東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

【出前講義】福島県立福島高等学校・SSH「課題探究」(課題研究)開講式「SSH課題研究を始めるに当たって」(4/24)

2015年4月26日 (日)

 1年生向けの「キャリア教育講義」に続いて、課題探求・探求クラス向けの講義。課題研究とも言われますが、いずれ、小中学校での自由研究とは違うコンセプトで、いわゆる、問題解決型の研究。日本人は問題解決が苦手というのが、国際調査などで言われているような。。。こうした活動をすることで、少しずつカイゼンされるのでは。。。今年度は、宮城県古川黎明高等学校に続いてと言うことでしたが、同じ日に、1年生向けにキャリア教育の話をしたので、課題研究というか、SSHとして考えないといけない点に重点を置いて。

DSCN6812.JPG 開講式では、教頭先生、SSHのヘッドをされている国分先生から、課題研究を行うためには何を大事に考えないといけないのかと言うことで、コメントいただきました。それをきいたら、渡辺が語ることは、あるのかと思いつつ。。。統計的に処理することの大切さ、つまり、繰り返して同じ実験をやってみること。分散が大きいと言うことは、何かのノイズがあるのか、実験系に問題あるのかと言うことを考えてほしいと。また、文章を書くというのは、それも論理的な文章。これは、高校生ではなかなかやらないこと。このSSHを通じて、是非、文章力を身につけてほしいと。また、昨今は国際性と言うことを随分と言われるようになり、SSHでも。それが、英語をしゃべることができればよいというのではなくて、しっかりした自分自身、日本人としてのidentityというか、これまでの歴史をしっかり理解して、ということは、先月末に「科学者の卵養成講座」で、海外に行ったときにも、受講生の方々には話したこと。SSHでも海外に行くことが多くなりましたが、やっぱり、単に、英語をしゃべると言うことではなくて、コミュニケーションには、その人の様々な面が出ると言うことを。。。

 もちろん、実験をすることが楽しいというのは、最初はOKだと思いますが、一定期間を過ぎれば、そうではなくて、ちゃんとそれをまとめて、文章にしたり、学会で発表すると言うことはとても大事なこと。そのためにも、日々の活動でやったことをきちんとまとめるという習慣もつけてほしいと。

DSCN6814.JPG 質問では、科学が世界を平和、人類を幸せにするかというか、それに近いような質問。これは結構難しい問題。科学が発展すれば、例えば、辞書は電子辞書に。これだと、ピンポイントで、それだけが見えるという反面、めくる途中で偶然見えるものなど、見なくなる。それはそれで。。。と言う問題も。結局は科学を使う側の問題であろうと。ぜひ、SSHをやりながら、考えてほしいなと。。。

DSCN6815.JPG 最後になりましたが、今回の講義の企画などをいただきました、国分先生、橋爪先生、細谷先生、原先生をはじめとする関係の多くの先生方にこの場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。これからもよろしくお願いします。


 わたなべしるす

 PS. 講義があったのは、先週の金曜日。日曜からは韓国出張。朝、研究室でちょっと仕事をしたら、出前講義関連の写真など、全部、研究室のパソコンに忘れ物。。。年なのか、疲れているのか。。。いずれ、忘れないように、いろいろな仕掛けを作っているはずなのですが。。。なので、当日の写真は少しお待ちください。17:00、研究室のメンバーが、写真を送ってくれました。便利な世の中になったというか、何でもやろうと思ったらできるというのか、これが科学力なのか。。。ありがとうございました。

DSCN6820.JPG PS.のPS. 講義のあと、科学者の卵養成講座について、改めて説明会を。例年多くの応募をしてくれているのが、この福島高校から。立派な先輩方も多く輩出しています。是非、しっかりした答案を書いて、1年間、科学者の基礎というか、領域融合的なものの考え方、文章力などを身につけてもらえればと思います。あと、宮城第一高校と同じように去年の受講生からしっかりとしたコメントを。ありがとうございました。きっと、立派になれますから。がんばってください。

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DSCN6819.JPG PS.のPS.のPS. 講義のあとというか、金、土で、生徒さんからmailでの質問も頂きました。難しい課題研究に取り組もうとしている方から、できることなら、ちゃんとクラスと名前くらいは、語ってから質問をしてほしいなという方まで。。。知らないaddressからのmailを開けるというのは、。。。と言うことを考えてほしいなと。。。

 

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