東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

理想と現実、破壊と創造、消えゆくもの。。(11/7)

2013年11月 7日 (木)

 「理想」というのは誰しも持っていて、こんなことをしたいとか、この論文はここに載せたいとか。将来はこんなでありたいとか。。。ただ、その理想を達成するためには、様々なハードルがあり、その理想を達成できず、「現実」という大きな壁にぶち当たることはたくさんある。自分を振り返っても、小学校の書道の時間だったと思う「完璧」という文字を書いて、部屋に張っていた。「キズのない玉」というのを意味したのが、すごいと思ったからだったような。当時、草野球というか、そんなことをしていれば、ボールはすぐに傷が付くのに。。。そんなことがあるのかと。。だから、完璧なのだと。。。そう思っていたが、大学入試の時に「現実」を知ったというか、高校に入った時に、難しくなった勉強に「現実」を見たような気がする。もちろん、今でも研究をしていて、理想と現実のギャップには、悩まされる。年をとると、すぐに何かをするという機動力がどうも不足してくる。。。何とか少しずつでもと、前進を試みることが「理想」に近づくことと思って。。。もちろん、目の前の現実を直視するのを忘れないようにして。。。

DSCN5814.JPG そんな意味で、今ある現実を破壊して、新しいものを創造すること(スクラップアンドビルド)で、局面を打開できることはあるかもしれない。今日から、将棋竜王戦・第3局。第2局と先手、後手と入れ替わっているが、途中まで同じ展開だったとか。。。もちろん、途中から必殺のこれという手を研究しているからこそ、同じ展開をして、どこかでそれを破壊し、創造していくことができるのであろう。研究でも、最初の頃は遺伝子発現を調べるのは、Northern blotという、mRNAを電気泳動し、膜に転写し、それを検出していた。すごい時間がかかったし、一度に検出できる遺伝子数は1つであった。それが、microarrayの登場により、数千、数万の遺伝子の検出が可能になった。現在では、高速シークエンサーの登場により、直接発現している遺伝子を読んで、どこで何が発現しているかを短時間でできるようになった。大量に。。。まさに創造である。ただ、これを行うためには、それまでの単なる分子生物学的手法だけでなく、数学というか、統計処理というか、そうしたことができないといけなくなり、共同研究が欠かせなくなった。

 そうした理想と現実、破壊と創造の結果として、現在があるように思う。というか、この過程で消えゆくもの、新しく登場するものが。。。そういえば、きょうのニュースに「ブルートレイン」廃止へ。。というのがあちこちに。。。大学受験の帰りに始まり、大学、大学院生時代、その後も、ずいぶんとお世話になった。四国・今治からであれば途中からになるが、乗ることができたブルートレインは限られていた。「瀬戸」、「あさかぜ」「富士」、「銀河」。それ以外にも「利尻」、「まりも」、「あかつき」、「北斗星」などにお世話になった。そんなブルートレインが、2015年度末で廃止になるとか。。。新幹線開業と空路の整備の余波であろう。。。ゆっくりものを考えながら、何かをするというのにはよい乗り物だったのだが。。。。のこされた「サンライズ瀬戸」をまた、どこかへ行く時、使ってみようかと。。。そんなことを考えたりした。。。今日の出来事であった。

DSCN0161.JPG
 わたなべしるす

≪ Prev  | diary Top | Next ≫

ARCHIVE