東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

【基礎ゼミ113】野菜・果物を盆栽として育ててみよう-栽培を通して、観察眼を養い、栽培の大変さも理解してみよう-、最終発表会(7/4)

2013年7月 4日 (木)

 4/18にお知らせしたとおり、今年度「基礎ゼミ」を担当し、「野菜・果物を盆栽として育ててみよう-栽培を通して、観察眼を養い、栽培の大変さも理解してみよう-」と言うタイトルで開講しています。今日はその最終発表会。講義の枠としては、もう少しありますが、通常の講義は試験が始まり、プレゼンの準備などをしてもらったり、まとめをするという観点では、このあたりをまとめとするのがタイミング的には。。。また、ちょうど、講義の評価、「基礎ゼミ」全体での発表会のお知らせもできるということもあり、ここで一段落という感じで。。

DSCN6619.JPG 最終発表会の中では、この基礎ゼミで考えてほしい観点について、しっかりと理解してそれを発表してくれたことは、何よりうれしいことでした。まず、前回の発表会での反省を踏まえて、栽培をしっかり見直し、場合によってはやり直しているのは、感動でした。また、それぞれの作物に名前をつけて、愛着をわくようにしている。名前はつけてなくても、愛着がわいて、また、他の作物を作ってみたいというのは、この講義を開講してよかったなと。ただ、愛情の注ぎすぎもよくないという方も。。。確かに、水のやり過ぎにつながったり、するのかもしれないですね。。。よく理解していたと。。。

 また、ちゃんと、どれくらいの経費になるのかを、しっかり計算していて、野菜のありがたみが理解できていて、気候変動で野菜が高騰しても、それを理解する力を持っていたのは、すばらしいです。農家の方々の苦労が、ちゃんと理解できたというのは、講義の目的通りでした。もちろん、現状の計算では不十分なところもあり、収穫まであと1ヶ月というものもありました。もう少しで収穫です。がんばってみましょうと。。。

DSCN6621.JPG 水管理の大切さを理解して、中間発表よりすごく大きくなった方も。すばらしいです。水管理と同じくらい大事なのが、土寄せ。根元をしっかり押さえる、これが結構効果を見せてくれた学生さんもいました。また、植物という、物言わないものを相手にする難しさを理解し、プレゼンしてくれた方も。。。多くの方が理解していたと思います。他のことにもぜひ、このことを活かして下さい。あと、やっぱり、自分で育てているので、かわいい訳です。先に書いたとおり。そうしたら、間引いて、というのが、難しいというのも、わかる気がしました。間引いたものを加工して、ちゃんと食してみる。これも大事なことですね。間引かないと、日当たりが悪くなる、単位面積で育てることができる数も、理解できたのではないかと思います。

 土の問題もありますね。積極的にトライした方は、プランタに別の土をかって、比較検討したり。。。土との相性は、複雑系になるので、結構難しい問題ですが、土壌の成分によって、育ちが違うものもありますね。そのあたりをどの土がどのような影響をするかをきちんと比較検討している学生さんも。よく考えています。

DSCN6625.JPG 対照実験というのは、とても大事です。何に対して、何を比べるのか、対照実験をして、はじめて自分の栽培しているものが、何かわかる訳です。プロの農家の方と経時的に比較する、とても、niceな実験系だと思いました。プロの方の経験というのは、試行錯誤で習得されたものですので、それを自分で身につける大変さも理解できたのでは。。とてもよい経験だったと思います。

 プレゼントいうことは、もちろん、なれてないこともあり、ちゃんとあらかじめ、原稿を用意しているというも、最初は大事なことです。前回も書いたと思いますが、観察ノートをつける。これはどんな実験にも共通して、大事なことです。栽培開始からの日数、背丈など、数字にすると、また、違った側面が見えてくる、これも大事なことです。数字といえば、気温。今年の仙台はずいぶんと寒いというか、涼しかったので、それも、栽培には苦労した要因だと思います。また、そんな気象条件の時、気温だけでなくて、地温を測定するということをして、地温の影響を見ている学生さんも。おもしろい試みだと思います。ずいぶん、たくさんのことに気がつき、トライしてきたことは、これからの、教養、学部での講義など、様々なことで突き当たる問題だったりすると思います。そんなとき、この基礎ゼミを思い出してもらえればと思います。

DSCN6627.JPG もちろん、やり忘れたことがあれば、まだ、間に合います。ぜひ、これから、トライして下さい。講義はこれで終わりかもしれないですが、栽培している夏野菜にとっては、これから本番ですので。

 講義の最後には、「基礎ゼミ」全体での発表会への参加の案内。誰がどうまとめるか等々。当日、渡辺は、宮城県教育センターから、高校の先生向けに講義依頼を受けており、参加することが出来ませんが、すでに2回の発表をこなして、HPにも3回以上の記事をuploadしていることから、すごい成績を上げてくれることを確信しております。それから、まだ、肝心の収穫ということについては、夏野菜というのが多いこともあり、これからです。なので、全員ということでなく、希望者は、最後の収穫まで、HPへの記事の回数は制限を設けることなく、報告してもらうことになりました。また、渡辺の研究室での先行的な栽培についても、合わせて報告して、栽培の見本になればと思います。受講生以外の方々で、この「基礎ゼミ」のコーナーは、いろいろな教育的観点で楽しめ、有効活用できるといって頂いており、もう少し続けることができるのを、こちらもうれしく思っております。もう少し、おつきあい頂ければと思います。


 わたなべしるす

 PS. 講義の後に、ぜひ、「基礎ゼミ成果発表会」に参加したいという受講生とこれからの方向性などを含めて、議論できました。ぜひ、よいプレゼンを作ってください。こちらも楽しみにしておりますので。

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