとして、その伝播、栽培、食文化史を理解しようという試み。理系というか、農学的には、どの様に起源地から日本にアブラナ科植物、作物が伝播し、その過程でどの様に栽培化され、その鍵となった遺伝子は何なのか。一方、文系的には、古文書などにアブラナ科作物などの栽培の記録があり、また、博物館などに植物標本がないかなど、両方の興味が融合すれば、新しいものが見えるのではということで始まったものです。
代表を務められている大谷大・文学部の武田先生から文系サイドから見たコンセプトと調査内容、参加者の紹介など。また、分担を仰せつかっている渡辺から理系側の考えていること、また、アブラナ科植物、作物の多様性などを。特別講師として、山形県園試の五十鈴川先生から山形県内のアブラナ科野菜の多様性、保存状態、そこから見える問題点について情報提供。さらに、昨年3月までゲノム継承の准教授をされていた佐藤先生から「イネ」をモデルとした海外での調査に関するポイントを整理して、情報提供頂きました。ありがとうございました。文理融合で議論が盛り上がらないのではと、危惧していましたが、その両方をカバーできる先生方もいらっしゃり、最初の会議としては、スムーズだったかと。
29日(日)には、山形県立博物館での植物標本の見学。100年近く前のシロイヌナズナの標本を見ることができたり、アブラナ科植物の多くの標本を。こ うして保存するのかという点とこうしたものを活用して、さらなる研究ができないかと。参加したの先生方、博物館の方々とdeepな議論ができました。これ からの4年の調査に向けて、最初の一歩を踏み出せたと思います。ありがとうございました。
わたなべしるす
PS. 山形県園試の五十鈴川先生には、新しいサクランボ品種、育種母本となる多様なサクランボを会議の甘味として、提供頂きました。ありがとうございました。
PS.のPS. 博物館に高畠町の「日向洞穴」の写真を見つけました。大学院生の頃に、日向先生と一緒に小国町にサンプリングに行った帰り道に「日向洞穴」を見つけて、名前が名前だったので、一緒に行った院生、日向先生と一緒にここを訪問して、この前で写真を撮ったのを思い出しました。20年以上前のこと。。。こんなところでまた、出会うことになるとは。。。