東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

今治市立今治小学校で出前講義(10/2)

2008年10月 2日 (木)

愛媛県・今治市立今治小学校で、「キャベツとブロッコリー」という出前講義を行いました。講義内容は、昨日の日吉小学校と同じものでしたが、小学校、5, 6年生の柔軟な発想力には驚かされました。

今治小学校では、昨年も5, 6年生に講義をしたので、今年の6年生は去年の「自家不和合性」の話を覚えてくれていて、とてもうれしかったですね。ここの小学校は地域との連携がされていて、多くの関係者が見えられ、子供さんたちを支援されていたのは、感心しました。

さて、去年も「自家不和合性が必要な理由を、遺伝的多様性を保持するため」と応えてくれたSuper小学生に会うことができ、光合成、動物と植物の違いなど、こちらが対応を悩ませるような鋭い質問をいただきました。是非、一緒に特別研究員として研究をしてくださいと。。。それから、発表会ではとても質疑が活発で、普段東北地方で講義をしているものからすると、それだけでも、十分刺激的でした。この不思議に思う気持ちを大切にして、大きく成長してほしいと感じました。

さて、本題のキャベツとブロッコリーの交配をしたらという問題に対して、2つのおもしろい発表がありました。1つは、どちらの親に似た植物ができるかという、遺伝的なことをよくわかっている発表でした。もう1つは、キャベツとブロッコリーの祖先である「ケール」に戻るのではというものでした。この2つめの発表には、こちらも驚きました。葉っぱが巻いたり、花が早く咲き房状になるというのは、たぶん、劣性形質を固定したものだと思います。そう考えると、その遺伝子が重複でなければ、交配で相補される可能性があり、野生型に戻る。つまり、「ケール」になるという。単純な発想ですが、以外とこんなこともあるのかと、こちらも考えさせられました。この小学校でも同じように来春に交配をするとのこと。楽しみにしていますよ。

最後になりましたが、ここで、講義をした生徒さんといつか一緒に研究をできれば、こちらもうれしくなります。楽しみにしていますよ。

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