東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

2009年7月の記事です。

ヒトのつながりから、もののつながりへ、。。。。

2009年7月29日 (水)

先週は、Honoluluで国際会議でした。会議の合間に、共同研究をしている先生にアメリカでPDをしている韓国の方を紹介してもらいました。大学・大学院では何をされていたのか、そのあたりはよく聞かなかったのですが、今は、細胞質と核のcross-talkを研究されているとか。自家不和合性では、この現象はあまり関係ないですが、F1雑種育種をするためのもうひとつの柱である、細胞質雄性不稔との関係はあるのかと。

ただ、ヒトのつながりの不思議なことを感じたのは、そのPDの方は、修士の学位を取るとき、韓国のソウルの南にある水原(すいげん・スーウォン)という、日本でいうつくばの農林団地でしょうか。イネ育種の研究所と園芸作物の研究所があるところで研究をしていたと。渡辺は、2回、韓国に行っていますが、2回とも、水原の研究所を訪問しています。そこには、渡辺の研究室の祖ともいうべき「水島博士」の師匠である韓国人「U博士」の記念碑があり、そこへ是非、いってみたいということで、2回とも、訪問したのでした。「U博士」は、韓国では著名で、また、アブラナ科作物の研究者には、「U's triangle」というアブラナ科作物間の関係をゲノム解析から1930年代に明らかにした研究者でもあります。そんな不思議なつながりで、全く異国の人が話ができるのも、国際会議の妙かと思いました。

そんな今から、80年近く前の話。もちろん、アブラナの解析ですが。そんな頃、仙台はどうなっていたのか、ふとしたことで、生協にある本を見つけて、金属研究で著名な「本多博士」のことを書いたものを見て、研究室から現在構築中の新しい建物を見たら。今の資料館の隣のところに、赤レンガの遺跡らしいものが。きくところによると、法文学部の建物の遺構とか。時代を感じるとともに、その当時の赤レンガのまぶしいほどの色合いを見たとき、本学ができた当時の建物がすごいものであったことを実感したのでした。まさに、古いものと新しいものの融合。

建築物だけでなく、研究でも故きを温め、新しいことを見つけるように努力したいものだと思う、不思議な今日この頃でした。

わたなべしるす

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Plant Biology 2009 in Hawaii

2009年7月20日 (月)

7/18~22まで、環太平洋の植物生理学会関連学会が共催の形で、Plant Biology 2009と題して、Hawaii Convention Centerで開催されました。多くのアジア系の人から、もちろん、主催であるASPBのアメリカ人など、国際色豊かでした。日本は、まだ、梅雨が明けるか明けないかといっている時期に、Honoluluでは多少曇りはあるものの、まさに、太平洋の真ん中という好天に恵まれました。

発表のトピック的なものとしては、新規自家不和合性関連因子の解析、シロイヌナズナでの減数分裂特異的遺伝子の網羅的解析、糖代謝関連、等があり、これから、日本のお家芸の、受精、ストレス応答などの発表が目白押しです。そのあたりは、また時期を見て、webでご紹介します。

発表はもちろんのこと、関連研究者と直接、現地で話をでき、情報収集ができることは、これからの研究を考える上で、何よりでした。お会いした人たちと、改めて、新しい共同研究ができればと思っております。

とりいそぎ。

わたなべしるす

PS. 花を研究しているものとしては、たくさんの花があり、形も違うのは、興味深いものがあります。

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和歌山県立日高高校でのSSH特別講義「アブラナ科植物の多様性と自家不和合性」(7/14-15)

2009年7月15日 (水)

 SSH九州地区発信の「ダイコン多様性プロジェクト」(機関校:鹿児島県立錦江湾高校)が採択され、その指導委員を務めることから、第1回目の出前講義でした。ダイコンは、桜島ダイコン、守口ダイコン、聖護院ダイコンのように、形・大きさなどが異なり、辛味の程度も異なります。さらに、海浜地区には、自生・野生化したハマダイコンもあり、こうしたものの、様々な形質、自家不和合性遺伝子を調べることは、とても興味深いことです。

