東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

外部評価、アブラナ・ヒマワリ、歴史は繰り返す。。。。(4/24)

2011年4月24日 (日)

 新年度が始まり、この週末からはいわゆる「ゴールデンウィーク(大型連休)」が始まる。ただ、大学の入学式が5/6と言うことが関係あるのか、ないのか、どうも新年度が始まった感じがない。同じように、昨年度が終わったという感じもない。3/11の大地震があって、まだ、頭の中は中に浮いているのかも知れない。こんな脳みそ状態であるが、大地震以降、それなりの決断をして、labにとっての損益が最小になるように「危機管理」を行ってきたつもりであるが、それが良かったのかどうか、どこからか、いわゆる、「外部評価」を受けるしかない。実際、渡辺が行っているプロジェクトにおいても、多くの場合、必ず「外部評価」を受ける。あらゆる部分において、「外部評価」が適正に行われれば、「危機管理」もよりよい方向に機能するのではないかと感じる。誰か、御願いできないものだろうか。。。

 先日の新聞か、netに「セシウム」の回収に、「ヒマワリ」を植えようと。放射能汚染された土壌を改善するために。さらに、堆肥化を行い、体積を小さくして、保存というのを見つけた。「ヒマワリ」だけでなく、「アブラナ」も良いそうである。そういえば、「アブラナ」を栽培するとき、かなり肥料をやってもどんどん育ち、「肥料負け」しないという記憶がある。どんどん、窒素、リン酸、カリを含む肥料をあげていたような。。。この「カリ」つまり、「カリウム」と「セシウム」が植物栄養学というか、植物肥料学という点で、同じような挙動をするようである。つまり、できるだけ、貧栄養の状態でやるのがよいようである。「カリ」はあげないで、「窒素」、「リン酸」だけをあげる工夫をしなくてはいけないのは、最近の高度化成肥料になれている人間にとっては、不自由を感じるが、工夫をして、この「ヒマワリ・アブラナ」プロジェクトが成功し、放射能汚染された土壌が改善されることに、アブラナで役に立つのであれば、ぜひ協力したい。そういえば、5年ほど前に、とあるプロジェクトで、「イネ・アブラナ」を「戦略作物」という定義をして、この作物が重要であると提案したが、rejectされた。今日のようなことがあることを予測した説明を行い、その重要性をもっとアピールできれば、その間の実績で今回の震災に、より大きく貢献できたのではないかと痛感している。

DSCN3096.JPGのサムネール画像 こうした被害をtotalに解決するためには、やはり、人類の全知全能をかけて、解決することが重要であろう。つまり、領域融合を行い、使える科学技術を総動員する必要がある。すでに周知となっているが、「貞観地震」と言うのが、1,000年くらい前にある。それについても、東北大学の10年前くらいの学内の冊子にとある教授が書いていて、警鐘を鳴らしているらしい。つまり、歴史は繰り返すと言うことであり、領域融合は文理融合まで考える必要があるのだろう。そういう意味で、東北大学で行っている高校生教育プログラムの「科学者の卵養成講座」でそうした予測した人がいたことを紹介できなかったのは、科学者の一人として、反省すべきであろう。つまり、こうしたかつての歴史の意味であったり、昔からの言い伝えであったりするものが、その時代の科学というか、英知の全てをもって記したものであるのだろうということを伝えれなかったのは、。。。新しいことばかりに目がいきがちなことを、そうでなく、「温故知新」をすることが、いまのことをする大切なことなのであろう。そういう目で、自分の研究全体を見つめ直す良い時期なのかもしれない。


 わたなべしるす

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