東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

2014年7月の記事です。

柴先生@筑波大が来仙

2014年7月 4日 (金)

今年度から筑波大学の生命環境系で教授になられた柴博史先生がいらっしゃいました。 仙台で行われている新学術領域研究班会議の合間を縫って渡辺研に寄っていただきました。

柴先生は以前、渡辺研と密接なつながりのある奈良先端大において、アブラナ科の自家不和合性に関わる研究をなされており、どえらい業績を残されている先生です。

 

短い時間ではありましたが、研究室内をご案内させていただきました。


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私のようなものに優しいお言葉を頂きました。ありがとうございました。

TaKaDa

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イノベーション、使い倒す、次世代(7/2)

2014年7月 2日 (水)

 遺伝学を使って、植物の遺伝子機能を決めるということを初めて、25年くらいだったと思う。時代の流れに乗って、その時代に使えるものを使って、アブラナ科植物の自家不和合性のことをできるだけ解明してきたと思う。たぶん。その点では、それなりのことができたのかもしれないが、渡辺の研究が何かのイノベーションに貢献したか。。。これは結構難しい。技術開発をしているわけでなくて、その恩恵を受けている方が大きいからであろう。DNAの塩基配列を決めるにしても、最初は、32Pでラベルした核酸を使っていた。その後、蛍光標識されたもの、細いキャピラリーを使うもの。このあたりまでは実験機器として使ってきたが、いまや、次世代シークエンサーといわれ、ゲノム全体を読むことができる。もちろん、値段も下がってきた。そうなってくると、大事なのは、何を遺伝学の世界でやるか。それがイノベーションなのかもしれない。使いたい作物を使って研究をして、苦労もしてきたが、ようやくもっと自由度が出てくるような気がする。そんなイノベーション100というのが新聞にあった。その時代でこれはすごいというもの。新幹線、ウォークマンずいぶん、お世話になった。その中に、マンガ・アニメというのがあった。アニメを見て、博士、教授、科学力というのをすごいと思った。それが科学をやろうと思ったきっかけのような気がする。イノベーションは心の友というか、心のきっかけを作ってくれたものでもある。

DSCN2638.JPG 新しい機器は、その時代時代に使えるものは、可能な限り使ってきた。師匠の日向先生が新しい物好きだったのも影響されたような気がする。パソコンの最速機は常に教授室のであった。ブラインドタッチで、300タッチ/分で打っていた。速かった。勝てなかった。。。という思い出がある。単なるソフトを動かすだけでなくて、計算機として、シミュレーションをされていたこともあった。そんなのを見て、教授室から格下げになって、学生の部屋に来たパソコンはよく使いこなされたものが来ていたような。。。一方、共同研究をするとある先生がよく使われる言葉。「ぜひ、使い倒して下さい」と。共同研究をするために、自分たちので切るだけのものを提供しますので、ということだと思う。パソコンのソフトでもそうであるが、新しい機能が追加されても、相変わらず、昔ながらの機能だけを使っている。新しい機能を使えば。。。それは植物、作物でも、新しく加わった機能を持つようになったのは、どの遺伝子がちがう機能をするようになったからかを明らかにすればよいのでは。というのは簡単であるが。。。そんなことをしっかりと考えないといけない。

 先に書いたとおり、遺伝学というより、ゲノム全体を読んで何とかする、ゲノミクスという単語もある。そのために、次世代シークエンサーをどの様に活用して、何を求めるのか。そこにideaとしての工夫があると思う。そんな機械の次世代だけでなく、人材も次世代育成はずっといわれてきた。アウトリーチ活動もそんなことの一端をになっているのかもしれない。出前講義をすると、児童生徒さんから手紙、レポートをもらう。質問などたくさん書いてある。それを見ると、励まされ、こちらもがんばらないとと思う。そんな中に、渡辺が卒業した小学校6年生からの手紙を読んでいて。品種改良に興味があると。それくらいは、小学生の手紙にはあること。すごかったのはその先、ウマとロバからラバができるとか。日本のイネ育種のルーツとして、「亀の尾」のことがかかれ、単なる知識だけでなく、カイコのように飛べなくするまで育種をする必要があるのかと。。。それをどう思いますかと。。。あまりの鋭さに、。。。こうした次世代をきちんと次の世代を背負って立つ人材にするのも大学の大事な仕事。というのを改めて認識させられた先日の出前講義の手紙でした。ありがとうございました。というか、我が後輩がさらなる進歩というか、進化を遂げることを期待して。。。。

