東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

2013年7月の記事です。

【研究室訪問】オープンキャンパスに伴う埼玉県立浦和第一女子高等学校、秋田県立秋田南高等学校、来訪(7/30-31)

2013年7月31日 (水)

 6/27にお知らせしたとおり、7/30-31は、本学のオープンキャンパスでした。ここ1週間ほどぐずついた天気で、2日とも小雨模様で。。オープンキャンパスで来られた高校生の皆さんには足下など、大変だったのではないでしょうか。朝、labに来るスタッフの方が、青葉山にたくさんのバスが上がっていたということも伺ったり。。。こんな天気でしたが、2校の研究室訪問がありました。

 7/31の午前中は、昨年に続いて、秋田県立秋田南高等学校の生徒さんたちと遠藤先生。遠藤先生には、出前講義科学者の卵養成講座で毎年お世話になっております。遠藤先生は、この生命科学研究科で学位を取られた方になります。今年は15名の3年生が見学に来てくれました。同じ秋田県で高校は違いますが、田口さんがいらしたので、彼女がちょうど、古川農試でのサンプリングと重なったので、10min間の質問タイム。やっぱり世代が近い分、入試対策等、たくさんの質問がありました。同郷の方というのは、やっぱりよいものだと思いました。

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DSCN7093.JPG そのあと、渡辺の方で、研究室、ガラス室の案内と思っていたのですが、このあとの菅野先生とoverlapしたので、曽根さんにお願いして。。。研究室内の実験装置、外のガラス室などを案内して頂きました。戻られてから、大学に入ってからはというか、その先は、いろいろなことを自分で決める。ということの大切さなどを話して、最後は、いつものように集合写真。植物、遺伝学に興味があるという方もいらっしゃいました。ぜひ、東北大にきて、渡辺の研究室で一緒に研究ができればと思います。楽しみにしております。

DSCN7095.JPG それと前後して、埼玉県立浦和第一女子高等学校の菅野先生がいらっしゃいました。科学者の卵養成講座SSHなどでお世話になっており、渡辺の10級上の農学部農学科の先輩に当たる方です。菅野先生が所属されていたのは、当時の研究室名では、害虫学研究室で、松田先生がいらっしゃいました。松田先生には、渡辺も講義と実験を教えて頂きましたし、変な虫を捕まえては、分類して頂きました。そんな松田先生を感じさせてくれる先生で、仙台にご実家があるということで、このタイミングでいらして頂きました。菅野先生が農学部にいらした頃は、ここの建物は、まだ、大学の附置研で、農学研究所と呼ばれていた時代。その頃から比べたら、改修工事もあり、明るい雰囲気になったのでは。。見学では研究室と温室を見て頂き、農学部とは少し違うかもしれないですが、あまり変わらないイメージを持って頂いたのではと思います。ここでも、温室の説明は曽根さんにお願いして。。。アルバイトをしてくれている、藤田さん丸岡さんは菅野先生のお弟子さん。藤田さんは都合が付かなかったのですが、丸岡さんは、いらしてくれて。。曽根さんと一緒に外の案内をお願いして。。。ずいぶん昔の農学部の話で盛り上がることができたり、秋にSSHの課題研究の指導できてほしいというようなリクエストも頂きました。また、秋が楽しみになりました。

DSCN7096.JPG 天候がよくなかったとはいえ、こうして2校の方々が研究室訪問頂いたのは、うれしい限りです。ありがとうございました。また、SSH、科学者の卵養成講座でお世話になれればと思います。また、研究室の案内を手伝ってもらった、曽根さん田口さんアルバイトの丸岡さん、ありがとうございました。また、来年も多くの高校生にきて頂ければと思います。


 わたなべしるす


 PS. 午後からは、番外編という訳ではないですが、科学者の卵養成講座を工学部でお手伝い頂いている白戸さんらがいらっしゃいました。小学生の夏休みの自由研究の相談をされたあと、研究室見学、ガラス室の見学をされて、大学って、こんなところなのだと、小学生の方にはすこし理科の楽しさも理解頂けたのではと。。。。科学者の卵養成講座というつながりで、こうしたことができたのも、うれしい限りです。ありがとうございました。

DSCN7097.JPG 外では夕方になり、セミの鳴き声が聞こえるようになりました。ようやく。梅雨も明けないですが。。前にも書いたことがあるかもしれないですが、この季節 からヒグラシが鳴いているのは、四国で子供時代を過ごした渡辺には、夏の終わりという感じで。。。早く、夏休みの宿題を残さずやらないといけないと。。。 そんな気分になる夕方でした。

