東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

【出前講義】石川県立小松高等学校SSH集中講義・討論会-1(2年生・理系特別講義、生物部員との懇談会、理科教員との懇談会)(10/7)

2011年10月 8日 (土)

 今週の前半には、運営指導委員も仰せつかっている、宮城県仙台第三高等学校でのSSH中間発表会でコメンテーターを務めました。後半は、同じSSHでも、石川県立小松高等学校での集中講義・討論会となりました。お昼前から夕方までというとてもdeepな形での交流ができたのは、幸いでした。

DSCF8273.JPGのサムネール画像のサムネール画像 最初は、2年生の生物受講生の1クラスに理系特別講義として、「自己と非自己の花粉を識別する植物の不思議:自家不和合性--世界トップ水準の研究維持と東北大震災のあと、何を考えたか--」という題で、アブラナ科植物の自家不和合性についてお話しをし、他殖の意義、自家不和合性の仕組みの巧妙さなどを講義しました。最後に、今回の震災で何が起こり、どう行動することが必要なのか、科学はどう貢献できるのかなどを。講義の最初には恒例の作物の花の写真と作物の関係。意外と知らないものが多かったですが、不思議なことに、トケイソウの花を知っていたのは、びっくりでした。これを機に植物にも目を向けて、いただければと思った次第でした。この講義には、校長先生もきて頂き、他のSSHでないすばらしさも実感しました。

DSCF8298.JPG 昼食をしながら、「生物部員との懇談会」が2コマ目。ダイコンコンソーシアムでお会いしたり、オープンキャンパスのおりに研究室を訪問してくれた生徒さんとも再会できたのは、なによりでした。小松高校のこの部活のうりというか、すごいのが、「レインボーフラワー」の研究。色素を入れた水を吸わせて、花を七色に変化させるもの。2年前に伺った折には、ほんと感動ものでした。それが発展して、先月の日本植物学会の高校生発表の部で、優秀研究賞を受賞したとか。さすがです。これから科学を目指す生徒さんたちに、遺伝学のおもしろさ、いわゆるゲノミクスといいますが、1個体のゲノムを決めることは、今は難しいことではなく、表現型を見る目を養うことの大切さも議論できました。ぜひ、そうした目で同植物を観察してみると、違って見えるのではと思いました。もちろん、ダイコンの栽培に関しても。

DSCF8306.JPG 3コマ目が、「理科教員との懇談会」。普段の学部生との関わりは、アルバイトの学生さんくらいなのかもしれないですが、先生方から、大学に行くまでの高校で取り組むべき問題、大学院のこと、進路選択でのポイント、就職状況など、多岐に亘る議論ができました。また、東北大学の今回の震災での影響。その復旧・復興の程度など、東北大を目指している生徒さんのことも考えて頂いているのは、何よりでした。ライフライン、交通網など、仙台周辺ではほぼ震災前に復旧し、大学もまだまだの部分はありますが、講義、実験などにおいて、大きな支障がないこと。なにより、今回の福島原発の影響が仙台市内、東北大にどう影響しているのか、離れているだけにかなり気にされていました。先日も文科省から、放射能の汚染程度が発表がありましたが、幸運にも仙台市周辺は平常値の1.5-2.0倍程度と、押さえられていることを話したところ、多くの先生方が、安心されていたのは、なによりでした。より多くの方々が、東北大に来ていただければと思います。

DSCF8309.JPG 長くなりますので、残り3コマ分の記事は、別枠で。


 わたなべしるす


 PS. 訪問直前に、隣町に空から落下物があったとか。。。訪問中にそんな話になり、結構びっくりでした。。何事もなく、なによりでした。。






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