東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

【出前講義】金光学園高等学校・SSH探求I課題研究中間発表会・コメンテーター(3/8)

2014年3月 8日 (土)

 2月から週末は荒天になることが多いです。もちろん、全国的という訳でなくて、今週末は、北東北から主に北海道のようです。と言うのも、ニュースで見ているだけなのもあって。ただ、全国的に風が強かったり、今朝の最低気温がかなり下がったのは、共通しているのかもしれません。いずれ、春が待ち遠しいです。

DSCN1827.JPG さて、この土曜日は昨年の6/5以来の金光学園高等学校のSSH探求I課題研究中間発表会のコメンテーター。 今回も生物ゼミを担当。研究材料は、虫、鳥、甲殻類など、今年も多様。繰り返し実験をどれくらいやるのか、どういう素材を使うのか、同じ実験をしたとき、 前の実験の影響がどれくらい出るのか。普段、植物を使って実験をしている訳ですが、植物以外でも、考えることは同じ。なにより、昔の実験(最近は、先行実 験という言葉が定着しているようですが、どうもこの言葉に慣れなくて、使ったことがないのですが、。。ご先祖様の実験という方が。。)でやっていたとき と、今とは時代背景も異なる。その時、昔の実験では何か考えることを見落としていたのではないか、というか、その時代にはそんなことはわかってなかったの で、それを仮定してないとか。。。この議論は、大学で行っている研究でも同じで。。。昔のdataを再解釈するとき、今との時代背景を十分に考慮しないと いけない。こちらにもよい刺激になりました。

DSCN1856.JPG 記録するのポイント。どの様な状態なのか。乾燥しているのか、ぬれているのか。植物だとdry weightという乾物重と言う概念はあります。ただ、収穫してすぐの葉っぱを計ることはそういえばないかも。また、何かを測定するとき、測定の時期、季 節によっても違う可能性も。自家不和合性でも、春は安定していて、秋は少し不安定になります。多様性と環境。これも大事なこと。そういえば、最近はやりのepigeneticsでの実験が、昨日のScienceにreportがあったような。。。時間が忙しくて中身を見られていませんが、タイトルからは。。。もちろん、高校生がepigeneticsまで考えるのは、難しいかと思いましたが、たくさん観察して、違いがわかる眼を持つことはできるし、それが大事なのではと。。。

  最近の高校生も画像解析をするというのは、驚きでした。もちろん、どの研究も基本的なことをやろうとしているとても高校生らしいテーマではないかと。自然 の中での観察が主になるので、その周辺もあわせて観察することができれば、よいのではないかと。。。自分たちが見たいものの脇に「すごい現象」があるかも しれない、そんなことを考えながら。。。

DSCN1860.JPG ここでの指導も今回で3回目だったかと。実際に実験をしている生徒さん、毎日の指導をしている先生を交えて、渡辺のような大学の教員がコメントする場と いうか、交流会というか、発表会というか。課題研究をよりよい方向に進展させるためのよい手法ではないかと思いました。ぜひ、渡辺が運営指導委員を引き受けたり、指導している高校との連携で、この手法を展開できればと思います。

 最後になりましたが、SSH課題研究の指導をされている、森下先生、滝澤先生をはじめとする多くの先生方にこの場を借りて、お礼申し上げます。ありがとうございました。今回のコメントを参考にして、次回さらに研究が発展するのを祈念しております。

DSCN1857.JPG
 わたなべしるす




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