東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

書くこと、見せること、同じこと(1/24)

2013年1月24日 (木)

 大学では今が、卒業に関わる論文作成の時期。今年は3名の修士論文を書いている学生さんが。それぞれベースが異なることもあり、また、まとまった50 page前後のものを仕上げると言うことは、初めてのことだろう。自分が同じ年代だった頃、どうだったか。昔の先輩の論文を見て、アブラナ科植物の自家不和合性の遺伝学の基礎を作ったのは、A. J. Batemanという方なのだなと。。。。もちろん、Nasrallahという、その後、追いかけなくては行けないアメリカの研究者も。。。ただ、これだけまとまったものを書こうとすると、初めてだと結構大変だったのを思い出す。渡辺が卒論を書いた頃から、「一太郎」というワープロが。。。いまや、MS-Wordになって。。。そんな中でも、渡辺は、日本語作成には、未だに、一太郎を使っているのだが。。。ワープロがあっても、それまで書いていたのはレポート程度、。多くても、数ページ。それが、普通の論文のように、緒言、材料および方法、結果、考察、要旨、謝辞、引用文献。それも通常は英語の論文形式を読んでいるので、日本語ではとなると、また別物。もちろん、強者もいて、英語で卒論、修論、博論を書くということも。博論を書く頃には慣れてきているので、多少は可能かもしれないが。。。いずれ、それなりの大作を作るのは、大変なこと。練習をすることはできないので、いきなりぶっつけ本番というのも。。。何より、時間がどれくらいかかるかを考えるのも一苦労。。。今だと、文章を直すのも、ワープロに直接と言うこともでるが、昔は教授の文字の判読から。。。結構読めなくて。考える時間の方が長かったり。そんなことをこの季節になると思い出す。

DSCN5080.JPG 見せることと言うか、プレゼン。昔はあきれるくらいへただった。とある大学の先生に学会でのプレゼンを見て、「大学の講義を聴いているみたい」。。。たぶん、機械がしゃべっているような感じだったのだろうという気がする。さらに、博士論文の発表の時、そのときは、今のようにPower pointなどなく、35mmのスライドを作る。今の学生さんたちにはあまりなじみがないものかもしれないが。。。ただ、卒論の頃は、ほとんど、青バックに白抜き文字のスライドで説明(ジアゾフィルムと言っていたような。。。)。カラースライドを使うなんて、。。夢のまた夢。。。修士論文の頃にようやく、カラースライドを使ってもよくなって。。。ところが、現像に2, 3日かかるので、かなり前から準備をしないと。作り直しになると、とんでもないことに。。博士論文の頃もほぼ、同じ状況。その後に、パソコンで作った画面がスライドになる機械が登場して。。。でも、スライド。ところが、このころから、半日待てば、現像して、スライドになる。というような店舗も登場。おかげでこのあたりになると、頻繁に作り直し。よいことか、悪いことか。。。作るための気合が違うというか。。。それが終わった後に、OHPのシートを使うと言うことになり、今のPower pointでのプレゼンに。。。OHPでも、当日に直すことはできず。。。今のPower pointでのプレゼンでよいのは、プレゼンの直前までプレゼンをいじれること。慣れた先生方は、発表の直前まで修正していたのか、作成していたのか。。。でも、そうなると、プレゼンの練習は。。。練習と言えば、学部生の頃の大学院生は、とても厳しく、ゼミでの発表前後には、延々と練習をさせられて。。。もちろん、終わった後残って、会議室で。。。寂しかったのを思い出す。

DSCN5190.JPG 話を戻して、博士論文の発表の時には、日向先生にこれでもかと言うくらい怒られた。。。。というのを思い出す。博士論文に使った図表をそのまま、撮影して使ったら。。。。「論文で読み物としてみせるものと、プレゼンで、話しながら見せるものは質が違うもの。」、「文字は大きくないと見えない。」、「スライド1枚で1min」。ちょうど、昨年末に書いたプレゼンのことで言われていたようなこと。。。今でも忘れられない。。。そう考えると、時代は変わって、書いたり、プレゼンしたりする道具は、変わったのかもしれないが、書くこと、見せることの本質は同じなのかもしれないというか、同じであろう。それがどれだけ便利に。。。不便になったのか、そのあたりが、よくわからない微妙な不思議な感覚である。。

DSCN5263.JPG わたなべしるす

 PS. とある新聞をめくっていたら、日本人大リーガーがこんなことを。。。「日本選手の武器に、一番は繊細さ。細かいところに気付いて、それを実現できる力がある。」と。確かに手先の器用さは、うちでも共通しているかなと。。。

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