東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

【出前講義】福島県立岩瀬農業高等学校・特別講義「アブラナ科植物のいろいろ」と交雑実習(5/14, 22追記)

2013年5月14日 (火)

 昨日から比べると、ずいぶん気温も上がり、水田のイネの心配もなく。。というくらいの気温になってくれました。明日にかけては、また下がるというので、真滝にかけないといけないですが。。。さて、昨年の10/22に、「東北活性研ユニバーサイエンス」との合同企画ということで、福島県立岩瀬農業高等学校で、自家不和合性の講義を行いました。その時にお世話になったのが、久保木先生。その後、課題研究などの相談を受けたりしていて、アブラナ科作物を使って、研究ができないかということで。。。アブラナ科作物の多様性と実際に、キャベツ類、ダイコン類などを材料として、交雑の実習をという依頼があり、今回の出張となりました。

DSCN6289.JPG 今回は、時間的にあまり余裕がなかったこともあり、ぎりぎりに伺い、講義と実習と。慌ただしくと言うことは、申し訳ない出前講義となりました。その代わりというか、何とか、天気が持ち直してくれて、福島県の中通りということもあって、日中は交配日和という感じの天気だったのは、何よりでした。講義では、農業高校ですので、作物については知っているものの、こんなものとこんなものが同じ種という感覚は、。。という感じでしたが、普段畑で栽培している分、見慣れた作物もずいぶん多かったのではと思います。キャベツとブロッコリーを交雑したらと言うのを、ほとんど説明もしないで、書いてもらいましたが、しっかり、その特徴と植物としての基本を理解していたのは、さすがでした。また、様々な野菜類を知っているだけでなく、食べたことがあるというのも。

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DSCN6313.JPG 後半は、ダイコンとキャベツを使っての交雑実験。先週の小松高校に続いてです。基本、それぞれの違う品種間での交雑を行いましたが、チャレンジングな生徒さんは、キャベツとダイコンの交雑も。キャベコンというのができるのだと思います。胚培養、倍数化などを行えば。。。生物工学の設備もあるということから、ぜひ、トライしてみてください。何より、こうした活動をしているためだと思いますが、手先が器用なのは、感心でした。秋には、このできた雑種の種子を播種して、親との比較など、やってみてください。そのとき、また、伺えればと思います。

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DSCN6337.JPG 最後になりますが、今回の出前講義を設定頂きました、岩瀬農業高等学校・久保木先生をはじめとする関係の先生方に、この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。これを機会に、これからもよい交流ができればと思います。


 わたなべしるす

 PS. 岩手大の時にお世話になった、内田先生とも講義の合間に少しお話しができました。あの当時は、たくさんの交配をやって頂いたのを思い出しつつ。ありがとうございました。

 PS.のPS. 前回伺った折には、校内の様々な施設の復旧がまだまだと言うことでしたが、今回はずいぶんよくなったと伺いました。何よりだと思いますし、ほっとしましたが、講義との時に見かけた、卓上のクリーンベンチのガラスは、ビニルシートのままでした。何とかならないかなと。。今回も、また、そんな思いを強く感じました。

 PS.のPS.のPS. 5/22(水), 生徒さんからのコメントを頂きました。とてもしっかりした文章で、また、講義から多様性、遺伝以外のことも学んでくれた生徒さんがいたのは、うれしい限りでした。さらに、当日の講義の様子を地元の新聞社、福島民報、福島民友が、それぞれ、「遺伝子の仕組み学ぶ、岩瀬農高で出前講座、東北大大学院 渡辺教授が講義」、「先端の研究学ぶ 岩瀬農高が出前講座」と題して、5/19, 5/17の記事として取り上げて頂きました。ありがとうございました。

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