東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

【招待講演】第7回東北大学基礎ゼミFD・ワークショップ講師「作物栽培、観察、経済、双方向コミュニケーションによる毎日が基礎ゼミ」(11/12, 14追記・写真追加)

2013年11月12日 (火)

 今年度は前期、1年生の「基礎ゼミ」を担当しました。実に7年ぶりでした。7年前には「植物の花粉と雌ずいの相互作用とその現象を制御する遺伝子の解析」と題して、サイエンスをやるぞということと、もちろん、観察をしてほしいと言うことの両立を目指したのですが、タイトルがそもそも難しすぎて、集まった受講生のほとんどが第4, 5志望で。。。。なにをしたら、受講生を満足させることができるのかなど、実際にやりながら、苦労したのを思い出します。その間に、出前講義を行ったり、いろいろと講義をするという上で、たくさんのことを学んだような気がします。その反省にたっての今年の基礎ゼミ。「野菜・果物を盆栽として育ててみよう-栽培を通して、観察眼を養い、栽培の大変さも理解してみよう-」と題して、昨年の今頃から、シラバスの登録などを行ったような。。

DSCN0553.JPG 4月になり、受講したいという1年生からmailがきて、作物の栽培知識はないですが。。。というのもあったり、。そうした質問には、小学校時代から考えれば、ヒマワリ、ヘチマなどを栽培している訳で、そのことを思い出して、チャレンジしてほしいと。。。集まってくれたのは、医学部、工学部、農学部、法学部、薬学部、理学部という多様な学生さんでした。講義、ゼミ発表HPへの記事の掲載などを通じて、いろいろなことを学んだのではないかと思います。なにより、4人のチャレンジャーな受講生が、ポスター発表をして、最優秀賞とプレゼンテーション賞のdouble受賞。指導してきた側としては、うれしい限りでした。

 そんな基礎ゼミでしたが、この基礎ゼミを学生さんたちが高く評価頂いたようで、その関係で、次年度、基礎ゼミを担当される教員向けの「第7回東北大学基礎ゼミFD・ワークショップ」の講師に選んで頂き、「作物栽培、観察、経済、双方向コミュニケーションによる毎日が基礎ゼミ--2006年度の基礎ゼミの反省を踏まえて、何を考え、どの様に対応したのか--」と題して、話をしてきました。時間ばかり気になって。。。もう少しこう説明したらとか、あれも話せばよかったというのがあったのですが。。。その後に、ワークショップがあったので、ここでご一緒した先生方には、こちらの意図は通じたと思います。

全体会②.JPG 渡辺の報告のあとには、高等教育開発推進センターの中川先生から「フィールドワークをとおして日本史を学ぼう」というテーマで、学内、大学近郊を調査したり、震災後の古文書の修復、ということにトライされていて、体験を通じていろいろなことを学ぶという点では、渡辺と共通したことではないかと。あと、参加した学生さんからコメント。特に気になったのは「様々な学部からの受講生の受け入れ」ということ。渡辺の基礎ゼミでも多様な学部からの参加でしたし、遺伝的な多様性というのは何より大事ですので。。。自家不和合性を研究しているものからすれば。。3人目は、理学部の板先生、国際高等研究教育機構の田中先生の「【君天】君が天文学者になるセメスター」。田中先生には、科学者の卵養成講座でも、何年もお世話になっております。発展コースで受講して苦労をした卵の受講生がいたのを思い出しました。受験的思考からの脱出。決まったパターンでなくて、自分で考えるということの大切さをいわれていたのは、感動でした。渡辺の基礎ゼミと共通していたのは、できるだけ講義をしない、HPなどを活用した情報交換、身近な疑問をしっかり考える、自分で選択できる、自己責任を持たせる、新しい価値観・教育観。。。などなど。一方、こちらが欠落していた点として「基礎ゼミをどの様に実施するかという実施計画書の提出」。どの作物をどの様に栽培し、できたらどの様に食したい。経費はこれくらいに抑えたい。というようなことをまた、機会があれば、これも枠の中に入れておけば、よりよいものになるのではと思いました。参考になりました。

ワークショップ①.JPG 後半は、3つのグループに分かれて、グループ形式のワークショップ。議論の内容は、材料として使うものの「倫理性」。植物を使っていると、倫理がないのかと言われると難しいのですが、動物の場合は。。というが、難しいところだと思います。MRIを使うとか、材料物性というような倫理とは余り関係ないというような。。テーマはトップダウンか、ボトムアップか。。。ボトムアップがよいのは最もですが、卒論、修論くらいまでは、教員側からテーマを出すという訳なので。。。そう考えれば、この段階で余り背伸びをする必要はないのでは。。。という気がしますが。。。もちろん、いろいろな考え方もあると思いますが。。。今回のことが、次年度から基礎ゼミを行う教員の方々の何らかの参考になれば、幸いです。

ワークショップ③.JPG 最後になりました、今回の企画に招待してくれました関内先生をはじめとする関係の先生方に、この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。また、こうしたことでお役にたてれれば、幸いです。


 わたなべしする

 PS. 会場の前には、渡辺の学生さんが発表したポスターが掲示されていて、左肩には受賞の札も見えました。うれしい限りでした。ありがとうございました。

DSCN0552.JPG PS.のPS. 田中先生の発表スライドに、卵の受講生がいるのを見つけました。第2期生のスライドでした。その時に「君天」をされていた皆さん、元気にされているでしょうか。。と、気になりました。

 PS.のPS.のPS. 後半のワークショップにも科学者の卵養成講座でお世話になっている、浅虫の経塚先生にお会いしました。12月の寒い時期になりますが、今年度の発展コースでお世話になります。よろしくお願いいたします。

 PS.のPS.のPS.のPS. 11/14、朝、全学教育企画係の方から、当日の講義、ワークショップ風景の写真を頂きました。ありがとうございました。全体の会議像がわかりやすくなったのではないかと思います。多くの方々の参考になれば、幸いです。ありがとうございました。

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