東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

【出前講義】愛媛県立松山南高等学校SSH研究指導「ダイコン雑種の遺伝性と多様性実験」(9/26)

2011年9月26日 (月)

 1年半ほど前の5月の連休に、コアSSH・ダイコンコンソーシアムとのコラボもあり、キャベツ・ブロッコリーの雑種解析等の指導で、松山南高等学校におじゃまして以来です。あの時は、連休中であるにもかかわらず、指導している田中先生をはじめ、多くの生徒さんが、交配、形態観察などを活発にやられており、遺伝学実験を行う上での時機を逸しないことの大切さを理解されてやっていることに感動したのを思い出します。その後、鹿児島・錦江湾高校でのコアSSHの全国大会などでも数回お会いし、また、mailなどでも指導してきましたが、今回、久しぶりに現場を見ながらの指導となりました。耐震工事があり、よい土壌になった畑地が移動していたのは、少々残念でした。。。

 最初に伺った頃には、アブラナ科作物のBrassica oleraceaに分類される、キャベツ、ブロッコリーなどを実験に使われていましたが、このところは、ダイコンも使われ、遺伝学実験に加えて、耐塩性などの生理実験も開始しており、実験の幅も広がっていたのは、興味深い点でした。なにより、課題研究をやっている生徒さんが、楽しそうに実験をしているのが、よいことではないかと思いました。耐塩性に加えて、形態変化を調査している生徒さんと議論をでき、自分たちの実験に問題点を考えており、それを自己表現できることはすばらしいことです。また、栽培実験の方も十分に行って、その大変さを理解しつつ、成長に伴う形態変化も十分観察してください。そうすることが、さらなる発展につながると思います。不明なことがあれば、また、ご相談ください。

DSCN1247.JPG 最後には、東北大の受験を希望しているという生徒さんと、大学、学部、学科、仙台の町の復興状況などを議論でき、愛媛県からの東北大の受験生が来るというのは、何とも言えずうれしいことと、20年以上前に、仙台に来たことを思い出しました。がんばってください。次は、仙台でお会いしましょう。

 最後になりましたが、お世話になった、田中先生、清家先生をはじめとする関係の方々にこの場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。今後とも、愛媛県の高等教育において、よい交流ができればと思います。よろしくお願いいたします。

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 わたなべしるす

 PS. 出張の移動中に、おもしろい表現を見つけました。「うまくいくこつは、成功例を見る・参考にするのではなく、失敗例に学ぶ」のだと。確かにそうなのかもしれません。成功例にある特殊なケースでのみ成功することがあるかもしれません。どこにヒントが転がっているのかわからない、そんなことを実感した時間でした。


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