東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

愛媛県立松山南高校でのSSH特別実験「ダイコンの栽培と遺伝的多様性」(10/2)

2009年10月 4日 (日)

 SSH九州地区発信の「ダイコン多様性プロジェクト」が採択され、その指導委員を務めることから、第1回目の特別実験を、松山南高校で行いました。夏に錦江湾高校が主催して、講義、実験を行いましたが、それがどこまで浸透しているのか、また、どの程度実験が進んでいるかを、視察し、指導するということでした。

 松山南高校では、すでにアブラナ科植物のBrassica oleraceaを材料として、キャベツとブロッコリー、ケールなどで雑種をこの春に作製しており、秋には両親とF1雑種を栽培する計画をし、着々と準備をしていたのは、田中先生の指導、生徒さんたちの努力のたまものと思いました。さらに、今後の両親とF1について、どのような形態観察をすることが、鍵となるかを議論できたのは、とても有効でした。

 一方、ダイコンについては、発芽させて間もない、種子を冷蔵庫で低温処理し、春化処理を行っていました。多少、徒長気味の発芽種子をうまくポットに植えるのか、また、そのあとの栽培をどうするのか、等を指導しました。10種類を超える品種を処理し、これから1ヶ月栽培することで、開花することが期待され、この冬が来る前にF1種子がとれることが期待されました。このあたりは、他の高校よりも1年早く、交配実験をやっていたことが、大きく力になったのではないでしょうか。ぜひ、この促成栽培を生かして、来春には、F1個体の開花をさせてもらいたいと思いました。

 1, 2年生が協力して、研究を発展させている感じがとてもすばらしいことだと感じさせられた1日でした。12月のコンソーシアムでの発表が楽しみです。


わたなべしるす

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