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 わたなべしるす


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【出前講義】福島県立福島高等学校・SSH課題研究前期中間発表会・コメンテーター(7/1)

2014年7月 2日 (水)

 講義に続いて、2年生のSSH課題研究中間発表会。研究テーマは、身近なテーマを取り上げているものから、高校生らしい研究テーマも。研究を行う設計、つまり、なぜ、そのような実験系を組んだのかということは、研究を行う上での基本ですから。また、考察をしっかりすることが大事なのではというテーマもあり、残りの時間で研究の方向性をしっかり考えてほしいと。。。それから、実験で行っている反応系がどの様なものであり、その基礎の部分は理解をして、誰にでも説明できるようにしてほしいと。AとBを混ぜたら、Cができた。でも、その化学反応の部分は説明できないというのでは、プレゼンになってないかと。その当たりの背景はしっかりと理解して、プレゼンしてほしいと。あと、気になったのは、初めての発表と言うことのようで、原稿を読みながらと言う発表班も。たいへんかもしれないですが、自分たちの言葉でしゃべるトレイニングをしてほしいと。。。

DSCN3238.JPG その中でも、2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震による福島第一原発からの放射性物質の放出に伴う汚染状況の測定。。。あれから、3年以上たつ訳ですが、福島市内でも、仙台から比べると、まだまだ線量が高いところも。。。最近のGPSとの組み合わせて日々の活動と線量を地図上に表示するというもの。これまでにも類似の研究を伺っており、それらをまとめて、学術論文として発表するとか。福島の現状を世界に発信する上でも、重要なこと。是非、よい論文としてまとめてほしいと思います。科学者の卵養成講座などでもサポートできますので。この発表会を統括している2年生が、この活動の意義などをしっかりまとめていたのは、感動でした。グループをまとめるというのは、大事ですから。。。

 最後に、渡辺の方からコメント。ここに記したようなポイントをコメントしたくらいですが、何かのヒントになったのであれば幸いです。また、あわせて、先週説明会を行った「科学者の卵養成講座」についても、再度アナウンス。特に、英語力について。。。よりたくさんの応募を楽しみにしております。

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 わたなべしるす

 PS. 校長室を出た廊下に、明治時代の卒業証書を見つけました。時代を感じるもので、。。歴史を知る上では、よい資料というか。。。この歴史から見えてくるものがないのかとふと。。

DSCN3232.JPG PS. 講義のあと、SSHを担当されている先生方、SSHを経験し、現在大学生の方も交えて、今後のSSHのあり方などを遅い時間までdeepに議論できました。ありがとうございました。来月には、SSHの運営指導委員会もあったような。。次回を楽しみにしております。と言うか、今後ともよろしくお願いいたします。

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【出前講義】福島県立福島高等学校・SSH総合特別講義「大学教授から見た高校生の進路選択へのアドバイス」(7/1)

2014年7月 2日 (水)

 ついに、今日から7月。と言うことは今年も半分終わってしまった。。。何が達成できて、何ができてないのか。。。今週末当たりには、それらを少し精査して、残りの半年で何をどこまで達成できるのかと言うことを考えないと。物事が前に進まないのではないかと。。。で、7月最初の出前講義は、福島県立福島高等学校。先週にも「科学者の卵養成講座」の説明会で伺いました。今回は、3年生、つまり、受験生向けにキャリア教育の話。講義内容は、同じくSSHを行っている「香川県立観音寺第一高等学校」、「大阪府立天王寺高等学校」で行ったものと同じ。福島県という自然にあふれたところですので、小学校時代の渡辺と同じようなことをした生徒さんもたくさんいました。もちろん、自然を観察したり、いまだに虫取りをしている生徒さんも。よいことではないかと思います。そうした自然でなくても、学校の周りにもたくさんの自然はありますので、その自然の変化を観察してみてください。新しく建てている校舎も夏にはできるとか。日々、変化をしている訳ですから。。。