 PS.のPS. 昨日、学会からのお知らせの中に、「平成26年度みどりの学術賞候補者の推薦」というのが。。。そんなのを頂けるような業績でもないので。。。と思って文章を読んでいたら、平成24年度(第6回)に琉球大学名誉教授・新城長有先生が受賞されていたというのが、ありました。渡辺が出前講義等で話しているのですが、高校3年生の時、高校の地理の時間に、何故か、NHK特集「謎のコメが日本を狙う」という番組を見て、遺伝学、育種学のすごさに感動して、農学部農学科に行くことを決めたきっかけになる番組でした。その中で、hybrid riceのことを説明されていたのが、琉球大・農学部・教授の新城先生。その後、遺伝研の研究集会で招待されて、自家不和合性の話をして、先生のテレビを見て、今の自分があるんですと話をしたら。。。あの番組見てですかと。。照れながら話しをされているのを、昨日のように思い出しました。

読書のススメ(東北大・渡辺)-本の表紙.jpg こんなお知らせが、次の世代を教育するというか、アウトリーチ活動のことの時に、飛び込んできたのも、何かのご縁かなと。というより、受賞された時に、きちんとしたことができなかったことを、今さらのように、悔やんでいる自分がいたのも事実でした。。

 なお、hybrid riceの現状と新城先生のことについては、東北大農学部の鳥山先生が最近日本語の抄録を書かれておりますので、それを参照頂ければと思います。その中にも「謎のコメが日本を狙う」のことが記されておりました。

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個の力、共生、歴史(7/29)

2013年7月29日 (月)

 サッカーを見ていると、チーム力と個の力というのをいわれる。サッカーは見ているだけでやったこともないので、いわゆる、外野からのコメントにしかならないが。。。ただ、どんな局面でも、チーム力と個の力のバランスは難しい。局所的に個の力が上がっても、全体のチーム力が上がる訳ではない。ただ、ある場面を突破できると、全体として、大きく飛躍できることが研究でもある。何といわれると難しいが、たしかにある。ただ、個の力というのは、周りを見ながら、発揮できれば、チーム力とうまく相互作用できるように思うが、そう簡単ではない。もちろん、個の力を上げるために、個人として、修行というか、個としてがんばることも必要であろう。そうした両者の絶妙なバランスがとれて、組織力が上昇するように思う。

DSCN6430.JPG チーム力と個の力のバランスというわけではないが、2つの異なるものがpositiveに相互作用しているのが、共生であろう。どちらが得する訳でなく、両者が。。。その意味で、バランスが重要である。共生というと、マメ科作物と根瘤菌を思い出す。農学部農学科の出身だからだろう。マメ科のダイズなどにあまり窒素肥料を施肥すると、かえって収量が下がるとか、習ったような気がする。作物の時間か、土壌学か、植物栄養か。。。どれもそうだったような。。。共生というのは、いろいろなところにあるだろうが、「サンゴ」と「褐虫藻」というのも、そうらしい。サンゴのゲノムが解明されたというのは、少し前に見たことがあったが、「褐虫藻」のゲノム解読は、最近らしい。ゲノムがあけば、すぐに全部がという訳にはいかないかもしれないが、出も、近い将来、サンゴが絶滅に瀕しているということへの福音になるのではないだろうか。もちろん、サンゴと褐虫藻という以外の共生に対しても、これまでとは違ったsuggestionができるのではないかと。。。そんな、異なるゲノム間の相互作用、そういえば、渡辺自身が分担で入っている科研費・新学術領域研究「ゲノム・遺伝子相関」。これに対しても、よい発想ができるのではと。。。ちゃんと考えないといけないと、改めて思わされた。

 バランスをとるというのは、難しい。一定の時間が必要になる。細胞の中に、ミトコンドリア、葉緑体が取り込まれて安定するのに、どれくらいの時間がたったのであろうか。核の遺伝子との間で、やりとりがあって、今に至っている。細胞の長い歴史があって、ここまで来たのである。この歴史の最初を見るのは、ちょっとできそうにもない。ただ、その名残は、何らかの形で見えるのであろう。(なにかといわれると。。。専門外なので。。。お許し下さい。)。。。歴史という時間軸から見た時、今やっている教育がどうなるかというのは、ずいぶん後にならないと評価がわからない。ただ、歴史は繰り返すではないが、昔こんなことをやっていたので、だから、今の状況を考えて、これならよいのではというのは、歴史だけ出なくて、実験、研究をやっていてもよくある。その意味では、昔のことを思い出すのは、よいことなのかもしれない。今年は、上野駅ができてから130年。最初に仙台に来た時、東京で新幹線を降りて、山手線で上野まで、そこから、新幹線リレー号で大宮へ。そのあと、東北新幹線で仙台だった。上野駅には、東京駅とは違った趣があった。そんな昔のことを思い出して、新しいことを始めることにしようとおもわせてくれる記事であった。

