東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

キャリア、人材、心構え(10/14)

2013年10月14日 (月)

 キャリア形成というか、研究者としてどんなことを考え、どんな風に活きてきたのかということについてのセミナーに出ることがあった。それぞれの人の人生でどんなことがあったのか、どんな決断をしたのかという意味では、なるほどと思いつつ。最後はどこまで歯を食いしばって、絶対にやり遂げるという「任務完遂力」というか「気合いと根性」というか、そんなことをいわれていた方もいた。なるほどと思いつつ。。。キャリア形成はたぶん、その人がどの様な道を歩いてきたのか、その過程でどんな先生、師匠などと出会って、何を考えたのか、そうした考え方、つまり、町中で同じ道を歩いていても、そこで感じる感性は人それぞれなので。。。というと、キャリア形成をどうすればよいのかというのは、答えがないようであるが、そんなこともないのかもしれない。一方で、キャリア教育というのを小学生から高校生保護者に、出前講義でお願いされ、小学校から高校、さらに大学まで、最近ではそのあとのというか、現在までの自分自身がどうだったのかを話す。小さい頃から、将来を考えることの大切さ、大学受験が近くなり、大学、学部を決めるということが背景にある。学部教育を行う時間がほとんどないこともあって、例えば、大学の学部教育で「キャリア形成」というようなことを話すというのは聞いたことがない。というか、そんな講義が開講されているというのはないとおもう。何かの形で「キャリア」のつく講義が設定されればと。。。(すでにされているところもあるのかもしれません。そうであれば、お許し下さい。。。)。

DSCN0062.JPG そんな大学での人材育成というのがはやりというか、話題というか。昔は少なくとも、人材というのは、たぶん、大学生、大学院生に対しては余り使わない単語だった。社会に出ると、そこでは人材という。大学では学生であって。。。卒業をして社会に出ると人材になるのであれば大学にいる間に「人材」として磨き上げるというか、鍛えるというか、そんなことを考えないといけないのかもしれない。自分が学生、院生の頃には、そんなことなど考えてもなかったし、研究室であったり、それ以前のどこかで何らかの形で、身につけていたのかもしれないとしたら、本来は、なぜ、そんな風に変化したかを考えるのが、サイエンスなのだが、。。。それを考えないようにしているのだろうか。ただ、ちまたでは、国際性のある人材、起業力のある人材、リーダーシップのある人材など、人材の前につく単語が多様化し、あふれている。例えば、国際性。どうやったら育成できるのか。教養部の頃の英語、ドイツ語教育では。。。。また、学部、大学院では、英語の論文を読んだり、国際会議に行ったり。国際会議にはじめて出た時には、何もしゃべれなかった。何回目だろうか。一緒に行くといっていた助教授の方が体調を崩して、初めての一人旅。10日余りを一人で。最初は何となくしゃべって聞いていたのが、最後のlabでのゼミの時は、不思議なくらい英語が出てくるし、質問で何を言っているのかも、ありないくらいわかった。。。ただ、日本にもどったら、。。。ふつうになっていた。また、フランスの研究所で同じような研究をしている研究者3名に囲まれて、1hrほどこれでもかというくらい質問攻めに。最初は余り聞き取れなかったが、終わる頃には。。。もちろん、日本に戻ったら。。。。学生の頃に、研究室で英語をしゃべるのは、外国の有名な教授が来た時。必ず、日向先生が院生のところにきて、自分の実験を20minくらいで説明したり、議論するようにいわれた。最近、うちの研究室に外国の方が来ることがないが、その代わり、科研費での海外出張が可能になったり、国内の学会に行っても開国の方に英語で説明することも必要になってきた。そう考えると、昔も今も英語でしゃべる機会はそれなりにあったのかもしれない。

DSCN0043.JPG ただ、こうしたキャリア、人材というのは、やっぱり本人がどう考えているのか、という心構えがないと。。。どんな心構えがいるのか。。。簡単ではない。 そう考えると、自分自身としての人生観、そのために、どんな戦略、戦術で取り組むのか。そのために、今何をすべきで、将来何をすればよいのか。というよう なことが必要になるのだろう。そんなことを考えるための心構えも大切かもしれないが、「心の余裕」というか「遊び心」というか、そんなものもないといけな いと思う。高校までは、ある程度のことを詰め込むというか、受験に向けて基礎学力というのは必要であろうが、大学生くらいの年齢以降なら、そうしたことを 考える余裕を持つようにならないと。。。。とはいったものの、自分はどうだったのか。少なくとも教養部にいた頃までは。。。学部生、大学院生になってか ら。。。もう少し、遊び心があれば。。という気もする。何とも難しい。。

DSCN0054.JPG そういえば、また、台風である。こんなに台風が来ると、また余裕がなくなる。。。今シーズン、一番大きいような台風とか。。。少しでも被害が少なくなってほしい。。。


 わたなべしるす

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