 そこで、こうした多様性、自家不和合性について、SSH特別講義を行いました。さらに、こうした植物の栽培特性などについて、実習しました。担当の先生方がとても工夫され、肥料袋で、栽培したり、大きめの黒ポットでの栽培など、こんなこともできるのだと、感心させられました。

 この地方に多くある、コウヤマキという植物の抗菌性なども調べており、とても高いactivityでSSH活動をされているのが、感動でした。

 8月には、「ダイコン多様性プロジェクト」の全国大会で、10数高のSSH高も参加することから、より高いレベルでの議論、実験が共同でできる基盤を感じたのでした。

わたなべしるす

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クマゼミ、夏休み、それから。。。。

2009年7月15日 (水)

 高大連携の一環で、SSHの出前講義・研究指導で、あちこちの高校におじゃまする。それぞれの研究室・研究科・大学に色があるように、高校にも色がある。ひとえにいえることは、SSHの運営を行っている先生の中心で、いろいろなことに配慮して、考えておられて、いろいろな方向と連携をしようとしている先生がいることである。こうした先生に指導される生徒さんは、とても恵まれていると感じる。高校生の時代はわからないかもしれないが、大学を出て、社会に出たり、研究をしていると、ふとそんな人の重要さを感じる。

 それと、自然に囲まれた環境の大切さかもしれない。生命科学という自然科学を相手にする限り、普段の自然が語りかけるものに、どれだけ目を向けることができるかが、研究の幅を決めるのかもしれない。そういえば、SSH高ではないが、仙台市内の小学校に、理科教育の普及ということで、出前講義に出かけるが、とある校長先生が小さい頃の、自然での体験の重要性を語っていた。自然の不思議、それを理解すること、それが自然科学の醍醐味なのかもしれない。

 大学にいると、夏休みがいつなのか、ふと忘れることがあるが、関西方面出張で、久しぶりに、クマゼミの大合唱を聞いて、夏が来たのだなと実感した。

 来月には、SSHのアブラナコンソーシアム、ダイコン多様性コンソーシアムの運営委員会があり、全国の20校あまりの高校生の方々と会う。彼らがどんな自然と親しみ、アブラナ、ダイコン研究をしようとしているのか、今から楽しみである。

わたなべしるす

PS. ダイコン多様性コンソーシアムがどのようにしてできたのか、JST Newsに取り上げられた。時間のある方は、是非、ご覧ください。

http://www.jst.go.jp/pr/jst-news/2009/2009-07/page05.html

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データベース講習会 in 筑波

2009年7月 6日 (月)

梅雨よ早く去ってくれ~(切実)!!!

皆様こんにちは。。。
湿気にやられそうな、北海道生まれのM1おだで御座います。

7月2,3日の二日間、D2藤岡さん、M1ルーペ、M1おだのイネ研究三人組は農林水産省筑波事務所・電農館で行われた重要形質領域データベース(DB)講習会に参加してまいりました。



講習会ではイネの研究に役立つことが期待される実績のあるDBはもとより、新たに構築された、あるいは、構築されつつあるDBが紹介されました。講師は実際にDBを構築された方々で、主宰されているDBの解説だけでなく、関連のあるDBやリソースの紹介もして頂きました。

端末を操作しながら指導を受けることができ、大変勉強になる講習会でした。DBにはゲノム研究やリソース研究から得られる膨大な情報が蓄積されているので、これらの情報を自分たちの研究に有効活用できれば良いなと思っています。

講習会の懇談会では他大学の学生やPDの皆さんとも話をする機会があり、自分に近い世代の方々が何を考えているかを知れて刺激を受けました。

さあ、今日もがんばろう!


文責 M1 おだ

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