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 わたなべしるす

 PS. あしたから、大学では、オープンキャンパス。片平には、学部がないので、静かなものであろうが、オープンキャンパスのついでに研究室見学というなら、ぜひに。前にも、HPにも書いておきましたが、7/31の午前中が2件の来客がありますが、それ以外は、freeですので。お待ちしております。今からでも、キャンパスでなくて、研究室の中を見学できますので。

 PS.のPS. 仙台の金曜日の雨もすごかったですが、今日は北陸地方がすごいことに。出前講義でお世話になっている小松高校の近くの川が氾濫しそうとか。。。何事もないことを仙台からは祈るのみです。。。。

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【基礎ゼミ113】農学・西谷経過報告(64)

2013年7月27日 (土)

 こんにちは。農学部の西谷滉です。私はミニニンジン「ピッコロ」小玉スイカ「紅しずく」を育てています。早速ですが、ミニニンジンの収穫をしたので報告します。以下の写真は株の写真と収穫したニンジンの写真です。

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DSC_0126.jpg 地表面にニンジンらしい色が見える株を期待して抜いてみたところ、あまりに小さかったので、残り半分はまた後日収穫することにしました。素焼き鉢のニンジンは調子が悪く、結局収穫まで何とかこぎ着けたのは、プランターの株だけとなってしまいました。また、小玉スイカはつるがのび、立派な株になってきていますが、未だに花が一つも咲きません。咲いたときにまた報告したいと思います。

 土が硬かったのか、下までのびきれないニンジンとなりましたが、収穫できてよかったです。基礎ゼミは一応終わりましたが、他の方々の実もの根もの野菜も、収穫期に入ってきていると思うので、ぜひ見てみたいと思います。

 以上、長くなりましたが、報告を終わります。

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渡辺コメント

 農学・西谷さん、報告ありがとうございます。7/3の報告以来ですね。試験期間中なのに、ありがとうございました。7月に入って、最初の頃は暑い日もありましたが、最近は、涼しいを通り越して、寒い日もあって、植物の管理も大変なのではでしょうか。確か、部屋の中での管理だったような。。。。長雨があたらないのは、よかったと思います。ニンジン、元々、短い根っこものなので、予定より半分くらいと言うことではないでしょうか。根っこの長さでなくて、太さは品種のpotentialくらいだと思いますよ。根っこが曲がっているのは、培土の中に、石ころでもあったのでしょうか。よくなりますね。こうした根っこの曲がりは、。。。ぜひ、これを料理して、食べた感想もお願いします。また、残りのものを収穫したときにも。楽しみにしています。そういえば、ニンジンを栽培していたのは数人いたと思いますが、初めての収穫ではないでしょうか。何よりですね。

 スイカの花が咲かないのが心配ですね。ぼちぼち、雄花は咲いてよい時期だと思うのですが。たぶん、ここ最近涼しいのが影響しているような気がします。もう少し観察をしてみてください。

 西谷さんのコメントにあるように、他の皆さんどうなっているでしょうか。試験で今は忙しいと思いますが、落ち着いたら、植物の変化、食した感想などお知らせ下さい。welcomeですので。


 わたなべしるす
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心頭滅却すれば。。。。@古川農試(7/26)

2013年7月26日 (金)

 春には、アブラナの花のサンプリング、交配などで、農繁期がありますが、もう一つの材料のイネはまさにこの時期に幼穂形成がおきて、出穂、受粉、受精が起こり、種子というか、コメができます。ので、この時期も農繁期に突入という。。

DSCN7081.JPG 材料はいろいろなところと共同研究をしており、その1つが、宮城県古川農試毎年、サンプリングに出かけています。人手が足りないこの時期ということもあり、担当のM1・田口さんと渡辺で。。。午前中は、普通の雨降りでしたので、まあ、たいしたことはないだろうと思っていたら、labを出る頃には、ゲリラ豪雨の始まり。。。えええ。と思いながら。ただ、雨雲は西から東に、日本気象協会のHPだと、雨雲は仙台より南より。。。なので、北にある古川ならと思ったのが、甘かったです。。。古川に着くまでも、前が見えなくなるくらい。。。試験場に着いたら、小雨に。。。やっぱり、サンプリグは普通にできるのだと。。

 試験場の方に場所の確認を頂き、いざ、サンプリング。半分終わった頃には、これで無事戻れると思ったのですが、それが甘かったです。。。雨雲は思ったより北東方向に流れたようで。。。あっという間に「ぬれねずみ」。。水田に落ちた訳でもないです。。。もちろん。。そんな中で、心頭滅却すれば。。。ゲリラ豪雨もなんとか。。。というくらい。本当にすごい雨でしたが、県南では、それよりもっとすごかったようです。。。