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DSCN3233.JPG うっかりしたのは、何かを答えてくれたり、何かイベントをやってくれた方々にお渡しする「Goods」というか、論文の別刷を持ってくるのを忘れていました。また、後日、担当の橋爪先生にお送りします。是非、もらってもらえればと思います。どこでもやってもらう「あやとり」、「ルービックキューブ」。あやとりはほとんどできなかったのは、意外でした。また、「ルービックキューブ」ができたのは、文系の生徒さん。時間がかかると言いながら、こちらが講義をしている間に、気がつかないうちにできていました。niceですね。理系の生徒さんができなかったのは、少し残念でした。高校で何を学び、何を習得してほしいか、もちろん、渡辺が高校生当時に思った訳ではなく、今から考えて、これは大事と思う訳です。そんな風に考えて、残りの受験までをがんばってほしいと。そのためにも、ぜひ、これまで小中高とどの様な職種を考えていたのか、それをしっかりと整理してみてください。それを考えるだけでも、将来は見えてくると思いますので。もちろん、何かのきっかけでこれという方向が見えるというか、これをやろうと思うこともあると思います。渡辺自身、NHK特集「謎のコメが日本を狙う」と言うのを地理の時間に先生に見せてもらったのがきっかけでした。そうしたきっかけを見逃さないためにも、普段からの注意深い観察が重要かと思います。

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DSCN3227.JPG 大学では何を学んだのか。もちろん、今から振り返ってですが。。。それを決めてから、どの様な決断をして、現在に至っているのか。どうせ1回の人生ですから、上を目指してがんばるのもよいことではないかと。。。上には上がいますので。渡辺のあとの工学部の西村先生が言われていたように、これはと言う先生を見つけて、是非、今年の夏のオープンキャンパスで先生と話をしてみて下さい。実際のイメージとこれまでのイメージが重なれば、これはと言う師匠になり得ると思いますので。

DSCN3228.JPG 講義の最後は、最近の高校生に思うこと。座右の銘であったり、組織論であったり。五感をフルに活用して、生きる訳で、イヤホンをして、歩きスマホをするような二感を失って生きていることが、どれだけ危険というか、よくないかを考えてもらいました。明日からの生活にいかしてほしいですね。最後のスライドは、いつものように、組織論。くじけない組織論でがんばってほしいと。講義後、ずいぶんたくさんの質問を頂きました。そういえば、センター試験について、足し算で考えるのでなく、引き算でと言うのを忘れていました。何点失ってもよいのかというのと、何点とらないといけないというのは、かなり心の持ち方も違うと思いますので。

DSCN3230.JPG 講義の前に、田代校長先生、SSH担当の国分先生と昨今の教育問題について。今日の講義内容も含めて議論できました。ありがとうございました。また、講義終了後には、渡辺の講義のあとに分離に分かれて講義をされた、工学研究科・西村先生経済学研究科・長谷部先生と話す機会を頂きました。どの研究科も同じような問題を抱えているのだなと。。。最後になりましたが、田代校長先生、教頭先生、SSH担当の国分先生、橋爪先生、秦先生をはじめとする関係の先生方に、この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。また、SSH活動、科学者の卵養成講座で、よりよい連携ができればと思います。よろしくお願いいたします。


 わたなべしるす


 PS. 渡辺の講義のあとは、工学研究科の西村修先生から理系向けの講義でしたので、拝見しました。やっぱり、学部があるというのは、学部の広報ができると言うこと。。。よいことでもあり、。。。難しいと思いました。大学院でもどの様に入試について広報するのか。。。考えるヒントを頂きました。ありがとうございました。

 PS.のPS. 夜にmailを開けたら、進路に関する相談をmailで頂いていました。答えになったでしょうか。他にも疑問のある方、渡辺までmailをお送りください。

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