今月からM1になりました山村です。
まずは大震災の被害をうけられた大勢の皆様にお見舞い申し上げます。
心に大きな傷を負いながら、誇り高い日本を体現するような立派な態度を貫いている被災者の方々の姿に打たれました。
私は3月11日もラボにいましたが、地震の揺れと被害、その後の市内の大混乱は想像を絶するものでした。地震後には大学の指示により実家・長野に帰り、大学に入って以来最も長い帰省となりました。長野県も北部が大きな被害を受けましたが、実家のある長野中部あたりはいたって通常の生活をしていて、被災地とのあまりのギャップに驚き、周りの人と話していても、大震災の混乱と心細さを十分に伝えきれない、理解してもらえないもどかしさを感じました。仙台を離れても地震のことが頭から離れず、何事にも集中できず自分が自分でないような状態で、周りの人たちが当たり前のように日常の仕事を継続できることが不思議にも理不尽にも感じられたのですが、考えてみれば、東日本にあれだけのダメージがあったにもかかわらず日本が動いていけるのは、被災地以外の人々が日常業務を継続してくれているおかげに他なりません。
思いやりとは何だろうと考えます。10代半ばまでは飢えた子が一人でもいるなら、自分も食べてはいけない不安で眠れない子が一人でもいるなら、自分も寝てはいけないそれが思いやりの形である と思っていました。
今思うのは、辛い人と一緒に泣くのは思いやりのひとつの形ではあるけれど、それが絶対ではない。自分が少しでも有利な環境にいて何かが可能であるなら、その時それを行う、食べられるなら食べ、眠れるなら眠り、学べるなら学ぶ、他人の辛さに共感することは必要だけれど、引きずられずに自分の仕事を継続することもまた必要であり強さなのだと思います。
5月6日には生命科学研究科の入学式が行われます。
良い出会いの春になることと期待しています。
M1 山村 香織