DSCN7084.JPG いずれ、サンプルは手中に。。。来週から、本格的な農繁期が始まりそうです。。。ということで、サンプルの状態確認に多忙なM1の田口さんにかわって。。。試練と修練の半日でした。ありがとうございました。


 わたなべしるす

 PS. こんな写真しかないのは、もちろん、雨がすごすぎな関係です。。。。


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【出前講義】夏休み大学探検2013(第12回サイエンス・スクール)「花を解剖してみよう」(7/25)

2013年7月25日 (木)

 6/26にお知らせしたとおり、夏休み大学探検2013「花を解剖してみよう」ということで、公募したところ、7名の生徒さんたちが参加してくれました。(当日、都合が付かないということで、1名欠席の6名で実施しました。)。先端研究というのであれば、遺伝子の並びを決めたり、遺伝子を増幅したりできます。ただ、それらは機械がやってくれ、その中身を理解することも大事かもしれないですが、今の中学生が、大学、大学院、研究者などになる頃には、自動でできるかもしれないです。ただ、2つの異なるものの違いを観察すること。もちろん、最近、様々な計測器がありますが、人間の五感を総動員したようなものではありません。そう考えた時、観察することはとても大事です。何より、昔であれば、いたずらというと怒られるかもしれないですが、学校の帰り道で、花をばらばらにしたり、いろいろな悪さをしていました。そういう意味での。。。花をとって蜜を吸ったり。。。ところが、そうした環境ではだんだんなくなってきたこともあって。。そこで、今回の自習では、いろいろな花を解剖して、それを観察する。もちろん、花の基本的なところも理解できるし、花の多様性も。。。また、これを応用すれば、ものを壊してみるということでいろいろなことが理解できるということにつながるのではということで。こうした企画をしてみました。

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DSCN7057.JPG 最初に、市教委の田原様より、このプログラムの趣旨・日程説明を頂きました。2002年に東北大・工学部卒業の田中耕一先生がノーベル化学賞を受賞されたのをきっかけとして、市教委と東北大のこうしたコラボというかアウトリーチ活動が始まったのだそうです。渡辺も初めて知って、あのときのニュースの場面を思い出しました。そのあと、こちらから、上記のようなこの講座の意義と簡単なきょうの実習の説明を。。。。。。それに続いて、花を分けて、細かく観察したり、それを簡易標本として、加工したり。。。初めてこうした細かな作業をしたこともあり、とても熱心に活動していました。また、簡易的なプレパラートを作って、顕微鏡でもっと拡大して。。。顕微鏡も中学校にあるようなものでなく、大学にしかないようなものも使ってもらって。。。今まで見過ごしていたような花の不思議な世界が見えたのではないでしょうか。

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DSCN7070.JPG 実験だけでもよかったのですが、せっかく大学探検となっているので、最後に、研究室など、大学の設備、施設も見学してもらいたかったのですが、時間的なこともあって。。。顕微鏡観察をする時に少し説明した程度で、。。。大学に行ってサイエンスをしたいなという気持ちになったのではと思います。ぜひ、今回のことで花に興味を持って、将来、渡辺の研究室で、一緒に遺伝学の研究ができればと思います。今から楽しみです。

 修了式では、受講生から一言ずつ、挨拶を頂き、こちらから今回のことを通じて、観察するこの大切さを理解してもらって、とてもうれしいと。。また、本来なら、修了証をと思ったのですが、時間の関係で、間に合わなかったので、それに変わるものということで。。あと、今日の実習での写真、顕微鏡写真を入れたCD-Rをお渡しして、無事、終了となりました。

DSCN7080.JPG 最後になりましたが、本企画を頂きました、仙台市教育委員会・清野様、田原様、高橋様をはじめとする関係の方々に、お礼申し上げます。次年度以降も、同じようなテーマかもしれないですが、また、コラボできればと思います。また、研究室の増子さん、伊藤さんには、準備から配付資料、顕微鏡観察のお手伝いまで頂きました。ありがとうございました。

DSCN7050.JPG わたなべしする

 PS. 参加してくれた生徒さんの中に、七北田小学校のNSPで講義をしていた方も。中学生になって、また違った形ですが、参加してもらったのは、うれしい限りです。おまけに、最後に夏休みの宿題ということもあったようですが、「科学者・教授」についての取材も受けました。ありがとうございました。先日の仙台二華中の「スタディツアー」研究室訪問に続けてです。また、こうした出前講義をした方々と、どこかでお会いできるのを楽しみにして。。

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