東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

【出前講義】沖縄県立開邦高等学校SSH・ダイコンコンソーシアム研究指導「ダイコンの栽培と多様性」(11/5)

2010年11月 6日 (土)

 昨日の特別講義と討論会に続いて、ダイコンコンソーシアムで行われている研究について、実際のダイコン栽培、実験の方法などを討論しました。9月上旬に播種して、ちょうど2ヶ月くらいのところでの観察会でした。これまで多くのSSH高校での植物栽培を見てきましたが、3つの異なる品種はとても立派に育っていました。栽培には、かなり苦労されたようで、ダイコンということで、たくさんの土を入れた袋での栽培という工夫でした。もう1つ栽培が順調なのは、いずれも沖縄の品種を使っていることかもしれません。昨今話題となっている、亜熱帯特有の赤土に適応した品種だからかもしれません(立派に育っている脇には、小さくしか育っていない、火山灰に適応した桜島ダイコンが。。。)。こうしたことを考えても、これまでに多くのSSH実施高校に指導で伺っていますが、2ヶ月、それも亜熱帯で高温ということを考えると、とてもよく育っていました。研究をしている生徒さん、先生の管理が行き届いているからだと。12月にあるコンソーシアムでの発表がたのしみです。栽培されているダイコンの細かな情報は、ダイコンコンソーシアムのHPに近日中にuploadされるでしょう。

DSCN5060.JPG ダイコンを使った研究ということで、栽培をする以外に、辛味成分の測定、抗菌性なども実験をしていましたが、いくつかの壁に当たって困っていました。実験の時間制限、材料の制限など。もう少し間口を広く考えて、実験を考えれば、気持ちも楽に実験できるでしょうと、。

 2日間という限られた時間でしたが、亜熱帯でもダイコン栽培が可能で、楽しい実験ができる素地が構築されつつあるのを見て、うれしくさせてくれました。また、空いた時間で自然観察をしましたが、どう見ても、virusに感染したモザイク症状だなというような植物もたくさんありました。こんなvirusと共存している自然に感動できたのも今回の出前講義の収穫でした。


 わたなべしるす

DSCN5020.JPG

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