東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

【出前講義】福島県立新地高等学校・科学部特別講義「アブラナ科植物の自家不和合性」と実験指導(7/16)

2013年7月16日 (火)

 2011/03/11の東日本大震災のあと、相馬、原町方面への常磐線は、部分開通はしているものの、宮城県と福島県の県境がつながっておらず。。。こうした時、震災の爪痕は、まだまだなのだと、思い知らされます。常磐道から、海側には、水田、施設園芸のハウスがたくさんありましたが、震災前には。2年以上たつのに、未だ、復旧してないところもありました。あぜ道に、見たこともないような雑草があるのも。。バスからですので、細かなことは見えないですが。。。仙台市内では、余り工事のトラックなどを見ることはなくなったのですが、こちらでは、まだまだという感じでした。

DSCN6943.JPG 常磐線があったおかげで、相馬高校相馬農業高校への出前講義は、震災以前は、年に1-2回はお邪魔できていましたが、震災後は、県境で切れたままになっており、簡単にいくことができなくなりました。そんな折、その相馬高校に出前講義にお目にかかっていたのが、今回の講義と実験指導のrequestを頂いた、新地高校の高村先生。世の中、狭くできています。

DSCN6955.JPG 講義では、最初に「東北バイオ教育プロジェクト」について、このプロジェクトをサポートしているリバネスさんの方から、植物工場の実験を含めて、概略の説明がありました。ミニ植物工場というか、小さな空調の効いた部屋で「ハツカダイコン」を栽培していました。夏の時期ということもあり、空調があるとはいえ、栽培には少し大変な時期ではないかと。

DSCN6982.JPG これに続いて、ハツカダイコンももちろん、アブラナ科作物。そこで、「アブラナ科植物の自家不和合性」という演題で、自家不和合性を理解するための基礎的なこと、最新のこと。さらに、なぜ、こうした植物の遺伝学の実験、研究を始めたのかというきっかけのようなことをお話ししました。講義のあとは、これまでの実験についての考察。栽培条件を変えて、ダイコンの形態がどうなるか、とてもよく観察していたのは、よいことではないかと。。。これからも様々な条件を検討してみて下さい。市販のものに近いものはきっとできますので。

DSCN6983.JPG  最後になりましたが、新地高校・高村先生をはじめとする関係の先生方に、この場を借りてお礼申し上げます。また、今回の講義をmediate頂きました、リバネス・宮内様をはじめとする関係のみなさまにもお礼申し上げます。ありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。


 わたなべしるす

 PS. 写真には撮ることができませんでしたが、新地町役場の近くで、震災の時に、ここまで津波が来ましたという看板が。。。国道6号線のところでした。海に近いところであるとはいえ、こんなところまでとは。。。。

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