東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

【出前講義】石川県立金沢泉丘高等学校・SSH特別講義「農学・生命科学入門」(5/10, 11追記)

2014年5月10日 (土)

 北陸遠征も3日目。前日の橋立中学校小松高等学校・遺伝子組み換え実験の討論、生物部との議論・アウトリーチ活動指導(この時点で、生物部の指導という記事をuploadできていません。。。。いろいろと他の案件もあって。。。すみません。ようやく、5/11(日), 21:20頃に、その記事をuploadしました。。。あわせてご覧頂ければ。。。)に続いて、金沢へ。以前、片平というか渡辺のlabがある建物のすぐとなりに、旧制第二高等学校の正門などがあると。。。金沢は確か、旧制第四高等学校だったと。今回も時間の関係で、兼六園などいくことはできなったですが、昔は加賀藩の城跡に金沢大学があったような。。震災があった年に卒業したルーペ君こと鈴木君は金沢大・理学部からの学生さんでした(今は、地元茨城で高校の先生をされていると。。。)。また、M2になった辺本さんの地元というより、今回の金沢泉丘高校卒。その意味では金沢には渡辺が東北大に異動してからの10年でもご縁のあるところ。バスでゆっくり町並みを見るのもはじめて。いつもパソコンを抱えているというのはこういうときに困ります。今回は快晴に恵まれたこともあって、校門のところで写真を撮り、また、ここにもwelcomeというか、講義の案内のboardを出して頂いていました。ありがたいことです。

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DSCN2382.JPG ここでの講義は3年連続。一昨年は理数科と今回のように進路関係の講義昨年は時間の関係で、理数科1年生と希望者による自家不和合性とキャリア教育の話。先生方が考えていたよりも多い参加で、教室がほぼ満員に。ありがたいことです。最初にSSH担当の米口先生から丁寧なこちらの紹介を頂き。。。1コマという時間の講義と言うことで、かなり駆け足になりました。どれくらい普段観察しているかと言うことで、食べている野菜、果物などの花を見て、それが何かを回答するということを最初に。わかりやすいウリ科、ナス科のキュウリ、ナスなどはわかったですが、クリ、サトイモなどはわからず。。ただ、サツマイモを知っていたのはniceでした。これらは知っていると言うよりも、身の回りにあったり、田舎に行って畑を見たときに、これは何かと思ってみるのと、ただ、目に映っているのは違うのだと。。。そうした機会はぜひ、見るようにしてほしいと。。。注意力を持って。それが、科学をすると言うことの最初ですので。もちろん、花に限らず、興味のあることでよい訳ですが。。。

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DSCN2387.JPG 次のポイントは、ヒマワリの上のハチ。これがどこから来て、次にどこに行くのか。去年もそうでしたが、と言うか、他の出前講義でもそうなのですが、花の名前と季節が一致しない。。。何より、このスライドの前に、野菜の花を見ている訳で。。。野菜が年中あることで、「旬」と言うのがわからなくなっているのかもしれません。ヒマワリ以外の花で出てきたのが、「チューリップ」。。。これには困りました。春と夏の間を行き来することができるハチさん??。ワープをするのでしょうか。観察をして、しっかり考えることを覚えて下さい。それから、ハチが巣に変えるときに自分の巣でなくて、違う巣に変えると。。。たぶん、こういうハチはいないのではないかと。。。集団性というか、そうした昆虫ですので。。。そのあと、自家不和合性という現象、そのメカニズムとそこに関わる分子メカニズムを。こちらの説明が不十分だったのと、高校までで扱う植物では自殖が普通という理解なのもあって、なぜ、そんなものが必要なのか。かなり不思議なようでした。また、時間の関係で質問の時間のあとで、個別の質問として、メンデル遺伝に使われるエンドウはなぜ、自家和合性なのか。。。もう少しこうしたことも話す時間があれば。。。

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DSCN2395.JPG 話の後半と言うより、最後の10minくらいでしたが、キャリア教育の話。渡辺がなぜ、科学者を目指したのか。そのために高校時代何を学んだのか。もちろん、今から考えてと言うことですが。数学で論理性を磨いてほしいと。。。科学することの基本ですから。高校の1-3年で何を考えて、どの様な職業を考えたのか、また、なにかをするのに、1番であることの大切さ。等、ほとんど時間がなくて、説明できなかったところは、それぞれが資料を読んで学習し、わからないところは、mailなどで質問をして下さい。何より今回の講義がこれからの進路などを考えるヒントになれば。。。最後は、世界に向かって、情報発信。

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DSCN2402.JPG 最後になりましたが、SSH推進室の米口先生、亀倉先生をはじめとする多くの先生方にこの場を借りてお礼申し上げます。また、次年度以降もこうした連携ができればと思います。よろしくお願いいたします。


 わたなべしるす

 PS. 去年に続いての参加という生徒さんも。先生からあとで伺ったのですが、こちらからコメントした返事のシートを探して当日持ってきてくれていたとか。。。。ありがたいことです。

 PS.のPS. いつもSSH推進室に通して頂くのですが、そこには理数関係の様々な本があり、こうした本を高校生の時代から読むことができるというのは、何よりかと思います。渡辺は、いまでいうアウトレットのような形の本を新書で「核融合」を読んだのが、高校2年生でした。もちろん、その本にも刺激を受けて、今でも核融合がどうなるのか、楽しみにしていて、いつだったかのNatureに入力したenergyより出力の方が大きい、つまり、実用に近づいているというのを見て、感動したのを思い出しました。

DSCN2383.JPG PS.のPS.のPS. 国際植物の日のイベントと言うことで、大学から広報用のシール、渡辺の論文の別刷を。別刷に人気があったのはうれしい限りです。サインをお願いされたのもありがたいことです。将来、一緒に研究できることを楽しみにしていますので。


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